2024/04/18 特別企画

拡散力の高いXの活用術!飲食店が短期間に集客効果を上げるには?

X(旧ツイッター)は、ユーザー数が多く、拡散力も高いため、大きな宣伝効果や集客効果が期待できる。株式会社トリドリの延與玲次(えんよれいじ)氏と、Xのフォロワー数11万人越えのグルメ系インフルエンサー、ヤザキング氏に、Xを使った集客ノウハウを聞く。

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短期間で効果を期待するなら拡散力の高いX(旧ツイッター)を上手に使え!

SNSマーケティングの元祖とも言えるX(旧ツイッター、以下X)は、多くの企業が、消費者とのコミュニケーションツールとして、ブランディングツールとして、活用している。東京でとんかつや豚しゃぶの店を多店舗展開する「豚組」は、オープン当時にXを上手に使って繁盛店になっていったことはよく知られている。ユーザー数が多く、拡散力も高いXは、大きな宣伝効果や集客効果が期待できる。今回は、株式会社トリドリの延與玲次(えんよれいじ)氏と、Xのフォロワー数11万人越えのグルメ系インフルエンサー、ヤザキング氏(@asobikikaku、現在はヤザキとして活動)のお二人から、Xを使った集客ノウハウについて学ぼうと思う。

株式会社トリドリの延與玲次氏(写真左)、グルメ系インフルエンサーのヤザキング氏(同右)

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ラーメン屋さんがXを使う理由

「ラーメン屋さんは、SNSの発信源としてXを使っているところが多いんですよ」と語るのは延與氏。

「若い女性ユーザーが多いインスタグラムとは対照的に、Xには、30代、40代の男性ユーザーが多い。ラーメン屋さんが狙いたい層はXにいるわけで、集客にはXの方が効果的です。ターゲットに合わせて選ぶと、当然Xになるわけです」。

「さらに付け足すと、Xの特徴の一つに、今起こっていることを知ったり、知らせたりするリアルタイム性があります。WBCの時なんて、テレビ中継を見ていなくても、日本が逆転したらXですぐわかりましたよね。ラーメン屋さんの発信したい情報には『スープがなくなったので今日はもう閉店します』などという、リアルタイムに知らせたいものも多い。ターゲットが合っているだけでなく、そんな使い勝手の良さもラーメン屋さんがXを選ぶ理由なんじゃないでしょうか」と言うのはヤザキング氏。

「そういう意味でいうと、海鮮系のお店もX向きですよね。毎朝、市場で仕入れた新鮮な魚介を、例えば『本日はいいマグロが入りました』なんてポストすれば効果抜群です。売り切れたら、それもすぐに伝えることができますし」。

たとえば、海鮮丼の「みこ食堂」(東京・新橋)では、毎朝仕入れたウニやマグロの美味しそうな写真をXに載せて、お昼時に行列ができるほどの集客に成功している。

「Xは、簡単に気軽に投稿できるのもいいですよね。インスタグラムは、おしゃれにするために写真を加工したり、投稿に手間と時間が少しかかりますが、Xは臨場感が重要なので、写真を撮ったらすぐにそのままアップすればいいし、文章だけでもいいので、営業中のちょっとした空き時間に投稿できます。忙しい飲食店には、扱いやすいSNSと言えます」。

フェイスブックも男性ユーザーが多いことで知られるが、「ラーメン店などのマーケティングに使うには年齢層が高すぎるのでは」と延與氏は指摘する。

「フェイスブックには、経営者や管理者層のユーザーが多いので、集客に使うより、フランチャイズ募集とか、店長募集とか、そういう目的で活用すると、より効果があるのではないでしょうか」。

ヤザキング氏のXでのポスト

自らインフルエンサーになるという裏技も

Xの拡散力が高い原因のひとつに、他のSNSと比べてコミュニケーションがオープンであることが上げられる。インスタグラムでも、投稿へ寄せられたコメントに返事したり、フォロワーの投稿にコメントしたりと、コミュニケーションは活発にとれるが、それは基本的に1対1。自分以外のコメントのやりとりまで見るユーザーはあまりいない。ところがXはコメントやリポスト、「いいね」などの反応はすべて、フォロワーのタイムラインにオープンに流れるので、そのやりとりを多くの人が見ることになる。その反応に対してコメントをする人も多いので、どんどん1対多数のコミュニケーションに成長していく。フォロワーが反応すると、そのフォロワーのタイムラインにも流れることがあるので、面白いコミュニケーションは、自分のフォロワー以外にも広く拡散されていくことになる。

