更新日:2022.10.17
目次
・常連作りとディナーへの誘導にも役立つポイントカード!
「TRATTORIA LEON」(京都・北野白梅町)
・次回来店を促進するチケットは客単価アップにもつながる!
「PASTA BAR Hinata-bocco」(東京・中野)
・“完全現場主義”で実践的接客トークを学び、「1対1に強い接客」を習得
「鉄板焼 鉄板創作串料理 鉄板神社」(大阪・福島)
・リピーター率8割超のカギを握る、チームプレーの接客と教育
「博多もつ鍋 はらへった 本陣」(東京・錦糸町)
・料理教室はリピーター獲得への種まき続けることが大切!
「Café Serré」(東京・東銀座
飲食店にとって、お店のファンを作ることは一番大切。2回にわたってさまざまな仕掛けでリピーターや常連客の獲得に成功している店を、「看板メニュー」「メルマガ」「Facebook」「ポイントカード」「チケット」「接客」「料理教室」の7つのテーマで紹介。後編では「接客」「ポイントカード」「チケット」「料理教室」で好循環を生む店をピックアップ!
【前編はこちら】
常連客をもっと増やす!店から仕掛ける7つの秘策 前編
秘策4【ポイントカード】
来店した回数だけ特典サービスがもらえるポイントカードは、客にとってもお得なもの。うまく活用すれば、低コストでリピーター拡大が狙える。
常連作りとディナーへの誘導にも役立つポイントカード!
京都府京都市北区北野下白梅町67-3MOMOビル1F
http://r.gnavi.co.jp/kag2500/
ショップカードを利用してポイントカードを製作
2011年4月、京都の北野にオープンしたばかりのカジュアルイタリアン。繁華街ではなく、あえて住宅街に出店した理由を、「地元の人たちに足繁く通ってもらえる、地域に愛される店が作りたかった」と、オーナーシェフの田中康二氏は話す。そのため、開店当初から近隣の人たちにどうやってリピーターになってもらうかが最重要課題だった。
「ショップカードは開店と同時に作ったのですが、ポイントカードは準備していませんでした。そこでショップカードの裏にスタンプを押してポイントカードと兼ねることにしました」と田中氏。
アルバイトの女性スタッフに100円ショップで買ってきてもらったスタンプは、動物の足跡模様。コストがかからないうえに、愛嬌のあるスタンプが店のイメージと重なり、予想以上に好評だという。
ポイントのシステムは、初回来店時にスタンプが2個押され、その後は来店ごとに1個ずつ。スタンプが10個たまると、1000円の食事券になる。基本的に対象はランチ客だけだが、なじみの客に求められれば、ディナーでもスタンプを押すこともある。また、食事券はランチでもディナーでも使用でき、ぐるなびのクーポンなどとの併用も可能だ。
5月から始めて、現在ではランチ客の6割以上がこのポイントカードを活用するようになった。週2、3回来店してくれる常連もできて、すでに食事券を使った客もいる。逆にディナーで使うために食事券を貯めている人もいて、リピーターの獲得とともに、ランチからディナーへの誘導にも役立っている。
「ポイントカードの特典に対して、サービスしすぎじゃないかと言われることもあります。でも大事なのはまず、店に来てもらうことだと考えています」と田中氏。すでに、店のコアなファンもいて、自ら申し出て、店名とスタッフの名前入りのポロシャツを、店のユニフォームとして作ってくれた人もいるほどだ。
販促では、ツイッターできめ細かい店舗情報の発信も始めた。さらに、「今後は顧客情報をしっかり管理して、誕生日や記念日のお客様に特典を提供するサービスもやっていきたい」と、より客と距離が近い店づくりを目指している。
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[Topics] お店を選ぶ際にポイントカードの影響があると回答した人は約80%! 有効活用してリピート促進を
下の円グラフは、外食で飲食店を選ぶ際、ポイント(スタンプ)カードがあることが影響するかどうかを聞いた結果。まったく影響しないと答えた人は21.9%で、80%近い人がポイントやスタンプを貯められることが、お店選びにおいて少なからず影響すると答えている。カードの形やポイントが貯まるシステムなどはお店それぞれだが、飲食店にとってポイントカードがリピーターを獲得し、その来店頻度を上げる大きな武器の一つになることは間違いなさそうだ。また、貯まったポイントに対して与える特典サービスは、店の印象や好感度を上げることにもつながる。さらなる有効活用を検討したいところだ。
秘策5【チケット】
次回来店したときに使える食事券として、直接的にリピートを促進するチケット。再来店日でサービス内容を変えるなど、独自の工夫をすればより強力なツールになる。
次回来店を促進するチケットは客単価アップにもつながる!
