模範店に見る、客席クレンリネス
効率的なクレンリネスを確立し、より良いお店作りに活かしている模範店に、日々実践している、5分でできる客席周りの清掃の仕方について教えていただいた。ぜひご参考いただきたい。
客席のクレンリネスが自発的な掃除意欲を育む
神戸・三宮の人気店「琉球料理 金魚すさび」は、小山昇氏が提唱する(前頁参照)「環境整備」をベースにした、シンプルで効率的な店内クレンリネスを実践している模範店舗である。
「私たちのお店では新しくスタッフが入ったときに、いかに清掃が大切かをまず最初に伝え、初日から必ず店内の清掃を実践してもらいます」とは、同店店長代理の上村弥寿子氏。
同店は店内クレンリネスを3つの柱に大別(下の図を参照)。店内を細かくエリア分けし、それぞれに設けられたルールや制限時間に従って清掃や整頓を行なっている。なかでも、もっとも力を入れているのが客席周りのクレンリネスだ。
「客席の清掃は食器を下げてから次のセットを組み直すところまで、1テーブルにつき5分以内で終わらせる決まりになっています。とはいえ、ただ単にテーブルを拭くだけではなく、床やカスター(調味料入れ)も決められたとおりにきれいにするので、研修で全員がテストに合格できるまでストップウォッチで計測しながら何度も練習を繰り返します」。
客席をはじめ、トイレのクレンリネスも1日に何度も行なうことで、店内のほかの箇所の汚れにも敏感になり、やがて空き時間があると自発的に店内の清掃を行なうようになるという。
「スタッフ全員で1カ月かけて短時間の掃除をする"ニコワク活動"という試みを始めて、いまでは清掃項目が70カ所を超えるまでになりました。そういう細かな気づきが、最終的にはお客様に対するより良いサービスにもつながっていくと思っています」。
金魚すさびの店内クレンリネス3大柱
環境整備チームによる月1回の点検
社内の環境整備点検チームが、月1回グループの全12店を訪れ、店内の隅々まで清掃が行き届いているか、働きやすい環境が作られているかを一斉点検。結果は点数化し、順位が発表される。