飲食店の売上アップ完全ガイド:客数・客単価・回転率を伸ばすノウハウと成功事例

飲食店の売上を伸ばすために必要な改善策を紹介。坪月商の目安や売上予測の立て方といった基本から、SNSを活用した集客法、回転率を高める配席の工夫、付加価値を高めて客単価を適正に上げる方法などを解説。イートイン以外の収益源を作るアイデアや、売上2倍を実現した繁盛店の成功事例も紹介します。開業後に売上が伸び悩んでいる店舗が取り組むべきヒントが満載です。

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売上アップの基本戦略と具体的な実践法を紹介!

飲食店の安定した経営のために直面するのが、「売上アップ」という課題です。その実現には、売上予測を立てて実際の数値と比較しながら、「集客に力を入れて客数を増やす」「メニューや価格を見直して客単価を上げる」といったアプローチが重要になります。

自店のコンセプトや客層をしっかり分析した上で、販促ツールを導入したりSNSで情報発信・拡散したりすることで新規客・リピーターを獲得することがポイント。さらに回転率を高める工夫も重要です。また、客単価を上げるためには、メニュー構成やサービス内容を見直し、注文率の向上を図ることも欠かせません。

一方で、売上ばかりに目が行き過ぎると食材原価や人件費などのコストを圧迫して利益が出なかったり、お客様やスタッフの満足度が下がる可能性もあるので、「収益性」「顧客満足度」「従業員満足度」の管理も忘れてはいけない視点です。

【売上に欠かせない集客アップツールについてはこちら】
飲食店の集客アップツール&方法18選!新規客&リピーター獲得のポイント解説

そこで、売上アップのために知っておきたい基礎知識や基本的な戦略、具体的なアイデア、成功事例などをまとめて紹介します。

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目次
飲食店の売上の目安はいくら?
売上予測の計算・活用方法
売上アップにつながる4つの方法
「来店数(集客力)」を上げるための施策
入店数(席稼働率)を最大化するための施策
客単価を適正に上げるための施策
イートイン以外で売上を作るための施策
売上アップ成功事例
まとめ

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飲食店の売上の目安はいくら?

飲食店の売上は店舗の規模によるので一概には言えませんが、目安となるのが坪月商です。坪月商は、1カ月の総売上を店舗の面積(坪数)で割ったもので、店舗の規模に関係なく指標として参考にできます。坪数がわからない場合は、

坪数=面積(㎡)×0.3025

で算出できます。

坪月商による経営安定度の目安は、以下のとおりです。

坪月商10万円未満

経営が厳しい。固定費(家賃など)の負担が重くなる。
坪月商15万~20万円
標準的な水準。安定した利益を出しやすい。
坪月商30万円以上
繁盛店。非常に効率よく稼げている状態。

まずは、標準的な水準に達しているかを確認し、繁盛店を目指しましょう。もし10万円未満の場合は、早急に対策をしないと経営を続けることが難しくなります。

売上予測の計算・活用方法

毎月の売上の数字は日々の売上金額を足し合わせたものですが、経営者として知っておくべきことは、飲食店の売上は、

客数(1日あたりの客数)×客単価(1人あたりの支払い金額)×営業日数

という要素で決まるということです。これをもとに毎月の売上予測を立てて、実際の売上と比較し、「どこを改善すべきなのか」を定期的に分析することが大切です。毎月の売上予測の算出方法は以下のとおりです。

売上予測=1日の予測客数(総客席数×1日の平均回転数×席稼働率)×平均客単価×営業日数

例えば全40席で1日の平均回転数が1.5回、席稼働率が70%、客単価が4,000円の場合、1日の売上は「40×1.5×0.7×4,000=16万8,000円」となります。営業日数が月25日で日ごとに客数や客単価が一定だとすると、月の売上予測は「16万8,000円×25=420万円」になります。

