2024/10/17 コラボ企画

本店巡礼の旅!「びっくりドンキー」創業者の魂が宿る感動の1号店

その店の正体を知るなら、やっぱり1号店を訪ねるのがイチバン。ここから歴史が始まったというストーリー性と存在感があります。本店は“ここだけは外せない”創業時の魂が宿る場所であってほしい。今回はブログ「本店の旅」著者であるBUBBLE-B(バブル・ビー)さんに、魂を揺さぶられるほど感動したという「びっくりドンキー」の1号店について語っていただきました。

URLコピー

※スマイラー103号(2024年8月)より転載

1号店は、創業者の魂を感じる特別な場所

――いろんなブランドの店に行かれたと思うのですが、総じて飲食店の魂みたいなものを感じられる店がたくさんあったということですか?

1号店が創業された時はまだ個人事業で、すごく狭小な店舗だったり、駅から遠い辺鄙(へんぴ)な場所にあったり、階段しか無いような雑居ビルの中にポツリとあったりすることが多いですよね。だって都心の一等地にあるような商業施設の中にいきなり1号店をドカンと出せる個人なんていないわけですから。

どんなお店でも最初は1号店で長い時間をかけて成功して、やがて法人になり、お店も徐々に増えていく。でも、最初の1号店は、狭いけど大切にして残しておきたいという創業者のお考えってありますよね。そういうお店を探訪した時には創業者の魂を感じられる気がします。

BUBBLE-B(バブル・ビー) 本名:中島敦(なかじま あつし)
滋賀県大津市出身。飲食チェーン店トラベラー、DJ、ミュージシャン。22歳で上京した時から、チェーン店の魅力に取りつかれる。さらにDJで地方遠征をした時、ローカルチェーン店にも目覚める。2007年から、チェーン店の本店や1号店を探訪するブログ「本店の旅」を開始。月間30万PV、日本唯一のチェーン店探訪ブログとなる。2020年に飲食PRコンサルタントとして独立。PRを通じて飲食店の魅力発信を行う。フランチャイズ業界誌「ビジネスチャンス」誌にて「本店の旅 ビジネスチャンス出張所」を連載中。青島ビールPRアンバサダー。全日本麻婆豆腐愛好連盟「全マ連」代表。

▼ぐるなび公式アカウント▼
【LINE】ぐるなび通信デジタル
【X】  ぐるなび - 飲食店様のお役立ち情報
よろしければ、ぜひ友達追加/フォローをお願いします!

――1番感動したというか、魂を揺さぶられた1号店はどこですか?

「びっくりドンキー」ですね。もともとは岩手県の盛岡にある「ベル」というハンバーグレストランなんです。

今も残る「びっくりドンキー」のルーツ「ベル」(岩手・盛岡)

その「ベル」は当時岩手に6店舗ありました。そんな中、創業者の庄司さんが新たに始めたのが札幌・西野の「びっくりドンキー」です。

「びっくりドンキー」の1号店(札幌・西野)

「びっくりドンキー」は人気店となり今では全国区ですが、盛岡の「ベル」は今でも1店舗だけ残されてるんです。メニューは「びっくりドンキー」と同じですが、看板は「ベル」、箸はし袋にもベルと印刷してあります。1店舗だけ違うブランドとしてやっていくのはコストもかかるでしょうし、チェーン店の効率化に反していると思うのですが、ここは創業時の想いや魂を残すためのお店なのだと思います。

――「ベル」が残した魂、それはどういったところに現れているのですか?

例えば創業時の写真が階段の踊り場に飾ってあったりします。庄司社長が自ら厨房に立ち、ハンバーグを作っている写真がありますね。また、当時のメニュー表も飾ってあります。一時期、以前にベルの店長をしていた方が、退職後も期間限定でベルのドアマンとして働いてくれていたこともありました。そんな歴史を経て、今の「びっくりドンキー」があることを教えてくれる唯一のお店、それが盛岡の「ベル」だと思いますね。

――「びっくりドンキー」の歴史を知っていただく意味で、その存在は大きいですね?

そうですね。歴史をお客様に楽しんでいただく。それがブランド化につながっているように思います。みんなに愛されるお店のルーツは聖地のようになって、全国から「びっくりドンキー」のファンが集まってきます。ファンは「びっくりドンキー」の歴史に触れることで、より深いファンになるんだと思います。

ぐるなびからの最新情報を受け取るのはLINEが便利!
配信頻度は、週1~2回ほど。ぐるなび通信の新記事や、旬な情報が通知されて便利です!ぜひご登録ください。
「ぐるなび通信デジタル」
ご登録はこちらから

――飲食店のブランドにはそういった歴史観が1番大切なのでしょうか?

