2021/04/20 特集

店の売りが伝わる、こだわりのテイクアウト 家飲み・行楽・お祝い事など、ニーズをキャッチ!

この1年で定着したテイクアウト。行楽シーズンを迎え、ごちそう感があるオードブルや弁当のニーズが高まる一方で、競合との差別化が不可欠だ。5店舗の事例を参考に、店の売りやこだわりが伝わる商品を提供しよう!

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看板食材を使ったバーガーが広告塔となり、認知度アップ!

魚丸ごと原始焼き×あしたか牛の炭火焼 やまだい 本厚木【神奈川・本厚木】

おやじの育てた牛あしたか牛のてりやきバーガー(右手前)810 円、 沼津のあじフライバーガー(左)756 円、脂のったサババーガー(奥)756 円。看板食材である「あしたか牛」、沼津産のアジ、ノルウェー産のサバを使ったバーガー3 種をランチ限定のテイクアウトで販売。黒毛和牛のうま味を生かした「あしたか牛のてりやきハンバーガー」が一番人気

SNSで拡散され利用増加。夜の集客にもつなげる

 神奈川・本厚木駅から徒歩5分の居酒屋「やまだい 本厚木」は、オーナー・大川英利氏の地元である、静岡・沼津の魅力発信と食材の流通を目指して創業。畜産家の父が育てたブランド牛「あしたか牛」の炭火焼きと、沼津港に水揚げされる魚介を串に刺して炭火で焼き上げる「原子焼き」を中心に提供する。メインターゲットは、「素材の価値が分かる30~60代のややアッパーな層」と大川氏。主に地元に住む人々や近隣企業に勤めるビジネス層などを集客し、特に40、50代の常連客を多く獲得している。

「沼津あじフライバーガー」には、沼津産のアジを2枚使い、フライの間に紅しょうがとおかかで作るオリジナルの和風タルタルソースを挟む
バーガー各種はポテト(230円~)をセットにもできる。その場合は、ランチボックスに入れて提供する

 テイクアウトを始めたのは、昨年4月。当初はランチ用の弁当を多種類用意したが、「弁当は競合が多く、価格勝負になりがちでした」と大川氏は話す。また、弁当は手間がかかり、人員を絞って運営しなければならない状況下では負荷が大きかった。

 そこで1月より始めたのが、ハンバーガーを昼のテイクアウトのメインに据えること。大川氏は「ハンバーガーであれば、親しみのある商品なので、お客様に付加価値や質の良さを分かってもらいやすい。『あしたか牛』や『沼津産』など、素材の特色を出したハンバーガーで差別化すれば、高単価でも勝負できると思いました。また、弁当よりもオペレーションが軽減できるとともに、あしたか牛の認知向上にもつながると考えました」と語る。

ランチタイムは「ハンバー ガー屋やまだい」を名乗り、 店頭の看板でアピー ル
  • ランチのテイクアウトでは、ディナーで提供する「今日のおばんざい」(写真右)の中から一品をサービスすることもある
  • トッピングメニューには「笑顔0円」の 遊び心も

 早速、あしたか牛でパティを開発。つなぎを使わず、肉の食感を生かし、うま味を凝縮して焼き上げた。価格やボリュームは、ファミリーレストランのハンバーグやチェーン店のハンバーガーを参考に決定し、「おやじが育てた牛 あしたか牛のてりやきハンバーガー」として810円に設定した。そのほか、沼津産のアジを2枚使用した「沼津あじフライバーガー」(756円)、ノルウェー産のサバを使った「脂のったサババーガー」(同)をラインナップし、目玉焼きやアボカド、チーズなどのトッピング(108~162円)も用意。「多様な楽しみ方を提案することで、何度も利用してもらいたい」(大川氏)と考えたという。

 そして「昼だけハンバーガー屋やまだい」と銘打ち、店頭の看板やSNSで発信すると、徐々に売れ行きがアップ。利用客の1人が地元の人たちが集まるLINEグループに投稿したことで、一気に認知が拡大した。「ハンバーガーで店とあしたか牛を知ったというお客様が夜に来店するなど、店内の集客にもつながっています」と大川氏。1日に3種合わせて平均約20個販売しており、近隣企業に勤めるビジネス層のほか、自宅でリモートワークをする人や主婦、ファミリーなどが購入しており、週1~3回利用するコアなファンも生まれている。「利益率は高くないですが、店の広告塔として十分な効果を感じています。片手で食べられる気軽さは、仕事の合間のランチに向いている。屋外でも食べやすいので、気分転換や子どもと一緒に公園に訪れる際に購入するお客様も増えています」と大川氏は手応えを語る。今後も来店客のニーズや状況に合わせ、柔軟に対応していく考えだ。

魚丸ごと原始焼き×あしたか牛の炭火焼 やまだい 本厚木【神奈川・本厚木】
神奈川県厚木市寿町3-1-1 ルリエ本厚木1F
https://r.gnavi.co.jp/ncfu7vkc0000/
2017年12月、神奈川・本厚木駅北側の市街地にオープン。静岡県沼津産「あしたか牛」や沼津漁港で取れる豊富な魚介類をメインに提供。宴会のほか、会社帰りのちょい飲みも獲得する。
オーナー 大川 英利 氏
調理師専門学校を卒業後、飲食企業で経験を積み、地元・沼津の魅力を伝えたいと36歳で独立。「一笑一杯」(1杯でひと笑い)をモットーにしている。

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