2021/12/17 特別企画

飲食店のレジ、どれを選ぶ? レジの種類やおすすめの機能を紹介

POSレジやタブレット端末のレジなど、さまざまな種類があるレジ。飲食店はどんなレジを採用すればよいのか。POS機能を解説するとともに、レジの種類や飲食店にあると良い機能、規模別によるおすすめレジなどを紹介。

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更新日:2022.3.22

飲食店経営に役立つ機能が備わったレジで、効率的な運営を!

目次
レジとPOSレジの違い、レジの種類は?
飲食店のレジにあると良い機能は? 
どのレジがどんな飲食店に適してる?
規模別で見るおすすめのレジは? 

 飲食店開業、開店時に必ず必要となるレジ。また、リニューアルなどを機に性能の良いレジに変えたいという人もいるだろう。一方で、「レジは料金計算ができればよい」と考える人もいるかもしれないが、売上管理や在庫管理、経営分析、顧客管理などができるPOS機能が備わったレジもある。また、最近ではレジの本体の代わりにタブレット端末を使ったレジも登場し、採用する店も増えている。本記事では、まず「POS」とは何か、POS機能でどんなことができるのかを解説しながら、レジの種類、飲食店にあると良いレジの機能、飲食店の規模によってどんなレジを選ぶとよいかを紹介する。

レジとPOSレジの違いと種類は?

 レジは、会計計算をする機器を指すが、単純に計算のみを行う「レジスター」と、売上管理や在庫管理、経営分析ができる「POSレジ」に大きく分けられる。
 
 「POSレジ」の「POS」とは、「販売時点情報管理」(英語:Point of sale、略称:POS)のこと。POS機能があると、商品名や価格、数量、日時などの販売情報実績を収集・集計でき、「いつ、どの商品が、どんな価格で、いくつ売れたか」といった経営分析や在庫管理が可能となる。また、これらの数値を分析し、売れている順にグループ分けする「ABC分析」もできる。「ABC分析」ができれば、例えば売れ行きの良い・悪いメニューが分かるため、その上で営業戦略を立てることも可能。また、注文を受ける端末「オーダーエントリーシステム」(ハンディ)と連携し、メニューの在庫管理も行えば、限定メニューがあといくつ残っているかなども分かる。

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 また、レジはもともとレジの筐体(本体)が大きく、加えてPOSレジは高機能であるがゆえ高額なものも多かったが、数年前よりタブレット端末を用いたレジやPOSレジが登場。狭いスペースでも設置が可能で、より安価に導入できるようになり、採用する飲食店も増えている。
 
 それでは、以下よりレジの種類ごとに、機能や導入コストなどを見ていこう。

レジスター(メガレジ、ガチャレジ)

レジスターは会計計算のみを行うシンプルなレジ。「メガレジ」「ガチャレジ」とも言われる。お金を入れるキャッシュドロアとレシート印刷がセットになっていることが多い。ボタンが少なく操作はしやすい一方で、手入力となるため誤入力が生じやすい。売上管理や在庫管理はできないため、閉店後に伝票整理や売上管理などの手間が発生する。導入コストは1万円強~だが、閉店後の売上集計などで時間を要するため、そのコストである人件費も加味した上で検討したい。

POSレジ

レジスターの会計機能に売上管理や在庫管理などのPOSの機能を加えたレジ。伝票や商品のバーコードを読み取ることで料金が自動で計算できるため、誤入力のリスクが減る。また、売上や在庫、顧客情報などをリアルタイムで把握することができ、売上は自動で計算されるので、閉店後の売上集計もスムーズ。導入コストは20~50万円程度と保守費用がかかり、やや高めなので注意したい。

タブレットレジ

iPadなど、タブレット端末に会計機能をインストールして使用するレジ。インターネット環境が必要となる。狭いスペースでも設置が可能で、持ち運びしながら使用できるため、客席で注文を入力したり、テーブル会計などがスムーズに行える。POS機能は付いていないため、売上管理や在庫管理、ABC分析などはできないが、無料で使えるものもあり、導入コストは比較的安価に抑えられる。

タブレットPOSレジ

タブレット端末にレジの会計機能のほか、POS機能を追加したレジ。持ち運びができる上、売上管理や在庫管理、ABC分析などがタブレット上で行える。スマートフォン端末にアプリをインストールしてタブレットPOSレジと連携させてオーダーエントリーシステム(ハンディ)として使用できるものもあり、利便性も高い。導入コストはPOSレジに比べ安価で、月額利用料は1万円以下のものが多い。

セルフレジ

セルフレジは、来店客自身が決済を行うレジ。スタッフが会計に関わらずに決済ができるため、業務の負担を減らすことができ、来店客は会計までの待ち時間がなくなるなど、双方にメリットがある。一方で、「使い方が分からない」「自分で操作するのが面倒」という理由で、来店客がストレスを感じる可能性もある。導入コストは80万円程度から。効率性や人件費、導入・保守費用を鑑みながら検討したい。

飲食店のレジにあると良い機能は?

