2019/11/12 特集

お酒が売れる店~アルコール離れに負けない! お酒が売れる店

若年層を中心にアルコール離れが叫ばれて久しい。一方で、レモンサワーの進化系やSNS映えを狙ったカクテルなど、多様化が進むアルコールドリンク。そこで、5つの事例から“お酒が売れる店”になるためのヒントを探る。

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更新日:2022.10.25

目次
【“映える”カクテル】フォトジェニックなパフェ感覚のカクテルで女性のオーダーを増やす
 「THE BARK」(北海道・札幌)

・【新感覚ビアサワー】自分で混ぜ合わせるオリジナルビアサワーでビールが苦手な人もOK!
 「BEER&246 aoyama brewery」(東京・外苑前)

【進化系レモンサワー】種類豊富なレモンサワーと少量から楽しめる日本酒で女性の心をつかむ!
 「一軒家酒場 酒場ニホレモ」(東京・高円寺)

【多彩なハイボール】本格中華にぴったりのハイボールを約50種提供。アルコール注文率もアップ
 「縁China」(新潟・中央区)

【超お得な会員制度】安く飲める会員サービスや豊富な飲み放題プランでリピーターを獲得
 「お好み焼き・やき鳥 ジュウジュー 東五所本店」(千葉・市原)

 若年層を中心にアルコール離れが叫ばれて久しい。一方で、レモンサワーの進化系やSNS映えを狙ったカクテルなど、多様化が進んでいる。そこで、5つの事例から“お酒が売れる店”になるためのヒントを探る。

 パフェのようなビジュアルで“SNS映え”で女性に人気のカクテルを提供する北海道・札幌のバー、ビールにフレーバーやフルーツ、ハーブなどを組み合わせた「ビアサワー」を開発したビアレストラン、オリジナルのレモンサワーを複数ラインナップする東京・高円寺の居酒屋、ハイボールを50種そろえアルコール注文率が9割という新潟の中華酒場、会員サービスや飲み放題プランでリピーターを獲得する千葉・市原のお好み焼き店を紹介する。

【“映える”カクテル】フォトジェニックなパフェ感覚のカクテルで女性のオーダーを増やす

THE BARK【北海道・札幌】
北海道札幌市中央区南5条西5-13-1 アシル札幌1F
https://r.gnavi.co.jp/c2p6zd3d0000/
公園がテーマの空間で、フォトジェニックなドリンクを提供。19時~朝5時まで営業し、2名席から最大16名対応可能なカラオケ付き個室まで備える。週末は結婚式二次会の利用も多い。

公園をイメージした空間で若い層の集客に成功

 札幌・地下鉄すすきの駅至近の飲食ビルに位置する「THE BARK」は、2019年3月にオープンしたバー。“公園×BAR”がコンセプトで、店内には、ジャングルジムやブランコ、シーソーなどの遊具をモチーフにした座席が配され、まさに公園さながらの遊び心あふれる空間を演出している。

 手がけるのは、地中海料理や手づかみシーフードの店など、札幌で多様な飲食店を展開する株式会社リジョイス・代表取締役の澤田和則氏。アッパー層向けのシークレットバーなども運営しているが、同店のターゲットは若い層だ。「札幌はオーセンティックなバーが多いのですが、若い人たちにとっては少し入りづらい。そこで、彼らが気軽に楽しめるバーを作りたいと思いました」と話すように、空間だけでなく、メニューも写真に撮られることを意識して開発。現在、20代を中心に集客し、7~8割を女性が占める。

(右)キャンディーセレブレーションシェイクカクテル 1,320円(中)チョコレートモンスターシェイクカクテル 1,320円(左)抹茶オレオシェイクカクテル 1,100円 「クレイジーシェイクカクテル」はグランドメニューの3種(左写真)に、季節限定の1種を加えた全4種を提供。ベースにはウォッカを使用し、トッピングなどデコレーションの一部をあらかじめ仕込んでおくことで、提供スピードが遅くならないよう工夫している
  • チャージ料金をとる代わりに、「バーフードビュッフェ」を用意。13種のドライフードを並べ、セルフサービスの食べ放題で提供
  • オーダーはタッチパネルで。売りのクレイジーシェイクカクテルのほか、ビールやワインなども充実し、ドリンクは約200種をそろえる

