2カ月で80万人突破!ORA外食パビリオン「宴~UTAGE~」
2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博。1日の来場者数は約10万人、開幕から2カ月足らずで1,000万人を突破し、連日大きなにぎわいを見せています。
中でも注目を集めているのが、「ORA外食パビリオン」です。2025年7月2日時点で総入場者数は80万人を突破し、全パビリオン中7番目の来場数を記録しました。いかにして、これほどの人気パビリオンが生まれたのか――。その舞台裏と魅力を探るべく、仕掛け人の一人である大阪外食産業協会(ORA、以下ORA)の副会長・萬野 和成 氏を訪問。多忙な毎日にもかかわらず、萬野氏は明るい笑顔で迎えてくださいました。
一般社団法人 大阪外食産業協会(ORA)
食博覧会・大阪
EXPO2025 食博覧会・大阪2025 ORA外食パビリオン 宴~UTAGE~
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大阪・関西万博「EARTH MART」飲食業に関わる人こそ訪れたい!注目のパビリオン
ORA外食パビリオン「宴~UTAGE~」
目次
「食べる・笑う・生きる」食博覧会・大阪2025を万博で!
2階「食の体験コーナー」
1階フード「宴 -UTAGE- 1丁目~9丁目」
予約制休憩室「宴プレミアムルーム」
飲食店へのメッセージ
「食べる・笑う・生きる」食博覧会・大阪2025を万博で!
――まず、「宴~UTAGE~」の出展経緯について教えてください。
ORAは、1985年に発足した団体です。そして、“食の祭典”を開催するために「食博覧会協会」を立ち上げ、そこから約40年にわたって、4年に一度のペースで「食博覧会」を開催してきました。
ただ、コロナ禍の影響で2021年の開催は残念ながら中止に。そんな中、2025年の大阪・関西万博に民間パビリオンとして出展する、という案が挙がったんです。
ちょうど2025年は、食博覧会の第10回という節目の年でもありました。それなら「せっかくなら万博の会場内でやろう!」という話になりまして。記念の年にふさわしい取り組みをしようと、このORAパビリオン「宴~UTAGE~」が誕生したというわけです。
――この「宴~UTAGE~」で、大阪の食の魅力をどのように表現されているのですか。
安くて、うまくて、おもろい(笑)。それが大阪らしさかなと思います。接客一つとっても、何か一言あるんですよ。“ソースつけすぎたらあかんで”とか。そういうちょっとしたやりとりに笑いがある。それも含めて“食はエンターテインメント”だと、我々は思っています。ただおいしいというだけなしに、楽しんでいただく。これが、大阪ならではの食文化かなと思うんですね。
2階「食の体験コーナー」
――「宴~UTAGE~」では、どんな体験ができるのですか。
入り口を入ると、まず2階の「体験プログラム」フロアにご案内しています。
2階に上がって右手には、カウンターに調理設備を備えた小型体験ゾーン「ミートアップ」があり、5月にはお好み焼き店「千房」さんによる「プロが教える!お好み焼き体験」が行われました(プログラムは1〜2カ月ごとに入れ替え)。その左手には、日本のお茶文化に触れられる「わ美」の茶会スペースもあります。
現在は「大阪木津市場」が主体となり、全国の地震被災地の生産者や加工事業者、自治体などの方々が来訪者と“食”を通じて情報発信するブース「オオサカKizuなイチバ」を展開中(~10月13日)
左奥が茶会スペース「わ美」の入り口
その先をまっすぐ進んだ正面には、料理教室が行われる特設ブース。5~8月は「杵屋 うどん打ち教室」(予約制)を実施。うどん打ちを通じて、食育を体験いただいております。さらに、右奥にはORAのSDGsへの取り組みを紹介するショールームなども併設しています。
1階フード「宴 -UTAGE- 1丁目~9丁目」
――フードブースにはどのようなお店が出店されていますか。
1階はテイクアウトの「フードコート」形式になっていまして、大阪の有名飲食企業、主に協会会員の店舗が出店されています。フロアを囲むように1丁目から9丁目まであって、そのうち4ブースは通期で出店。残りの5ブースは、1〜2週ごとに入れ替わるスタイルで、月~日曜日までのサイクルでどんどん変わっていきます。
この万博でしか味わえない限定メニューを出されているお店も多いんですよ。おそらく、毎週ブースが変わるパビリオンは、ここだけかなと。気に入った料理があれば、ぜひ大阪市内のお店にも寄っていただきたいですね。それもまた一つの楽しみ方かと思います。
