更新日:2024.3.11
「とろサーモンレアカツ丼」
Seafood bar Ermitage(シーフード・バー・エルミタージュ)代々木店(東京・代々木)
情報は、今や検索すれば豊富に入手できるご時世。おいしそうな料理写真や動画を参考にして食べに行く店を選ぶことは、ごく一般的になりました。画像で料理を食べてみたいと思わせ新規を獲得、しかも実際食べておいしいからさらに拡散され、他のメニューも食べてみたいと、理想の流れでリピーター獲得まで成功している店があるといいます。
今回は、"生きがいはおいしいランチとスイーツ"というフードライター小田中雅子さんが、「Seafood bar Ermitage 代々木店」の「とろサーモンレアカツ丼」を紹介。拡散力のあるメニューの深掘りと、人気の名物に仕上げた商品開発力の秘策に迫ります。
・SNSでバズるメニューで、一躍注目を集める店
・これぞ断面萌え!オールスターそろい踏みの魅力に満ちた丼
・さらなる拡散は「ビジュアル×おいしさ」から生まれる
・SNS映えだけでは終わらせない努力
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SNSでバズるメニューで、一躍注目を集める店
店の看板メニューは、新規開店するや否や生まれるのが今どきなのかもしれません。そのスピードアップに一役買っているのがSNS。「Seafood bar Ermitage(シーフード・バー・エルミタージュ代々木店、以下エルミタージュ代々木店)」の「とろサーモンレアカツ丼」はまさにそんなメニューの一つです。SNSで話題を呼ぶと、テレビなどのメディアにも取り上げられ、開店間もないのにたちまち行列ができる店に。
“バズった”メニューの魅力を確かめに、さっそく出かけてみました。
エルミタージュ代々木店は、横浜で人気の創作イタリアン「Seafood bar Ermitage 横浜鶴屋町店」の2号店。シーフードをメインにし、オリジナリティーがありながらも、奇をてらわずシンプルにおいしい料理が、女性を中心に人気を集めています。大通りに面した路面店はヨーロッパの街角にあるバルのよう。オシャレな外観に行き交う人がふと目を止めていきます。
訪れたのはランチタイムがまもなく終わる頃。表通りを歩いている人はまばらなのに、店内はほぼ満席状態。代々木駅周辺に女性が多いという印象はないですが、お客さんは圧倒的に女性が多く、華やいだ雰囲気です。
これぞ断面萌え!オールスターそろい踏みの魅力に満ちた丼
「とろサーモンレアカツ丼」は、ランチタイムにはサラダ、ドリンクが付いて2,530円(税込)。ランチとしてお手頃価格とは言えないですが、サーモンとアボカド、イクラとトビコ、タルタルソースと女性の好きなものがオールスターでそろっていて、この魅力にはあらがえず…「今日は、ごほうびランチ!」と筆者の財布の紐もついつい緩んでしまいます。
セットのサラダを食べ終わるタイミングで丼の登場です。隣の女性グループから、丼が目の前に現れると一斉に「おいしそう!」と歓声が。思わず声を上げたくなる気持ちがよく分かります。それぐらい目の前に登場した料理は、SNS上で見る写真を上回る見映えの良さなのです。
パン粉がピンと立った香ばしい色の衣は、食べる前からサクサクという音が聞こえてきそう。しっとりと柔らかそうなサーモンはツヤツヤしたオレンジ色で胃袋に微笑みかけます。これぞ断面萌え。分厚くカットされたサーモンは、かわいらしい小さなココット鍋からはみ出さんばかりに盛り付けられ、ちょっとだけアボカドの姿も見えて…瞬時に気分が上がるのです。
メニュー構成が秀逸。メインの横には、ゆで卵とマヨネーズ、刻みタマネギが入った銀色の器が。卵を潰しながら、タルタルソースを作っていくという趣向です。ガラスの器にはイクラとトビコ、オリーブオイルを合わせたしょうゆダレが入っています。タルタルを作ったり、トッピングの組み合わせを考えたりと、登場から始まる仕掛けがさらに食べる人を夢中にさせます。
