求人に強いカフェ業態と余裕のある働き方で、安定した採用と高い定着率を実現!
人材不足に苦しむ飲食業界で、“人が集まりやすい業態”を軸にした事業展開で成功を収めているのがエイムエンタープライズ株式会社。カフェは単価が安くなりがちだが、価値ある魅力的な商品づくりで売上と利益アップにつなげ、それをしっかり人材採用に活用。人間性を重視した採用方針や、モチベーション高く働いてもらうための秘けつなどを代表の志賀氏に聞いた。
目次
・採用で重視するのは人間性。その理由は・・・
・働きやすい環境づくりを成立させるビジネスモデル
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愛知県を中心に東京・京都・大阪・福岡・海外でカフェとレストラン21店舗(FC3店舗含む、2024年3月現在)を展開しているエイムエンタープライズ株式会社。70人以上の社員と約400人のアルバイトが在籍しており、代表取締役社長の志賀栄太郎氏は「求人には困ったことがない」と笑顔を見せる。
実際のところ、毎年の社員募集には数名の募集枠に30~40人ほどの応募が集まり、アルバイトも常に充足。離職も少なく、採用と定着に成功している企業だ。背景には、求人に強いカフェ業態がメインであることのほかに、労働条件・労働環境の良さ、そしてそれを保証する高い利益率がある。
志賀氏は、2001年に愛知県岡崎市でバーを出店。ここで提供したパスタの評判がよかったため、2店舗目にカフェレストランを選択。その後は居酒屋も出店して、一時はカフェと居酒屋がほぼ同数に。しかし、コロナ禍に入ってアルコール業態が苦戦したことから、カフェ業態の比率を高めてきた。現在、タルトを中心とした「DISHES and TART SAN」、高級和栗で作る錦糸モンブランの「紗織」、独自製法ミルフィーユの「GARIGUETTE-ガリゲット-」、カフェごはんも人気の「VIVA cafe'sta」「cafe double」など複数のスイーツブランドが全店舗の4分の3を占めている。残りが、高級和食「眞」、カレーうどん「京都四条くをん」、創作イタリアン「SILVA」、居酒屋「温炊き さんずい」「颯々(そうそう)」などのアルコール業態や食事業態だ。
採用で重視するのは人間性。その理由は・・・
「実は、コロナ禍の前からカフェを増やそうと考えていました」と志賀氏。実際、「紗織」(京都)の出店はコロナ禍が起こる前年の2019年10月。理由の一つに「カフェ業態の採用のしやすさ」があったという。
志賀氏流の採用メソッドはこうだ。
まず、新卒採用に関しては愛知県内のほぼ全ての調理・製菓専門学校に求人案内を発送。すると、パティシエ希望者を中心に必ず30~40人が応募してくるという。応募者を面接する際は、成績やスキル・経験よりも“人間性”を重視して、3~4人ほどを採用する。「人間性を重要視するのは、“人”としての基本がどのくらいできているかが、人材が定着して戦力になるかどうかの決め手になると考えているからです」と志賀氏。正社員はこの方法で充足させ、中途採用は急な離職や新店オープンに伴う即戦力の獲得に限っている。
カフェ勤務を入り口に採用するが、本人の希望や適性などによって食事業態へ配属することも。また、パティシエ希望者が多いこともあり、応募者は女性比率が高く、全社員の6割を女性が占めている。出産などでの離職はあるが、新卒採用でカバーすることで常に新しいパワーを補充している。
一方、パート・アルバイトの採用については各店舗の店長に権限がある。本部では求人予算に上限を設けず、店長がアルバイト募集を希望すると、すぐに応じる。志賀氏は「アルバイトが足りないと困るのは店長。彼らに良い仕事をしてもらうためにも、求人費の出し渋りは一切しません」とキッパリ。人選も店長に一任し、求人媒体のほか、リファラル(紹介)での採用も行い、必要な人員を確保している。
働きやすい環境づくりを成立させるビジネスモデル
それにしても、採用人数の10倍もある潤沢な応募数の背景には何があるのだろう。志賀氏は「一般的にカフェは求人に人が集まりやすい業態ではありますが、それ以上に待遇や働きやすさが関係しているかもしれません」と語る。休日は年間112日をキープし、残業は1~2時間以内。カフェは深夜にかかる勤務がないため、女性が働きやすく、親の理解や応援も得やすいのも新卒採用でのポイントに。さらに、余裕を持って働けるように、1店舗に社員4~6人と多めに配置し、パートやアルバイトも多人数を常に維持。急な離職があっても、残ったスタッフに過度な負荷がかからないように設計している。
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一方、給与は評価制度と連動した等級性。20代前半でも店長に抜擢されれば月額30万円が保証され、モチベーションアップに大きく貢献している。
「社員には“7割くらいの力で働ける環境づくりを”と言っています」と志賀氏。「働き方に余裕がないと、いいパフォーマンスができない」というのが持論だからだ。育成についても「社内ヒエラルキーを明確にすることで、社員一人一人が上を目指して自走する仕組み」(志賀氏)を重視。こうした価値観を幹部8人が共有し、研修などで浸透を図ることで、働きやすい環境と社風が実現している。
もちろん、こうした好環境を維持するためには、安定した収益が不可欠だ。その点、エイムエンタープライズの営業利益率は全体で10%を超えている。中には40%を弾き出すカフェが複数ある点も大きな強み。まず、家賃が高額になる立地や施設には出店せず、固定費の比率を抑えている。加えて、商品開発においても高級和栗を使った3,000円台の「錦糸モンブラン」(紗織)や1,000円以上する「焼き立てミルフィーユ」(ガリゲット)など、単価以上の価値を感じさせる魅力的な商品を開発することで集客に成功。単価の上げにくいカフェ業態でもしっかり売上や利益を確保している。さらに、こうした商品はテイクアウトでも大人気のため、売上の半分をテイクアウトで稼ぎ出しており、月商2,000万円を超える店もあるという。
さらに、数字にはかなり厳しいのも特徴。各店舗で日時決算を行ってFLを管理。コスト意識の醸成を日々の営業の中に位置付けてもいる。
高い利益率とコスト管理、そして「余裕のある働き方」という企業マインドを確立することで、採用と定着から社の発展につなげる好循環を生み出している。
「2024年は海外展開に力を入れます」と志賀氏。すでに2月に韓国・ソウルに「GARIGUETTE-ガリゲット-」をFCで出店。次はアメリカを視野に入れている。国内でも新ブランドが複数進行中と成長が止まらない。このように、会社が成長していることを「出店」という分かりやすい形で示すことも、意欲のある若い人材を採用し、長く働いてもらう上では重要。今後もカフェ業態を軸に、人材に強い企業として成長を続けていく考えだ。
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