 なかでもドリンクは、パフェのようなビジュアルが目を引く「クレイジーシェイクカクテル」がいち押し。これは2018年、アメリカ・ニューヨークを視察した際、行列ができる店で目にしたデカ盛りミルクシェイクをヒントに考案したメニューで、女性スタッフの意見も取り入れ、“映える”見た目を重視して開発。全4種をラインナップする。「札幌のシメパフェ文化を、アルコールドリンクにも活かしたいと考えました」と澤田氏。飲んだ後の2軒目として来店し、21時前後のピークタイムには、パフェを食べる感覚で注文する人も多いという。人気なのは、チョコレートミルクシェイクにチョコレートケーキなどをトッピングした「チョコレートモンスターシェイクカクテル」(1320円)で、多いときには1日30~40杯のオーダーが入る。

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 「クレイジーシェイクカクテル」は、当初アルコールのみだったが、現在はノンアルコールにも対応。8~9割がアルコールを注文するが、「最近は、グループのなかにお酒が苦手な人がいることも多いので、飲めない人も楽しめるよう用意しています」と澤田氏は話す。そのほか、「ミルクシェイクカクテル」や「季節のフルーツカクテル」「和スタイルカクテル」なども用意して、幅広い層を取り込んでいる。

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  • ベリーベリーミルクシェイク 968円 アルコールが苦手な人でも飲みやすい「ミルクシェイクカクテル」は、季節のフルーツを使用した3種類をラインナップ
  • クラフトジン「六ジン」の和ティーニ 880円 「和スタイル」のカクテルは、話題のクラフトジンや抹茶などトレンドを取り入れている。女性はもちろん、一緒に来店する男性にも好評だ
  • フードの主力はシーフードロールやホットドッグ。手前はスパイシーな味わいが特徴の「ロブスターロール」(1,058円)。奥はトローリとろける濃厚なチーズが人気の「チェダーチーズドッグ」(594円)
  • 「スパイシーフライドチキン」(880円)など一品料理も豊富。甘いカクテルに合うスパイシーな味が好評

 忘年会に向けては、パーティープランを企画中。「バスケットに料理を詰めるなど、公園でピクニックをするイメージのプランを考えています」と澤田氏。今後は引き続きフォトジェニックなドリンクを打ち出しつつ、フードメニューをより強化していく考えだ。

代表取締役 澤田 和則氏
北海道・室蘭出身。高校卒業後に札幌へ移り、外食企業に約15年勤務。2014年に独立し、現在、札幌市内で6店舗を展開している。

【新感覚ビアサワー】自分で混ぜ合わせるオリジナルビアサワーでビールが苦手な人もOK!

BEER&246 aoyama brewery【東京・外苑前】
東京都港区北青山2-3-1
※閉店
中央に大きなコの字型のカウンターを配した店内は、吊り棚などがないすっきりとしたデザインで、フロア全体を見渡すことが可能。ビジネス層のパーティや結婚式二次会などの利用も多い。

ビールの楽しみ方を広げる多彩なペアリングを提案

 東京・外苑前の商業施設内に、2018年7月にオープンした「BEER&246 aoyama brewery」。“ペアリング”をキーワードに、ビールの多様な楽しみ方を提案するビアレストランだ。ビールのラインナップは、樽生の「アウグスビール」4種に加え、店内に醸造設備を併設し、オリジナルエールなど2種類を自家醸造。“青山生まれのクラフトビール”を味わえると話題を集め、近隣に勤める30~40代のビジネス層を中心に支持を得ている。