スタッフに尋ねると、特に決まった食べ方はないそう。全部のせて豪快に食べる人もいれば、サーモンカツ一つずつに違うトッピングを付けて食べる人も。どう食べるか考えるのは悩ましくも楽しい時間です。
まずはカツを作りたてのタルタルにどっぷりと浸し、ガブリと頬張る。厚みがあるので頬張るという表現がぴったりです。ほとんどレアなサーモンに生臭みは一切感じられません。サクサクとした衣に包まれたトロッと柔らかいサーモンに、卵1個を丸々使ったリッチでまろやかなタルタルが絡むと、最高に幸せな瞬間が訪れます。
至福のコンビに酔いしれて、このまま全部タルタルで食べ切ってしまいそうになりましたが、イクラとトビコの存在を忘れてはいけません。さっそくトッピング。キラキラと宝石のように輝くトッピングは映えをさらに盛り上げてくれます。惜しげもなくサーモンにのせて再び頬張る! ここで“いい仕事”をしてくれるのが自家製のしょうゆダレ。サーモンとプチプチはじけるイクラとトビコのうま味をオイルのコクが効いたしょうゆダレが引き立てます。このしょうゆ香る海鮮のうま味でご飯がいくらでも食べられそうです。
さらなる拡散は「ビジュアル×おいしさ」から生まれる
運営しているのは、首都圏で17店舗を展開している株式会社ココロオドル。ジャンルはイタリアン、カフェ、居酒屋とさまざまですが、大切にしているのが「食を通して人々の心を躍らせること」。おいしさだけでなく、思わず写真を撮りたくなるような非日常空間や料理のビジュアルなど、トータルで楽しんでいただくことにこだわっているそうです。2023年6月、17店舗目として代々木に誕生した「Ramen Deniro(ラーメン・デニーロ)」も新感覚の担々麺と共に、ニューヨークにあるカフェのような内装がラーメン女子の心を掴んでいます。
「とろサーモンレアカツ丼」はそんなこだわりから生まれたといいます。「代々木店は、オープン前からSNSによるプロモーションを前提にメニューを考えて、販売開始後からSNS配信施策を積極的に行ってきました。『とろサーモンレアカツ丼』は、商品開発担当者が20代女性を主のターゲットにし、SNSで注目されるメニューとしていくつか発案したものの一つで、社長とスタッフの意見とともに完成させた一品です」とエルミタージュ代々木店マネージャーの伊藤滉真さんは語ります。「SNS配信に関しては、会社が包括的に戦略を練って、担当を付けて取り組んでいます。インフルエンサーからというよりは、まず自分たちが積極的に発信し基盤を作ること。そこから広がっていったのかなと思います」と伊藤さん。SNSプロモーションを実施するにあたり、探しやすい店として代々木というエリアと路面店という好条件の物件を選んだそうです。
メニューを開発した担当者は長く飲食業界にいるベテランで、さまざまな企業で商品開発を行ってきたのだそう。合わせる食材や魅せる器の選び方に知見とセンスの良さを感じます。
SNS映えだけでは終わらせない努力
「見映えもありますが、おいしいから注文してくださるんだと思います。ですから、SNSを見て来店されたお客様に安定した味をお届けできるように、毎日味見やレシピの確認を大切にしています」と語った伊藤さんの言葉が印象的です。
サーモンに下味をつけたり、カツを揚げる時間を秒単位で調整したりとレアカツをおいしく食べてもらうために細かな工夫が施されていました。添えてあるしょうゆダレも作るのに複数の工程が必要で、見えないところの手間暇を惜しまない。そしてクオリティーを保つためのチェックを怠らない。見映えだけでは終わらず「おいしい!」のリアクションを引き出し、さらに拡散、リピートされるための工夫が、このメニューを看板メニューにしていたのでした。
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東京都渋谷区代々木1-45-4 代々木山陽ビル1F
https://r.gnavi.co.jp/cx3c7kzm0000/
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