目次
・飲食店のヴィーガン(ビーガン)対応は集客にも直結⁉
・「ヴィ―ガン」「ベジタリアン」とは?
・「精進料理」は、日本伝統の菜食料理
・フレシキタリアン(動物性食品の摂取を減らす人)が増加傾向
・肉や魚の代替となる食品を「栄養素」の視点で考える
・メニュー案「ヴィ―ガン向け」「ベジタリアン向け」
・今すぐ対応できる!メニューへの表示
飲食店のヴィーガン(ビーガン)対応は集客にも直結⁉
動物愛護の観点や地球環境への配慮の高まりから、動物性食品を含まない「ヴィ―ガン料理」や「ベジタリアン料理」が広がりを見せている。インバウンドはもちろん、日本人の菜食主義人口も増加傾向である状況をふまえ、飲食店としてはオーダー時に応えられるようにメニューを用意し、集客や売上アップにつなげたいところだ。来店客から「ベジタリアン向けの料理はありますか?」という質問を受けて店員が困るようでは、次回以降の継続的な来店機会を失うことになるだろう。
まず「ヴィ―ガン」「ベジタリアン」を正しく理解しよう。その上で、使用できる食品や組み合わせから、メニューとして取り入れやすい料理の一例やメニュー表掲示のコツなどを紹介していく。
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「ヴィ―ガン」「ベジタリアン」とは?
「ヴィ―ガン」とは
卵や乳製品を含む動物性食物を一切口にせず、植物性の食品のみを食べる完全菜食主義者のこと。畜産による環境への影響や、動物への残虐な行為を減らそうという動物愛護・保護の観点から実践する人が多い。
・ヴィ―ガンが食べない食品
・ヴィ―ガン料理に使用できる食品
「ベジタリアン」とは
野菜を中心とした食生活を送る菜食主義者のこと。さまざまな菜食主義者の”総称”で、ヴィーガンもベジタリアンの一種。ベジタリアンには種類があり、肉は食べないが乳製品を食べる「ラクト・ベジタリアン」、卵や乳製品を食べる「ラクト・オボ・ベジタリアン」、卵や乳製品に加え、魚も食べる「ペスコ・ベジタリアン」などがある。
・「ラクト・オボ・ベジタリアン」が食べない食品
・ベジタリアン料理に使用できる食品
「精進料理」は、日本伝統の菜食料理
「精進料理」とは
「殺生をしない」という仏教の教えに基づき、肉や魚を使用せず、野菜や穀類、海藻などだけで作られる。ヴィーガンと共通する部分も多く、「オリエンタル・ベジタリアン」と呼ばれることも。
・精進料理に使用しない食品
・精進料理に使用できる食品
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フレシキタリアン(動物性食品の摂取を減らす人)が増加傾向
動物性食物をあえて避ける、またはゆるく取り入れる「フレキシタリアン」についてはご存じだろうか。「柔軟に」という意味を持つ英語のFlexible(フレキシブル)とベジタリアンを組み合わせた言葉で、植物性食品をベースに、場合によっては肉類も食べる柔軟性のある食生活を送る人のことを指す。自炊をする際には肉や魚を使用しない、週に数回は肉を食べない日を設けるなど、日本でも意識的に動物性食品の摂取を減らす人が増加傾向にあるようだ(※1)。
(※1)参考 【23年1月】日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査
肉や魚の代替となる食品を「栄養素」の視点で考える
次に、ヴィ―ガン・ベジタリアンメニューを考案する際の基礎知識として「栄養素」について触れる。体に不可欠な栄養素の中には、主に動物性食物に多く含まれるものがあるのだが、その栄養素をうまく補填することができる植物性の食品を、具体的に挙げてみよう。
・たんぱく質
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・不飽和脂肪酸(DHA、EPA)
