カフェ・喫茶店を開業するための全手順と成功する経営のポイント
カフェや喫茶店は、開業のための初期投資が比較的安く、高度な調理技術も不要で出店のハードルが低いため、カフェの開業を夢見る人は非常に多いです。しかし、理想のカフェをオープンするには、華やかなイメージの裏側で、緻密な準備と経営の知識が必要不可欠です。開業後も継続的に売上を出し、店舗を維持していくためにも明確なコンセプト設定や資金計画が必要です。
カフェを開業するために必要な資格や費用といった基礎知識から、物件探しの方法、内装・設備の整え方、さらにはオープン後の経営を軌道に乗せるポイントまで、独立に必要な情報を解説します。小さなカフェでの起業を目指す方も、本格的な喫茶店の経営を志す方も、これから紹介するノウハウをガイドブックとして準備を進めてみてください。
目次
・カフェ業態のメリット(強み)とデメリット(弱み)
・カフェ開業に必要な知識やノウハウを獲得する方法
・カフェ開業までの8つのプロセスと具体的ノウハウ
・カフェ開業にかかる初期費用と予算の目安
・開業後、失敗しないための経営・売上アップのポイント
・カフェ業態の成功事例
・まとめ:理想のカフェを実現するために
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カフェ業態のメリット(強み)とデメリット(弱み)
メリット(強み)
・朝食、ランチ、ティータイム、打ち合わせなど、利用シーンや客層が幅広い
・初期投資を抑えやすく、オペレーションも簡略化しやすい
・比較的利益率が高い
デメリット(弱み)
・客単価が低く、利益額は高くない
・滞在時間が長く、回転しない
・競合が多い
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カフェ開業に必要な知識やノウハウを獲得する方法
カフェで働く
実際にカフェで働くと営業中の雰囲気や業務の流れを体験でき、開業に必要な要素をイメージしやすくなります。将来自分が開きたい店のコンセプトが明確な場合は、類似する業態で経験を積むとより大きな学びが得られるでしょう。
また、雇われ店長として働けば、料理や接客に加え、経営、経理、広告・マーケティング、人材教育など、総合的なノウハウを身に付けることができます。収入を確保しながら開業準備を進められるのも大きな魅力です。
スクールに通う
スクールではバリスタの実習、接客のロールプレイ、メニュー開発など幅広い知識を学ぶことができます。夜間や週末に開講していれば、日中や平日はカフェに勤務しながら受講することも可能です。
中には経営コンサルタントが講師を務める場合もあり、切磋琢磨できる仲間と出会えたり、スクールと関連のある業者や金融機関を紹介してもらえるなど、開業に役立つ人脈を広げられる可能性も。一方、受講料は自己負担ですので費用の工面が必要です。
フランチャイズに加盟する
フランチャイズ店は経営ノウハウ、スタッフの研修、営業時間や定休日に至るまで詳細にマニュアル化されており、企業から経営に関するサポートも受けることができます。知名度のあるブランドであれば集客効果も期待でき、最小限のリスクで開業までの流れを学べるのがメリットです。
一方で、契約先にロイヤリティーを支払う必要があることや、経営や運営上の自由度が低いといったデメリットもあげられます。
コンサルティングを依頼する
個別に対応してもらえるコンサルタントは、自分に必要なサポートと細やかな対応を受けることができます。さまざまな事例を見てきたコンサルタントならではのアドバイスには、自分では気付けなかった発見や学びがあるでしょう。
開業時だけでなく、経営全般のサポートを依頼すれば、閉店のリスクを抑えることもできます。一方、コンサルティング費用が掛かることや、適切な担当者選びに労力が掛かるといったデメリットも。
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カフェ開業までの8つのプロセスと具体的ノウハウ
カフェオープンまでの標準的な期間は、準備開始から約6カ月〜1年です。会社員の方は、融資審査において「在職中」の方が有利に働くケースがあるため、退職時期の判断も慎重に行いましょう。
| ステップ | 内容 | 実施時期の目安 |
|---|---|---|
| 1. コンセプトの決定 | 6W2Hを用いた軸の言語化 | 1年〜10カ月前 |
| 2. メニュー開発・仕入れ先開拓 | 料理・ドリンクの試作、卸業者の選定 | 10カ月〜8カ月前 |
| 3. 事業計画書の作成 | 収支シミュレーション、融資用資料 | 8カ月〜7カ月前 |