 ここからは、飲食店のレジであると良い機能を紹介しよう。業務負荷の軽減につながる機能や利便性の向上につながる機能などもあるので、導入時には合わせて検討するとよいだろう。

売上集計、分析機能

閉店後に必ず行うのが、「レジ締め」と言われる売上集計管理作業。売上の確認、伝票と売上の突き合わせなどが発生し、集計には時間を要することもしばしば。その時間が店長の長時間勤務にもつながりかねない。売上集計機能があれば自動で計算されるため、突き合せも不要。また、売上データからどんなメニューが売れているか、混雑のピークは何時ごろなのかなどが分かり、メニュー開発やスタッフの配置など、店舗運営の戦略に役立てることができる。

顧客管理機能

顧客の名前や電話番号、メールアドレスなどを登録・管理できれば、再来店のための販促を行うことができる。また、顧客が以前の来店時にどんなものを注文したか、どの席を利用したか、誕生日などを登録しておけば、来店時などに顧客に合わせたサービスも可能。スタッフ間で情報の共有もしやすく、サービスの質を高め、顧客満足度アップにつなげることもできる。

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オーダーエントリーシステム(ハンディ)

客席でスタッフが注文を入力すると、オーダー品目や数量をキッチンに送信するシステム。スタッフの注文確認の手間やオーダーミスが減るほか、客席とキッチンなどを往復する必要がなくなり、業務削減につながる。最近では、スマートフォンにアプリをインストールしてオーダーエントリーシステムとして活用できるシステムもある。

複数店舗管理機能

複数店舗の売上や在庫などのデータが一括で管理できる機能。店舗が多くなると売上や在庫管理が煩雑になりやすいが、1つのアカウントで一元管理できるため、各店舗に行かずとも状況が把握できるようになる。

クレジットカード・QRコード決済、ポイント決済機能

キャッシュレス決済の利用が増えているため、クレジットカードやQRコードでの決済の導入も検討したい。また、ポイント決済機能もあるとユーザーにとっては決済の選択肢が増え、店舗にとっては利用機会が増える可能性も。レジにキャッシュレス決済機能が付いていなくても、連携できる決済システムもあるので、検討するとよいだろう。

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予約管理機能

予約管理は、煩雑になりやすい業務の一つ。電話で受けた予約やネット予約などをまとめて管理できると、予約状況がリアルタイムに把握でき、スタッフ間での情報共有もしやすくなるため、予約の取りこぼしなども起こりにくい。決済機能と同様に、レジに予約管理機能がなくても連携できる予約管理システムもあるので、調べてみるとよいだろう。

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セルフオーダーシステム機能

来店客が客席に設置されたタブレット端末などから注文を行うことができる機能(テーブルトップオーダーともいう)。来店客にとってはスタッフを呼んでもすぐに来ないなどの不満を解消できるとともに、スタッフは注文を取る手間がなくなるため、業務負荷の軽減につながる。

どのレジがどんな飲食店に適してる?

 ここまでレジの種類や機能について見てきたが、ではどのレジがどんな飲食店に適しているのか解説する。

レジスター(メガレジ、ガチャレジ)

会計計算のみで導入コストは安いが、閉店後に売上集計・管理を行う必要があり、効率性は望めないため、少人数で運営する店舗、メニュー数が少ない店舗、客席数の少ない店舗に向いている。業務負荷も加味した上で検討する必要がある。

POSレジ

POS機能で売上管理・分析なども行え、複数人で使っても誤入力が少ないため、スタッフが多い店舗、メニュー数の多い店舗、客席数の多い店舗に向いている。ただし、機器が比較的大きく、設置するスペースを要するので、気を付けたい。

タブレットレジ

狭いスペースで設置できるが、POS機能は使えないため、少人数で運営する店舗、メニュー数の少ない店舗、客席数の少ない店舗向き。閉店後の売上集計・管理などの業務負荷も加味して検討を。

タブレットPOSレジ

持ち運び可能で、POS機能が使え、オーダーエントリーシステム(ハンディ)とも連携できるため、スタッフが多い店舗、メニュー数の多い店舗、客席数の多い店舗に向いている。また、効率的に売上管理が行えるので、スタッフが少ない店舗でも業務負荷を抑えたい場合は有効だ。

セルフレジ

来店客自身が決済を行うため、スタッフが少ない店舗に向いているが、設置スペースが必要であること、導入・保守コストはほかのレジに比べ高くなることなどを加味した上で検討したい。

規模別で見るおすすめのレジは?

 最後に、どんな規模の飲食店にどのレジが適しているのかを紹介する。今までの内容も踏まえながら、自店に合ったレジを見つけてほしい。

小規模飲食店(1店舗のみ運営)

メニュー数は多くない店が多いため、会計機能のみのレジ、タブレットレジでもよいが、売上集計などの作業時間や手間を考えると、狭いスペースでも設置可能なタブレットPOSレジも検討したい。狭スペースでも設置可能なタブレットレジ、タブレットPOSレジの場合は、店のインターネット環境の整備も必要なので、合わせて確認したい。

中規模飲食店、多店舗展開の飲食店

メニュー数が多くなり、また多店舗を運営していると複数の店舗の管理が求められるため、売上集計・分析機能や複数店舗管理機能、オーダーエントリーシステムなどがあるPOSレジ、タブレットPOSレジだと使い勝手が良いだろう。また、顧客や予約の管理も一括で行えると、全店舗のデータを経営や販促に活用できるようになる。

大規模飲食店、本部を持つチェーン店・FCなど

数多くの店舗を一括で管理する必要があるため、POSレジもしくはタブレットPOSレジが必須。加えて、セルフオーダーシステム機能やセルフレジ機能なども合わせて導入できれば、業務負荷が軽減でき、省人化につながりやすい。

 今まで見てきたように、レジと言ってもさまざまな種類、機能があるが、大事なのは自店でどんなことがしたいか。そして、飲食業界は今後、人手不足になることも念頭に置きたい。会計業務や売上集計などの業務負荷を減らせられれば、スタッフにはその分違う業務をしてもらうことも可能となる。また、売上管理など閉店後の業務が削減できれば、業務時間が減り人件費の削減にもつながるかもしれない。レジの機能を通して、自店ではどんなことがしたいかを考えていただき、導入や活用を検討いただきたい。

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