2025/02/03 コラボ企画

家庭料理で地域を魅了する「みなみ食堂」、女性オーナーの柔軟な経営姿勢が常連客をつかむ

大阪市生野区「家庭料理 酒処 みなみ食堂」オーナーの越智(おち) 里沙さんは、自身の食品業界での営業職経験を活かしつつ、来店者の声を積極的に取り入れる柔軟な経営姿勢で、開業から1年足らずで多くのファンを獲得している。繁盛の秘訣は、「おつまみ1,000円セット」や金曜日限定の「テールスープ」、そしてLINEスタンプカードを活用した独自の顧客サービスなど、地域に根ざした経営戦略が光る。

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※スマイラー107号(2024年12月)より転載

地元住民や遠方からの来客を温かく迎え入れるアットホームな飲食店

「家庭料理 酒みなみ食堂」のオーナーの越智(おち) 里沙さん

「みなみ食堂」は、下町らしい温かみと家庭的な味わいを提供する飲食店である。オーナーの越智 里沙さんは、不動産業や介護事業の傍ら、飲食店経営という新たな挑戦に乗り出した。開業のきっかけは、「いつか小料理屋をやってみたい」という越智さんの夢と、飲食店を始めたいという知人の声が重なったことだという。自身が店に立つことになる予定はなかったが、経営の軸足を“お客様の声”に置いた結果、地域の人々から愛される店へと成長した。

「来店されるお客様の声をしっかりと聞き、その場で取り入れる柔軟さが大事だと考えています」と越智さんは語る。日々の試行錯誤を経て生まれた数々の工夫と商品は、その姿勢の表れだ。

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顧客の声から生まれる新たな価値

越智さんのお祖母さんの店の味を再現したテールスープは、金曜日限定で提供
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「みなみ食堂」の代名詞とも言えるのが、「おつまみ1,000円セット」だ。このセットは、おかず3品とワンドリンクがセットになったリーズナブルなメニューで、提供開始から常連客に絶大な人気を誇る。越智さんによると、このセットは「お客様からの声がきっかけ」で誕生したという。

「最初は大皿に盛り付けてカウンターに置いていましたが、『少しずつ盛り付けてほしい』『セットにして売り出したらいいのでは』などのお客様のアイデアがきっかけで、現在の形になりました」と越智さん。おつまみセットだけでビールを何杯でもいける!と絶賛する声も少なくないようだ。

また、金曜日限定で提供される「テールスープ」は、越智さんのお祖母さんの味を再現したものだ。「祖母が営んでいたテールスープ専門店の味が忘れられず、自宅で試行錯誤しながら作り始めました」と話す越智さん。金曜日になると、常連客が鍋を持参してテールスープをテイクアウトする光景も見られるという。こうした顧客との共創で生まれたメニューが、多くの人を惹きつけている。

さらに、マグロなどの足の早い食材については、生のままでは提供が難しい場合、鍋料理として活用する工夫が光る。「食品ロスを防ぎながら、まぐろを鍋に使うことで新しいメニューの提案にもつながっています」と越智さん。こうした柔軟な取り組みが、同店の持続可能な経営の一端を担っている。

LINEビジネスなどのツールを活用した集客戦略

  • 少人数の宴席などにも使用されるテー ブル席
  • 常連客との話が弾むカウンター席

越智さんは、SNSを活用した独自の集客施策にも力を入れている。その一例が「LINEスタンプカード」だ。来店ごとにスタンプを押し、10回目にはワンドリンクと小鉢1品が無料で提供されるこの仕組みは、常連客の来店頻度を高めるのに大きな効果を発揮している。

さらに、LINEビジネスなどを活用し、毎日の営業情報やおすすめメニューを配信する取り組みも行っている。「最初は『通知が多くて煩わしい』と言われることもありましたが、『これを見て、今日はみなみ食堂に行こうかなと思い出せる』などとお客様から好評をいただけるようになりました」と越智さん。越智さんだけでなく、スタッフと分担して運用できる点が強みだという。

デジタル施策により、「みなみ食堂」は地域だけでなく遠方の新規顧客ともつながることに成功している。特に、グルメサイトやLINEを通じて店を知った顧客が「食堂という名前に惹かれてきた」というケースも多いという。地域密着型の飲食店として、こうしたデジタル活用は今後さらに大きな可能性を秘めている。

ランチ営業開始で新たな地域需要の掘り起こしへ

家庭的な味わいが人気の「みなみ食堂」。スタッフは全員女性

「みなみ食堂」は、次の挑戦として、2024年12月からランチタイム営業を開始する予定だ(2024年11月取材時点)。「夜営業が中心の地域だからこそ、昼営業を行うことで新たな需要を掘り起こせると考えています」と越智さん。ランチ営業の目玉となるのが、1日限定20食の「お弁当ランチ」だ。簡単で手軽に楽しめるメニューを提供することで、昼間の顧客層を取り込みたいという狙いがある。

また、金曜日限定の「テールスープ」を活用した「テール定食」の提供も予定されており、夜だけでなく昼間も看板商品の魅力を発揮する形だ。ランチ営業開始の背景には、同店が手がける介護事業で必要とされるお弁当製造との効率化もあるという。「同じ時間帯で弁当とランチメニューを作ることで、より効率的な事業運営を目指していきたいと思います」と越智さんは語る。

地域密着型の「みなみ食堂」は、新たな挑戦を通じて地域の飲食シーンをより豊かにしようとしている。その姿勢は、飲食業界の経営者に大きなインスピレーションを与えるものとなりそうだ。

文:KAZUN
1973年東京生まれ、大阪市在住。某業界で25年以上の取材経験。食べること、アルコールが大好きで、飲食店経営の取材に魅力を感じて「Smiler」のライターとして活動を開始。マイブームは「Chat GPT」
取材協力:家庭料理 酒処 みなみ食堂
住所:大阪市生野区田島1-3-19
https://r.gnavi.co.jp/2tm6u5f60000/map/

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