2026/02/10 コラボ企画

「揚州商人」2代目の組織改革。事業構想の可視化と社員の夢を応援する“称賛経営”とは

“日本発の中国ラーメン”を掲げる中華料理店「中国ラーメン 揚州商人(ようしゅうしょうにん)」を経営する株式会社ホイッスル三好。先代の父に憧れて入社した三好 一太朗 社長は、赤字脱却と組織改革という大きな壁に直面する。経営塾の学びを軸に、夢を具体的な目標に落とし込む独自のマネジメントを確立。人と事業を成長させる秘訣を欧州進出も見据える三好氏に伺った。

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※スマイラー118号(2025年12月)より転載

父への憧れと25歳で直面した専務の重責、先代との衝突

ホイッスル三好の経営理念

「僕は5歳ぐらいから会社へよく遊びに行き、周囲の大人に“オトナっていいぞ、子どもより楽しいぞ”と言い聞かされていて、僕自身、自由でいいなと思っていました。学生時代、会社がどんどん盛り上がっていくのを見てすごい、カッコいいといった憧れもありました」と三好氏は語る。

2010年、ホイッスル三好に入社した当時、最盛期は直営36店舗、売上35億円を誇った業績もすでにピークを過ぎ、赤字状態。そのわずか2年後、専務に選任された25才の三好氏にとって、そのプレッシャーは計り知れなかったと語る。「僕の一挙手一投足が、人の未来を決めると思うと、その責任の重さにめまいがしそうでした。先代と考えの食い違いや激しい衝突もあり、心が折れ、辞めるしかないと。でも夢を語って一緒にやろうと言った人たちはどうなるんだ、と自問自答して、今辞めるわけにはいかないと、必死に思いとどまりましたね」と当時を振り返る。

経営塾での学びと母の喪失。転機と危機は突然に

毎年発行し、全社員に配布する事業発展計画書

2015年には、急激な多店舗展開が要因となり、業績が過去最低にまで悪化。資金繰りも難しい状態で、“カネがないなら知恵を出すしかない”と再起に向けて策を講じる日々が続いた。そんな中、三好氏は社長塾に入門し、経営の原理原則を改めて学ぶ。

これは三好氏にとって大きな転機となるが、くしくも翌年、先代副社長だった母親が他界する。「いかに母が私と父の間に入って緩衝材になってくれていたかを、見せつけられました。家族としても、先代の後見人としても、バランスを崩して鬱(うつ)となり、会社からフェードアウトしました」。

そんな三好氏を同塾で出会った門下生たちが支えてくれた。遠方から駆けつけてくれた先輩経営者もいた。「肩を優しく抱いてもらって、涙が溢れました」。その後、三好氏は復活を試みる。「恐る恐る出社したときに、社員の皆が“おかえりなさい”と言ってくれて。あぁ、もう絶対ここでやっていくんだという思いになりました」。

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目標は可視化して共有。社員の行動変容を促進

会社沿革の案内ボード。面接時に説明がしやすいという

三好氏は、社長塾での学びの集大成として、2016年から年間事業の計画書を作成している。「弊社の理念、戦略、戦術、数字を盛り込んだ“一気通貫的”な内容で、どの部署の、どの担当が、何をどうやっていつまでといった、極めて実務的なものです。以前は構想を話すだけでしたが、今では最重要書物として全社員に配布し、会議でも常に携えています」。

継続は力となり、数年後には社員の行動変容に結び付いた。「ちゃんと読んでいるかテストして、最初はやらされ感がありましたが、次第に来年の事業計画について提案する社員も出てきた。一度では劇的に変わりませんが、継続が大切。今年で10冊目です」と笑う。

褒め合う組織文化。夢と目標を繋ぎ原動力を強化

株式会社ホイッスル三好 代表取締役社長 三好 一太朗 氏

2018年に社長就任した頃には、利益が出せる経営体質へと成長していた。その5年後、人的資本を基盤とした経営構想「アドマイヤ―ドカンパニービジョン」を発表する。「夢を持たない人が大半なのは現実かもしれませんが、持てないのではなく、持ち方や、持ったときに“称賛”して応援してくれる環境さえあれば、実はやりたいことがいっぱいあると思う。だからうちでは誰かが夢や目標を話すと、それいいね、から始まります」。

先代が説いた「心に描いていることは必ず実現する」という思いを、三好氏が言語化した形だ。「僕自身もそのように育てられ、これからもそんな会社でありたい。先代たちが人を応援し、幸せにしてきたという現実を見せてもらってきたので、自分ももはや自分のためではないというところが僕の原動力かもしれません」。

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欧州の食文化に貢献したい。願望は目標となって実を結ぶ

現在、三好氏は欧州での出店を計画中だ。欧州の飲食業界は“ブルーオーシャン”だと話す。「先日、現地の視察に行き、ラーメンを食べたら驚くほどおいしくなくて。それで店名は和名だったりする。でもその国でまずいものは発展の余地がある。そんな場所で本当に良いものを届け、食文化に貢献することは日本や東南アジアに比べてかなりポテンシャルがあると思っています」。

“アドマイヤード”には“憧れる”という意味もある。三好氏のキャリアは父への憧憬から始まった。先代が蒔いた“夢を大切にし、ひとを幸せにしたい”思いの種を三好氏のやり方で開花させた。同社の挑戦は、これからも続く。

取材協力:株式会社ホイッスル三好
住所:東京都杉並区和泉3-46-9 YS第一ビル2F
中国ラーメン 揚州商人
https://www.yousyusyonin.com/



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