(右)Aoyamaドラフト 360ml 990円(中)オリジナルエール 360ml 990円(左)ブラック 360ml 990円 「Aoyamaドラフト」は麦芽2種とホップ2種のブレンドによる、豊かなコクとなめらかな飲み口が特徴。店内醸造の「オリジナルエール」は、毎回スタイルを変えて醸造。違った味わいを楽しめる。芳醇なラガータイプの「ブラック」は、香ばしいほろ苦さとほんのりとした甘さがあり、黒ビール初心者でも飲みやすい
  • 客席からガラス越しに醸造設備を眺められる。発酵タンクは2基あり、「オリジナルエール」のほかにもう1種の季節限定ビールを醸造
  • 5種のビールが飲み比べできる「テイスティングフライト」(1,980円)。女性には赤いハート型の器で提供する

 大きな特徴は、ビール好きだけでなく、ビールが苦手な人もターゲットにしている点。そのために開発したドリンクメニューが、常時13種をそろえる「ビアサワー」だ。これは、ビールにフレーバーやフルーツ、ハーブなどを組み合わせたオリジナルのドリンク。「従来のビアカクテルと違い、ビールとフレーバーを別々のグラスで提供し、お客様自身で入れて混ぜていただくスタイルです。『ビアサワー』という名称も独自に考えました」と、運営する株式会社ブロードエッジ・ファクトリー執行役員の蓮見剛氏は説明する。

 いちばん人気の「レモンビアサワー」(858円)は、ホワイトビールの華やかな香りをレモンの酸味が引き立て、レモンサワー感覚で楽しめる。ほかにもフルーティなものから、キュウリの香りがする個性派までバラエティに富み、季節ごとに新作も登場。「開発においては味のバランスを吟味するだけでなく、なるべくビールと色合いが異なるフレーバーを組み合わせて、混ぜたときに視覚でも楽しめるよう工夫しています」と蓮見氏。ビールの新たな味わい方として認知が進み、現在ではアルコールの売上の2割を占める。

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(右)レモンビアサワー 858円(左)東京グレナディン 858円 「レモンビアサワー」は、ホワイトビールに自家製レモネードを合わせることで苦さが中和し、爽やかな香りが引き立つ。「東京グレナディン」はピルスナーにザクロの果汁を混ぜたもの
  • ショットグラスに入ったフレーバーを、来店客自身がビールに注ぐ。色合いの変化を楽しんでもらう狙いもある
  • 好みのビアサワーを選びやすいよう、「苦み⇔フルーティ」「ドライ⇔スウィート」などで表したチャートをメニュー表に記載している

 フードは、クラフトビールやビアサワーと合わせることを意識。チキンをビール衣で揚げ、ワッフルコーンに盛り付けた「オリジナルビアチキン」(825円)など、独創性ある料理がそろう。そのほか、系列店のパティスリーのショコラティエが手がける「黒ビールのガトーショコラ」(715円)など、ビールを使った大人のスイーツもシメに人気だ。メニュー表には各料理の説明に添えておすすめのビールを記載し、ペアリングを促している。

 忘年会シーズンに向けては、鍋を盛り込んだプランを打ち出す予定。ビールを含む飲み放題も1650円~提供し、宴会の予約獲得を狙う。今後も引き続き、クラフトビールとともにビアサワーの展開にも力を入れ、誰もがより気軽にビールを楽しめる店づくりを進めていきたいと考えている。

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  • ジャガイモとハーブを揚げ、アイオリソースを添えた「フライドポテト」(858円)。エールビールと合う一品
  • 食後のシメスイーツとして女性を中心に人気の「苺の〆パフェ」(1,045円)は見た目もおしゃれ。ストロベリーIPAをかけて味わう
執行役員 蓮見 剛氏 スタッフ 松原 リナ氏
蓮見氏は料理人の経験を活かして、メニュー開発にも携わる。松原氏は2018年のオープン時より勤務し、ビールの魅力を伝えている。

【進化系レモンサワー】種類豊富なレモンサワーと少量から楽しめる日本酒で女性の心をつかむ!

