ワイン欲が増幅するおつまみ!「海苔いくらカナッペ」天ぷらとワイン小島本店@名古屋

天ぷらとワインを気軽に楽しめる店「天ぷらとワイン小島」。柳橋中央市場内にある本店を皮切りに、今や名古屋市内外に店舗を展開しています。天ぷらと生のイクラという、温度差が広い2種を組み合わせた斬新な一品にフォーカスし、その誕生秘話に迫ります。

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「海苔いくらカナッペ」

天ぷらとワイン小島本店(名古屋・名駅)

名古屋の一大台所「柳橋中央市場」内に店を構える「天ぷらとワイン小島本店」。“旬を揚げる” と“市場が台所”をコンセプトに、天ぷらとワインをカジュアルに楽しめる店として人気を博しています。

今回は“看板娘”と称されている「海苔いくらカナッペ」を、フードーライター・露久保瑞恵さんが紹介。昼夜問わず、ほとんどのお客がスターターとしてオーダーする「海苔いくらカナッペ」の誕生秘話や、今後の展望について伺いました。

露久保 瑞恵(つゆくぼ みえ)
フードライター・エディター。「食べて飲んで旅をして」をキャッチフレーズにし、愛知県を拠点に国内外を食べ歩き。料理専門誌、トラベル系ウェブサイト、ぐるなび媒体「dressing」などへ数々の原稿を寄稿。料理人として路傍の摘み草料理を手がけ、レシピも執筆中。
https://www.facebook.com/mie.tsuyukubo

市場の一角に溶け込むコの字型カウンター
料理の国境を超えて大ヒット!看板娘の「海苔いくらカナッペ」
食前酒とカナッペというヨーロッパの食文化がヒントに
ビジネスモデルを醸成し、多店舗展開へ

市場の一角に溶け込むコの字型カウンター

名古屋の一等地に位置し、民間市場では国内最大級の規模を誇る「柳橋中央市場」。明治の後期より名古屋の台所的な存在として発展してきました。

  • 名古屋駅から徒歩圏内にある柳橋中央市場。朝早くから多くの料理人でにぎわう
  • 鮮魚、塩干、精肉、青果、乾物など、料理に必要な素材がひと通りそろうマルナカ中央市場総合食品センター

柳橋中央市場の中核的な役割を担うのがマルナカ中央市場総合食品センターで、「天ぷらとワイン小島本店」はその一角に店を構えます。

鮮魚や塩干、青果や乾物の卸売店が立ち並ぶ中に、突如現れるコの字型カウンター。通路と店の間にあるのは寒冷時に使用するビニールカーテンのみで、物理的にも心理的に開かれた空間です。市場が落ち着きを見せ始めた10時(※)から店を開け、昼呑みやランチ目的のお客で、カウンターを囲むスツールが徐々に埋まり始めます。
※水・日曜日・祝日は市場休場のため11時より開店

コの字型のカウンター周りにスツール13席。市場通路との間に壁がなく、フラリと気軽に立ち寄れる

料理の国境を超えて大ヒット!看板娘の「海苔いくらカナッペ」

看板メニューの「海苔いくらカナッペ」(290円/税別、以下同)

今回紹介する「海苔いくらカナッペ」は、看板メニューとして位置付けている一品です。もちろん屋号に冠したワインと一緒に楽しむ前提で。

大きな鍋とたっぷりの油がサクッと揚げ上がる最大のポイント

のりに衣をまとわせて揚げ、カナッペの土台を作ります。カリッと揚げるポイントは、大きな鍋とたっぷりの油。小さな鍋では具材を入れた途端に油の温度が下がり、ベチャッとした仕上がりになってしまうため、外せないポイントとのこと。

たっぷりのイクラしょうゆ漬けとワサビを載せてできあがり

のりの天ぷらの上に、イクラのしょうゆ漬けをてんこ盛りにし、ワサビをトッピングしたらできあがりです。「海苔いくらカナッペ」が手元に届く前に、スパークリングワインのオーダーをお忘れなく。