こうして売上予測を立てて、実際の月商と比べると、客数や客単価が想定より多い(高い)、もしくは少ない(安い)ということがわかってきます。想定よりも客数が少ない場合は、販促などを通じて集客に注力することが必要ですし、客単価が安い場合は、料理やドリンクの価格を見直したり、注文率を上げる工夫が求められます。なお、単純に売上アップを目指しても、仕入れ費用や人件費などのコストに圧迫されては利益が上がりません。正しくコストを把握して削減に努めることが健全な経営につながります。これも売上や集客アップのための情報として肝に銘じておきたいポイントです。

こうした「コストの把握」に欠かせないのが損益計算書。以下の記事、
【飲食店の数字の見方】損益計算書を楽に作るための3つのポイント
では、計数管理コンサルタントの東海林健太郎氏に損益計算書の作り方や諸経費・コストの考え方や算出の仕方を聞いているので参考にしてください。

売上アップにつながる4つの方法

では、具体的に売上を上げるためにはどうしたらよいのでしょうか。飲食店が売上を上げるための方法として考えられるのは、

・来店数(集客力)を上げる
・入店数(席稼働率)を最大化する
・客単価を適正に上げる
・イートイン以外で売上を作る


です。

来店数(集客力)」を上げることは、最も重要で土台となる施策です。店の存在や魅力を知ってもらい来店するお客様の数を増やさなければ、いくら席稼働率や客単価を上げても売上の大きな拡大は見込めないからです。

入店数(席稼働率)」を最大化する施策は、できるだけ多くのお客様に入店してもらうということです。来店した(する意欲はある)のに、効率的な席配置ができていないせいで本来取れるはずの予約を断ることになったり、回転率が悪くてウエイティングが長くなり入店してもらえなければ大きな機会損失につながります。また、席稼働率を高めることの本質的な意味は「売上を生んでいる席の数を増やす」ということ。お客様が座っていても、売上が増える見込みがない(食事が完全に終了している)状態は、「席が稼働している」とは言い切れないので注意が必要です。

客単価」を適正に上げることは、集客と売上の両方に好影響を与えます。ポイントは「適正に」という部分です。客単価さえ上がれば売上も上がるかというと、必ずしもそうとは限りません。客単価を上げたせいで、客層や利用シーンが変わってしまい、結果的に集客力(来店数)が落ちて売上が下がることもありえます。逆に、客単価が下がったとしても、使いやすい店として評価され集客力(来店数)や回転率(席稼働率)が上がって、売上が上がるということもあります。肝心なのはメインターゲットの満足度に見合った客単価になっているか、です。集客力を落とさずに売上を最大化できる適正な範囲内で客単価を最大化することが重要です。

イートイン以外で売上を作る」ことは、席数や営業日数が限られる飲食店にとって、売上の上限値を上げるための有効な手段といえます。

それぞれ、具体的にどのような施策があるか、紹介します。

「来店数(集客力)」を上げるための施策

コンセプトとターゲットを明確化・再定義する

まず、集客力を上げるための前提として、自店のコンセプトとターゲットを明確にすることが必要不可欠です。コンセプトやターゲットによって活用する集客ツールや方法が異なるからです。コンセプトやターゲットの決め方についてのマーケティング手法は、
飲食店マーケティングの最適解:集客力を高める仕組みづくりと具体的な施策方法
を確認してみてください。

例えば、東京・渋谷にある人気居酒屋「蕎麦前酒場 はんさむ渋谷」は、“ゆっくりそば屋で飲む文化を若者にも楽しんでもらう”という明確なコンセプトで他店との差別化に成功し、客数を上げました。狙い通り若い世代が自家製のそばと日本酒を求めて来店する繁盛店に成長し、売上を大きく上げることができました。コンセプトをいかに店づくりに反映したか、成功のポイントなどを下記の記事、
「そば屋で飲む」粋な文化を発信して坪月商57万円の大ヒット!「蕎麦前酒場 はんさむ渋谷」
が参考になります。