宴 -UTAGE- 1丁目~9丁目 フードブース一覧はこちら
予約制休憩室「宴プレミアムルーム」
――他に、「宴」ならではのサービスはありますか。
5月より2階の左手奥に「宴プレミアムルーム」をご用意しました。ソファや高級マッサージチェア「icocoon」(協賛:ファミリーイナダ株式会社)を備えた、ゆったりとくつろいでいただける休憩スペースです(定員7人・要予約)。
これから夏も本番。暑いなか、広い会場を歩き回るだけでも、なかなか体力を使いますね。でも実は、クーラーが効いてしっかり休める場所が意外と少ないことに気付きまして。涼しい休憩所といえば基本はレストラン内。テイクアウトしたものは、外のベンチで食べるスタイルが中心です。そこで、「涼しい室内で、ゆっくりくつろげるプライベートな空間があれば」と考えてご用意したのが、このプレミアムルームなんです。
使い方は2パターンあって、一つはルーム使用のみの「休憩利用プラン」、もう一つはフルサービス付きの「宴プレミアムツアープラン」です。「ツアープラン」の場合、可能な限り我々が万博会場をアテンドしてまして、これが大変ご好評いただいております。
――万博全体を通しては、どのように楽しんでもらいたいとお考えですか?
万博が大阪で開催されるのは2回目ですが、今回は国際博覧会協会より、大阪の文化である「食」の観点から、全てのパビリオンに対して「何かしら“食”を提供してほしい」という要請が出されまして。今回はほとんどのパビリオンで、何らかの食に関する提供や物販が行われています。これは過去の万博にはなかったことなんですね。これまでは、展示や体験が中心でしたから。
というわけで、大阪・関西万博は「食」がサブテーマになっています。「宴~UTAGE~」はまさに“食”を主軸に据えたパビリオン。来場者の皆さんにとっても「食」はきっと大きな目的の一つだと思うので、ここを“食の頂点”として楽しんでもらえたらうれしいですね。
飲食店へのメッセージ
――次は、飲食店従事者に向けての質問です。ORAでの活動について教えてください。
私はORAの副会長として「組織活性化部門」を担当し、内外の組織の活性を目指して活動をしています。毎年、北海道から沖縄まで全国の飲食団体が集まり、勉強会を開いています。バブル崩壊やコロナ禍など厳しい時代もありましたが、「外食から日本を元気に」という取り組みを、全国の仲間と共有しています。
――飲食店を運営するにあたり、重要だと感じていることはなんでしょうか。
“生産者の声”をもっと伝えていきたいですね。私たちが扱う食材の裏には、作ってくれている人たちがいる。その存在を、もっとクローズアップしたいと思っています。私自身、実は肉屋なんですけども、祖父が牧場の経営者です。3年かけて大事に育てた牛を市場に出す日、祖父母が牛の顔をパンパンッと叩き「頑張ってきいや」と声をかける。そんな光景を、毎日のように目にしてきました。
だからこそ、単に“焼肉を売る”のではなく、その背景も含めてお客様に伝えていくのが我々の義務じゃないかな。生産者や製造者の存在があってこその「食」。その大切さを伝えていくことも、ORAの役目ではないかと思っています。
――最後に、飲食業に携わる方々へのメッセージをお願いします。
これから大事になってくるのは、やっぱり「人材」と「教育」だと思います。政府も2020年代中に最低賃金を1,500円に引き上げるのが目標と言ってますね。そんな中で、大阪特有の安売り“ビール190円”とか、絶対儲かりません。となると、最終的に問われるのは「人」なんです。
料理の価値だけじゃなく、接客やサービスの質――いわば“お店全体の価値”を上げる努力です。それなくして、価格改定は難しい。飲食店にとって一番怖いのが「値上げ」です。だからこそ、いいスタッフを育てて、会社全体の価値を上げていく。その覚悟がいると思います。
こうしていろんなお役目もやらせていただいてますので、これからお店を出そうとしている方や、店を始めたばかりの経営者の方にも、そういうメッセージを伝えていきたいと思っています。
取材協力:萬野 和成 氏
一般社団法人 大阪外食産業協会(ORA)
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EXPO2025 食博覧会・大阪2025 ORA外食パビリオン 宴~UTAGE~
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