更新日:2022.9.1
目次
・売上アップに不可欠な顧客情報。会話はそれを取得する"武器"
・オーダーや提供、退店・お見送りの接客トーク
来店客に満足してもらえるスマートな接客トーク。飲食サービスに関わる人にとって、これは永遠のテーマだろう。しかし、表面的な言い回しにとらわれる余り、かえって本質を見失ってしまうケースも少なくない。本当の意味で、「会話でリピーターを獲得する」ためには何が必要なのか。入店時から席案内、オーダー、料理提供、退店時のお見送りまで、シーンごとにポイントとなる接客トークをアップ・トレンド・クリエイツ代表の白岩大樹 氏に具体的なシーンに即して、話をうかがった。
売上アップに不可欠な顧客情報。会話はそれを取得する"武器"
お客様との会話には2つの役割があります。1つはシンプルにお店の印象を良くしてくれる効果。しかし、それ自体が目的になってしまってはいけません。目指すべきは、顧客情報の取得。接客トークは、そのために不可欠な"武器"なのです。
飲食店の水準がこれだけ上がった時代、どんなに素晴らしいサービスや商品を提供しても、お客様の記憶にはなかなか残りません。会話だけでリピーターは生まれない――この点をはっきりと認識する必要があります。経営の安定化のために大切なのは、やはりしっかりした顧客リスト。しかし、個人情報保護の意識が高まった昨今、いきなりアンケートの記入をお願いするのは、少々ハードルが高い。そこで、入店直後から会話を重ね、お客様と信頼関係を作っておくことの重要性が出てくるわけです。そして、信頼関係のもとに得られた顧客情報は、メールマガジンの配信やDMの発送に活用することで、お客様への「思い出してもらうアプローチ」を可能にするのです。
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1. 入店・お出迎え「いらっしゃいませ、今日は寒いですね」
まず最初に認識したいのは、「会話は万能ではない」という事実です。どんなに気の利いた言い回しも、スタッフの自己満足になっていては何の意味もありません。最終的な目標は、あくまでお客様と信頼関係を築き、住所やメールアドレスなどの情報をいただくこと。それには万能の言い回しなど存在せず、むしろ普通の言葉を、感じのよい笑顔とハキハキした口調で重ねる方が効果的です。よく人間の第一印象は、「見た目が55%、話し方(声)が38%、話す内容が7%」で決まるなどと言われます。お客様の入店時には小走りでお出迎えし、少し目線を低くするイメージで相手の目を見てご挨拶するのが基本。この際に、「いらっしゃいませ」に続けて何か一言でも、相手を気遣う言葉を足せば、トークの第一歩は立派に成立です。また、あらかじめ予約の電話をいただいている場合は、まずお礼を述べれば会話の糸口がつかめます。
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2. 案内・着席「本日、担当させていただきます〇〇です」
お客様が席に着かれたら、まず担当者である自分の名前を名乗ります。これはいわば、「匿名の店員の1人」から「きちんと顔の見えるスタッフ」に変わる手続きのようなもの。名乗ることによって、責任を持ってサービスするという気持ちが伝わり、お客様も会話がしやすくなります。極端に言えば、名前は覚えてもらえなくても姿勢が伝われば十分。その時点で、個人情報を取得できる可能性はアップしています。店が混雑してご案内に時間がかかった際などは、「申し訳ございません。ちょうど今、団体のお客様がお帰りになりまして…」などと、理由を説明しましょう。自分の存在を認識してくれていると伝われば、お客様の不満はかなり解消できます。
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オーダーや提供、退店・お見送りの接客トーク
3. オーダー「本日のおすすめのご説明させていただいてよろしいでしょうか?」
