2011/11/15 繁盛の法則

昼も夜も気軽に立ち寄れる親近感あるバール業態とは

窯焼きピッツァ約20品目を核にランチやバールのメニューを構成。生地も店内で手作りし、石窯でこんがりと焼き上げるピッツァ約20品目を500円から楽しめるとあって、東京・恵比寿の「凹voco(ボコ)恵比寿店」は、ランチもディナーもフル回転している。

URLコピー

凹voco 恵比寿店

路地に面したビルの1階にあり、天気のいい日はオープンスタイルで営業する

Key Point

  1. ほとんどの商品を500円で提供
  2. イタリアンをベースに和風の要素を加味
  3. 赤、白各3種の日替わりグラスワインが好評

窯焼きピッツァ約20品目を核に
ランチやバールのメニューを構成

生地も店内で手作りし、石窯でこんがりと焼き上げるピッツァ約20品目を500円から楽しめるとあって、東京・恵比寿の「凹voco(ボコ)恵比寿店」は、ランチもディナーもフル回転している。恵比寿駅から徒歩5分ほど、路地に面したビルの1階にあり、店舗規模は17坪22席。店内にはオープンキッチンとカウンター席があり、店頭にワイン樽をテーブルにした6席を配し、天気のいい日はオープンスタイルで営業している。2007年に開店し、経営元は東京・渋谷に本社を置く株式会社サンクスプラスである。同様のワンコインピッツァ業態の姉妹店として、東京・渋谷に「渋谷voco凹shibu」、木場に「QI-BAR(キバール)」がある。

平日14時までのランチタイムは、ピッツァ15品目、パスタ2品目を、単品各500円、ドリンクつきの「Aセット」600円、ドリンク、サラダ、スープつきの「Bセット」700円という、低価格のランチメニューとして提供する。昼の客単価は580円で、1日に50~60人が来店している。

夜も、ピッツァは17品目が500円、6品目が1,000円で、好みでトッピングを追加することができる。そのほか、前菜、サラダ、肉料理、魚料理、グラタン、デザートなどのフードメニューが約40品目、ビール、ワイン、カクテル、ソフトドリンクなどのドリンクメニュー約70品目もほとんどが500円で、気軽な利用を誘引している。夜の客単価は2,500円で、1日平均50人が来店する。

ピッツァの生地は1枚125gで、昼も夜も同じサイズ。ナポリ風のピッツェリアで提供されるボリュームのあるピッツァよりやや薄めだが、カウンター席だけの店舗でカジュアルに食べるには、ほどよい量といえよう。もっとも人気が高いのは、ピッツァの定番ともいうべきマルゲリータだが、イタリアンにこだわらず、パイナップルをのせる「ハワイアン」、お好み焼き風の「下町スペシャル」など、遊び心を加えて商品化しているアイテムも多い。また、パスタでは自家製トマトソースのナポリタン、和風明太子おろしパスタ、和風生姜焼風パスタといった、和風の「名物 焼きパスタ」も提供。テーブルの上には割箸を置いておくなど、イタリアンバールを日本人に馴染みやすいようにアレンジした形態をとる。

キッチンの中央に設置されたピッツァを焼く石窯は、ガスを熱源とし、小型だが庫内温度は400℃ほどに上がるパワフルなものだ。この石窯を利用し、窯焼きキャベツ、窯焼きジャーマンポテトなどの窯焼き料理もそろえている。

ベーコン、サラミ、タマネギ、ピーマンをのせたピッツァの「ミックス」500円は、昔ながらの喫茶店のピザトーストを彷彿とさせる。「窯焼きキャベツ」500円は、バルサミコ酢、ガーリックオイルなどでシンプルに味つけし、石窯で焼いたもの

リーズナブルな価格のワインをグラス主体に提供

夜は、フードとドリンクの売上構成比がほぼ半々で、2店目の利用でドリンクを中心に楽しむ客も多く、21時以降もコンスタントに集客している。アルコール類の中ではワインがよく出ており、ドリンクの売上構成比はワイン5割、ビールとカクテルが各2割、ソフトドリンク1割となっている。ワインは、イタリア産にこだわらず、フランス、オーストラリア、南アフリカ、チリなど、様々な産地の良質でリーズナブルなアイテムを選んでいる。また、しばらくグラスワインは赤、白1種ずつを固定していたが、今年7月に菱田孝之店長が就任してから、以前のように、赤3種、白3種を日替わりで提供するように戻した。そのため、現在はワインのオーダーの中ではグラスワインが約7割を占めるようになっている。

同店がワンコインピッツァとワインを主力に、昼、夜ともに強い集客力を見せている要因は、以下のようになるだろう。

1昼も夜も、ほとんどの商品を500円という、わかりやすく手頃な価格で提供している。
2イタリアンを基本にしながら、和風のアイテムを加え、親近感を感じさせる商品を開発している。
3赤、白各3種の日替わりグラスワインを用意し、ドリンク類の中でワインが5割を占めるほどの支持を得ている。

客層は20代から熟年層まで幅広いが、女性客が約7割を占めており、また男女ともひとりで来店するお客も珍しくない。菱田店長は、「常連のお客さまも多いので、今後は一品料理ももう少し工夫したいです」と前向きに語る。10月末には同店初のハロウィンイベントとして、仮装して来店したお客はドリンク1杯無料などのサービスを実施した。今後も常連客を楽しませる仕掛けを随時工夫していく考えだ。

住所
東京都渋谷区恵比寿1-6-1 グリーンハウス高橋1F
TEL
03-3447-8929
営業時間
11:30~翌3:00(土16:00~、日祝16:00~24:00)
定休日
無休