ターゲット1「新規客」

来店客は大きく分けて、新規客とリピーターに分けられます。まず、新規客を増やす施策を紹介します。

(1)情報発信の強化

店の公式ホームページやぐるなびなどのグルメサイト、InstagramやFacebookなどのSNSを活用して積極的に情報発信することで、さらなる集客アップが見込めます。スムーズな予約につなげるためにWeb予約への導線を設定しておくとよいでしょう。また、店の外観・内観写真や新メニュー、その日の仕入れ情報、レアな食材・お酒の入荷情報、ユニークな期間限定イベントやキャンペーンなど、消費者の興味を引く情報発信が集客につながりやすいです。集客に効果的なツールや手法については、
飲食店の集客アップツール&方法18選!新規客&リピーター獲得のポイント解説
を確認してみてください。

SNSの集客事例の一つとして参考にしていただきたいのが、東京・代々木にある「Seafood bar Ermitage」。
SNSで集客&味でリピーターを生む!「とろサーモンレアカツ丼」Seafood bar Ermitage @代々木
では、「Seafood bar Ermitage」が名物の「とろサーモンレアカツ丼」をSNSで上手にアピールし、集客につなげたノウハウを取り上げています。

(2)客層・利用シーンの拡大

もう一つの新規客獲得策が、客層や利用シーンを拡大させることです。客層であれば、例えば男性だけでなく女性、シニアだけでなく若い世代など、現状のターゲット以外も来店したくなるような店づくりを進める施策を指します。

また、利用シーンであれば、モーニングやランチ、カフェタイムなど営業時間を変えることで新たなニーズを獲得したり、個室を増やして接待や記念日利用を獲得するといった空間的な施策も一案です。ほかに、お一人様用やお子様用メニューなどの充実による利用シーン拡大も考えられます。これに合わせて、特定の時間帯での利用を促すための「ハッピーアワー」や「21時以降の時間限定サービス」なども集客アップに効果的です。

ターゲット2「リピーター」

リピーター施策には、大きく分けて「リピーターの数を増やす施策」と「リピーターの来店頻度を増やす施策」があります。それぞれ、どんな方法があるか紹介します。

(1)リピーター数アップ策

リピーターの数を増やすには、「もう一度、その店に行く理由」をお客様に感じさせることが重要です。そのためには以下のような方法が考えられます。

・QSCを磨く
QSC(Quality=品質、Service=サービス、Cleanliness=清潔さ)を磨くことで、店のファンになってもらい、リピート率を高めることができます。

・特別な顧客体験を演出する
ここでしか体験できないサービスや、ここでしか食べられない料理など、希少性や特別感などを打ち出したメニュー・サービスを提供することで、「また行きたい」と思ってもらえます。

・連絡手段を入手して再来店を促す
LINEやメール、住所などのアプローチ手段を入手して、お得感や特別感などを感じさせる情報を定期的に送ることで、店を思い出してもらいつつ、来店動機を創出できます。

・再来店につながるクーポンなどの配布
次回来店時に使える割引券や来店するごとに特典が付与される会員カードなどを配布することで、再来店の動機づけを行えます。

(2)リピート率(来店頻度)アップ策

再来店の頻度を上げるための施策として、以下のようなものが考えられます。

・短期時限付きのクーポン
1週間位内や1カ月以内の来店で使える割引クーポンなどを配布することで、「期限内にまた行こう」という意識が働き、来店頻度が増える可能性が上がります。

・特定の日限定サービス
「本日限定」といった特別感のある情報の発信や、曜日ごとにレディースデーなどのイベントを設定することで、「その日・その曜日は行こう」という動機づけができて、再来店につながりやすいです。

・「アイテムの預かり」による動機づけ
焼酎などのボトルキープは、「自分のボトルがあるから何かあればあの店で飲もう」という動機づけがされやすいです。また、マイ箸やマイカップを店に置いておき、それを使うと特典が付くサービスも「預かり」施策として有効です。

