“海と公園”という立地を生かした空間・メニュー・販売戦略で月商3,000万円!
テラス席といえば夏のイメージが強いが、近年は猛暑の影響もあり、むしろ春や秋のニーズが高まっている。そこで、今回は春先からテラス席やオープンエアの空間を生かして集客に成功している店舗を取り上げる。
2023年4月、横浜の観光スポット・山下公園内に公民が連携して公園の再開発を手掛けるPark-PFI(公募設置管理制度)によってオープンしたのが「THE WHARF HOUSE YAMASHITA KOEN(ザ・ワーフハウス山下公園)」。横浜の港を望む絶好のロケーションを生かして“港町のレストラン”をコンセプトに、カフェレストランや屋外BBQスペース、横浜のお土産を販売するショップなどを併設している。
「山下公園は、横浜中華街や横浜スタジアム、横浜赤レンガ倉庫などにも近いので、人が集まるハブスポットとしてさらなるにぎわいを創出できるはずだと考えました。散歩の先の素敵な休憩所、レストラン、歩いてきた足の疲れをいやす足湯など、横浜を訪ねる人たちの需要を満たしてくれるおしゃれスポットにしたいという思いがありました」と、店舗の運営を行う株式会社ゼットンのディストリクトマネージャー、伊藤直樹氏は狙いを語る。営業時間は9~22時で、17時まではカフェ、17時以降はクラフトビールとグリルの店と昼と夜で業態を切り替えている。客層はビジネス層やファミリー、地元住民、国内外の観光客など多彩で、年齢層も幅広く、来店客の約7割が女性だ。
神奈川県横浜市中区山下町279
https://r.gnavi.co.jp/70sdzsnw0000/
目次
・ポイント1「海を望むテラス席で足湯&BBQで春&秋に集客」
・ポイント2「横浜ゆかりの食材や料理を前面に出したメニュー構成」
・ポイント3「公園内立地を生かす販売戦略」
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ポイント1「海を望むテラス席で足湯&BBQで春&秋に集客」
オープン翌月(2023年5月)には、月商3,000万円超を記録したという「ザ・ワーフハウス」。その人気の大きな原動力になったのが、魅力的なテラス席だ。海の風を感じながら食事ができるテーブル席50席を備え、来店のきっかけづくりとして、16人まで座れる「足湯テラス」(入浴料300円・ドリンクのみ可)も用意した。左手にみなとみらい、右手にベイブリッジを望みながら足湯に浸かれるとあって、オープン時からテレビなど多数のメディアで紹介されて話題に。現在は11時の開始前から行列ができることもあるなど、人気スポットとなっている。また、気温が上がる7、8月には足湯のお湯を冷水に切り替え、納涼スポットとして好評だ。
また、BBQ専用のテーブル席も9卓(最大80人まで利用可能)用意している。BBQができる飲食店が近隣に少ないこともあり、“手ぶらBBQプラン”を打ち出してビジネス層やファミリーなどのニーズを掴んだ。BBQプランのメニューは2種類。肉各種と焼き野菜、フレンチフライ、コールスロー、枝豆がセットの「カジュアルBBQ」(6,000円)と、シーフードも加えた「サーフ&ターフBBQ」(7,000円)があり、いずれも120分飲み放題付きだ。
「2023年はBBQプランを4~11月で実施し、5月・10月は特にBBQ利用が多く、売上の約4割をBBQが占めました。逆に7、8月は暑すぎて売上がそこまで伸びませんでした。春先や秋の少し涼しい時期こそテラス席が喜ばれるのだと感じました」と伊藤氏は振り返る。2024年は春休み前の歓送迎会などの団体予約を想定して3月中旬からBBQプランの打ち出しをスタート。さっそく企業の予約が入るなど好調な滑り出しを見せている。
「開放感あふれるロケーションのおかげか、テラス席ではランチタイムでもアルコールの注文が多いです」と伊藤氏。テラス席の人気の高さもあり、昼の売上は全体のおよそ6~7割、アルコールの売上比率は約6割を占めている。
ポイント2「横浜ゆかりの食材や料理を前面に出したメニュー構成」
「メニューに使用する食材はできるだけ地産地消で、かつ横浜にゆかりのある企業のものを積極的に活用しています」と伊藤氏が語るように、「ザ・ワーフハウス」では地元食材や商品にフォーカスしたメニュー構成が売りになっている。朝は“ヘルシー・モーニング”をキーワードに、横浜に本社を置くファンケルとのコラボで玄米ブレッドを使用した「ワーフハウス・モーニングプレート」(1,650円)などを提供。ランチは、日本初のトマトケチャップである清水屋ケチャップを使用した横浜発祥の「ナポリタン・スパゲッティ」(1,080円)が一番人気だ。ディナータイムはグリル料理がメインで、タンドリーチキンにビーフ、ソーセージを盛り合わせた「3グリルコンボ」(2,900円)が好評を得ている。
また、ドリンクでも横浜を前面に押し出し、横浜ビール社のクラフトビール(Mサイズ1,000円、Lサイズ1,300円)が人気に。飲みごたえのある「横浜ラガー」を筆頭に、フルーティーな白ビール「ヴァイツェン」やビアカクテル、横浜の地酒(日本酒・ワイン)も取りそろえて観光客らに人気を博している。
ポイント3「公園内立地を生かす販売戦略」
さらに、公園内の芝生やベンチでの食事を想定して、テイクアウトメニューも充実。サバと野菜をたっぷりはさんだ「SABAサンド」(1,100円)などのサンドイッチ3種や神奈川・厚木市産の豚肉を使った「あつぎ豚のホットドック」(650円)のほか、「フィッシュ&チップス」(980円)や「おこめベーカリーベーグル」(550円)といったサイドメニュー、ソフトクリームを販売している。クラフトビールも「予想以上にテイクアウトでも売れています」(伊藤氏)と、確かな手ごたえを感じている。
公園の芝生は基本的にどこでも自由に使えるため、芝生でゆったり過ごせるレジャーシートやフードメニューがセットの「ピクニックセット」(2,000円~)、さらにテントや遊び道具をセットにした「プレミアム・ピクニックセット」(4,500円)のレンタルも実施し、ファミリーや女性グループを中心に利用されている。「まだレンタルの利用率はそれほど高くはありませんが、ニーズはあるはずなので、さらに認知拡大に力を入れたいです」と伊藤氏は語る。加えて、店内には観光客向けに横浜土産やオリジナルグッズを販売するショップも併設している。
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今後は、さらに夜の売上を伸ばすべく、「クラフトビールとグリルの店」の強みを生かした“お酒に合うメニュー”を強化する予定。「真夏や冬の集客が課題なので、夏祭りなどの公園イベントの主催や、テラス席にファイヤーピット(焚き火台)を作ったりヒーターを増やすなどの寒さ対策を検討しています」と伊藤氏。
さらに、店舗前にキッチンカーを出店する予定で、クラフトビールやサンドイッチなどのテイクアウトメニューをより手軽に購入してもらえるようにするなど、公園内レストランというポテンシャルをさらに生かした集客方法を検討している。
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