一軒家酒場 酒場ニホレモ【東京・高円寺】
東京都杉並区高円寺北3-20-19 マガザン高円寺
https://r.gnavi.co.jp/1w93bvm30000/
日本酒とレモンサワーが売りの一軒家居酒屋。1階はカウンター席、2階は25名収容のテーブル席で貸切利用にも対応する。ディナーの注文はアラカルト中心で、平均客単価は3,300円。

2種類のレモンを使い、サワーの糖度を調節

 2018年8月、JR高円寺駅近くの商店街から一歩入った路地にオープン。日本酒とレモンサワーを売りに据え、店名を「酒場ニホレモ」とした。「日本酒とレモンサワー、自分自身がどちらも好きだったこと、また、時代のニーズにも合うと考えました」と語るのは、代表取締役の柴崎洋平氏。1軒家でカフェのようなおしゃれな空間は、女子会やデートでの利用が多く、20代後半~30代を中心に女性が来店客の約8割を占める。料理はイタリアンやスペイン料理をベースにした創作洋食で、「週2~3回通ってもらえる店にしたい」(柴崎氏)と、アルコールに合う「ビストロ水餃子」(660円)などおつまみ系から、ボリュームのある肉料理、パスタまで幅広く提供する。

(左から順に)爽快レモンサワー 605円 本気レモンサワー 605円 本気レモンセロリサワー 605円 塩レモントマトサワー 605円 「塩レモントマトサワー」は生のトマトを使用し、塩レモンでトマトの糖度を引き出す。「本気レモンセロリサワー」は「本気レモンサワー」にセロリを加えたもので、さわやかな風味にファンが多い。「爽快レモンサワー」にはスライスしたキュウリが入る

 レモンサワーは、グランドメニューが7種類。加えて、1~2週間で替わる限定レモンサワーも1種類用意する。レモンサワーはオープン前から1~2年かけて開発に取り組み、現在のラインナップとなった。使用するレモンは大分県の契約農家から仕入れる、皮までおいしい「べっぴんレモン」と、オレンジとレモンをかけ合わせた糖度の高い「メイヤーレモン」。シロップは使わず、季節などによって、それぞれのレモンの割合を変えて糖度を調整している。いちばん人気の「本気(マジ)レモンサワー」(605円)は、皮ごとすりおろしたレモンが約1個分入り、ほろ苦さが特徴だ。

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メニュー表に「すりおろしタイプ」「レモンを絞るタイプ」など特徴を記載。各レモンサワーの違いが一目でわかるようにしている
  • レモンサワーで使用する「べっぴんレモン」「メイヤーレモン」についての情報を入口近くの壁に明記。手描きのイラストとともに売りをアピールする
  • おつまみ人気ランキング不動の1位の「前菜・おばんざいお任せ盛り5種」(1,320円)。アルコールに合うメニューがそろっている

 もう1つの売りの日本酒は、常時12銘柄を用意し、1階の壁に瓶をディスプレイしてアピール。酒販店7社と取引し、タイプや産地に偏りが出ないよう心がけ、頻繁に入れ替える。価格は全銘柄で統一し、3勺(429円)、5勺(半合 528円)、一合(748円)でオーダーが可能。「女性が多いこともあり、いろいろな種類の日本酒を少しずつ飲みたいというニーズに応えました。価格を統一したのも、様々な銘柄を気軽に試してほしいという想いから。また、管理を簡略化する目的もあります」と、柴崎氏はその狙いを話す。

日本酒の瓶を壁にディスプレイして視覚的に訴求。味わいの特徴も添えられ、初心者でも頼みやすい。おすすめの銘柄の提案も随時行う
  • 日本酒は「フルーティー」「キレあり辛口」など、味わいのタイプ別に分けて紹介
  • 店頭ではテイクアウト販売も。好きな3種を選び弁当にする「NOSEBENランチ」(750円)が好評

