会議の種類
定例の店長会議のほかに総括会議や不定期の会議も
ひと口に「会議」と言っても、その形態や種類は多種多様だ。そこではじめに、飲食店や外食企業で一般的に行われる会議の種類を整理しておこう。飲食店専門のコンサルティング会社である株式会社スリーウェルマネジメント・代表取締役社長の三ツ井創太郎氏は、「企業の規模や店舗数などに応じて必要な会議の種類は異なります」と前置きした上で、「複数店舗を展開する企業において最も一般的なのが、各店の店長が一堂に会して行われる店長会議。これに加えて、経営層や部長クラスなどによる幹部会議、店舗単位で実施される店内ミーティングも、会議の代表例です」と説明する。
これら3種類の会議の位置付けは、上流から順に、幹部会議↓店長会議↓店内ミーティングとなる。「幹部会議で決定した大きな方針に沿って、店長会議で具体的な目標や販促方法などを話し合い、さらに各店長が自店にその内容を持ち帰り、店内ミーティングを通してスタッフと情報を共有し、実行レベルに落とし込む、というのが全体の大きな流れです」(三ツ井氏)。
このほかにも会議の種類として、年間の取り組みを振り返って表彰などを行う総括会議や、特定のテーマについて店舗を超えて横断的に実施されるプロジェクト(委員会)会議などがある。例えば、各店の料理長が集まって季節限定メニューを決める会議や、Web販促などテーマを絞った会議は、プロジェクト会議に分類される。また、不定期に行われる会議として、突発的に生じた問題や緊急の課題への対応を話し合う対策会議などがある。
このように、種類によって目的や性質が異なるため、会議では進行役はもちろん、参加メンバー全員が会議を開催する目的をきちんと認識しておくことが大切になる。「その点があいまいになっていると、なんとなく集まって近況を報告し合うだけといった、中身のない会議で終わりがちです。あるいは、会議を開いたこと自体に満足し、その後の行動につながらない無意味な会議になってしまうでしょう。会議の目的を明確化し、戦略的に進めることが求められます」と三ツ井氏は助言する。次ページからは、最も一般的な会議である店長会議に焦点を当てながら、会議の目的と戦略化のポイントを具体的に解説していく。