たとえば、アメリカの「マクドナルド」や「スターバックス」(以降スタバ)の1号店。これらは観光地になっています。歴史的なスポットとして観光ガイドブックにも載っています。世界中何十億人の人が知っている飲食店の1号店ですから、めちゃくちゃ集客力があるし、とにかく人が集まってきます。シアトルにある「スタバ」1号店、コーヒーは近所の「スタバ」と全く同じ味なのですが(笑)、創業のストーリーや歴史を楽しめます。そんな感じでチェーン店を巡っています。

チェーン店は個人店と比較すると匿名性が高く、マニュアル接客で血が通っていないように思われがちですよね。おいしい物を食べた時でも、チェーン店「なのに」おいしい、なんて言われたりと、何かとマウンティングされがちだと思うのです。

――食べることにあまりこだわりのない人が行く店のような?

ローカルチェーン店を含めると600店以上の店を回って飲食店の魅力を伝えている

そうですね、消極的に行くお店みたいな。でも、中の人が動いていることは、個人店もチェーン店も同じですよね。確かに店舗数が増えてくると、コピーのように感じられることもあります。だからこそチェーン店の1号店に行き、お店のストーリーに触れたり、創業者の情熱を感じたりすると温かい気持ちになって、ファンになることがあると思うんです。ファストフードであっても、そこには決してファストじゃない物語があるというか。

――飲食店で一番大切なのはお客様の期待に応えていくこと、それを繰り返していくことですね?

そうですね。店を作ってもすぐに閉めるようなことをくり返すと、そのブランドのファンは付きにくいと思います。流行り物に飛びついて、ネットでの話題性ばかりを気にして作ったお店は、長い歴史と強固なブランドストーリーを持つ飲食店とは全く異質な存在だと思いますね。瞬間最大風速を狙うマーケティングもあるので、それが悪いことだとは思いませんが。

――夫婦で1店舗経営しておられる居酒屋とチェーン店とでは全く違う経営方針だと思いますが、そういったお店に魅力を感じますか?

いや、全く別モノではないと思いますよ。個人の店も長年やっていれば必ずストーリーがあると思うんです。その店なりの思いや創意工夫、大変な時期があって今に至ってるんだと思います。店主が何を目指してどういう価値を提供したいか、そういうことの積み重ねがストーリーを作っていくのは個人店もチェーン店も一緒だと思いますね。

――飲食店のブランドとは、自然発生的にできるものではないということですね?

自然発生に見えて、実はそうじゃないと思います。ブランドとは、すごく手間暇をかけて育てあげるものだと思います。信頼は得るのは難しいけど失うのは一瞬って言いますけど、ブランドもそれと一緒だと思います。強いブランドは、一朝一夕で作れるものではなく、ビジョンを持って、こつこつと毎日積み重ねて、しっかり発信してきたものなのだと思います。

また、ブランドは高級店にのみ宿るというものではありません。むしろ、安いお店ほどお店とお客様との距離が近く、信頼関係が重要になってくると思います。安いからといって原価をケチるだけの『安かろう悪かろう』ではなく、お店の人が一流の味やサービスを知った上で、それをカジュアル化して提供してくれると、お客様は喜びますよね。

安価でもしっかりと「本物」を見せてくれたら、お客様は必ずシビれます。それは一体どういうポイントなのか? そこがブランドの核になると思いますし、それを見つけられるとお店は流行ると思います。

全国のチェーン店探訪ブログ「本店の旅」(画像左)、書籍「すごいローカルチェーン100」2024年4月・イカロス出版(同右)
取材協力:「BUBBLE-B」(バブル・ビー)
karatechno@gmail.com
全国のチェーン店探訪ブログ「本店の旅」更新中
https://1goten.jp/

■飲食業界誌「スマイラー」

“飲食店の笑顔を届ける”をコンセプトに、人物取材を通して飲食店運営の魅力を発信。全国の繁盛店の紹介から、最新の販促情報、旬な食材情報まで、様々な情報を届けている。毎月15,000部発行。飲食店の開業支援を行う「テンポスバスターズ」にて配布中!

「スマイラー」公式サイトはこちら!

Googleビジネスプロフィール(GBP)の運用代行サービスは、ぐるなびで!

ぐるなびによるGBP(旧Googleマイビジネス)を活用したMEO対策・クチコミ対応を含む、飲食店に特化した集客支援・運用代行サービスを紹介します。

【ぐるなび】飲食店向けGoogleビジネスプロフィール(GBP)集客支援・運用代行サービス

飲食店の集客や販促は「ぐるなび」におまかせください!
資料請求・お問い合わせはお気軽にどうぞ

「ぐるなび通信」の記事を読んでいただき、ありがとうございます。
「ぐるなび」の掲載は無料で始められ、飲食店のあらゆる課題解決をサポートしています!