更新日:2022.10.14
目次
■秘策1【看板メニュー】
・この味に会いたいから来店する! 6種類のロールキャベツで成功
「kama kama kitchen Assemble」(東京・蒲田)
・奄美の郷土料理「鶏飯」を売りにお店のファンを多数獲得!
「合点くろうさぎ」(神奈川・海老名)
■秘策2【メルマガ】
・ターゲットを絞った配信で、お得な情報をアピール!
「CITA・CITA ~丸ビル~」(東京・丸の内)
■秘策3【Facebook】
・Facebookを新たな常連作りに活用
「フレンチレストラン アラジン」(東京・恵比寿)
【消費者アンケート】「常連にしているお店」はどんな店?
飲食店にとって、お店のファンを作ることは一番大切。そのためにはさまざまな方法で売りをアピールすることが必要だ。自ら発信、実践することでリピーターの獲得に成功したお店を、「看板メニュー」「メルマガ」「Facebook」「ポイントカード」「チケット」「接客」「料理教室」の7つのテーマで紹介。前編は、「看板メニュー」「メルマガ」「Facebook」の事例を取り上げる。
【後編はこちら】
常連客をもっと増やす!店から仕かける7つの秘策 後編
秘策1【看板メニュー】
「あの店に行ったらこの料理を食べる」。客にそう思わせられる看板メニューがある店は強い。オリジナリティーあふれる味は、リピーター獲得の大きな武器になる。
この味に会いたいから来店する! 6種類のロールキャベツで成功
東京都大田区西蒲田8-22-3インペリアル蒲田104
http://r.gnavi.co.jp/p973900/
サボイキャベツを使ってオリジナルメニューを開発
2008年に東京・蒲田にオープン。「1日の乗降客数は多い駅ですが、洋食店が少ない場所。そこで勝負をしてみたかった」と語る代表取締役の久本洋氏。成功の秘策として看板メニューに置いたのが、ロールキャベツだった。
「家庭ではなじみのある料理ですが、看板メニューにしている店は少ない。そういうメニューで人を呼び、リピーターを獲得できたら」と、オープン前からオリジナルレシピを考え続けていたという。そんな中で目をつけたのが、サボイキャベツ。ヨーロッパではよく食べられている、葉の表面が縮れているキャベツだ。
「日本では生産量が少なく、主に輸入ものになるので価格も高いですが、ソースが絡みやすく、シャキシャキ感がしっかり残ります。これを蒸すことで独特の甘みを出し、オリジナルのロールキャベツを作ろうと考えました」。具には豚皮、豚足を使い、コラーゲンも豊富。美容によいと言われるクルミも入れることで、女性にアピールできる一品に仕上げた。
ソースの種類も季節ごとに変え、常時6種類を用意。珍しいキャベツと目にも鮮やかなソースの組み合わせで、インパクトを与えることに成功した。また、パーティコースには必ずロールキャベツを入れ、様々な味をみんなで取り分けて食べることができるように工夫している。
「食べた方が友人を連れてきてくれたり、週末にはファミリーのリピーターもできました。売りのメニューがあることで、宴会コースなどの打ち出しもしやすくなりましたね」と語るように、今ではこの看板メニュー目当てに多くの客が足を運んでくれ、着実に知名度を上げている。
さらに、メニューブックのトップにはサボイキャベツの説明を添え、ぐるなびでも6種類の味を詳細に掲載。ロールキャベツを前面にアピールしつつ、「誕生日のお客様がいれば、店全体で祝う雰囲気を作り、そこにいた人が別の記念日などに利用してくれるようなサービスを心がけています」と、リピーター獲得のためのさらなる努力を続けている。
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奄美の郷土料理「鶏飯」を売りにお店のファンを多数獲得!
神奈川県海老名市中央2-4-5中山ビル2F
http://r.gnavi.co.jp/g743906/
鶏ガラを5時間煮込んだスープで自慢の味作り
奄美大島の郷土色を前面に打ち出し、2008年3月にオープンした「合点くろうさぎ」。同店が当初から看板メニューに据えているのが「鶏飯(けいはん)」だ。
「奄美大島の家庭でおもてなし料理として親しまれてきたものですが、提供している店は少なく、この郷土料理を入口に店のファンになってほしいという願いがありました」と店長の三宮秀樹氏。
ご飯に鶏肉やしいたけ、パパイヤの塩漬、錦糸卵、紅しょうが、青ねぎ、レモンの皮、ゴマ、海苔などをトッピング。そこに鶏スープをかけて食べる。お茶漬けのようにサラッと食べられ、あっさりとした味は、飲んだ後のシメとしても好評だ。ご飯をおひつに入れて提供する2~3人前用のほか、1人前のミニ鶏飯丼としても提供。さらに、すべてのコースメニューに組み込み、奄美の名物・鶏飯が食べられる店としての印象を強め、リピーター獲得の要になっている。
ここに来なければ食べられないという味の決め手は、鹿児島産の鶏ガラを5時間煮込んで作る秘伝のスープだ。
「鹿児島産の鶏ガラは透明なスープが取れ、ご飯にかけたときの具材との相性も抜群です」。さらに、鶏ガラからにじみ出るコラーゲンが含まれたメニューとしても鶏飯をアピール。美容や健康に気を使う女性客にも人気を広げている。
初来店の客にも「鶏飯」を知ってもらうために、各テーブルに置かれたメニューブックには、シメのおすすめの一品として最後のページに大きく掲載し、奄美大島の郷土料理であることと、そのおいしい食べ方を細かく紹介している。また、ぐるなびの店舗ページでは、カスタムページで大きく打ち出すほか、「売れ筋メニュー」にも登録。「店舗口コミページ」では、ユーザー投票による人気ランキングで、鶏飯が1位に選出されている。
「一度来店してもらえれば、好きになってもらえる自信がある」。三宮氏がそう語るように、鶏飯をはじめとする料理と豊富なお酒のラインナップ、サービスで、新たなファン作りに奮闘する毎日だ。
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いま好調な店はココが違う!店を支える看板メニュー
秘策2【メルマガ】
新メニュー、旬の食材、店舗情報など、さまざまなトピックを直接アピールできる。定期的な配信と工夫で、お客の店選びの選択肢に常に残るよう心掛けたい。
ターゲットを絞った配信で、お得な情報をアピール!
