開発に2200日かけて完成! 自家製の塩麹でフワトロに仕上げた、発酵鶏レバー串

埼玉・和光にある居酒屋「大人の串焼き専門店 浩治朗」の看板メニューが「究極の発酵鶏レバーネギ塩串」。研究を重ね、鶏レバーを自家製の塩麹に漬け込んでうま味を引き出し、月に500本以上売り上げている。

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究極の発酵鶏レバーネギ塩串

大人の串焼き専門店 浩治朗(埼玉・和光)

「おいしさ」と「健康」の両立を追求してメニューを磨き込み

 埼玉・和光市駅前にある焼き鳥をメインにした居酒屋「大人の串焼き専門店 浩治朗」。看板メニューとして、月500本以上売り上げるのが「究極の発酵鶏レバーネギ塩串」(1本438円)だ。

 オーナーの大久保浩治氏は「実はレバーが苦手。でも、焼き鳥屋のメニューとして外すわけにはいかないので、自分がおいしいと思える鶏レバー串を開発することにしました」と振り返る。試行錯誤の末にできたのが特製のネギ塩ダレを使った「鶏レバーネギ塩串」。レバー特有の臭みと苦みをやわらげた。

「究極の発酵鶏レバーのネギ塩串」(1本438円)。出来たての絶妙なフワトロ感を味わってもらうために、砂時計を一緒にサーブし「賞味期限は180秒!」と伝えている

 評判は上々。一方で、他店と差別化を図るため、「鶏レバーのネギ塩串」を含めたメニューをブラッシュアップ。食材を安価な輸入ものから国産銘柄鶏に替え、ゴマ油は高級国産ゴマ油、塩は岩塩に変更し、素材にもこだわった。その結果、客単価は当初の3,000円から5,000円に上がり、「素材の価値が分かる中高年ビジネス層が増えました」(大久保氏)。周辺店舗との低価格競争からの脱却も果たした。

  • 自家製の塩麹は、1週間かけて作成。麹が持つ酵素には肉をやわらかくする作用があるという
  • 備長炭を使って2〜3分で手早く焼き上げる。ネギ塩ダレの上に刻みネギをたっぷり載せ、仕上げにかつお節の削り粉を振りかける

 2020年3月には、「鶏レバーのネギ塩串」をさらに磨き込み。「コロナ禍になり、自分の原点を見つめ直しました。もともと食への興味は、中学2年生の時に母をがんで失い、“健康な食”を考えたかったから。健康とおいしさの両立を追求しようと思い、東京農業大学在学中に学んだ『発酵』を取り入れました」(大久保氏)。

 まず、塩麹を手作り。この塩麹に鶏レバーを24時間漬け込み、肉のやわらかさとうま味をアップさせ、フワトロの食感に。そして焼き上げた後には、店内で鰹節から削ったかつお粉をたっぷりと振る。「発酵食品であるかつお節との相乗効果で、さらに味わい深くなりました」(大久保氏)。メニュー名は、こだわりが伝わるように「レバーが苦手な店主が2200日かけて完成させた! 究極の発酵鶏レバーネギ塩串」に。提供時には3分計の砂時計を一緒に席に持っていき、「180秒以内に食べてください」と声掛けし、一番おいしい状態で味わってもらうようにしている。

鶏レバーは、抗生物質無添加の飼料で飼育された千葉産の「錦爽(きんそう)どり」を使用。塩麹に24時間漬け込むことで臭みが無くなり、やわらかさとうま味を最大限に引き出している
  • 売りのメニューをしっかり味わってもらうため、メニューランキングのPOPを作成。インパクトのあるキャッチコピーを添えてアピール
  • 店での楽しみを増やすため、クレーンゲームなどを設置。当たりや賞品ゲットでおつまみ一品をサービス

 今では、「究極の発酵鶏レバーネギ塩串」を求めて来店する人もおり、オーダー率は90%超。そのほか、「人生で1番やわらかいと絶賛! 非常識なゴボウの唐揚」「うまくて体にいいドリンク」などメニュー名には注文したくなるようなキャッチコピーを付けて、売りをしっかりとアピール。店内にコインゲームなども置き、おいしさだけでなく、楽しさも感じてもらいながらファンを獲得している。

大人の串焼き専門店 浩治朗(埼玉・和光)
埼玉県和光市丸山台1-10-6 志幸21ビル2F
https://r.gnavi.co.jp/3sccsgcm0000/
2014年11月、埼玉・和光市駅前に焼き鳥専門の居酒屋としてオープン。おいしさとともに健康になる食を追求している。40代を中心とした男性ビジネス層が多く来店する。
オーナー 大久保 浩治 氏
大手外食チェーンで経験を積み、独立。東京農業大学で学んだ知識を生かし、体に良いメニューを開発。名前アートデザイナーとしても活躍しており、来店7回以上した人には「名前アート」をプレゼントしている。