・サブスクリプションの導入
月額定額制で、毎回来店時に特定のサービスを受けられるサブスク制度を導入すると、利用者にとってはたくさん来店したほうがお得なので来店頻度が高まる可能性があります。

入店数(席稼働率)を最大化するための施策

(1)回転率を上げる

席稼働率を高めるために回転率を上げることは欠かせません。回転率を上げるということは滞在時間を短くするということですが、むやみに短くすると顧客満足度が下がってしまいます。顧客満足度を維持しながら、より多くのお客様に入店してもらえるように、以下の取り組みを強化しましょう。

・「注文」の時間を短くする
宴会の場合、ファーストオーダーを受けないと始まらないので、最初の注文を受けるスピードは重要です。また、メニュー数を絞り込んだり、初来店の人向けの「おすすめセット」を用意したりすることで、注文時にお客様が迷う時間を少なくできるはずです。また、モバイルオーダーなどを導入することでスタッフを呼ばなくてもよいため、注文までのスピードは上がるはずです。

・「提供」の時間を短くする
仕込みの比重を増やしたり、調理オペレーションを効率化したりして、できるだけ早く提供できるようにすることも重要。メニュー表などに「早く提供できるメニュー」「調理に時間がかかるメニュー」などを明記しておくことで、自然とお客様が提供スピードを考慮して注文するため、結果的に回転率を高めることにもつながるはずです。

・「食事終了→退店」の時間を短くする
お客様が「食事終了後に、会話だけをしている時間」を減らすための工夫が必要です。コースであれば時間制にすることで「次のお客様がいる」という理由で退店の了承を得やすいです。また、締めのお茶を提供したり、空いた皿を下げるといった「丁寧な接客であると同時に、退店の準備を促すサインにもある」対応を行うことが重要になります。

・「会計」の時間を短くする
キャッシュレス決済を導入することで決済の待ち時間を短縮することもできます。

・「バッシング」の時間を短くする
「お客様が帰ってから片付ける」のではなく、空いたグラスや皿をこまめに下げる「中間バッシング」を徹底しましょう。退店時のテーブルに何も残っていない状態にすれば、次のお客様を1分以内に案内することも可能です。

・BGMのテンポを上げる
人間は速いテンポの音楽を聴くと、無意識に動作や咀嚼(そしゃく)が早くなるそうです。混雑時のみBGMのテンポを少し上げることで回転率を高める手法は、ファストフードやカフェなどで使われることがあります。

・照明の明るさを調整する
明るい照明は活動性(短時間の滞在)を高めて、暗い照明はリラックス(長時間の滞在)を促すと言われています。ピークタイムは少し明るくし、活気ある雰囲気を演出する方が、心理的に回転率は上がりやすいでしょう。

・椅子の座り心地を調整する
「硬めの椅子」は、長時間の作業や深い談笑には向いていません。回転率重視のラーメン店などはこうした椅子を活用して長時間の滞在に不向きな空間を作っています。ただ、業態によっては「居心地の悪い店」という評価を受けてしまう可能性があるので注意しましょう。

(2)柔軟かつ効率的な配席

もう一つ、席稼働率を高めるための施策が、できるだけ多くのお客様が入店できるような柔軟かつ効率的な配席です。「ぐるなび台帳」のような飲食店向けの台帳システムでは、席稼働率が高くなるように予約客を効率的に配席する自動配席機能が付いているので活用を検討してみてください。

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以下に、席稼働率を高めるための施策をいくつか紹介します。

・2人用テーブルの有効活用
2人用テーブルを上手に活用することで、3〜4人なら連結し、6人ならさらにもう一つ連結することで、お客様の人数に合わせて柔軟に配席でき、稼働していない席を最小限にできます。