東京都中野区東中野4-26-12佐藤ビル1F
http://r.gnavi.co.jp/a925600/
ディナーの集客拡大を狙い次回使えるチケットを開発
新旧のマンションや商店が点在する東京・東中野の住宅街に、2000年にオープン。一人暮らしの大学生やビジネス層、ファミリーまで、幅広い人気を得ている地元密着型の店だ。
自慢は、粗挽きのデュラム小麦を使った、モチモチした食感の生パスタ麺。「麺は"無加熱製法"で作られ、毎週3回契約工場から直送してもらっています」と語るオーナーシェフの北田清氏。
パスタメニューは、ペペロンチーノやカルボナーラ、ジェノヴェーゼなどの定番を中心に、常時約30種類と多彩なラインナップでリピーターを飽きさせない。また、ランチでも毎日9種類のパスタを用意しつつ、日替わりランチの内容をツイッターやブログで発信している。
オープン以来、ランチを集客の入口として仕掛け、無期限のポイントカードを発行してリピート促進につなげてきた同店。さらに、2006年からはディナーの集客拡大も狙い、「ご利用感謝チケット」を利用するようになった。
「気軽に立ち寄ってほしい店なので、パスタだけを食べて帰られるお客様ももちろん大歓迎なのですが、アラカルトやワインを楽しんでくださる高単価のリピーターの獲得も不可欠だと考えました」。
ディナーの支払額5000円ごとに、次回来店時に割引サービスを行なうチケットを作った理由を、北田氏はこう語る。
また、チケットを導入してからは、狙いだったディナー客のリピート率だけでなく、客単価の面でも効果があったという。
「このチケットの存在がすっかりお客様に認知された現在は、『あと一品で、チケットがお渡しできるのですが』と、声をかけることも可能になりました」。
さらに工夫したのは、10日以内に再来店すれば500円、20日以内なら300円、30日以内なら100円と、早く再来店するほど割引額が高くなるというユニークな仕かけだ。割引率の高い10日以内に再来店して、チケットを利用する客がもっとも多く、週に5~6組が訪れる。
また、このチケットはランチでも使えるため、昼の来店客数にも好影響を与えているという。一度来店した客が、またすぐに再来店したくなる。そんな心理に訴える効果抜群のチケットだ。
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秘策6【接客】
接客は絶対的な正解がないだけに、お店の理念や考え方がストレートに反映される。料理がおいしいことが大前提だが、接客が生み出す「特別感」もリピーター獲得の近道。
"完全現場主義"で実践的接客トークを学び、「1対1に強い接客」を習得
大阪府大阪市福島区福島7-7-10
http://r.gnavi.co.jp/ka0z602/
どんな時でも笑顔で接し「間違いない店」と高評価
2010年にオープンし、スタイリッシュな内装と接客力で急成長。ビジネス層のグループから女性やファミリーまで、幅広い客層を獲得している。「人通りが少ないなら、店が人を引き寄せる力を持てばよいのです」と、自信を見せるのは株式会社寿幸代表取締役の田中寿幸氏。
飲食店には珍しく、全スタッフの9割が正社員だ。福島店では通常、35席に対してスタッフ7名と数が多いのは、対面営業を基本にしているからで、「1対1に強い接客」を教え込まれる。「仕込みや調理など、人対物はデータ化できても、人対人のデータ化は難しい。当店ではフリートークが主体であるため、いわゆる『接客マニュアル』はありません」。
また、幅広い話題作り、客を喜ばせる笑いの感覚などは、ロールプレイングなどではなく、リアルな接客から学んでほしいとの考えから、新人はいきなり現場に立たされる。質の高い料理を提供しつつ、客の体調や機嫌、どんな対応を求めているのかまで見抜く、高度な接客を体得するためだ。スタッフにも、しゃべりの得意不得意はあるはずだが、「できないならば、まずは笑顔。相手に話してもらうことに重点を置きます」と田中氏。
なるほど、ユニフォームに書かれた「常笑軍団」は同店のスタイルの象徴だ。「常笑」ができたら、それが「常勝=流行る店」になると考え、スタッフ全員が、常に笑顔を意識する。
また、接客時の声の大きさも時間帯で調整。満席時=ピークタイムでは、その場の活気を重視して静かめに。開店直後の17時頃や椅子が空いている時間帯は、力の発揮どころ。「笑顔と元気なかけ声で活気を投入するように」と意識する。
さらに、創作串のレシピから、素材のグラム数、何秒で串を刺すかまでを詳細に記した「仕込みマニュアル」を全店共通で使用。効率化を図りながら、接客に集中する仕組みを作った。また、全スタッフの得意・不得意、体力・調理スピードなどもデータ化。各店舗の集客動向や立地に合わせ、スタッフの個性を熟知して、人員配置のバランスも考えている。
「『ここに連れて来れば、間違いない』という、最高の褒め言葉をいただいたこともありますし、徐々にリピーターが増えているのは、接客力が上がっている証拠です」と田中氏。"常笑"気流に乗った今後の展開が期待される。
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接客の心得やスタイルに迫る! できるサービスマンはここが違う
リピーター率8割超のカギを握る、チームプレーの接客と教育
東京都墨田区江東橋4-26-18 高橋ビル1F
http://r.gnavi.co.jp/e215200/
全員が同じ情報を共有可能な「司令塔システム」を考案
