2019/05/28 特集

店の“顔”を磨いて人を呼び込む! 魅せるファサードで集客UP!

飲食店にとって、ファサードは“店の顔”となる重要な部分。視認性や情報発信に力を入れる飲食店に取材をし、その狙いや効果を取材。また、店舗デザイナーにもファサードの重要性とポイントについて話を聞いた。

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売りの鮮魚を効果的にアピール。ターゲットの集客に成功

鮮魚個室居酒屋 神保町 魚酒場ピン(東京・神保町)

立体感を演出して印象付け。外から店内が見える工夫も

 東京の地下鉄神保町駅から徒歩1分。大通りから1本入った人通りの少ない路地に、2015年3月オープンした「鮮魚個室居酒屋神保町魚酒場ピン」。店名どおり鮮魚が売りで、「30~40代のビジネス層が仕事帰りに気軽に立ち寄れる店を目指しました」と、代表取締役の福田和吉氏は語る。

浮き玉やトロ箱、魚のイラストなどで、売りの“ 魚介” をアピール。立体感が出るよう、照明の角度にもこだわっている

 店のデザインは、外装・内装ともに旧知のデザイン会社に依頼。入口を入ると左手にカウンター席があり、奥の座敷席や個室に続く通路には、浮き玉を天井から吊るし、漁場の活気を表現している。

point 1
看板、排気ダクト&照明で立体感を演出

大きく店名が入った看板や排気ダクトがインパクト大。照明を当てる角度も工夫して、立体感やおしゃれな雰囲気を演出している

 そんな同店のファサード(正面部分)には、店の売りや特徴を伝える工夫がなされている。「ファサードは、店の情報を伝える大切な部分。店の前を通る方に興味を持ってもらうため、何をどう発信するか熟考しました」(福田氏)。まず、店内と同様に浮き玉を店頭にぶら下げ、いたるところに魚や波のイラストを入れるなどして、魚介が売りであることを視覚的にアピール。また、店名が入った看板や排気ダクトなどに照明を当てて効果的に光と影の濃淡を作り、日が落ちると店全体が立体的に浮き上がるようにした。「こだわったのは“目立つけど、派手にはしない”ということ。そのため、色は多く使わず、茶色と黒を基調に落ち着いた雰囲気にしました。これは、ターゲットであるビジネス層に、“活気ある雰囲気だけど、落ち着いて飲める店”と感じてもらうためです」と福田氏。

point 2
賑わう様子と店内空間をほどよく見せる

窓ガラス越しに、外からカウンター席の賑わいが見える。一方、店内にいる人が視線を感じないよう、ポスターなどを目隠しに活用
point 3
中央のイラスト&店名は、明るく目立つように工夫

ファサードの中央にイラストや店名を入れたパネルを配置。背後から光を当てて看板全体を明るく目立たせ、アイキャッチに

 さらに、店の前に鮮魚店などで使うトロ箱を積み、その上に「メンチカツ」「焼豚ねぎまみれ」といった、魚以外のメニューなどを書いた木の板を並べている。「魚が売りであることは、店名やイラストで十分わかるはずなので、魚ばかりをプッシュせず、ほかのメニューもあることを強調して、幅広いニーズに応えられることを訴求しようと考えました」と、福田氏は狙いを語る。ほか、店の外から窓ガラス越しにカウンター席が見えるようにし、店内の活気や雰囲気が伝わるように。これは、店内のスタッフが店の前にいる人に気づきやすいメリットもあり、入店を迷っている様子なら、すぐに店頭に出て声をかけ、入店をすすめている。ただ、店の外から奥の座敷席や個室は見えないため、収容人数などの詳しい座席情報は店外の電飾看板で写真とともに紹介。これを見て、グループ客が入店することも少なくない。「カウンター席が埋まっているのを見て、入店をあきらめてしまうお客様もいるので、席の種類や総数を伝えることは集客において重要だと感じます」(福田氏)。

point 4
アイテムを効果的に使い、名物料理や空間も掲示

浮き玉や、市場を思わせるトロ箱などで売りの魚を表現。木の板では、「メンチカツ」「大小個室有り」など、魚以外の名物や空間の情報も掲示している
point 5
店内の座席情報を写真とともにアピール

店内には個室や座敷席もあるが、店の外からはほかにどんな席があるかわからないので、電飾看板に写真と収容可能人数を掲載。大人数にも対応できることをアピール

 照明が映える明るいファサードは、夜の視認性も抜群。「周囲が比較的暗いので、遠くからでも当店は目に入ると思います。また、外観の印象が店の前を通り過ぎる人の記憶に残ってくれれば、後日『あの路地に特徴的な店があった』と、店を思い出すきっかけになり、来店につながるはず」と、福田氏はファサードの重要性を語る。実際、店の前で足を止め、料理や空間の情報を確認してから入店する人が多く、狙いどおりターゲットである30~40代を集客。目を引くファサードで人を呼び込み、連日賑わいを見せている。

夜になると周囲は比較的暗いため、明るい店の外観が目に止まりやすい
鮮魚個室居酒屋 神保町 魚酒場ピン(東京・神保町)
東京都千代田区神田神保町2-20 ワカヤギビル1F
https://r.gnavi.co.jp/3uvez9z40000/
神保町駅から徒歩1分の路地に立地。毎日仕入れる旬の魚を使った料理が売りで、調理場に面したカウンター席のほか座敷席もあり、最大60 名まで利用できる。
株式会社フクダコーポレーション 代表取締役 福田和吉氏
エンジニアを経て、父親が経営する飲食企業に入社。2009年に、株式会社フクダコーポレーションを設立し、現在、都内で居酒屋など9店舗を運営している。

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