・隣り合わせ/相席/席移動の依頼
カウンター席で隣り合わせに座ってもらったり、一つとなりの席に移動してもらうお願いをしたり、テーブル席での相席を了承してもらうことで、より多くのお客様に座ってもらえます。

・ネット予約での「席種おまかせ」設定
ネット予約の設定で、席種の選択肢をデフォルトで「おまかせ(店側が選ぶ)」にしておくことで、人数や予約が入っている時間に応じて効率的に配席のパズルを組むことができます。

・ショートステイ枠を用意
予約と予約の間の1〜1.5時間を、フリー客専用の「ショートステイ枠」として活用しましょう。あらかじめ店頭に「19時までのご利用ならすぐにご案内できます」と掲げて短時間の利用を訴求するのです。これでフリー客を獲得できれば、予約の間も席を稼働させることができます。

・イレギュラーな空席の補填(ほてん)策
キャンセルの発生などイレギュラーな空席が出た場合に、LINEやInstagramなどのSNSで、友だち登録している人やフォロワーに対して「今なら席が空いています」という情報を来店動機となるベネフィット(付加価値)とともに発信することでピンポイントで空席を埋められる可能性を高められます。

・「予約時間枠」の固定化
「18:00〜」「20:00〜」のように、ネット予約での開始時間を固定化しておくことで、「19:00~」など「お店にとって中途半端な開始時間」の予約を制限できます。ただ、どうしても19時からスタートしたいお客様を取り逃がす可能性が高いので注意が必要です。

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「客単価」を適正に上げるための施策

(1)主力メニュー(コース)の付加価値最大化

客単価を適正に上げる手段として、「主力メニュー(コース)の付加価値を最大限に高める方法」があります。つまり、今よりももっと魅力的な料理(コース内容)にすることで、単価アップを可能にするということです。客単価を上げたいなら、それに見合うだけの(お客様が納得するだけの)価値の上昇がないと集客力や顧客満足度が下がるだけだからです。

まず、ABC分析で主力となる「Aランク」(売上の上位70%を占める)メニュー(コース)を把握したら、その付加価値を最大化していきます。ここでいう付加価値とは、お客様がそのメニューに価値を感じるであろうあらゆる要素を指します。具体的には、

・食材の質(鮮度・ブランド力など)
・おいしさ
・ヘルシーさ
・ボリューム感
・盛り付けの美しさ(皿やカトラリーを含む)
・提供スピード
・提供時の接客/演出
・メニューの希少性(期間限定・数量限定)
・パーソナライズ(味変や量の変更、アレンジへの対応)

などです。

上記の要素について、あらゆる可能性を模索してブラッシュアップし続けることが価値を高め、ひいては、そのメニュー(コース)にとっての適正価格を上昇させることにつながります。ただし、付加価値を高めるために原価率を上げすぎたり、オペレーションの負荷を上げすぎると、営業利益率が下がり、スタッフのモチベーション低下や離職にもつながりかねません。「集客力」「顧客満足度」は上がっても、「収益性」「従業員満足度」が下がってしまうと安定的な経営は見込めないので、常に全体のバランスを意識するようにしましょう。

(2)価値とニーズに見合う価格設定

メニューやコースの付加価値を高めたら、商品価値に見合う価格設定をしましょう。その際に参考とすべきなのが、

・競合の価格設定
・お客様のニーズ

です。「競合の価格設定」については、まずは同じエリアの競合店が同じジャンルのメニューをいくらで提供しているかを調査します。その上で、競合に対してどれくらい自店の商品が優位性を持っているかを考慮して価格を決めましょう。