・ビタミンD
・鉄
・カルシウム
・亜鉛
メニュー案「ヴィ―ガン向け」「ベジタリアン向け」
使用できる食品と栄養素について理解したところで、満足感が得られるメニューは何か、飲食店が用意しやすく、また需要も見込めるメニューは何かという視点で、「ヴィ―ガン向け」「ベジタリアン(ラクト・オボ・ベジタリアン)向け」に分けて具体的に見てみよう。
・ヴィ―ガン向け
植物性食品は動物性よりも脂質が低く、さっぱりとした料理になりがち。スパイスや調味料を活用し、香りや辛みでインパクトのあるメニューに仕上げよう。大豆ミートを使ったドライカレーや豆カレーなど、カレー粉を使った味付けは汎用性が高い。
また、切り方や調理法を工夫して食べ応え出すのもポイント。天ぷらのような揚げ物は満足度を出しやすいメニューの一つだ。衣に卵を使用せず、小麦粉と片栗粉を使って野菜を揚げる野菜天ぷら、タケノコやトマト、パプリカで作る寿司など、和食はヴィーガン料理として再現しやすい。味の深みやうま味を加えるには、昆布やシイタケ、野菜だしの活用も有効だ。
そのほか、ハンバーガーのパティは植物を原料とする代替肉を使用、唐揚げには鶏肉やつなぎの卵を使わず大豆タンパクと米粉で調理するなど、定番の肉料理をヴィーガン向けにすることは可能。原材料に豆乳などの植物性食品のみを使ったマヨネーズ風調味料や、大豆やナッツを原料にしたヴィーガンチーズなどを使用すれば、味のバリエーションも出しやすく、ポテトサラダやグラタンのようなクリーミーな味わいの料理も再現できる。
・ベジタリアン(ラクト・オボ・ベジタリアン)向け
卵や乳製品が使用可能なベジタリアン(ラクト・オボ・ベジタリアン)向けメニューは、マヨネーズ、チーズ、牛乳などのうま味とコクを活用し、より味や食感の幅を出しやすい。
洋食であれば、ひき肉を使用しない野菜のコロッケ、野菜たっぷりのチーズグラタン、野菜だしのクリームシチューなど、バリエーション豊富に再現可能。イタリアンでは、マルゲリータピザ、きのこのピザ、野菜のペペロンチーノなど、通常メニューがベジタリアンメニューに当てはまる場合もある。
そのほか、豆腐のそぼろと炒り卵の二食丼、精進だしの茶碗蒸し、厚揚げのチーズ焼きなど、だしを変更したり肉を抜くだけで活用できる「和」のメニューも。つなぎに卵を使用できるため、天ぷらも通常の衣を使用し、野菜に置き換えるだけでベジタリアンメニューに変更できる。
今すぐ対応できる!メニューへの表示
例で挙げたように、ヴィ―ガン・ベジタリアンメニューは生野菜サラダに限ったものではない。自店のメニューを見直すと、動物性食品を使っていない料理がすでにいくつかあるのでは。そういった商品はメニュー表にアイコンや目印をつけるだけでヴィーガン、ベジタリアンの利用客に訴求できる。動物性食品を使わない商品だけを抜き出し、別途ヴィーガンメニュー(植物性食品使用)、ベジタリアンメニュー(植物性食品使用、卵と乳製品を含む)などとしてポップにまとめてもよいだろう。インバウンドなど、需要が高い店は実践みてはいかがだろうか。
ただし、肉や魚の天ぷらを揚げた油でベジタリアン用の天ぷらを調理したり、通常のパティをグリルした鉄板で大豆ミートのパティを調理すると、肉の小片や肉汁がベジタリアンメニューに混入してしまう可能性が。メニュー導入の際には調理器具を分けるといった配慮が必要だ。
大豆ミートなどの代替食品の認知度が徐々に高まり、日本国内でも食の多様性が広がる昨今。今後ますますヴィ―ガン・ベジタリアンメニューの需要が高まっていきそうだ。時代とともに変化するニーズに柔軟に対応し、利用客に選ばれる店づくりに役立てたい。
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