2008年11月にオープンした、博多もつ鍋の店。「お客様が気持ちよく飲食できるようにホスピタリティを追求しますが、大切なのはあくまで料理です。当店では、スタッフにお客様をつけるのではなく、『はらへった』の暖簾(のれん)にお客様をつけるという考え方です。接客はその手段のひとつです」と語るのは、マネージャーであり、教育部長の片田健司氏。スタッフ全員が同じ価値観のもとで接客することを重視し、新人のアルバイトには、店のルール、接客の「いろは」はもちろんのこと、社会人として必要なマナーも徹底的に教えていく。
「新規客をリピーターにつなげ、常連客へと導く」ストーリーを常に考えている同店が、効率的かつ、客の印象に強く残る接客を行なうために考案したのが、「指令塔システム」。これは日替わりで、店舗全体の目配りをしつつ、全スタッフに指示出しする「指令塔」役を1人置くもの。営業時間中、すべての権限は指令塔にあり、店の誰しもが指令塔の指示に従わなければならないというのが特徴だ。ホールスタッフは、テーブルに案内したときの客の様子、新規か常連か、来店の目的など、知り得たあらゆる情報を逐一指令塔に伝える。そして司令塔はそれを整理し、テーブルごとに料理を出すスピードを調整したり、サプライズのサービスを行ったり、客の性格などを伝えて共有する。
「例えば、Aさんが担当していた新規客のテーブルに、Bさんが行くことになったとします。その際、司令塔はBさんに事前に新規客であることを伝えているため、『本日は初めての来店ありがとうございます』といった声がけが可能です。お客様は初めて接するスタッフでも、自分が初来店という事実を知っていることに新鮮な感動を覚えます。その結果、店に対して信頼と親近感が生まれ、リピーターにつながる確率が高くなるのです」とは、初代女将の扇谷笑氏。
また、同店の伝票には「R」と「を記入する項目が設けられており、席への案内時やファーストオーダー時などに、リピーターなら「R」、新規なら「新」にチェックを入れる。3回目の来店とわかれば、「R」の前に「3」を記入。これなら、誰がどのテーブルでオーダーをとる場合でも、目の前の客が新規客か、リピーターかどうか一目瞭然、会話に変化をつけやすくなる。
湧き出るアイデアと、芯の通った経営理念、そして実行力が融合した接客スタイル。今後の展開から益々目が離せない。
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下のグラフは、「常連店がある」と答えた780人の、「最も気に入ってる常連店」について聞いたもの(複数回答。上位5項目を抜粋)。これを見ると「大盛にしてくれた」「お土産をくれた」といった物質的なサービスより、スタッフとのコミュニケーションがカギになっているといえるだろう。
秘策7【料理教室】
飲食店で開かれる料理教室は、プロの技が学べるという参加者のメリットだけでなく、その後のリピーター獲得にも役立つという店側にもメリットのあるイベントだ。
料理教室はリピーター獲得への種まき続けることが大切!
東京都中央区築地1-13-1ADK 松竹スクエア2F
http://r.gnavi.co.jp/g793100/
売りのメニューの味を料理教室で知ってもらう
オープンから10年。白を基調としたスタイリッシュなダイニングは、天井の高さが7メートルと開放感も満点。東銀座駅から徒歩1分という好立地も手伝って、土・日はウエディングなどのパーティの予約でいっぱいだ。そんななかでも店長の高橋和宏氏は、「比較的余裕のある平日のカフェタイムや、土・日のパーティ前の時間を活用して、リピーター獲得につなげる何かができないか」と考え、料理教室のアイデアを温めていた。そんなときに「ぐるなびクッキング」の話を聞き、開催を決意したという。
料理教室も「うちの味をしっかり知ってもらえるチャンス」と捉え、売りである洋食メニューのオムライス、クリームコロッケ、ハンバーグステーキをメインとした教室を、これまでに3回開催。告知はぐるなびと、高橋氏を中心としたスタッフの来店客への声がけが中心だ。
「タイミングをはかって声をかけたり、常連のお客様には、メールでお知らせしています」と、日頃から客とコミュニケーションを取ることを大切にする店作りが、ここでも効果を発揮している。
料理教室はデモンストレーション型で、試食も含めて約3時間。家庭でできるような料理のバリエーションも伝授する。
教室参加者の来店への誘導効果については、「すぐに売上に反映するとは思っていません」と、高橋氏は語る。だが、「当店は、パーティで初めて来店するお客様も多い。最初にパーティ会場としての印象を持たれると、普段使いの店として、意外に再来店への壁があるのです。でも、料理教室で当店を初めて知ってくれた人は、何かあったときにパーティや宴会を開く場所として選んでくれるのではないかと考えています」。実際、これまでの参加者で、パーティの予約をしてくれた人もいる。なかには、親子3代の参加者もいて、世代を超えたリピーター作りの土台にもなったと実感している。
毎回、料理教室の参加者にはアンケートへの記入をお願いし、それをもとに開始時間やメニュー、進め方などを改善しながら、回を重ねている。
「今は種まきの期間。続けることで必ず芽が出ると思っています。お客様との絆をさらに強くする料理教室が、今後の店づくりにも必ず役立つはず」という高橋氏。「料理教室で出会ったカップルがウエディングを当店で、という流れができたら最高ですね」と夢を語ってくれた。
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