もう一つの「お客様のニーズ」は、実際の注文率を図りながら微調整をしていく方法です。具体的に価格のニーズを調べる方法を2つ紹介します。

・松竹梅戦略を活用する
同じジャンルのメニューで、付加価値に応じて松竹梅の3種類の価格を用意しておくと、人は比較的真ん中の「竹」を選ぶという心理を活かした戦略です。もし主力商品について松竹梅の価格をつけたときに、「松」や「梅」を選ぶ人が「竹」よりも多かった場合は、価格設定とお客様のニーズがずれている可能性があります。「松」を選ぶ人が多いのであれば、「松」以上の高単価商品があっても注文される可能性があり、「梅」を選ぶ人が多いのであれば、「梅」より安い商品が求められている可能性があります。3種類(もしくは数種類)について、明確な付加価値の違いを打ち出せる商品がこの戦略に向いています。

・付加価値を選択性にする
ベースの価格は変えずに、トッピングや特典など選択性の付加価値を用意して、それが選ばれるかで、「お客様が付加価値に対して対価を支払う余裕があるか」「お客様がどんな付加価値に対して単価アップを受け入れるのか」を確かめる方法です。もし、特定のトッピングや特典が圧倒的に人気になるようなら、それは選択性ではなくベースの商品に組み込んで価格自体をアップすることも可能です。「いきなり単価を上げるのは怖い」という場合におすすめですが、付加価値を選択性にすることでオペレーションが煩雑になったり、何が売りなのかがぼやけてしまうような商品は不向きです。

(3)サジェスト(提案力)の強化

客単価を適正に上げるための、もう一つの方法が「サジェスト(提案力)の強化」です。提案力を高めることで、客単価アップにつながるメニューの注文率を高めることが可能です。ただし、これも「顧客満足度」を下げない意識が必要です。追加注文をして客単価を上げても、お客様が「思ったより高くついたな」「おすすめされたけど、それほどのクオリティーではなかったな」と感じてしまえば長期的な集客力のダウンにもつながるからです。

強化できるサジェスト方法は以下の3つです。

・接客によるサジェスト
接客時に追加注文を含めておすすめの提案をしたり、トッピングなどメニュー単体での単価アップにつながるカスタマイズを提案するなどしましょう。重要なのは、「単価アップ」のためではなく、「顧客満足度アップ」のために提案すること。その結果として客単価がアップしている状態が望ましいです。

・販促物によるサジェスト
メニュー表のデザインを工夫して、単価も満足度も上がるメニューの注文率を高めることが可能です。これはメニュー表だけに限ったことではなく、店舗内外のあらゆる看板・販促物を上手に活用すれば、注文率をある程度コントロールできるはずです。

・ライブ演出によるサジェスト
隣の席で注文されていたメニューがおいしそうだから注文した、ということは飲食店ではよくあります。そういう商品を意図して開発することで、客単価アップにつなげることができます。シズル感(香り、音、ビジュアルなど)があるメニューはもちろん、調理風景や提供時の演出でインパクトを残して注文率を高められれば、客単価アップにつなげやすいです。

いずれにしても、最終的にお客様が支払った額(客単価)に対して、「それだけの価値があった」と満足してもらえるだけの付加価値を提供している事が重要ですので、(1)~(3)はどれかだけでなく、すべてを同時に実施することをおすすめします。

イートイン以外で売上を作るための施策

飲食店は席数と営業時間、営業日数の上限があるため、当然、売上にも上限があります。それ以上の売上アップを狙うなら、外販を含めた「店の外」での売上創出に進むしかありません。もちろん、多店舗展開などの事業拡大によって売上を増やすことはできますが、ここではあくまで1店舗の
飲食店が可能な、「イートイン以外での売上創出策」を紹介します。いずれも、コストや業務負担が増えるなど、現実的に乗り越えるべき課題がたくさんありますので、従業員満足度を考慮しながら慎重に検討しましょう。

・店内調理(製造)した商品の販売
物販やテイクアウト、デリバリー(ゴーストレストラン)、ECなどが該当する施策です。店で提供しているメニューやオリジナルの調味料・ドレッシング・ソースのほか、オリジナルで開発した弁当やミールキットなども飲食店ならではの武器になりえます。販売する商品によっては「菓子製造業許可」など、新たに届出が必要になるケースもあるので、
飲食店開業に必要な資格と届出は?手続きの流れや提出期限を完全ガイド
を確認してみてください。

