飲食店の食中毒対策マニュアル|HACCP対応・衛生管理のポイントを徹底解説

飲食店における食中毒対策と衛生管理は、顧客の安全と店舗の信頼を守るために不可欠。HACCPに基づいた管理と日々の衛生習慣、万一の発生時の迅速な対応と再発防止策について紹介します。

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飲食店における食中毒対策と衛生管理は必須!

食中毒は、飲食店にとって顧客の信頼を失うだけでなく、営業停止などの重大な事態を招く可能性があります。安心安全な食の提供は、飲食店の継続的な経営に不可欠であり、日々の衛生管理と食中毒対策の徹底が求められます。

飲食店の食中毒対策と衛生管理は、食品の安全性を確保し、お客様に安心して食事を楽しんでいただくために最も重要な要素の一つです。特に、夏場は気温が高く、細菌が繁殖しやすい環境になるため、より一層の注意が必要となります。

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目次
1.食中毒発生の原因と主な種類を理解する
2.HACCPに沿った衛生管理でリスクを低減する
3.日常の衛生管理で実践すべき5つのポイント
4.食中毒発生!5つの緊急対応と再発防止策

まとめ:食中毒対策はお店の信頼を築く重要な基盤

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1. 食中毒発生の原因と主な種類を理解する

食中毒の主な原因は、細菌、ウイルス、自然毒など多岐にわたります。中でも飲食店で発生しやすいのは、細菌性食中毒とウイルス性食中毒、寄生虫による食中毒です。

細菌性食中毒は、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌(O157など)、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオなどが原因菌となります。これらの細菌は、加熱不足の肉や卵、不適切な温度管理下で保存された食品などで増殖しやすく、発熱、下痢、嘔吐などの症状を引き起こします。

ウイルス性食中毒では、ノロウイルスが代表的です。感染者の糞便や吐瀉物から、または汚染された二枚貝などを介して感染が広がり、激しい嘔吐や下痢を引き起こします。ノロウイルスは低温や乾燥にも強く、少量のウイルスでも感染が成立するため、非常に注意が必要です。

寄生虫は、アニサキスなどによって引き起こされ、激しい腹痛や吐き気、嘔吐などを伴う症状が出るケースが多いです。しっかりと加熱すれば大丈夫ですが、刺身など生で提供するメニューの場合に注意が必要です。

食中毒の原因を理解することは、適切な対策を講じる上で重要です。それぞれの原因に応じた対策を講じることで、リスクを大幅に低減できます。

2. HACCPに沿った7つの衛生管理でリスクを低減する

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:ハサップ)は、食品の製造・加工工程における危害要因を分析し、それに対する重要管理点を定めて継続的に管理する衛生管理手法です。2021年6月からは、原則としてすべての食品事業者でHACCPに沿った衛生管理の実施が義務化されました。

HACCPを導入することで、経験や勘に頼る従来の衛生管理から脱却し、科学的根拠に基づいた効率的かつ効果的な衛生管理が可能になります。具体的には、以下の7原則で運用を進めます。

1.危害要因分析の実施
2.重要管理点(CCP)の決定
3.管理基準の設定
4.モニタリング方法の設定
5.改善措置の設定
6.検証方法の設定
7.記録文書化

これらの手順を踏まえ、日々の作業の中で重要な管理点を徹底することで、食中毒のリスクを最小限に抑えることができます。例えば、食品の中心温度を測り、適切な時間で加熱されているかを確認する、交差汚染を防ぐために調理器具の使い分けを徹底するなどです。

HACCPは難しいと感じるかもしれませんが、各飲食店に合わせた取り組み方が示されています。まずは自店の状況を把握し、できることから実践していくことが大切です。

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3. 日常の衛生管理で実践すべき5つのポイント

HACCPに基づいた衛生管理を構築しつつ、日々の業務の中で具体的に実践すべき5つの衛生管理のポイントがあります。

(1)手洗いの徹底

食品を取り扱う前、トイレの後、生肉や魚を触った後など、こまめな手洗いは基本中の基本です。石鹸を使い、30秒以上かけて丁寧に洗い、清潔なタオルやペーパータオルで拭き取ります。

(2)食材の適切な管理

食材の仕入れから保管、調理に至るまで、温度管理を徹底します。生鮮食品は特に、冷蔵・冷凍庫の温度設定を適切に行い、表示された消費期限や賞味期限を守ります。

(3)調理器具・施設の洗浄・消毒

包丁、まな板、ふきん、食器などは、使用後に必ず洗浄し、必要に応じて熱湯消毒や殺菌剤を用いた消毒を行います。厨房内も常に清潔を保ち、清掃を徹底します。

(4)交差汚染の防止

生の食材と調理済みの食材を区別し、包丁やまな板も使い分けることで、菌の移動(交差汚染)を防ぎます。手袋の着用や、エプロンの使い分けも有効です。

(5)従業員の健康管理

従業員の体調不良は、食中毒の原因となる可能性があります。発熱や下痢、嘔吐などの症状がある場合は、食品の取り扱いを控えさせるなど、厳重な健康管理を行います。

これらのポイントを従業員全員で共有し、徹底することで、食中毒の発生リスクを大幅に低減できます。定期的な衛生講習会の実施も効果的です。

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4. 食中毒発生!5つの緊急対応と再発防止策

万が一、食中毒が発生してしまった場合の対応も事前に準備しておく必要があります。初期対応を誤ると、被害が拡大し、より深刻な問題に発展する可能性があります。もし食中毒が発生したら、できるだけ早く以下の5つの対応を行いましょう。

(1)保健所への連絡

食中毒の疑いがある場合は、速やかに最寄りの保健所に連絡。営業停止期間は全面的に営業・販売してはいけません。

(2)提供食品の確保

原因究明のため、提供した食品の残品や、同じロットの食材などを保管しておきます。

(3)顧客情報の把握

食中毒の症状を訴えているお客様の連絡先や、来店日時、注文メニューなどを正確に把握します。

(4)原因究明と再発防止

保健所の指導に基づき、原因を徹底的に究明し、再発防止策を策定・実施します。必要に応じて、施設の改善や従業員への再教育を行います。

(5)情報公開と謝罪

状況に応じて、適切なタイミングで情報公開を行い、誠意をもってお客様に謝罪します。

まとめ

食中毒は、一度発生すると信用回復に多大な労力を要します。日頃からの対策を怠らず、もしもの時にも冷静に対応できるよう、緊急時のフローを構築しておくことが重要です。

飲食店における食中毒対策と衛生管理は、お客様の安全を守り、お店の信頼を築く上で最も重要な基盤です。HACCPに沿った管理体制の構築と、日々の徹底した衛生管理により、安心安全な食を提供し続けましょう。

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