東京都千代田区丸の内2-4-1丸の内ビルディング 5F
http://r.gnavi.co.jp/g763318/
クーポンで顧客情報を獲得し、利用目的も同時に把握
「ぐるなび大学」に参加し、販促のノウハウを受講したことを機にメルマガ配信を開始。「当店では、『一度来店したお客様』へのアピールが弱く、直接〝来店を促す〟ことのできるメルマガは、リピーター獲得のチャンスだと思いました」と語るのは店長の八木大介氏。
「まずは顧客情報の収集からスタート。ぐるなびのクーポンページを持っていらっしゃるお客様が多かったので、メールアドレスなどを記入いただき、会員登録を促しました。と同時に、『幹事』『ビジネス層の宴会』『女子会』『観光』など、利用目的や人数、年齢なども余白に記入し、ニーズもデータ化。今後は可能な範囲でターゲットごとに内容を変えたメール配信を考えています」。
月2回の配信は、ぐるなびの配信代行サービスを利用。「情報量は多すぎてもよくない。専門の方に的確な文言とデザインを送ってもらうことで、助かっていますし、勉強にもなります」と、担当者との綿密な打ち合わせを欠かさない。メルマガ配信を始めて約半年、コース利用客にワインボトルをサービスした際には、ファミリーが来店するなど、予想外の効果も見られたという。今後も、メルマガを使った販促に力をいれていく予定だ。
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下のグラフは、携帯電話で毎回目を通すメルマガのジャンルをユーザーに聞いた結果(上位5ジャンルを抜粋)で、「食」が1位!予約がほしい曜日の数日前や、ビジネス層なら夕方以降など、メルマガ配信のタイミングも考えたい。
秘策3【Facebook】
SNSで世界最大のユーザー数を誇り、日本でもユーザーが急増しているFacebook。お店に興味を持ったユーザーと関係を深めれば、来店にもつながってくる。
Facebookを新たな常連作りに活用
東京都渋谷区恵比寿2-22-10広尾リバーサイド G1F
http://r.gnavi.co.jp/gas5500/
ネット時代だからこそ、店舗から正しい情報を発信
1993年に東京・広尾にオープン。外からの光や風を採り入れられる居心地のいい空間と、オーナーシェフ・川崎誠也氏の「いつまでも記憶に残る料理」が多くのファンを持つ、フレンチの名店だ。
「お店についてネットで流れている情報は、間違いもいっぱいある。だからこそ、店側から正しい情報を発信する必要があると考えました」と語る川崎氏。
そこで、ホームページ、ブログと続けて開設し、2011年にはぐるなびに加盟。店の基本情報を発信しつつ、同時にFacebookの活用も始めた。「まだ手探りの状態」と言うが、自ら撮影した料理写真とともに、おすすめのメニューやレシピ、旬の食材などを紹介している。
また、世界中にユーザーがいるFacebookなら、来店することの多い外国人客へのアピールも有効だという。
店のFacebookページを見た人に、「また、あの料理を食べたい」と思ってもらいたいと語る川崎氏だが、同時に「オープンから18年が経過し、新規客を増やすためには、常に新しいことを発信していくことが大切」という。新たな常連客を増やすため、腕をふるう毎日だ。
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月に1回以上来店する客は常連!おいしさと居心地が決め手
飲食店の安定した経営に欠かせないリピーターや常連客。そこで、常連の店があると答えたぐるなびユーザー780人に、上のQ1~Q3の質問に答えてもらった。
Q1を見ると、常連店への来店頻度は「月に1回くらい」がもっとも多く、28.3%という結果に。次いで「2~3週間に1回くらい」が26%、「週に1回くらい」が20.9%となった。月に1回以上常連店に行く人は80%を超えており、この人たちが友人・知人を連れてくることや、口コミ効果を考えた場合、改めて大切にしなければばらない存在だということがわかるだろう。さらに言えば、月1回以上の頻度で来る客を店は常連と認識すべきということだ。
Q2に対する結果を見ると、常連店での平均支払額は1000円以上、2000円未満が最多に。さらに、3000円未満と答えた人は合わせて61.1%となった。その一方で、3000円以上、5000円未満も20.9%と高い数値を示し、業態にによっては、高単価の常連客をつかむことも可能ということがわかる。
さらに、常連店の好きな点を聞いたのがQ3。圧倒的に多かったのは、「味があう・おいしい」で70.1%。「居心地がよい、長居ができる」(37.3%)、「価格以上のお得感がある」(36.9%)がそれに続く結果に。どうしたら常連になってもらえるのか、ここに挙がった項目を参考に、自分のお店を見直してみるのもいいかもしれない。
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