・店外での調理・販売
キッチンカーやケータリング、出張料理サービス、お祭りやフェスなどへの屋台出店、百貨店の催事出店などによって売上を創出し、店の認知度を向上させることができます。

・「店(場所)」の時間貸し
営業時間外に、店舗空間をスペースとして時間貸しすることで売上を創出します。他社(他者)にキッチンを貸すシェアキッチンや、夜だけ営業している居酒屋がランチタイムは他社に店舗を貸してランチ営業をしてもらうといった施策が考えられます。

・イベントの実施
料理教室やワークショップなど、厨房設備や料理人の技術を活かした体験型のイベントを行うことで、売上を創出するだけでなく、ファンの囲い込みや新規客獲得にもつながるはずです。

・加工/卸売事業
独自に加工した商品を飲食店などに販売します。他店舗向けの加工・卸をするためには工場など、ある程度大規模なインフラが必要になります。

・飲食店向けノウハウの販売
自店舗のフランチャイズ展開やメニューレシピの販売、店舗プロデュース、コンサルティング、人材派遣など、飲食店向けのビジネスでも売上を創出することができます。

売上アップ成功事例

これまでぐるなび通信が取り上げた繁盛店事例の中から、苦戦を強いられながら売上アップを実現した飲食店を紹介します。

GBPでの情報発信強化で売上1.4倍に!
大阪の「Number Kuma」は、インバウンド集客のためGoogleビジネスプロフィールを強化し、ぐるなびの「Googleビジネスプロフィールまるごとサポート」を活用。外国人向けキーワードを強化してモバイル表示数が2倍になるなど、インバウンド集客に成功して売上が1.4倍になりました。
Googleビジネスプロフィールのインバウンド対策で売上1.4倍!夜パフェ専門店「Number Kuma」の集客術
顧客満足度アップでリピーターが続出し、売上2倍に!
青森の居酒屋「地雷也」では、接客時のコミュニケーションを活かして、料理に付けるメッセージカードをそのお客様に合わせて変えています。特別感を演出することでリピーターが増えて、売上が2倍になりました。
月商1,700万円!青森「地雷也」の繁盛店ノウハウ。売上2倍に導いた接客術とメニュー戦略
リニューアルが功を奏して客単価も売上もアップ!
東京・月島の「美酒処(びすとこ)」は、開業当初はおばんざいと日本酒をメインにした居酒屋でしたが、周辺のニーズを踏まえて2022年に創作料理とワインを楽しめるビストロにリニューアル。ソムリエ店長による提案も好評で客単価は1.8倍になり、売上もリニューアル後は高い水準をキープしています。
月島の繁盛店「美酒処(びすとこ)」に学ぶ客単価1.8倍を実現した「創作料理×ワイン」の店づくり

まとめ

これまで紹介した施策を行う際は、必ず店舗のコンセプトや客層を考え、「どのメニューをどの価格帯で提供すれば最も顧客満足度が高まるか」を意識することが大切です。客単価を上げようと高価格帯のメニューを押し出すばかりで、肝心の味やサービスがおろそかになっては本末転倒です。また、原価率が高くても注文率が高いメニューなら、集客手段としてそのまま残しておき、原価率が高すぎて赤字になってしまうメニューなら「1日限定10食」として希少価値を出しつつ注文を抑えるといった工夫も必要です。

売上アップのために改善できることはたくさんあります。まずはこれまで紹介した基本的な考え方や対策を参考にして、店の売上(=客数×客単価)の見直しを図り、顧客満足度の向上に努めて「支持される店づくり」に励んでいただきたいです。

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飲食店の在庫回転率って重要?その計算方法を伝授!
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