  • 「海苔いくらカナッペ」とスパークリングワイン。食事のスタートにぴったりな組み合わせ
  • のりとイクラは軍艦巻きでおなじみの組み合わせ。天ぷらに仕立てると食感も相まって想像の上をいくおいしさに

そして食べる時は、箸など使わず手づかみがベストです。一気に頬張ると、サックサクに揚がったのりの上でイクラがプチプチとクラッシュ。のりから立ちのぼる磯の香りが鼻腔を満たし、イクラの芳醇なうま味が口内に広がります。

ここですかさずスパークリングワインを流し込めば完璧なフィニッシュ。舌に残る余韻が次の一口を呼び、なみなみ注がれたはずのスパークリングワインが瞬く間に喉の奥へと消えてしまいます。

食前酒とカナッペというヨーロッパの食文化がヒントに

市場で仕入れる旬の食材を、天ぷらや一品料理に仕立てて提供している

「海苔いくらカナッペ」の発想は、イタリア料理に起因します。というのも、店主の小島直隆さんは元々イタリア料理畑の出身者で、ソムリエの資格保有者。名古屋市内のイタリア料理店で修業を重ね、独立のタイミングを迎えたとき、マルナカ中央市場総合食品センターの代表から天ぷら屋の構想を持ちかけられたそうです。天ぷらはイタリア料理のフリットに通ずる調理法で、素材を活かす料理は小島さんの得意とするところ。和食の中でもワインとの親和性が高い料理でもあります。食材の宝庫である市場内というロケーションにも魅力を感じ、「天ぷらとワイン小島」のオープンへと踏み切りました。

目玉となるメニューを考えるにあたり、欧米の食文化に思いを馳せた小島さん。パンの上に具材を載せたカナッペのような軽い食事と食前酒を楽しむ習慣があり、イタリアではアペリティーボ、フランスではアペリティフと呼ばれています。日本でもパーティー料理として市民権を得ているカナッペを、天ぷら屋らしくアレンジしてみたらどうだろう?と「海苔いくらカナッペ」を考案。そのアイデアは訪れるお客たちの心と胃袋をつかみ、食事のスタートを飾る看板メニューとなりました。

ビジネスモデルを醸成し、多店舗展開へ

天ぷらとワインをカウンターでカジュアルに楽しむ、というビジネスモデルは見事に当たり、「天ぷらとワイン小島」は連日大にぎわいに。やがて飲食業界からも注目を集めるようになり、ビジネスパートナーとタイアップしてFC展開をスタートさせました。現在は名古屋市内だけでなく、京都、大阪、広島にも展開し、今後は東京の新橋や学芸大学へも出店予定。まだまだ躍進は続きそうです。

イタリア料理店で修業を重ねたのち、「天ぷらとワイン小島」を開業した小島さん。ソムリエの資格も持つ

「私自身は一料理人で、これからもそのスタンスは変わりません。ただ、自分が生み育てたビジネスモデルが世の中に受け入れられ、多店舗展開できるのはうれしいですね」と小島さん。「海苔いくらカナッペ」も各店に欠かせないメニューとして定着化しているそうです。

生みの親である小島さんの元を離れた看板娘は、今日もどこかで食事のスタートを華やかに彩り、親孝行ぶりを発揮しているに違いありません。

「樽詰めスパークリングワイン」(写真左490円)と、スパークリングワインのカクテル「小島の桃ベリーニ」(同右550円)。桃を丸かじりしているようなジューシーなベリーニは、人気ナンバーワンの一杯
「朝シャン」としてスパークリングワインを提供し、大好評。グラスの交換がない場合のおかわりは、グラスからあふれそうなほど、なみなみと注いでくれる
天ぷらとワイン小島本店(名古屋市・名駅)
愛知県名古屋市中村区名駅四丁目15番2号 マルナカ中央市場総合食品センター内
https://r.gnavi.co.jp/3h7fb5sp0000/map/


JR、名鉄、近鉄、地下鉄東山線または桜通線の名古屋駅より東へ徒歩5分。柳橋中央市場内に店を構え、昼間から天ぷらとワインを楽しむ客でにぎわう。

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