| 4. 資金調達 | 自己資金整理、融資申し込み | 7カ月〜5カ月前 |
| 5. エリア・物件探し | 現地調査、内見、賃貸借契約 | 6カ月〜4カ月前 |
| 6. 内装工事・IT設備導入 | 設計、施工、POSレジ・Wi-Fi環境整備 | 3カ月〜1カ月前 |
| 7. 資格取得と各種申請 | 講習受講、保健所・消防署への届出 | 2カ月〜2週間前 |
| 採用・販促・プレオープン | スタッフ研修、SNS告知、試食会 | 1カ月前〜開業日 |
1. コンセプトの決定(1年〜10カ月前)
競合店があふれる中、顧客に愛されるカフェを生み出すには他店と差別化された明確なコンセプトが必要です。ひとくちにカフェといっても、自宅を改装した自宅カフェ、10席以下の小規模店、書店を組み合わせたブックカフェ、キッチンカーのような移動式カフェ、店舗を持たずに週末など特定の日時のみオープンするポップアップ形式など、幅広い営業スタイル・規模の選択肢があります。開業資金を考慮した上で、理想とする店のコンセプトとターゲット層を明確にし、立地や物件を選びましょう。もし、コンセプトをどう決めていいかわからない場合は、以下の「6W2H」の8要素を基に構築しましょう。
・Who(誰に):メインターゲット。年代、性別、職業、ライフスタイルまで。
・What(何を):看板商品。独自の売り(USP)は何か。
・Where(どこで):立地条件。オフィス街、駅前、住宅街など。
・When(いつ):営業時間や利用シーン。朝、昼、夜など。
・Why(なぜ):開業の動機。その街にその店舗が必要な理由。
・Whom(誰と):一人か、パートナーか、信頼できる卸業者か。
・How(どのように):提供スタイル。フルサービスかセルフサービスか。
・How Much(いくらで):客単価の想定。
ポイント:競合店を視察して「自分ならこう変える」という差別化ポイントを明確にしましょう。
2. メニュー開発と仕入れ先の開拓(10カ月〜8カ月前)
メニューは「店の顔」であり「収益の源」です。ドリンクのみを提供するか、フードも充実させるかといったメニュー設計は、ターゲット層の需要を考慮することがもっとも重要です。
SNSにアップしたくなるようなビジュアルのメニューを用意すれば、広告・宣伝効果も期待できます。一方、調理の手間やコストを考慮し、簡単に作れるメニューを増やすのも大切です。開業直後は品数を絞り、軌道にのってから種類を増やしたり、季節限定メニューを用意してリピーターの満足度を高める工夫をしたいところです。メニュー開発のポイントは以下の通りです。
【ドリンク・料理開発のポイント】
・こだわりと安定性:抽出マニュアルの作成や、仕込み(下準備)で対応できる工程を増やし、提供スピードと味を安定させます。
・食材の共通化:多くのメニューで同じ食材を使い回し、フードロスを抑えます。
・五感への訴求:カフェ飯は「見た目」が重要です。SNSで拡散されやすい盛り付けを意識しましょう。
また、提供メニューに応じて必要な商品をリストアップし、仕入れ先を検討しましょう。コーヒー豆を仕入れる場合、安定した在庫を確保するなら大手の卸売業者、豆にこだわるならコーヒー豆専門店というようにコンセプトや目的に応じた選定が重要です。
【仕入れ先の選定のポイント】
・使い分け:コーヒー豆は専門のロースター、野菜は地元の八百屋、消耗品は業務用通販サイトなど、品質とコストのバランスで複数のルートを持ちます。
3. 事業計画書の作成(8カ月〜7カ月前)
・収支計画:客単価、客数、営業日数から利益を計算します。
・リスク管理:売上予測は「楽観・標準・保守的」の3パターン用意します。特に半年〜1年は赤字が続く可能性を考慮し、運転資金に余裕を持たせましょう。
4. 資金調達(7カ月〜5カ月前)
・自己資金:総額の1/3以上が目安。
・創業融資:日本政策金融公庫の「創業融資」が一般的です。無担保・無保証人で利用できる制度があり、個人の強い味方となります。
5. エリア選定と物件選び(6カ月〜4カ月前)
コンセプトやターゲットに合ったエリア選定は集客に必要不可欠。エリアを決めたら、差別化を図るためにも、同じエリアの競合店調査は欠かせません。同じ業態だけでなく、コンビニやファミリーレストランなど、客層やニーズが重複する店は全て対象とし、参考にしましょう。また、物件もどんなカフェを出店するかによって選び方が変わります。以下のポイントを重視して選定しましょう。
・街の動線:昼夜の人口バランス、歩行者の流れ、信号待ちが発生するか、視認性は良いか。
・競合店の滞在時間:周辺カフェの客層や滞在時間を調査し、差別化を判断します。
