2018/03/28 特別企画

健康的な食“スマートミール”で新たなニーズをつかむ!

健康な食事を、健康的な環境で提供する飲食店などを、日本高血圧学会などが認証する「健康な食事・食環境」認証制度がスタート。本企画では学会関係者のインタビューと、先行して取り組む店舗を紹介する。

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長寿化が進み健康への関心が高まるなか、飲食店においても、そのニーズに合わせた食事の提供、環境の整備が、今後ますます求められるのではないだろうか。そうしたなか、健康な食事を、健康的な環境で提供する飲食店などを、日本高血圧学会、日本糖尿病学会、日本肥満学会など複数の学会が認証する「健康な食事・食環境」認証制度が、この春スタートする。ここでは、運営主体である日本栄養改善学会・武見ゆかり氏へのインタビューと、実際に先行して取り組む店舗の事例から、その可能性を探る。

「健康な食事・食環境」認証制度とは?

日本栄養改善学会 理事長
武見ゆかり氏「健康な食事・食環境」認証制度の運営主体である日本栄養改善学会・理事長。女子栄養大学教授、管理栄養士、博士(栄養学)。

栄養バランスのよい食事と禁煙などの店内環境を認証

「これまで医療・栄養の分野では、“外食が多いと栄養バランスが崩れ、健康にもよくない”という研究結果が、数多く発表されてきました。では、健康のために家で手作りする食事を増やせばよいかというと、それは現実的ではありません」。日本人の健康に資する栄養研究を行う、日本栄養改善学会の武見ゆかり氏はこう話す。“食の外部化”が進む昨今は、外食や中食で、健康的な食事を提供することが求められているという。そこで作られたのが、「『健康な食事・食環境』認証制度」だ。「健康な食事・食環境」とは、タンパク質や脂質、炭水化物などの栄養素がバランスよく含まれる食事を、禁煙の空間など健康的な環境で、継続して食べること。大切なのは栄養バランスの整った食事であり、野菜のみを食べるベジタリアン、糖質のみを制限するローカーボとは異なる。こうした食事の提供、食環境づくりに取り組む店を認証し、認証書を交付することで、消費者にアピールできるようにするという。

実際に飲食店が認証を受けるには、制度で定められた「健康な食事(スマートミール)の基準」を満たすメニュー作りが第一条件となる。スマートミールの基準は、カロリー別に「ちゃんと(450~650kcal未満)」、「しっかり(650~850kcal)」の2通りで、それぞれ「主食+主菜+副菜パターン」と「主食+副食(主食、主菜)パターン」を設定(右図)。このメニューと同時に、スマートミールの情報提供など計7つの必須項目をクリアすると、認証を取得できる。オプション項目も17個あり、必須項目をクリアした店には星1つを付与、オプション項目のクリア数に応じ、最大3つまで星の数が増える。「星の数で、店の認証レベルをわかりやすく示すことができます」(武見氏)。認証制度への応募期間は4~5月だが、2018年度のみ10~11月にも受付予定。「お客様の食生活改善のお手伝いをできることは、飲食店の大きなアピールポイントになるでしょう」と武見氏。次ページでは、認証制度に取り組む店舗の声を紹介。ぜひ検討してみてはいかがだろうか。

外食・中食・事業所給食で提供する、健康に資する要素を含んだ栄養バランスのよい「健康な食事」の通称。日本人の長寿を支えるものと期待されている。
店によって料理や品数などメニュー構成が様々のため、「主食+主菜+副菜」と「主食+副食」の2パターンで基準を設定
「ちゃんと」「しっかり」のカロリー別に、料理の目安量、食塩相当量の上限を決めている
上記の必須項目をすべてクリアすると認証を取得でき、星1つを付与。ほかにオプション項目もあり、クリア数に応じて星が増える

「健康な食事・食環境」推進事業事務局
株式会社 食STORY 内( 担当:米倉)
TEL:03-6261-0418
FAX:03-6261-0417
メール:info@smartmeal.jp
ホームページ:http://smartmeal.jp/

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