 そのほか、アルコールメニューはクラフトビールやワイン、焼酎、ハイボールなどもラインナップ。近隣の居酒屋から流れて2軒目、3軒目として訪れる人も少なくなく、9割はアルコールを注文する。特に週末は、ランチタイムでもアルコールをオーダーする人がいるという。今後もアルコールドリンクに力を入れる考えで、「レモンサワーだけでなく、生絞りしたものなどフルーツ系のドリンクを開発していきたい」と、柴崎氏は意気込む。

代表取締役 柴崎 洋平氏
大学時代にラーメン店でアルバイト。IT企業を経て前オーナーよりラーメン店を引き継ぐ。2018年、「酒場ニホレモ」をオープン。

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【多彩なハイボール】本格中華にぴったりのハイボールを約50種提供。アルコール注文率もアップ

縁China【新潟・中央区】
新潟県新潟市中央区東大通2-2-3
https://r.gnavi.co.jp/rbr1hvgm0000/
1階はカウンター席で、リピーターの1人客やカップルが多い。2階は最大24名収容できるテーブル席で、ビジネス層の宴会にも使われる。周辺にはホテルも点在し、出張客も多い。

月替わりのハイボールも季節を意識して女性に人気

 新潟駅万代口から徒歩5分の場所にある「縁China」は、周辺に本格的な中国料理を出す店が少ないことに着目し、2017年6月にオープン。約25年、中華一筋の店長・赤川秀樹氏が腕を振るう。系列店「縁~ENISHI~」が、“新潟初のハイボール酒場”として黒豚メンチカツとハイボールをメインに据え、人気店となったことから、「縁China」では「中華×ハイボール」をコンセプトに打ち出した。赤川氏は「スパイシーでパンチのある中華には、炭酸の強いハイボールがとてもよく合います」と話す。オープン前には台湾を視察し、内装は本場の店をイメージ。20代後半~50代と幅広い客層を集客し、女性が半数を超える。カウンター席のみの1階では料理提供の際など、来店客と積極的にコミュニケーションを取り、女性1人の常連客も多いという。

 売りのハイボールは約50種をそろえ、定番の「ビームハイボール」「角ハイボール」(各418円)のほか、クエン酸を加えた「お疲れ酸ハイボール」(495円)や、「タウリンハイボール」(550円)などが人気だ。また、季節のフルーツを使った月替わりのハイボールも2種提供。果実感にこだわり、毎月3~4種のフルーツを試作し、開発している。すべて通常の2.5~3倍の「ジャイアントサイズ」に変更可能で、写真映えを狙った注文も多く入る。

(右)もも太郎ハイボール 495円(中)巨峰ハイボール 660円(左)ビームハイボール 418円 「ビームハイボール」は強炭酸で提供。月替わりの「巨峰ハイボール」は、巨峰3粒をすり潰して加える。「もも太郎ハイボール」は、新潟のご当地アイス「もも太郎」が丸々1本入ったインパクトのあるビジュアルが人気
旬のフルーツを使った月替わりのハイボールも2種提供。ファーストオーダー時におすすめし、特に女性に好評だ

 料理はハイボールとの相性を考えて用意。あふれ出す肉汁とスープが自慢の「汁ジュー汁ジュー 黒豚“ビーム”小龍包」(550円)には「ビームハイ」をおすすめするなど、メニューブックでは人気の点心メニューをハイボールとのペアリングでアピールする。その効果もあって現在、フード対ドリンクの売上比率は5対5、アルコールのオーダー率は9割に達する。

 「今後は、ハイボールはもちろんですが、ワインや人気のレモンサワーと中華のペアリングも提案していきたいと考えています」と赤川氏。様々なアルコールドリンクと中国料理の組み合わせを、さらに追求していく。

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  • メニューブックでは、ハイボールに合う点心料理を提案。思わず合わせて頼んでしまうような工夫をしている
  • 「新潟“新”名物 黒酢から揚げ」(396円)も注文率の高い看板。黒酢にしょうゆなどを合わせたタレで酒が進む
一番人気の「新・チャオズ餃子」(308円)。皮から店舗で手作りし、ハイボールに合うたっぷりの肉汁が特徴だ
店長 赤川 秀樹氏
新潟県出身。20歳から新潟の中国料理店で勤めた後、横浜の有名店で10年間勤務。新潟に戻り、同店のオープン時に店長に就任。

