「ピタサンド・ファラフェルサンドイッチ」
La Pita de Maison Cinquantecinq(ラ ピタ ドゥ メゾンサンカントサンク)(東京・代々木上原)
流行最先端の街・パリでは、中東風の「ピタサンド」が日常食としてなじんでいることをご存じでしょうか。
いよいよ日本にもこのフードカルチャーの波が来る…と、先んじて”渾身のピタサンド”を看板に開店したお店があるといいます。今回は、"生きがいはおいしいランチとスイーツ"というフードライター小田中雅子さんが、東京・代々木上原にある「La Pita de Maison Cinquantecinq(ラ ピタ ドゥ メゾンサンカントサンク)」の「ピタサンド・ファラフェルサンドイッチ」を紹介。日本で「ピタサンド」人気の火付け役となるであろう一品の、メニュー開発までの秘話やポイント、そして”食べてみたい”と人の心を動かす術を深掘りします。
・フードカルチャーをけん引する「シェルシュ」が手掛けた新業態
・ポケットにぎっしり詰め込むのは、フレンチテイストの中東料理
・もっと広く知ってほしい、さまざまな人が楽しめる中東料理の魅力
・SNSフォロワーは1万人超え! その秘訣は…
▼ぐるなび公式Xアカウント▼
ぐるなび - 飲食店様のお役立ち情報
よろしければ、こちらもぜひフォローお願いします!
フードカルチャーをけん引する「シェルシュ」が手掛けた新業態
「代々木上原」駅を出て線路沿いに歩くと見えてくる、ひと際目立つヨーロッパ風の建物。赤い屋根、オレンジの土壁に白いドア、花鉢で飾られた2階の窓。その一角に佇むだけでパリ郊外を訪れたような気分になります。
この建物に店を構えているのが「La Pita de Maison Cinquantecinq(ラ ピタ ドゥ メゾン サンカントサンク、以下ラ ピタ)」。以前は、人気ビストロ「メゾン サンカントサンク」があった場所と言えば「ああ、あの店」と思い出す方もいらっしゃるかもしれません。2010年にオープン以来、個性的な飲食店がそろう代々木上原エリアにあって、フレンチをカジュアルに楽しめる店として長年愛されてきた場所です。
そのビストロの移転を機に、ここに「ラ ピタ」が誕生しました。
「駅前にある立地の良さを生かすには、店の前を行き来するさまざまな人たちに、気軽に楽しんでもらえるものがいいなと思い、テイクアウトができる業態を考えました。その中で浮かんだのがパリで見かける中東料理のレストラン。ランチにはピタサンドを気軽に楽しんで、ディナーには野菜たっぷりの中東料理でワインを飲む。そんな店を作ろうと思いました」と語るのは、「ラ ピタ」を運営する株式会社シェルシュ代表取締役の丸山智博さん。
1階にはキッチンとテイクアウトを受け付けるレジ台、そしてカウンター2席。2階と3階はビストロ時代のテイストをそのまま活かしたイートインスペース。3階の屋根裏部屋のような低い天井にアンティーク家具が並ぶフロアは、隠れ家の趣いっぱいで、ちょっとおしゃれなデートに使いたくなります。
ポケットにぎっしり詰め込むのは、フレンチテイストの中東料理
昼はピタサンド、夜はビストロメニューが楽しめる「ラ ピタ」。ピタパンに自家製総菜や自家製ソースを挟んだピタサンドは、週末になれば、イートインとテイクアウト合わせて150個もでる人気ぶりです。
定番4種類、季節代わり1種類ある中で一番人気は「ファラフェルサンドイッチ」。筆者も大好物で、わざわざ代々木上原で途中下車して買いに行くほどです。
まず最初に2種類のパンから一つを選びます。「ふかふか定番の“プレーン”」か「もちもちの天然酵母“カンパーニュ”」。パンの特徴がすぐわかるネーミングが秀逸です。店をオープンするにあたって、一番苦心したのが理想のピタパン探しだったそう。
“プレーン”は、以前、人気ピタサンド店を経営し、今は卸をしている「PITA THE GREAT(ピタ・ザ・グレート)」のもの。厚みがあり、ふかふかの食べ心地がたまりません。“カンパーニュ”は練馬のベーカリー「コンビニエンス高橋」製造。少し酸味を感じ、小麦香る生地はパン好きのハートをつかみます。
具材のファラフェルとは、ひよこ豆やそら豆を潰して、スパイスやハーブなどを混ぜ、丸めて揚げた中東のコロッケのような料理。この“コロッケ”を、ひよこ豆のペースト、フムスと新鮮な野菜、コルニッションと呼ばれる小型きゅうりのピクルス、マッブッハというパプリカとトマトをハーブやスパイスで煮込んだソースと一緒にパンにはさみ、タヒニソースというゴマのソースが掛けられます。「名称にたくさんカタカナが並んで、魔法の呪文のようですよね」と笑う丸山さん。
