2025/12/17 コラボ企画

行列必至!東京・立川「バンコク屋台料理 カオマンガイ」タイ料理を愛するオーナーが語る、味へのこだわり

JR立川駅南口から徒歩3分の「バンコク屋台料理 カオマンガイ」は、多摩モノレール立川南駅からも近い繁盛店です。物価高騰を乗り越えて守る本場の屋台の味は、辛味と酸味のバランスが抜群。年齢性別問わず行列ができるほど人気の秘訣をオーナーシェフの小林 直樹さんに伺いました。

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※スマイラー116号(2025年10月)より転載

週末はテイクアウトを断ることもあるほどの人気店

最近、土地の価格も上がり、マンションなんて23区かと思うほど人気が高くなっている街、立川。JR中央線を中心に、青梅線、南武線、多摩モノレールが乗り入れる交通の便の良さから、多摩の中心と呼ばれています。

その南口、駅からちょうど良い距離にあるのが、「バンコク屋台料理 カオマンガイ」。とにかく誰もが「おいしい!」と言うので、リピーターが増えるばかり。席数20席の店内は平日でも、ランチもディナーも満席の日が多いのですが、お客様の回転が速いのもこのお店のいいところ。ちょっと買い物をして戻ってくれば、ちゃんと席はあります。

近隣の人たちがランチ難民になった時の救世主的存在なのも、「バンコク屋台料理 カオマンガイ」。アイドルタイムがないので、遅めのランチには最適です。メニューにはSサイズがあり、組み合わせていろいろ食べられるのも魅力の一つ。いいことずくめの「カオマンガイ」ですが、土・日曜日に行くなら予約することをお勧めします。

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ムエタイの経験からタイ料理の道へ

「バンコク屋台料理 カオマンガイ」オーナーシェフの小林 直樹さん

――こちらのお店は、もとは有限会社たるたるジャパンの齊藤 崇さんのお店ですよね。

小林さん:そうです。僕が携わるようになって18年です。理系の大学でパソコン関係の勉強をしていたのですが、インターンに行った先でこの仕事は向いてないなと思って。アルバイトで入りました。

――齊藤さんからお店を買ったということですか。

小林さん:もともと35才で独立したいなと思っていたんです。30才くらいから社長と面談していく中で、よかったら譲るよと言っていただきました。

――なぜタイ料理だったのですか?

小林さん:タイ料理がよかったんです。大学生の時にムエタイをやっていて、タイに行っていたんです。そこでタイ料理がおいしいなと思って、調理師の道に入り、アルバイトしたのがきっかけです。

――ムエタイ!

小林さん:はい。もともと格闘技をやっていて、いろいろ調べていたら、夏休みに1カ月ジムに寝泊まりしながら練習できるというものを見つけて、「これはムエタイをやるしかない!」 ということで。まあ、趣味でやるくらいです。

小林さんの奥様はタイの方です。大学生の時、留学生の友だちに紹介されたのだとか。一緒にタイに行く約束だったのに、「一緒に行けなくなった。その代わりに日本語を話せる人を紹介します」と言われ、紹介されたのが奥様だったそうです。お付き合いを経て、お互いに面白そうと、結婚に至ったそうですが、日本にお嫁に来ちゃう奥様の勇気は素晴らしいです。お店にはいらっしゃらないですが、ご自宅で、かわいいお嬢さんを育てて、主婦業に専念されているそうですよ。「タイ料理屋ですからね、もし結婚生活がコケても、話しのネタになるかなと思って」なんて冗談をおっしゃっていました。

物価高騰への対応と経営の工夫

――今年の米騒動、異常気象や課税問題による物価高騰。店舗経営には山積する難問をくぐり抜けての営業だと思われますが、ここまでの人気店、何か秘策はあるのですか。

小林さん:秘策はありませんが、地道に毎日を過ごしています。物の値段が上がることに関しては、あちこちからできるだけ情報を集めて、必要ならば多めに注文するようにしています。過去に、どうしてもダメだと思った時は値上げもさせていただきました。値上げをするにもこのチャンスしかないという状況だったと思います。アルバイトの時給も、国が上げる方向で動いているので、よ~く計算しています。どこで利益を上げればいいか、ですね。

―― 最近は人手不足が深刻化していますが、アルバイトの採用や定着についてはいかがでしょうか?

小林さん:アルバイトの定着率は低くないと思います。アルバイトの人がなかなか集まらないと聞くことがありますが、ありがたいことに、今働いている人が紹介してくれて、募集をかけずに済んでいます。でも、現在はスタッフが女性ばかりなので、鍋が重くて、鍋を振ることができないんです。女性でも比較的体力あるスタッフなんですけれどね。もちろん自分ひとりが鍋を振る、人件費を考えればこのことが良いことでもあるので、現状維持で行くと思います。でも、もし男性がいてくれて調理できたら、水曜日の定休を外してしまうことができますのでね。

――定休日を無くすことも、攻めの経営なんですね。

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常連さんが求める本場の「辛さ」

――お店で、よく出るメニューは何ですか?

小林さん:カオマンガイ、パッタイ、生春巻きなど、一品で名前の知られたメニューが売れ筋です。

でも、常連さんは違います。辛くても海鮮のうま味がしっかり出ている「激辛チャーハン」とか、レモングラスのサラダ「ヤムタクライ」などが人気とか。激辛チャーハンを作り始めると、お店の中、あちらこちらから咳が聞こえてきます。目には見えなくても飛んでくる辛み。ああ、タイ料理屋さんだなあと思います。

文:Betty
地域コミュニティ誌を書いて25年。「私の興味はみんなの興味」と信じて取材を続けています。文化・芸術・スポーツ、もちろん食べることも、浅く広くですがとにかく守備範囲の広いことだけが自慢です。
取材協力:バンコク屋台料理 カオマンガイ
住所:東京都立川市柴崎町2-2-13 FKK柴崎町1階
https://r.gnavi.co.jp/c83b7rpc0000/map/
https://www.instagram.com/khaomangai_tckw/

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