2014/09/09 特集

2014忘年会対策 第1弾 繁忙期のための人材確保&必勝シフト

最近、飲食業界全体で深刻な人手不足が叫ばれている。そこで忘年会シーズンに向け、飲食店経営のプロが人材の確保とシフト編成について解説。同時に、いい人材を集めるために動き始めた外食企業を紹介する。‐特集

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飲食店にとって永遠の課題である人材。特に最近は、業界全体で深刻な人手不足が叫ばれている。普段よりも人を多くそろえて対応しなければいけない忘年会シーズンに向けては、しっかり人材を確保し、来店客の満足度を落とさないためのシフト編制がカギになる。その方法を飲食店経営のプロが解説。同時に、いい人材を集めるために動き始めた外食企業を紹介する。

アップ・トレンド・クリエイツ 代表白岩大樹 氏1976年熊本生まれ。中央大学卒業後、板前として「なだ万」に勤務。2000年より「牛角」のスーパーバイザーを務め、2004年より、OGMコンサルティングにて集客コンサルタントとして活躍。2009年アップ・トレンド・クリエイツ設立。「汗を流すコンサルタント」として飲食店アルバイトを専門にコンサルティングを展開中。現場を直接動かすスタイルで数々の収益向上を実現している。

飲食店の売り上げを作るのは“人”。人手不足解消は大事な課題!

年末の繁忙期を乗り切り、来年に向けて飛躍のバネにするための大事な課題。その1つが「人材の確保」だ。コンサルタントの白岩大樹氏は、「特に忘年会シーズンは売上が自ずと上がるだけに、お客様の満足度に目が向かなくなりがちです。飲食店は物(=商品)だけでなく、人(=接客)を提供する業種。人の"数と質"がお客様の満足度に直結するからこそ、今のうちからしっかり準備するべきです」と強調する。

しかし、昨今の飲食業界で人手不足が深刻なのも事実。「3月に卒業したアルバイトの補充が、未だにできていない店は少なくない」(白岩氏)という。ぐるなびが行ったアンケートでも、飲食店で「働いてみたい」という人は約18%にすぎず、「働きたくない」の56%を大きく下回る結果に(下のQ1参照)。飲食業自体が選ばれにくくなっているのだ。

さらに、「最近の人手不足は、パートやアルバイトだけの問題にとどまらない」と白岩氏は指摘する。アルバイトやパートが抜けたシワ寄せは、そのまま現場の社員にのしかかるからだ。「今は何とかなっていますが、それは社員や店長のオーバーワークの上に成り立っている状態。これを放置しておくと、彼らに疲労がたまり、店の空気が淀んできます。するとお客様の満足度が下がり、売上も落ちて、ますます追い込まれてしまいます。このまま繁忙期に突入すれば、負担に耐えきれなくなる店長・社員も続出するでしょう。そして、来年の3月にはさらに厳しくなります」と解説する。

では、どうすればいいのか? 白岩氏は効果的な求人活動と同時に、「今いるスタッフが"辞めたくない"と思うくらいの、魅力ある職場(店)にする努力をしなくてはいけません」と語る。その努力をせず、時給アップなどで目先の人員確保ができたとしても、働く魅力のない職場では、人の定着は難しい。ぐるなびのアンケートでも、「働いてみたい飲食店」のトップは、「スタッフ同士の人間関係が良い」となっているのだ(下のQ4参照)。

この点を押さえたうえで、忘年会シーズンを見据えた効果的な求人方法と、繁忙期のシフトを次ページから考えてみよう。

飲食店で働くことについてユーザーに聞きました!
よくないイメージが先行!? 働く際は雰囲気重視の傾向に

飲食店で働いてみたいと思うかを聞いた下のQ1では、「働いてみたい」と答えた人は、合わせてわずか18.1%という結果に。さらにQ2に対する結果を見ると、「長時間労働」(35.0%)、「収入が低い」(31.9%)などが上位を占め、飲食店で働くことについて、あまりいいイメージを持たれていないことがわかる。

Q3では、飲食店で働くとき、「収入」(68.0%)や「勤務する時間帯」(52.1%)が気になるという回答が多かった一方、「スタッフの雰囲気」(49.7%)や「お店の雰囲気」(46.9%)も高い数値を示した。Q4でも、「スタッフ同士の人間関係が良い」店で働きたいという答えが断トツで1位(62.6%)となるなど、スタッフが作り出す店の雰囲気が、重視されていると言えるだろう。

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