イタリア米が食材にこだわる店で高評価

石川県能美市の有限会社たけもと農場が改良を重ね、年々収穫量を増やしてきたイタリア米「カルナローリ」。それを売りのパエリアに使用しているのが、金沢駅近くの「バル・オルガン」だ。-厳選食材が導く繁盛への道

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たけもと農場 専務取締役
竹本 彰吾 氏1983年、能美市生まれ。大学卒業後から同農場に勤務している。伝統を継承しつつ、米作の将来を考え、新しい試みに挑戦を続けている。「カルナローリ」の栽培もその1つだ。
生米から仕上げるパエリアは、エビ、アサリ、ムール貝、イカ、カニ、サーモンなどの食材と、その旨みを吸ったカルナローリの味わいを楽しめる。ワインやビールにもマッチする

苦労して育てた国産イタリア米。食材にこだわる飲食店で高評価

白山からの雪解け水に恵まれた石川県能美市で、代々稲作を営んできた有限会社たけもと農場。「特にこだわっているのが土作りです。先代が考え出した、稲の生藁(なまわら)を田に還元してよい土を作る方法もそのひとつ。生藁に含まれるケイ酸などが稲体を元気で丈夫にし、おいしい米がたくさん収穫できます」と、専務取締役の竹本彰吾氏。その技術とこだわりにさらに磨きをかけ、現在は7品種の米を栽培している。中でも、「日本で栽培する農家はおそらく数件」(竹本氏)なのが、イタリア米「カルナローリ」だ。

栽培のきっかけは、金沢のイタリアンで食べたリゾット。「シェフから、リゾットには水分が少ないイタリア米が合うので、輸入米のカルナローリを使っているという話を聞きました。その米を少しもらって帰り、日本米のように家で普通に炊いたところ、粘りがなくてパサパサし、そのままでは味もイマイチ。でも、リゾットには適していて、実際その店のリゾットはとてもおいしかった。そんな米もあるのかと、興味がわきました」という竹本氏は、翌年、イタリアから玄米を取り寄せて栽培を開始。しかし、生育は順調だったものの、穂の付きが悪く、粒が割れやすいため、1年目は苦労したという。そこで、肥料や扱い方を工夫するなど、試行錯誤しながら改良を重ねて年々栽培面積を増やし、6年目となった昨年は15トンを収穫するまでになった。

そして、たけもと農場のカルナローリを口コミやネットで知って仕入れる飲食店も増加。イタリアで修業したあるシェフからは「定期的に精米されて届くので、輸入米に比べて“新鮮”。日本でもイタリア時代と同じリゾットが作れる」という、うれしい言葉ももらった。「工夫次第で、日本米ではできない料理が作れます。日本でももっとイタリア米の文化が広がるといいですね」(竹本氏)。

そんなたけもと農場産のカルナローリを、看板メニューのパエリアに使用しているのが、金沢駅から程近い「バル・オルガン」だ。「同じ石川県内にカルナローリの生産農家があることを知り、オープン時から使っています。オリーブオイルとの相性や食感が抜群です」と店長の青山真次氏。シェフの恵比寿恒氏も、「カルナローリで作ると食感がまったく違います。一度、日本米・イタリア米を問わずに様々な品種で試しましたが、やっぱり竹本さんのカルナローリがいちばん。そのよさを再確認しました」と語る。

パエリアは定番3種と、季節の食材を使ったパエリア1種の計4種をラインナップ。今後は、食事の需要拡大を目指しており、その中心にパエリアを据える。改訂中のメニューでも、パエリアを前面に押し出す予定だ。

生産者
たけもと農場
石川県能美市牛島町口175
http://www.okomelove.com/
金沢平野南部のこの地で代々稲作を営み、竹本彰吾氏の父が9代目。家族を含めてスタッフは7名。1965年に朝日新聞社の「朝日農業賞・米作日本一賞」を、翌年には、農林水産省主催「農林水産祭」の農産部門で天皇杯を受賞している。
短粒種のジャポニカ米(日本米)に対し、中粒種で粒が長い。吸収する水分量が少ないので、水分を吸ってもべたつかず、食感がしっかり残る
輸入されるイタリア米は、精米からかなりの日数が経過していることが多い。たけもと農場では精米したてのイタリア米を提供できるのが大きな強み
日本三名山の霊峰・白山。夏でも冷たい雪解け水が、稲を高温障害から守っている(写真提供:石川県観光連盟)
「カルナローリ」は1キロ(写真)と300グラムで販売。通信販売のほか、近いエリアには直接届けることも
飲食店
バル・オルガン
石川県金沢市此花町9-18
http://r.gnavi.co.jp/hrpjf88b0000/
金沢駅から徒歩5分。エイジング加工されたインテリアなどが印象的なスペインバル。1階はカウンター席と2人用テーブル席、2階はグループで利用できるテーブル席を用意。本格的な料理と酒を気軽に堪能できると好評だ。
「イベリコ豚とキノコのパエリア」(Sサイズ1,950円)は、鶏と豚のスープで炊いたカルナローリに、イベリコ豚と数種のキノコをプラス
店頭の看板では、おすすめメニューとして、各種パエリアをアピール
ぐるなびでも「当店自慢の食材」として、カルナローリを紹介
店長
青山 真次 氏(左)
料理長
恵比寿 恒 氏(右)営業職から転身した青山氏は、居心地のよいサービスを追求。スペイン料理の経験が長い恵比寿シェフは、おいしいだけではなく、楽しい空間と時間を演出する料理の提供を心がける

日本各地の厳選食材で“選ばれる”店に!

「食材を通した地域活性化を図り、日本の食文化を守り育てる」という考えのもと、畜産品や水産品から、農産物、調味料、加工食品まで、全国の食材生産者と強いネットワークを構築しているぐるなび。提供している料理のブラッシュアップに、新メニュー開発に、ぜひ各地の素晴らしい食材を利用していただきたい。詳細は担当営業等へ問い合わせを。

※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

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