Xは特に、コミュニケーションが新たなフォロワーを生み出し、ファンを増やしていくカナメになるのだ。

「Xは、情報量が大切です。情報量は、投稿量でもあります。投稿の頻度が高い方がフォロワーも増えます。ほかのユーザーの投稿への反応なども含めた頻度です。飲食店の方がよくやっているのは、エゴサーチをして、自分の店のことを書いている投稿に、『ご来店ありがとうございます』などとリプライ(返信)したり、リポストしたりすることです。これは簡単で時間もかからない割に効果的でフォロワー増にもつながりますのでおすすめです。おいしい料理に感動して投稿して、その店の公式アカウントから返事が来たら、ユーザーはとてもうれしいと思いますよ」と延與氏。

「そしてその情報が、役に立つものや共感するものであればもっといい」とヤザキング氏。

「プロならではの、調理のちょっとしたコツとか、アレンジレシピとか、そんな投稿を続けるのはどうでしょう。最近、マスメディアでもよく見かけるようになった有名レストランのオーナーシェフの方がいるのですが、この方は、自身のSNSアカウントで料理レシピなどを紹介し続けたことが、その人気を高めた要因の一つだと思います。この方のSNSアカウントは、Xのフォロワーは10万人以上で、YouTubeチャンネルの登録者はなんと40万人を超えています。そこまでいけば、お店も間違いなく人気店になります」。

「そうそう、飲食店の人は料理のプロなんですから、そこを活かせば自分がインフルエンサーになれるかもしれないということですね。これはいい作戦かもしれません」と延與氏も続ける。

必要以上に炎上を恐れず、個性を活かした投稿を

「Xでは共感がキーワードです。共感性の高い投稿は拡散されやすい。当たり前のことでも共感したら、Xユーザーは反応します。たとえば、早起きのメリットなど、そんなのわかってるよということでもいい。毎日の営業で感じたこと、うれしかったこと、感動したことなどを素直に投稿するのもいいと思います。卵や小麦粉など、材料費が高騰してしまって大変だなんて愚痴でも、みんなが感じていることや共感できることならいい。以前、今日は週末なのにお客さんが誰も来ないとつぶやいたら、それを見た人が次々と押し寄せてきたなんて言う話を聞いたこともあります」と語る延與さんにヤザキング氏が続ける。

「そうそう、それがXのリアルタイム力ですよね。困ったときに『困った』とポストすれば、それを見たお客さんが助けてくれる。私がよく聞くのは、10箱注文するつもりが100箱注文してしまった。在庫処理を助けてくださいとXでお願いしたら、お客さんみんなが、その食材を使ったメニューを注文してくれて、1週間でめでたく使い切ることができたなどという話です。愚痴や失敗も共感できることなら、拡散し、話題になる。Xは窮地に役立つSNSなんです」。

しかし、拡散力が高いことは、裏を返すと炎上しやすいSNSということでもある。万が一炎上してしまった場合の対処法や注意点はあるのだろうか。

ヤザキングさんは、自分の経験も踏まえてこう語る。

「炎上してしまった場合は、まず原因をしっかりと探ってください。自分の失言が原因だった場合は、できるだけ早く真摯(しんし)に謝罪してください。自分に非がまったくない場合は、放っておけばそのうち静まります。私も一度、炎上しかけたことがあったのですが、こちらに非はなく、単なる言いがかりでしたので、いつのまにかおさまっていました」。

延與氏も続ける。

「炎上には、もちろん気をつけるべきですが、必要以上に発言に慎重になりすぎると、投稿内容が無難になってしまって、お店の良さや個性を伝えられないものになってしまうことがあります。やはりバランスが大切です。こんな例を出していいのか少し悩みますが、お笑いタレントの宮迫博之氏が、焼肉の牛宮城をオープンしたときは大きく炎上していました。しかしその後、お店の良さが伝わる投稿を継続したことで、なかなか予約が取れない人気店になりました。今では、良い意味で話題の絶えない焼肉店です」。

取材協力:「株式会社トリドリ」
東京都渋谷区円山町28-1 渋谷道玄坂スカイビル8階
「トリドリマーケティング」:top-marketing.toridori.me/
「トリドリライクス」:marketing.toridori.me/lp/daikou/

スマイラー89号(2023年5月)より転載

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