”仕入れの常識”を疑ってみよう。多角的調達戦略でコストを管理
原材料費の高騰はもはや一時的な課題ではありません。特に、日本人の主食であり多くの店舗で基盤となる米の価格高騰は深刻です。従来の「仕入れは慣れた業者に」という常識を見直し、多角的な調達戦略を模索することが、2025年以降の飲食店経営を支える一助となるでしょう。
今回は、米高騰時代を乗り越え、コストを抑えながら品質を維持するための具体的な仕入れ戦略をご紹介します。
目次
1.複数業者からの見積もりを取り、粘り強く価格交渉する
2.「旬」を最大限に活用するメニュー戦略
3.産地直送・生産者との直接契約のメリットと注意点
4.共同仕入れによるボリュームディスカウントの追求
5.業務用食材の品質向上とスマートな活用法
まとめ:常識を打ち破る仕入れ戦略が、米高騰時代を生き抜く鍵
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1. 複数業者から見積もりを取り、粘り強く価格交渉する
「いつも同じ業者だから安心」という考えは、知らず知らずのうちにコスト増につながっているかもしれません。現在の仕入れ価格が適正かを判断するには、定期的な相見積もりが不可欠です。
まずは、競合他社や新規参入の業者から積極的に見積もりを取りましょう。この際、単に価格だけでなく、品質、納期、支払い条件、トラブル時の対応など、総合的なサービス内容を比較検討することが大切です。特に米においては、銘柄だけでなく玄米での仕入れ可否、ロットごとの単価変動、配送頻度といった細かな条件交渉がコスト削減につながります。他社の見積もりを提示することで、現在の取引業者との価格交渉も有利に進められます。
また、交渉の際には、長期的な取引の継続や発注量の増加など、業者にとってのメリットも提示しましょう。双方にとってメリットのある関係を築き、コスト抑制を進めることが、持続可能な仕入れの秘けつです。
2. 「旬」を最大限に活用するメニュー戦略
旬の食材は供給が安定するため価格も比較的落ち着きやすく、何より味が最高です。この「旬」を意識したメニュー開発は、コスト削減と顧客満足度向上の双方に貢献します。季節ごとにメニューを大胆に入れ替えることで、旬の食材のおいしさをアピールでき、原価率も抑えられます。
米についても、新米の時期にはその年の出来栄えや特性をメニューに反映させ、古米とのバランスを考慮した仕入れ計画を立てることで、年間を通じたコスト最適化を図ることができます。顧客にとっても、季節感あふれるメニューは新鮮で魅力的であり、「この時期ならではの味」を楽しみにリピート来店を促す効果も期待できます。
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3. 産地直送・生産者との直接契約のメリットと注意点
中間マージンを省ける産地直送や生産者との直接契約は、理論上、最もコストを抑えられる方法の一つといえます。流通コストを削減できることで仕入れ価格が下がる可能性があることに加え、新鮮な食材が直接届くという品質面でのメリットも大きいでしょう。特に米は、精米したての新鮮さが味に大きく影響するため、直接契約による仕入れは大きな強みとなります。さらに、生産者の顔が見えることでメニューにストーリー性が生まれ、顧客へのアピールポイントとなるだけでなく、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
しかし、注意点もあります。天候不順などにより供給が不安定になる可能性があるため、米の場合、単一品種・単一農家からの仕入れには一定のリスクが伴います。複数の生産者との契約や卸業者との併用で、バックアップ体制を整えておくことが一つの有効策といえるでしょう。
また、小ロットの個別配送では送料が高くなる可能性もあるため、共同購入や効率的な物流手段の検討も必要です。
4. 共同仕入れによるボリュームディスカウントの追求
近隣の飲食店と協力して、共同で食材を仕入れる「共同仕入れ」は、各店舗の仕入れ量を合計することで、業者からボリュームディスカウントを引き出しやすくなる有効な手段です。
地域の飲食店組合や、同業の仲間と連携し、共通して使用する食材(米、油、調味料、肉類など)をまとめて発注します。特に米は消費量が多く、まとまったロットでの仕入れが効果的なため、共同仕入れのメリットが顕著に現れる可能性が高いです。これにより、単価が下がるだけでなく、配送コストの削減にもつながる可能性があります。また、情報交換の場としても機能し、互いの経営ノウハウを共有できるという副次的なメリットも期待できます。
ただし、共同仕入れには、発注タイミングの調整や品質基準の統一、支払い方法のルール作りなど、参加者間の密な連携と合意形成が必要です。信頼できるパートナーを見つけ、事前にしっかりと話し合いを行うことが成功の鍵となります。
5. 業務用食材の品質向上とスマートな活用法
「業務用だから品質が低い」というイメージは、もはや過去のものです。近年の業務用食材は、品質が向上し、手間を省ける優れた商品が増えています。これを上手に活用することで、コストと労働力の両面でメリットを享受できます。
例えば、下処理済みの野菜や魚、高品質な冷凍加工品などを活用すれば、仕込みにかかる人件費や時間を大幅に削減できます。米においても、炊飯済みパックや加工米(リゾット用など)を一部導入することで、繁忙期の炊飯作業の負荷軽減や、特定のメニューにおける品質の安定化を図ることができます。また、セントラルキッチンを持つ大規模な飲食店では、一部の調理工程を集中させることで、各店舗での作業を効率化し、食材の大量仕入れによるコストメリットも享受できます。
重要なのは、業務用食材を手抜きと捉えるのではなく、「効率化と品質維持の両立」のための戦略的な選択肢と位置づけることです。メニュー全体の中で、どこに手間をかけ、どこを効率化するかを見極め、バランス良く取り入れることが成功の秘けつとなるでしょう。
6.セカンダリ卸を確保し、リスクを分散
飲食店の仕入れリスク分散策として、主要卸とあわせて「セカンダリ卸」(補助的・代替的な役割を持つ卸業者)を持っておくと、急な価格高騰・天候不順・流通トラブルなどの際にも柔軟に対応できる可能性が広がります。
なかでも商品調達力と安定した供給体制に強みを持つ「ベジクル」は、大田市場近隣に倉庫を構える業務用青果卸で、都内飲食店向けの野菜卸・配達・仕入れサービスを展開しています。累計取引店舗数は1万店を超え、都内取引件数はベジクル社調べでナンバーワンの実績を誇ります。
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まとめ:常識を打ち破る仕入れ戦略が、米高騰時代を生き抜く鍵
原材料費高騰という逆風が吹き荒れる現代において、従来の仕入れ方法だけに頼り続けることは、飲食店経営にとってリスクとなり得るかもしれません。特に米高騰は、日本特有の深刻な経営課題であり、その対策は急務です。
飲食店の仕入れ戦略は常に進化が求められます。ご紹介した多角的な調達戦略は、単にコストを抑えるだけでなく、新たなビジネスチャンスや品質向上の可能性も秘めています。自店の特性と照らし合わせながら、最適な戦略を組み合わせ、この難局を乗り越えていきましょう。
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