2012/01/31 繁盛の黄金律

1店の超繁盛が多店舗化の出発点になる

店数を増やして、売上も大きくしたい。誰でも考えることです。あわよくば、100店舗、200店舗規模のチェーンにしたい。これも多くの店主(経営者)が夢想しますが、成功することはまれです。

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Vol.5

まずは100皿以上売れる一品を持つこと

店数を増やして、売上も大きくしたい。誰でも考えることです。あわよくば、100店舗、200店舗規模のチェーンにしたい。これも多くの店主(経営者)が夢想しますが、成功することはまれです。
全国に広がる大チェーンも始めは1店だったのですから、夢想することは自由ですが、現在の店が大繁盛していないのに大チェーンを考えても、そんな夢は実現するはずがありません。

とにかく、1店をメチャクチャに繁盛させること。これが多店舗化、チェーン化の出発点としなければなりません。そして、メチャクチャに繁盛している店の看板メニューが、これまたメチャクチャに売れていなければなりません。目安として、単品で1日100皿を売ることが最低条件です。多店舗化の起爆力は、あくまでも一品の商品力であることを肝に銘じておくことです。
商品力とは、高品質・独自性・価格力、この3つの要素の組み合わせです。マクドナルドのハンバーガーや牛丼チェーンの牛丼、サイゼリヤのミラノ風ドリアなど、何でもいい、大チェーンの主力商品を思い浮かべていただきたい。この3要素がきっちりとおさえられていることがわかります。他の追随を許さないものを持っています。

独自性というと、現在この世にないものを…と考えてしまいがちですが、そんなものはもうありません。すべての商品は出尽くしてしまっています。その商品群の中から、独創性のある商品を生み出すことこそ、メチャクチャ売れる商品開発であります。

老舗・専門店の看板メニューを半値で売ることを目指そう

アイデアの宝庫は、繁盛している老舗と専門店。天ぷら、うなぎ、寿司、蕎麦、カレーでもハンバーグでもいい。彼らの店の看板メニューを半額で出せないものか、と考えてみることです。長年磨きこまれてきた商品でありますから、中身については折り紙つきです。ただし、価格が高いために注文数が増やせないでいるケースが多い。彼らの商品を、基本的に質を変えないで半額にする。これが実現できれば、超繁盛は間違いありません。

「そんなこと無理に決まっている」と思ったら、そこで負けです。トレードオフ(大事なものを残し、特化させて、捨てる部分は捨てる)の考えを徹底させれば、必ず実現できます。しかも必ずと言っていいほど、よく売れて、よく儲かる商品が生まれるものです。発想を切り替えれば、半値は必ず実現できます。

株式会社エフビー 代表取締役 神山 泉 氏
早稲田大学卒業後、株式会社 柴田書店に入社。「月刊食堂」編集長、同社取締役編集部長を経て、2002年に株式会社エフビーを発足。翌年、食のオピニオン誌「フードビズ」を発刊。35年以上もの間、飲食業界を見続けてきた、業界ウオッチャーの第一人者として知られる。

※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

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