【超お得な会員制度】安く飲める会員サービスや豊富な飲み放題プランでリピーターを獲得

お好み焼き・やき鳥 ジュウジュー 東五所本店【千葉・市原】
千葉県市原市東五所8-10
https://r.gnavi.co.jp/p881703/
全112席で2~40名の個室を備えており、宴会や地域の集まりでの利用が多い。2階は60名までの貸切にも対応。無料送迎サービスも実施し、周辺の企業や地元住民の利用率が高い。

長年、地元密着で運営し、ファミリーを多数集客

 千葉県市原市の幹線道路沿いにある、お好み焼きと焼鳥が二大看板の「ジュウジュー東五所本店」。25年の歴史があり、近隣のファミリーを中心に幅広い客層が訪れる。ランチタイムから深夜まで通しで営業しており、個室が充実しているため宴会の需要も高い。「ただ、駅から離れた立地のため、車で来店する人や子ども連れのお客様も多く、アルコールの注文があまり伸びませんでした」と、店長の佐藤翔一氏は振り返る。そこでまず、2018年7月に「30日間月額飲み放題」(3300円)のサービスを開始し、手応えを実感。そして、2019年10月からは新たにグランドメニューの全ドリンクが30日間半額になる「会員権」(550円)を発行。地元の常連客を中心に好評を得ている。

500円(税別)の「会員権」を購入すると、その日から30日間、グランドメニューの全ドリンクが半額になる。グループ全員に「会員権」があることが条件となるため、常連に連れられた新規客も購入するなど、リピーター獲得に結びついている

 また、飲み放題プランにも力を入れており、月~木曜日限定「サク飲みプラン」(120分1738円)や、「ゆったり飲みプラン」(150分2178円)、開店直後の17~24時まで最長7時間飲み放題となる「てっぺん飲み放題」(2167円)などを用意。「お得な会員サービスや様々な飲み放題プランを用意したことで、着実にドリンクの売上比率が上がっています」と佐藤氏は話す。加えて、来店客の半数以上を占めるファミリーに向けては、小学生までの子どもを対象に、通常979円の「ソフトドリンク飲み放題」を550円で提供して喜ばれている。さらに、「ジュウジュー」グループ全5店舗で使える「魔法の券」も発行。これは、次回来店時に利用金額からおよそ半額が割引されるサービス券で、再来店やリピーターの獲得につながっているという。

  • (右)ビームハイボール 418円(左)ビームハイボールキングサイズ 913円 人気のハイボールやレモンサワーは、通常の量の約3倍の「キングサイズ(1000ml)」も用意しており、インパクト大で好評
  • 焼酎の銘柄のほか、すっぱさも好みで選べる「プレミアム生レモンサワー」。宴会の盛り上がりにも一役買う
  • 使用した金額に応じて、次回来店時に使える割引券「魔法の券」。飲み放題などとの併用はできないが、割引率が高いため人気
  • お好み焼き「1010(ジュウジュー)焼」(1,111円)はふわとろの食感で、来店客のほとんどが頼む人気メニュー

 アルコールメニューでは、「獺祭」の麦焼酎やクラフトジンを使った6種の「プレミアムハイボール」(638円~)、こだわりの銘柄焼酎で作る「プレミアム生レモンサワー」(638円~)など、トレンドのドリンクも用意。これから始まる忘新年会シーズンは、120分飲み放題付きの「ズワイガニと牛しゃぶ食べ放題」(5500円)などを打ち出し、多くの予約獲得を目指す。

店長 佐藤 翔一氏
新潟県出身。地元の割烹料理店での修業を経て、2014年に入社。2015年に同店の料理長に就任し、2018年4月から店長として活躍。

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