おすすめによる追加注文の効果
PART1、PART2に引き続き、さらに実践的に数字管理を学びましょう。
飲食店には、「これだけは絶対食べてほしい!」というメニューがあるはずです。ここではそういったメニューの“おすすめ”効果について考えていきましょう。
A店には、自分の店の料理が大好きで、「ぜひ、このメニューは食べてください」と頑張ってお客様におすすめするスタッフがいました。そのメニューの単価は600円で、原価率34%です。このスタッフは「おすすめ用トーク」を作り、ほかのスタッフも巻き込み、店全体でおすすめ販促に取り組みました。
来店した1,280人のお客様に対しておすすめし、6人に1人の割合で注文してもらえた時、いくら利益がアップしたでしょうか?(下の表A店参照)
店全体でおすすめを行っても、ほとんど経費はかかりません。メニューの食材原価以外、全て利益になりますので、
①客単価600円×変動利益率66%=396円
おすすめメニューをお客様1人に注文いただいた時の利益は396円。そして、6人に1人の割合で注文が獲得できたので、
1,280人÷6×396円≒84,480円
約84,480円の利益アップにつながったことになります。
おすすめ販促は食材原価しかコストが掛かりませんので、大きな利益アップが期待できます。また、スタッフの行動によって変わるものなので、取り組んだ方が得策なのは明らかです。
「当店の名物メニューをご存じですか?」などの“おすすめトーク”を作り、スタッフ全員で共有して取り組んでほしいと思います。
さらに、名物メニューをおすすめすることによってお客様との距離を縮めることができれば、再来店にもつながりますので、そういった接客オペレーションも確立できればなお良いでしょう。