業績回復への期待感と、値上げ・採用活動に注力する動き~2023年の経営戦略~

ぐるなび加盟店を対象に「2023年の経営戦略」について調査。2023年の業績予想では「売上が増える」や「利益が増える」と回答した人の割合が高く、この3年で最も明るい見通しとなった。

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目次
今後の売上・利益は好転すると予想
2023年は値上げと採用活動が活発に?

 新型コロナウイルスによる社会への影響が徐々に薄まってきているが、飲食店経営者は2023年をどのような戦略で乗り切ろうと考えているのだろうか。

 ぐるなびでは、ぐるなび加盟店を対象に「2023年の経営戦略」をテーマにアンケートを実施。2020年から続くコロナ禍の影響で、3年間連続赤字の店は32.1%と増加。しかし2023年の業績予想では「売上が増える」(55.2%)、「利益が増える」(47.6%)の回答割合が高く、この3年で最も明るい見通しとなった。

 一方で、今後は物価高などを背景にメニュー内容の変更・見直しや、料理・コース・飲み物の値上げを検討する店舗が増加する見込みに。アルバイト・パート従業員、正規従業員の採用活動強化への意気込みも目立った。

 では以下より、ここ3年間の振り返りと今後の経営戦略について、アンケート結果から見ていこう。

今回、紹介するデータは「2023年の経営戦略」(ぐるなび調べ)
回答者数 ぐるなび加盟店315店舗
調査時期 2023年1月19日(木)~2月9日(木)
※アンケート結果は、「ぐるなびPRO for 飲食店(管理画面)」にログインした後、下記からダウンロードできます(ぐるなび加盟店のみ)。
アンケート結果レポート「2023年の経営戦略
※未加盟の場合は、下記をご覧いただき、お問合せください。

3年連続赤字の割合が上昇するも、今後の売上・利益は好転すると予想

コロナ禍の影響からか、「3年連続赤字」と回答した飲食店の割合は32.1%と過去3年間で最も多かった

 図1では、過去3年間の経営状況について、2021年~2023年の各1月の調査結果をまとめた。2023年1月に「3年間連続黒字」と回答した割合は全体の22.5%で、「3年の中で1年でも赤字の年があった」と回答した割合は72.4%に達した。

 なお、過去2年と比べて2023年は「3年間連続赤字」とした割合が最も高く(32.1%)、2020年以降のコロナ禍の影響を色濃く感じさせる結果となった。

今後の売上や利益の予想については、過去2年と比べると「増える」と答えた飲食店の割合が最も多く、業績回復への期待が高まっていることをうかがわせる結果となった

 次に、今後1年間(2023年)の業績予想を聞いた(図2)。売上が「増える」(55.2%)、利益が「増える」(47.6%)と回答した割合はいずれも2021年、2022年と比べて大幅に増加している。

 5月から新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同等の5類感染症に移行する背景もあるからか、売上・利益ともに好転を見込んでいる飲食店が多いことがわかった。

2023年は料理・飲み物の値上げ、スタッフの採用活動が活発に?

「新型コロナウイルスへの対応・感染予防対策」(22.9%)や「営業日・営業時間の見直し」(19.4%)については、2021年と比べて大きく下がった

 経営上の課題の中で、力を入れて取り組みたいこと(図3)については、「メニューの内容・価格の変更・見直し、新メニュー開発」(44.8%)が最多に。続いて「人材の確保、スタッフの育成・活性化」(41.3%)、「接客・サービスの見直し・向上」「利益の拡大」(ともに38.1%)の順となり、それぞれ2022年よりも回答割合が増加した。

 また、「コンセプトや業態の変更・見直し」(28.9%)も昨年比で5ポイント以上増えており、各方面での大幅な見直しに着手する店が増えそうだ。

「特にない」(15.2%)という回答が、過去2年と比べて大きく減っており、何かしらの取り組みを考えている飲食店が増えていることが分かった

 次に、図3で力を入れたいという回答が多かった「メニューの内容・価格」に関して具体的にどんなことに取り組みたいかを聞いた(図4)。「料理・コースの値上げ」(45.1%)、「飲み物の値上げ」(41%)が2022年や2021年に比べて大幅にアップ。さらに「高価格の料理・コースを導入・拡充」(18.4%)、「高価格の飲み物を導入・拡充」(11.4%)も2021年比で5ポイント以上アップした。2023年は原材料費や物流費の高騰などの影響で、値上げの動きがより一層広まることが予測される。

2021年と比べると「新規採用時の給料(時給)引き上げ」(10.8%)は5ポイント以上増える一方、「一人当たりの労働時間・残業時間の削減・休暇の増加」(9.5%)は2021年より5ポイント以上減った

 最後に、人材の確保やスタッフの育成・活性化のために取り組みたいことを聞いた(図5)。「アルバイト・パート従業員の採用活動の強化」(36.5%)が最多で、「正規従業員の採用活動の強化」(21.3%)と続く。いずれも2021年、2022年と年々増加傾向となっており、採用活動に意欲的に取り組む動きはますます活発化しそうだ。

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 「2023年の経営戦略」をまとめたこの調査では、上記のほか「食材の効率的な利用や食品ロス削減」や「業務の効率化や省力化、生産性の向上のために取り組みたいこと」「インバウンド対応」などについての調査結果も掲載。ぜひ、下記からダウンロードして、参考にしていただきたい。

アンケート結果レポート「2023年の経営戦略

※「アンケート結果レポート」は、ぐるなび加盟店のみ閲覧・ダウンロード可能です
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