メニュー変更や人材確保など、売上や利益増への動きが活発に?~2022年の飲食店の経営戦略~

ぐるなびでは、加盟店に2022年の経営戦略についてアンケートを実施。3年間連続黒字の店は減少したが、2022年は売上増を予想する店が昨年より増え3割超に。メニュー改変や人材確保に動きたいという意見も多かった。

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目次
厳しい経営状況だが、2022年業績予想は売上や利益アップへの期待も
2022年はメニューの見直し・人材確保に注力。利益拡大へ動く飲食店もあり

 ぐるなびでは、ぐるなび加盟店を対象に2022年の経営戦略についてアンケートを実施した。新型コロナウイルスの影響で3年間連続黒字の店は減少したが、2022年は売上増加を予想する店が35.2%を占めており、これからの1年を前向きに捉える割合が前年よりも高かった。今後の取り組みについては、主にメニューの値上げや変更、人材確保を通じて売上・利益増を図ろうとする店舗が目立ち、コロナ以前の活気を取り戻そうとする気概が伺えた。

 それでは以下より、飲食店の業績の振り返りと今後の経営戦略について、アンケート結果をもとに詳しく見ていこう。

今回、紹介するデータは「2022年の経営戦略」(ぐるなび調べ)
回答者数 全国のぐるなび加盟店324店舗
調査時期 2022年1月18日(火)~2月3日(木)
※アンケート結果は、「ぐるなびPRO for 飲食店(管理画面)」にログインした後、下記からダウンロードできます(ぐるなび加盟店のみ)。
アンケート結果レポート 「2022年の経営戦略
※未加盟の場合は、下記をご覧いただき、お問合せください。

厳しい経営状況だが、2022年業績予想は売上や利益アップへの期待も

2022年1月時点で「(3年中)赤字年あり」が73.5%に。一方で、「3年連続黒字」と答えた店は19.8%となった

 まず図1では、店舗の過去3年間の経営状況について、2020〜2022年の各1月に聞いた調査結果をグラフにまとめた。コロナ禍に突入したこの2年間で状況は大きく変化しており、2022年1月の調査では「(3年中)赤字年あり」と回答した飲食店が73.5%に達し、中でも「3年中2年赤字」の割合が増加(2021年10.9%→2022年33.6%)。なお、「3年間連続黒字」の飲食店は約2割で、2021年以前と比べると年々減少傾向にあり、コロナの影響がより色濃く出たと言えそうだ。

今後1年間の業績予想では、2022年の売上が「増える」35.2%で、「減る」28.4%を超えた。利益では「増える」30.6%だが「売上」の予想より数値が低く、売上は上がっても利益は上がらないと考えている店が一定数いることが読み取れる

 一方、今後1年間(2022年)の業績予想については(図2)、売上が「増える」(35.2%)、利益が「増える」(30.6%)と予想している店の割合が2021年よりも多く、今後への期待感が伺える。ただし、利益については売上と比べるとやや厳しい予想が多く、食材高騰や人件費の上昇などの影響を懸念し、利益率が下がると見込んでいるのかもしれない。

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2022年はメニューの見直し・人材確保に注力。利益拡大へ動く飲食店もあり

力を入れて取り組みたいことでは「メニューの内容・価格の変更・見直し、新メニュー開発」(34.3%)、「利益の拡大」(33%)、「コストの削減」(31.8%)と答えた店舗が多かった。最も力を入れて取り組みたいことでは、「人材の確保、スタッフの育成・活性化」(9.6%)、「利益の拡大」(9.3%)が上位となった

 経営上の課題の中で、力を入れて取り組みたいこと(図3)を見ると、最多は「メニューの内容・価格の変更・見直し、新メニュー開発」(34.3%)。続いて「利益の拡大」(33%)、「コストの削減」(31.8%)、「接客・サービスの見直し・向上」(30.6%)、「人材の確保、スタッフの育成・活性化」(30.2%)となった。これらのうち最も力を入れて取り組みたいことは「人材の確保、スタッフの育成・活性化」(9.6%)が一番多く、次に「利益の拡大」(9.3%)、「客層(ターゲット)の変更・拡大」(8.0%)となり、メニューの見直しや人材に関して、積極的に動く店もありそうだ。

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メニューの内容・価格に関する取り組みについては、「料理・コースの値上げ」(28.7%)、「コストパフォーマンスの高い料理・コースを導入・拡充」(24.7%)が上位。特に「料理・コースの値上げ」や「飲み物の値上げ」は2021年、2020年より高い数値となっている

 図4では、メニューの内容・価格に関して取り組みたいことについて聞いた。「料理・コースの値上げ」(28.7%)が最も多く、「コストパフォーマンスの高い料理・コースを導入・拡充」(24.7%)、「料理・コースの質のアップ・内容充実」(24.1%)と続く。特に「料理・コースの値上げ」「飲み物の値上げ」は2021年に一旦大幅に減少したが、今回大きく増加しており、利益確保への動きが加速しそうだ。

 一方で、2022年は「話題性や見た目のインパクトがあるメニューの導入・拡充」(8.3%)、「料理・コースの値下げ・割引(一部値下げ含む)」(6.2%)が以前よりも大きく減少。話題性を狙ったメニューや値下げの動きは鈍くなる気配がある。

人材の確保やスタッフ育成・活性化のための取り組みについては、「アルバイト・パート従業員の採用活動の強化」(24.7%)、「正規従業員の採用活動の強化」(17.3%)と答えた店舗が多く、2021年に比べて数値が上回っている

 最後に、今後の人材の確保やスタッフの育成・活性化のための取り組みについて聞いた(図5)。2022年は「アルバイト・パート従業員の採用活動の強化」(24.7%)、「正規従業員の採用活動の強化」(17.3%)が多かった。これら2つの項目と「新規採用時の給料(時給)引き上げ」(11.1%)は、2021年に減少したが2022年に大きく回復しており、人材確保に力を入れる動きが活発化しそうだ。

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 逆に「給料(時給)の引き上げ」「中堅スタッフの教育・研修の充実」「一人当たりの労働時間・残業時間の削減・休暇の増加」は2020年または2021年に比べると、数値が大きく下がっており、人材に関する取り組みの中でも注力の差がありそうだ。

 「2022年の経営戦略」をまとめたこの調査では、上記のほか「2022年の客単価の方針、集客に力を入れたい客層」「テイクアウト・デリバリーの2022年取り組みの意向」「コスト削減に関して2022年に実施したいこと」なども掲載している。ぜひ、下記からダウンロードして、参考にしていただきたい。

アンケート結果レポート「2022年の経営戦略

※「アンケート結果レポート」は、ぐるなび加盟店のみ閲覧・ダウンロード可能です
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