「野菜だけで作られたサンドをどうやっておいしくしようかと考えました。食感や味わいに変化をもたせ、途中で食べ飽きない工夫をしています。こだわりはボリュームです。パリでは腹ペコの男性がハンバーガーのようにガッツリ、ピタサンドを食べています。日本でもそんな風景が見られたらと思い、ファストフード好きな人が食べても満足感のあるピタサンドを目指しました」(丸山さん)。
サンドのサイズは通常とジュニアと2つあり、通常がいわば“大盛り”サイズ。サイドメニューのポテトなどを付けるなら、ジュニアサイズにした方がいいほどボリュームがあります。
野菜がたっぷり、どれも優しい味わいで、ほっこり心和みます。カリカリとクリスピーな食感のファラフェルはホクホクで、シルクのようになめらかなフムスとゴマのコクたっぷりのタヒニソースと相性は抜群。食べ進めると底にあるスパイシーなマッブッハのパンチのある味わいが顔を出し、まるでフレンチの一皿のような奥深い味わいのサンドです。
もっと広く知ってほしい、さまざまな人が楽しめる中東料理の魅力
丸山さんはフレンチのシェフとしてキャリアをスタートし、独立後、ビストロ「メゾン サンカントサンク」をオープン。その後、居酒屋をジャパニーズビストロとしてアップデートした「Lanterne (ランタン)」(代々木上原店、池尻大橋店)、ギャラリーとビストロを兼ね備えた「AELU(アエル)」(現在はギャラリーのみ)、そして2024年1月には「ランタン」の進化系である大人の居酒屋「Lanterne はなれ」(東北沢)をリニューアルオープンさせるなど、個性がキラリと光る店舗を代々木上原近辺に次々と展開。そのほか、店舗コンサルティングやプロデュースなど食の分野で多岐にわたって活躍しています。
「今『ラ ピタ』は店の創成期で、ピタサンドのお店に捉えられがちですが、中東料理を気軽に楽しんでもらうというのが店のテーマです。パリに限らずヨーロッパにはどの街にも中東料理の店があって、日常生活に溶け込んでいる。そんな店をここに作ろうと思ったんです。昼はサンド、夜は中東料理のビストロのように使ってもらいたい。今は、その形にだんだんなりつつあると思います」と丸山さん。
野菜オンリーから肉の料理もそろう中東料理。ビーガンの人も、お肉が好きな人も、飲む人も飲まない人も、国籍、性別、年齢を問わずいろんな人に楽しんでもらえる店。「自分の店の利益というより、知名度がまだまだこれからのファラフェルやフムスとかを知ってもらって、東京中、いや日本中にこんなお店が増えていくことが僕の目標なんです」と丸山さんは「ラ ピタ」に込めた思いを力強く語ってくれました。
SNSフォロワーは1万人超え! その秘訣は…
「ラ ピタ」の公式インスタグラムのフォロワー数は実に1万人超え。何か仕掛けているのでしょうか。
「特別なことをしているわけではありません。発信力があると考えたものを自分たちで定期的にアップしているくらい。写真は、きれいに見え過ぎないようにするとか、料理に偏らず空間やスタッフを織り交ぜるなどの工夫はしています。海外のSNSを参考にすることはありますね」と丸山さん。
SNSは反響までを考えて発信する、だけど依存はしないという丸山さんの取り組みに、ファンが多くつく理由を見た気がします。
料理も日々工夫をし続け、定番のファラフェルやフムスも豆の潰し方、塩の入れ具合などよりよいものにするためにスタッフと共に取り組んでいるのだそう。
今後の展望について尋ねたところ「まだ初めて間もないため、まずはオペレーションとブランディングをしっかり固めたいですね。そして、海外そのままじゃなくて、『ラ ピタ』ならではのオリジナリティーのある中東料理レストランを作っていきたい。その形は直営店やプロデュースにこだわらずにやっていきたいです」と笑顔の丸山さん。
「今日はハンバーガーにする?、それともピタサンド?」ーー そんなセリフが日常になる日がくると思ったら、なんだかワクワクしてきました。
東京都渋谷区西原3-5-1
https://r.gnavi.co.jp/ghj0h1pz0000/map/
【ヒットメニュー記事は他にも!こちらもチェック】
「手仕込みアジフライ定食」にこだわりを注ぎ込み大ヒット!トーキョーアジフライ@市ヶ谷
ちょこっとすぎるサイズがいい!「おちょこ丼ランチ」 UOHIDE渋谷Udagawa@渋谷
【こちらもチェック!】
サンドイッチ界は「萌え断」時代の真っただ中!?フルーツサンドが流行る理由
※「テンポス フードメディア」へジャンプします。
デザート感覚で飲める「ベトナムコーヒー」
※「テンポス フードメディア」へジャンプします。
Googleビジネスプロフィール(GBP)の運用代行サービスは、ぐるなびで!
ぐるなびによるGBPを活用したMEO対策・クチコミ対応を含む、飲食店に特化した集客支援・運用代行サービスを紹介します。
▼詳細はこちらから
【ぐるなび】飲食店向けGoogleビジネスプロフィール(GBP)集客支援・運用代行サービス