お店の売りの商品を積極的に売り込みたいのは、どのお店も同じ。そこでよくお客様が着席するなり、「本日のおすすめは○○で…」と説明を始めてしまう店員さんを見かけますが、あれはかえって押しつけがましい印象を与え、逆効果になりがちです。オーダー時に重要なのは、必ず「ご説明させていただいてかまいませんか?」と許可を得ること。この一言のあるなしで、お客様が抱く印象はまるで変わります。もしも、「いや、まずはビール」とか、「それより手早くできる料理を」などと言われた場合は、「大変失礼しました」と笑顔でサッと引くことも大切。そこで一度会話を成立させておけば、後で再チャレンジする際の成功率も高まります。
4. 提供「こちら、おすすめさせていただきました〇〇〇〇です」
日常の人間関係で、友人に何か頼みごとをして後はほったらかしというのは通用しません。お客様との会話もまったく同じ。お店から提案した料理をご注文いただいた場合には、お持ちする際に必ず、「こちら、おすすめさせていただいた○○○○です」の一言を添えたいものです。オーダー伝票にひと工夫して、担当スタッフ以外にもおすすめを注文したことがわかる仕組みを作れればより効果的ですね。また、料理やドリンクの提供が遅れてしまった場合は、「お待たせしました」だけでなく「今、厨房が大変混み合っておりまして…」など、理由を話すのも大事。説明があれば大半のお客様は納得してくださいますし、納得はやがて信頼へと変わります。
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5. 中間サービス「お飲み物、大丈夫ですか?」
追加オーダーを取る際、とても便利なのが「大丈夫話法」という聞き方です。お客様のテーブルを見て、もしグラスが空いていれば「お代わりは、大丈夫ですか?」。料理が一通りなくなっていた場合には、「こちらの器はお下げしても大丈夫ですか?」「お腹の方はもう大丈夫でしょうか?」。このように文末に付けるだけで簡単に使いこなせます。もちろん、厳密には正しい日本語とは言えません。ただ、「大丈夫?」という表現には、思いやりのニュアンスが含まれるため、実際にこう言われて不快感を抱く方はいないはず。重要なのは、まずお客様と接することです。特に対人コミュニケーションが苦手な新人スタッフには、この言い回しで会話に慣れてもらうとよいでしょう。追加で料理をおすすめする際は、「2択話法」も効果的です。これは「本日は特に、こちらのAか、こちらのBがおすすめです」と、2つの選択肢を用意する。こうすると、1つを押すよりも売り込み色が薄まる上、お客様が自然に1つを選びやすくなります。
6. バッシング「〇〇のお味はいかがでしたか?」
どんなビジネスでも、成功のカギはアフターサービスの充実です。売りっぱなしでお客様の信用を得られることはありません。飲食店でも同じ。料理をおすすめしたスタッフには、それなりの責任が生じます。ですから、食べ終わった皿を下げる際に、本人が「おすすめした料理はいかがでしたか?」と一言添えるのは当然です。万が一、残っていた場合には「お口に合いませんでしたか?」「もしかして、量が多すぎたでしょうか?」とフォローが必要です。この際も、特にスマートな言い方を意識しすぎなくてもかまいません。本当に申し訳ないという表情を浮かべ、腰をかがませて目線を下げれば、気持ちは必ず伝わります。
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7. 退店・お見送り「アンケートにご記入いただいてもよろしいでしょうか?」
ここまでシーン別に会話例をご紹介してきました。どれも簡単な言葉ですが、これを重ねることでお客様の信頼感は高まり、かなりの率で個人情報を教えていただけるはずです。この際、注意すべきは、アンケート用紙などをいきなり持参しないこと。「アンケートにご協力いただけますか?」と、一度許可を求める手続きが大切です。このワンクッションを挟むだけで、お客様は断りにくくなります。それでも断られた場合は、素直に引き下がればいい。あらかじめそう決めておけば、スタッフの心理的な負担も低くなります。また協力していただけた方には、お見送り時に必ずお礼を。そうすれば好印象が続き、さらに一歩リピーター獲得に近付けます。
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