・インフラの落とし穴:電気・ガス・水道の容量。特に古いビルでは電気容量不足による追加工事費(数百万円単位)が発生するリスクがあります。
・重飲食/軽飲食の確認:本格的な調理をするなら「重飲食可」の物件が必要です。
【競合店調査のノウハウをチェック!】
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6. 店舗設計・什器/備品/設備の導入(3カ月〜1カ月前)
入店しやすいオープンな雰囲気にするためにテラス席を設けたり、イタリアのエスプレッソバーをイメージしカウンター席のみにしたりと、具体的なコンセプトを空間・内装デザインに反映しましょう。
自分が理想とする店とコンセプトが似ているカフェやインテリア販売サイトを参照すると、イメージの具体化に役立つはず。さまざまな人気カフェを見て回り、客層や価格帯とそれに見合った内外装のデザインを参考にするのもいいでしょう。店舗設計におけるポイントは以下の通りです。
・動線の確保:客動線と作業動線が重ならないように配置します。
・IT・DXの活用
〇キャッシュレス決済/POSレジ:小銭の扱いを減らし、売上分析を自動化。
〇店舗Wi-Fi・電源:客層(ノマド層など)によっては必須の来店動機になります。
〇保健所基準の事前確認:手洗い場の数や床材など、工事前に図面を保健所へ持参しましょう。
合わせて、コーヒーマシンなどの機材、冷蔵庫、椅子やテーブルなどの家具、カップやタンブラーなど、カフェ経営に必要な備品も準備しましょう。
7.資格取得と各種申請(2カ月~2週間前)
【必須の資格】
・食品衛生責任者:1日講習を受講。
・防火管理者:収容人数30人以上の店舗で必須。
【必須の申請(申請先)】
・飲食店営業許可(保健所):内装工事完了の10日〜2週間前までに申請。
・防火対象物使用開始届出(消防署):営業開始の7日前までに届出。
・個人事業の開業届(税務署):開業から1カ月以内に提出。
【カフェ経営に役立つ資格】
・日商簿記3級、栄養士免許、調理師免許など。
【条件に応じて必要な届け出】
・菓子製造業許可(保健所):個包装販売や卸しを行う場合に必要。
・深夜酒類提供飲食店営業開始届出(警察署):午前0時以降にお酒を出す場合に届出。
・確定申告書類(青色・白色申告):節税に有利な「青色申告」の申請も同時に行いましょう。
8. 採用・販促・プレオープン(1カ月前〜当日)
【採用と研修】
10席程度のカフェであれば1人、20席以上ならば2人というように、10席あたり1人の割合で雇用を考えるとよいでしょう。一方、従業員数はメニューの種類や内容によっても左右されるため、業態に合わせて検討が必要です。一人や家族のみで経営するか、アルバイトを採用するかなどを決定し、スタッフを採用する場合はオペレーションマニュアルを作成し、育成に注力しましょう。
【販促活動】
店の魅力を伝え、集客につなげるためにSNSの活用は必須です。特にInstagramなど各種SNSのアカウントは利用者の「タグ付け」により拡散される可能性があるため積極的に活用したいところ。そのほか、Googleビジネスプロフィールや「楽天ぐるなび」などのグルメサイトも幅広い客層に店を認知してもらうために効果的です。
また、アナログ手段として地元客への認知を高めるチラシなども有効。ほか、プレオープンやレセプションの機会を設けると、オペレーションの最終調整をできるほか、口コミで開業を宣伝してもらえるメリットがあります。
・デジタル販促手段:Instagram(世界観)、Googleビジネスプロフィール(MEO対策)、グルメサイト
・アナログ販促手段:近隣へのチラシ、ポスティング、ショップカード
【集客アップのためのツール選びはこちらをチェック!】
飲食店の集客アップツール&方法18選!新規客&リピーター獲得のポイント解説
【プレオープンの実施】
• 本番数日前に知人や近隣住民を招き、「試食会」を行います。オペレーションの不備や、近隣への排気・騒音トラブルがないかを確認する貴重な機会です。
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カフェ開業にかかる初期費用と予算の目安
10坪程度の小さなカフェを想定した場合の初期費用の内容と金額の目安を以下にまとめました。
| 項目 | 費用目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 物件取得費 | 100万〜200万円 | 保証金、礼金、仲介手数料など |
| 内装・外装工事費 | 300万〜600万円 | 坪単価30〜60万円程度 |
