2020/05/28 特集

【PART2】お店の数字の見方・操り方を知る!~コロナ後に重要な“脱どんぶり勘定”~

現在、多くの飲食店が直面するお金の問題。そこで、計数管理コンサルタントの東海林健太郎氏に、店舗の数字の見方・操り方を3回にわたり解説してもらう。PART2では、客数増と原価低減について数字の面から見ていく。

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株式会社アップターン 代表取締役 東海林 健太郎氏
1968年、大阪生まれ。IT企業で業務改善活動に従事し、コンサルタント会社を立ち上げた後、飲食業界にも進出。現在、大阪、神戸で和カフェ「Mamezo&Cafe」を3店舗のほか、食パン専門店(FC)を運営する。その一方、計数管理コンサルタントとして外食企業の収益改善セミナーを10年以上実施。自店を中心に検証を繰り返し、そのノウハウを全国の飲食店に届けている。近著に「脱・どんぶり勘定!これからの飲食店 数字の教科書」(同文館出版)がある。

客数増/つながりを生むリピート施策

 PART1では、店舗の数字管理の基本を学びましたが、今回はより実践的に数字の操り方を学びましょう。

 外食をする人自体が少なくなっているコロナ禍の現状では、原点に戻り、来店してくれたお客様に対して再来店を促していくことがより重要です。特に飲食店の場合、数人のグループで来店するケースが多いので、「あのお店良かったね、おいしかったね!」と覚えてもらえると、再来店や客数アップの可能性が高まります。

 それでは、ここで問題です。

 A店は客単価3,000円、原価率34%、人件費率22%、その他店舗諸経費合計が14%、固定費は90万円です。A店のある月の来店客数が600人だった場合、損益はいくらでしょうか?(下の表A店-①参照)

①客単価3,000円×変動費率70%=2,100円
②客単価3,000円×変動利益率30%=900円
③変動利益単価900円×客数600人=540,000円
④営業利益540,000円-固定費900,000円=-360,000円

 つまり、A店はこの月、36万円の赤字でした。では、A店が赤字にならないためには、あと何人のお客様が必要だったのでしょうか?(下の表A店-2参照)

 赤字にならないためには、固定費分を稼がないといけないので、
①固定費900,000円÷変動利益単価900円=1,000人

 A店は月に1,000人の来店が必要でした。しかし、実際の客数は600人だったので、目標1,000人-600人=400人。答えは、400人の客数アップが必要だったということです。

 A店のように客数が落ち込んでいる店舗は、新規集客はもちろんですが、再来店や利用頻度を上げるための取り組みが大事です。利用頻度が高まれば、おのずと複数人で来てくれる可能性も高まりますので、さらに取り組みの効果拡大が期待できます。

 また、これを好機と捉え、お客様の情報を集めていくことをおすすめします。例えば、「応援ありがとうございますキャンペーン」と銘打って、この時期に来店いただいた人に、「コロナ禍が収束したら、感謝イベントのご案内をさせていただきます」とお声がけを行い、住所やメールアドレスなどの情報を集めるのもよいでしょう。なお、男性は記入を面倒に思う方も多いので、名刺をいただくようにすれば、あまり抵抗感を感じさせることなく集めることができると思います。

 飲食店にとってお客様とつながりを持てる情報は、確実に今後の武器になりますし、どのエリアからの来店が多いのか把握しやすくなります。

 通常は3年くらいの時間をかけて3,000人ほどのお客様情報を集めるのが一般的かと思いますが、この時期、飲食店を応援したいというお客様が増えていますので、想いをしっかり伝えて、数カ月で500人ほどを目指して集めてみましょう。この500人の顧客は、“お連れ様効果”も合わせると必ず倍以上の客数になって返ってきます! ぜひ、これを機にチャレンジしてみてください。

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