2011/12/20 特集

基本を見直す!客席クレンリネス(2ページ目)

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模範店に見る、客席クレンリネス

効率的なクレンリネスを確立し、より良いお店作りに活かしている模範店に、日々実践している、5分でできる客席周りの清掃の仕方について教えていただいた。ぜひご参考いただきたい。

客席のクレンリネスが自発的な掃除意欲を育む

神戸・三宮の人気店「琉球料理 金魚すさび」は、小山昇氏が提唱する(前頁参照)「環境整備」をベースにした、シンプルで効率的な店内クレンリネスを実践している模範店舗である。

「私たちのお店では新しくスタッフが入ったときに、いかに清掃が大切かをまず最初に伝え、初日から必ず店内の清掃を実践してもらいます」とは、同店店長代理の上村弥寿子氏。

同店は店内クレンリネスを3つの柱に大別(下の図を参照)。店内を細かくエリア分けし、それぞれに設けられたルールや制限時間に従って清掃や整頓を行なっている。なかでも、もっとも力を入れているのが客席周りのクレンリネスだ。

「客席の清掃は食器を下げてから次のセットを組み直すところまで、1テーブルにつき5分以内で終わらせる決まりになっています。とはいえ、ただ単にテーブルを拭くだけではなく、床やカスター(調味料入れ)も決められたとおりにきれいにするので、研修で全員がテストに合格できるまでストップウォッチで計測しながら何度も練習を繰り返します」。

客席をはじめ、トイレのクレンリネスも1日に何度も行なうことで、店内のほかの箇所の汚れにも敏感になり、やがて空き時間があると自発的に店内の清掃を行なうようになるという。

「スタッフ全員で1カ月かけて短時間の掃除をする"ニコワク活動"という試みを始めて、いまでは清掃項目が70カ所を超えるまでになりました。そういう細かな気づきが、最終的にはお客様に対するより良いサービスにもつながっていくと思っています」。

金魚すさびの店内クレンリネス3大柱

もっとも頻繁に行なう掃除。客席は使用されるたびに5分間でクレンリネス(次ページ参照)を実施。トイレと通路の床は毎日2回、朝の開店前とランチタイムの営業が終わった後に必ず清掃する。
ワールド・ワン・グループで実践している「ニコワク活動」の一環として、ひとり1日5~15分の清掃をする活動。あらかじめ決められた表に従い、最終的に1カ月かけて全従業員で約70カ所を清掃する。
月に一度、グループ全店で実施される環境整備点検に向けて行なう清掃。日々のニコワク活動では補えない箇所や、これまでの点検で指摘された清掃が行き届いていない箇所を重点的に手がける。

環境整備チームによる月1回の点検

社内の環境整備点検チームが、月1回グループの全12店を訪れ、店内の隅々まで清掃が行き届いているか、働きやすい環境が作られているかを一斉点検。結果は点数化し、順位が発表される。

ユーザーアンケート 2

上のデータは、飲食店で不快に思ったことを複数回答で聞いた結果。中華や焼肉業態では、「テーブルやイスのべたつき」が1位。やはり油を多く使う業態は特に清掃への配慮が必要といえるだろう。一方、和食と洋食では、いずれもトイレの清掃が1位に挙がった。トイレの清潔さが店の評価に直結することを肝に銘じておくべきだろう。2011年10月31日~11月4日実施「お店の衛生に関するアンケート」(ぐるなび調べ)
琉球料理 金魚すさび
店長
上村弥寿子 氏2008年9月、株式会社ワールド・ワンに入社。グループ内の別店舗でホールスタッフを務めた後、2010年2月より現職。現在はワールド・ワン・グループ全体の環境整備点検チームのリーダーだということもあり、クレンリネスには人一倍強いこだわりを持っている。
琉球料理 金魚すさび
兵庫県神戸市中央区磯上通7-1-19
プログレスKOBE 6F
営業時間/11:30~15:00、17:00~23:00
客席数/90席 客単価/4,500~5,000円
http://r.gnavi.co.jp/k678706/本格的な琉球料理が楽しめる人気店。ホスピタリティ溢れる接客も好評で、近隣で働くサラリーマンやOLを中心に多くのリピーターを獲得している。

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