| 厨房機器・IT備品 | 100万〜200万円 | 冷蔵庫、マシン、POSレジ、什器など |
| 販促費・広告費 | 10万〜30万円 | ロゴ、チラシ、看板代など |
| 運転資金 | 100万〜200万円 | 半年分程度の固定費と生活費 |
| 合計 | 600万〜1,200万円 | スケルトンから作る場合の目安 |
費用を抑える方法
居抜き物件の活用
過去に飲食店だった居抜き物件を選べば、設置費や内装費の大幅な削減が可能になります。
中古機器・リースの活用
設備や備品は中古品やリースを利用することで費用を抑えられます。
DIYによる内装工事
自分で内装工事を行うことで資金を節約できます。
補助金・助成金の活用
各自治体が用意している、創業者向け補助金・給付金、POSレジの導入などに適用されるIT導入補助金など、国や自治体による補助金制度も多数あるので積極的に活用を検討しましょう。そのほか、出資者を見つけて支援してもらったり、共同経営者と開業し、負担額やリスクを分散することもできます。
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開業後、失敗しないための経営・売上アップのポイント
店舗を「オープンしてから」が本当の勝負です。安定した経営のために必要なポイントをまとめました。
1. 「売上 = 客数 × 客単価」の多角化
・店外売上の創出:テイクアウト、コーヒー豆や焼き菓子の物販を強化することで売上の上限を引き上げます。
・稼働率の平準化:集客が弱い時間帯の限定メニューなどにより、席稼働率を平準化します。
2. 徹底した「計数管理」
・FL比率の意識:食材費(F)と人件費(L)の合計を、売上の60%以内にすることを心がけましょう。
・廃棄削減:仕入れの最適化と食材の使い回しを徹底してロスを最小限にしましょう。
3. 「選ばれる理由」を生み出す
・ストーリー発信:SNSで店主のこだわりなどを発信しましょう。
・QSCの徹底:品質(Quality)、接客(Service)、清潔(Cleanliness)を徹底することで、リピーター獲得につなげましょう。
【開業後の安定した経営のためのポイントはこちら】
飲食店経営を成功させるノウハウ徹底ガイド:安定経営の4要素と5つの改善策
カフェ業態の成功事例
週末は行列となり1組1時間制で10回転するという大阪の人気カフェ「hannoc(ハノック)」。パティシエやドリンク開発を行うサービス担当の一人一人がレシピを考案するスタイルで、魅力的な商品を次々と生み出しています。
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「ドリンク」をデザインする!大阪の人気カフェ「hannoc」から学ぶドリンクの魅せ方
「egg baby cafe(エッグベイビーカフェ)」は、御徒町駅高架下にある卵料理専門店。ビジュアル、味ともに完成度の高い名物の半熟卵サンド「エッグベイビーサンド with フレンチフライ」がTV番組やSNSで取り上げられ人気店に。若い女性や外国人を中心に連日にぎわっています。
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御徒町「egg baby cafe(エッグベイビーカフェ)」半熟たまごサンドがSNSで大人気の理由
タルトを中心とした「DISHES and TART SAN」、高級和栗で作る錦糸モンブランの「紗織」、独自製法ミルフィーユの「GARIGUETTE-ガリゲット-」など、“人が集まりやすい業態”を軸にした事業展開で成功しているエイムエンタープライズ株式会社。人間性を重視した採用方針や、モチベーション高く働いてもらうためにさまざまな取り組みを行い、成果を上げています。
【元記事】
エイムエンタープライズ・志賀流!カフェ業態を軸にした人材採用・定着術
まとめ:理想のカフェを実現するために
他の飲食店より参入しやすいカフェや喫茶店ですが、経営を成功させるには明確なコンセプトづくりと集客のための積極的な宣伝活動が欠かせません。まずは「6W2H」を用いて、あなたの理想を言語化することから始めてみてください。
株式会社ぐるなびでは、カフェの開業を考えている経営者様への集客サポートのため、「楽天ぐるなび加盟プラン」による集客アップをはじめ、Googleビジネスプロフィールの運用サポート「Googleビジネスプロフィールまるごとサポート」や飲食店向け台帳システム「ぐるなび台帳」などのサービス・ツールを提供しています。ぜひ、集客アップや安定した経営基盤を作るためにぐるなびのサービス活用をご検討ください。
