2025/04/03 コラボ企画

「飲み屋えるえふる」(東京・新代田)異業種コラボが生み出す、有機的な縁の循環

ふらりと立ち飲みができる、レコードショップ。音楽ファンや地元の常連が集い落ち着く酒場が、京王井の頭線・新代田駅のそばにある。「飲み屋えるえふる」の店長・寺田 絢菜(あやな)さんは、夜は居酒屋店長、昼は保育園の栄養士と、複数のキャリアをパラレルに楽しむ飲食人だ。異業種の掛け合わせによって縁の循環を作り出す、魅惑の店を取材した。

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※スマイラー107号(2024年12月)より転載

「音」と「食」が緩やかに共存する空間

レコード屋と立ち飲み屋が同居する、音楽ファンにとって夢のような空間

「飲み屋えるえふる」は、レコード屋と立ち飲み屋が同居する、個性的な営業スタイルのお店。レコードを選びながら店内でお酒とおつまみを楽しめるという、音楽ファンにとって夢のような空間だ。

9年目を迎えた同店は、バンドマンの辻 友貴さん、會田(あいだ)洋平さんの2名による共同経営。近隣のライブハウスのオーナーに紹介された空き物件との出合いが決め手となり、元ギャラリーカフェを改装して2015年にこの場所をスタートさせた。

脱力感の心地よい店名は、併設レコード店「LIKE A FOOL RECORDS」屋号の頭文字から。店舗の間に仕切りはなく、同じ空間を緩やかにシェアする店内では、親交のあるミュージシャンのレコ発イベントを開催したり、ゲストが一日店長として酒場のカウンターに立つ日もあったりと、同店の2つのテーマが相乗効果を生み、約15坪の空間が有機的に活用されている。

懐の深い“ワンオペ”酒場

冷蔵ケースには、日替わりで10種類ほどの手作り総菜が並ぶ。小鉢はお客様自身が取り出して会計

「飲み屋えるえふる」は、平日19時から、土・日曜日・祝日は16時〜24時の営業をスタッフ1名のワンオペで行う。その仕組みは、おつまみの作り置きとキャッシュオン会計だ。

カウンター前の冷蔵ケースには、日替わりで10種類ほどの手作り総菜が並び、お客様自身で小鉢を取り出して会計する。ちなみに、オーナーの會田さんは「瓶ビール班長」という名前でブログやYouTubeを配信している、生粋の酒場マニア。「自分が行きたいと思うお店かどうか」を常に基準としながら、メニューの良心的な価格設定を開店当初から貫いてきた。

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サッポロラガービールの赤星大瓶が650円で飲めるほか、キンミヤ焼酎ベースのオリジナルドリンクサワーも人気

赤星大瓶が650円で飲めるのは、このご時世にありがたさが一層染みる。スパイシーな香りが食欲を刺激する「クミン焼酎」(500円)や、まろやかで芳醇な「アールグレイ酎豆乳割り」(500円)など、キンミヤ焼酎ベースのオリジナルドリンクもファンが多い。

一皿200円台からのリーズナブルなおつまみは、レギュラーを固定せずにすべて日替わりで組み立てていく。旬の食材をメインに使うことで原価を抑え、身体にもお財布にもやさしいお総菜を提供する。現在、そのメニューづくりと店舗運営を担っているのが、店長の寺田 絢菜さんだ。

店長だけど、店長だけじゃない

店長の寺田 絢菜(あやな)さんは、夜は居酒屋店長、昼は保育園の栄養士と、複数のキャリアをパラレルに楽しむ飲食人

店長の一日は、夕方の買い出しから始まる。その日の仕入れと同時にメニューを考え、コンパクトなキッチンで仕込みがスタート。2口コンロを駆使して複数の品を手際よく作っていく。

閉店と同時に売り切れる仕込み量を目指しつつ、刺身から煮物、炒め物まで、バリエーション豊かな小鉢の数々が、開店前の冷蔵庫に彩りよく並んだ。お店を開けた後、寺田さんが店頭に立って営業するのは、実は週に1〜2日のみ。

調理作業は開店前までに済ませ、あとはドリンク提供と温めのみというオペレーションを確立しているため、営業時間中はアルバイトスタッフ1名で無理なく回すことができるのだ。

一皿200円台からのリーズナブルなおつまみは全て手作り。日替わりで10品ほど並ぶ

そしてなんと、寺田さんの職場はこのお店だけではない。居酒屋店長を務めるかたわら、昼間の彼女はなんと保育園で給食を作っているというから驚く。栄養士職のキャリアも並行して育てているのだ。

幼い頃から好きだったという「料理」の軸を一貫させながら、森の中の宿泊施設やラーメン店、そして保育園での給食現場と、さまざまなジャンルで飲食経験を積み上げてきた。そのすべてが血肉となり今、彼女が選び取れるキャリアの可能性は無数に広がっている。

料理の他には音楽をこよなく愛し、自身がドラマーでもある寺田さんは、声が掛かればフリーの料理人として、ライブハウスでのケータリングにも出向くそうだ。

同店との縁は、オーナーの會田さんと知り合った8年前に始まった。月1でカウンターに立ち始め、気付けば今では店長に。「手を動かす仕事が好き、忙しくしているのが自分には向いている」と話す彼女からは、仕事とプライベートをぎこちなく切り分けたりせずに、オンとオフをシームレスに行き来して人生を楽しんでいる様子が伝わってくる。

飲食の仕事はやり方次第で、こんなにも軽やかに楽しめるものなのか。まだロールモデルが少ないと思われる、パラレルな飲食キャリアの面白さに気付かせていただいた。

お店のあり方も、飲食業の働き方も、どこかに王道があるように思えて、その実とても多様で自由だ。好きな物事へのピュアな愛は縁を生み出す種となり、そこに集う人々によって伸びやかに育てられていく。

「音」と「食」はいずれも、人の縁を有機的に繋いでいくための大事なピースであるのだなあと、店内で笑い合って過ごす来店客を眺めながらしみじみと思った。

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文:石川日向咲(いしかわ ひなさ)
日本各地のローカルフードを追う食の編集ライター。生産者取材や郷土料理教室の企画運営を経て現在、お弁当屋さんで料理人見習い。好きなお酒は芋焼酎ソーダ割り。
取材協力:「飲み屋えるえふる」
住所:東京都世田谷区代田5-28-3
https://r.gnavi.co.jp/cmtbuzu20000/map/
x.com/eruefuru

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