冷製「ニラレバ」
飯酒トモエ(メシサケ トモエ)(横浜市・日吉)
飲食店のトレンドを牽引するエリアが多い東横線にあって、これまであまり注目されることがなかった「日吉」。学生街だけに、低価格とボリューム重視の居酒屋が多かったこの街に、ミシュラン星付きの店で経験を積んだ料理長による一流の和食をカジュアルに楽しめる「飯酒トモエ」が誕生し、注目を集めています。
今回は「飯酒トモエ」で人気の「ニラレバ」を、週末の酒場巡りが趣味というフードライター・桑原恵美子さんが紹介。飲食店好きのオーナーと、和食一筋の料理長が作りだす料理の魅力にフォーカスします。
訪れた飲食店を紹介している個人ブログ:
https://ameblo.jp/amaguri0111/theme-10066247104.html
・入った瞬間に目を奪われる、美しい大理石の広いカウンター
・こんなニラレバ、見たことない!温度と食感にも驚愕
・飲食店と人が大好きなオーナーと、和食一筋の料理長
・「ここまでやる店」だとストレートに伝わる一品、すっぽん焼売
・割烹のような非日常感を楽しめる居酒屋
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入った瞬間に目を奪われる、美しい大理石の幅広カウンター
「飯酒トモエ」があるのは日吉駅西口から徒歩1分、中央通りの路地を右側に入ったところ。「肉汁餃子のダンダダン 日吉店」の左側の階段を降りていくと、看板を照らす照明がドラマチックで、隠れ家感満載の入り口が現れます。
ドアを開けると、目に飛び込んでくるのは豪華な大理石のカウンター。一般的な割烹のカウンターよりも奥行きが広く、席の後ろの通路の幅もゆったりとしているので、カウンターならではの臨場感を楽しみながらも、くつろいで食事が楽しめます。
日吉駅のすぐそばに、こんな高級感のある和食店があったことに驚いたのですが、メニューを見て、料理名から伝わる本格感と、前菜が490円からという価格のギャップにまた驚愕。出てくる料理のすべてに割烹料理のような驚きがあるのですが、中でも初めて注文した時の衝撃が忘れられないのが、「ニラレバ」です。
こんなニラレバ、見たことない!温度と食感にも驚愕
こんな本格的な割烹メニューの中に、なぜ中華の「ニラレバ」が…?という素朴な疑問から頼んでみたのですが、目にした料理は、私が知っているニラレバとは、全く違うビジュアルでした。
骨董の趣のある小鉢の中央につんもりと、新鮮なお刺身かのように、冷製のレバーが盛られています。使用する鶏レバーは、江川さんの友人が経営する九州の養鶏場から直送したもの。ピンク色に輝く切り口からは新鮮さが、なめらかで均一な質感の断面からは絹のような舌ざわりが伝わってきます。その傍らにはこれまた端正に切りそろえられた緑のニラと、つややかな卵黄が寄り添い、まるで美しきアート作品のよう。
レバーに卵黄を付けようとしてもなかなか破れないほどの強い弾力。ねっとり濃厚な卵黄と甘みをきかせたしょうゆだれがよく合います。低温調理されたレバーは、中華料理店の強火で炒められたレバーとはまるで別物。生のようになめらかなのに生臭さの気配すらないすっきりした上品な味わいで、フランス料理でいただくフォアグラのよう。甘ダレとシャキシャキのニラ、卵黄のハーモニーがまた絶妙で、交互に味わっていると、飲み込むのが惜しいほど…。
フランス料理の「コンフィ」のように、レバーをごく低温の米油でじっくり時間をかけて加熱したものを冷やしています。これは、「レバーが好きな人はレバ刺しのような生に近い食感を好む人が多い」ことから発想したそう。
飲食店と人が大好きなオーナーと、和食一筋の料理長
レバニラをここまで本格和食に昇華させられる技に驚いたのですが、それもそのはず、料理長の地曳(じびき)翔太さんはミシュラン三ツ星を獲得した京都「京懐石 吉泉」や、銀座「Kuma3」(姉妹店との統合により閉店)で修業し、蒲田に自身の店「和食 巴」を持っていた実力の持ち主。オーナーの江川広樹さんとは小学校時代の同級生でした。
小さい頃から食べることと人が大好きだったという江川さんは、飲食店オープンを目指して大庄グループなどで経験を積んだ後、日吉を中心に東横線沿いで複数店舗を展開する「湘次郎」で全店のマネージャーを任されるまでになります。満を持して、自身のニックネーム「エガチョ」を冠した「IZAKAYA EGACHO(居酒屋えがちょ)」を日吉でオープンさせようとした時に、コロナ禍で飲食業界は自粛一色に。サンドイッチ店や弁当店などさまざまな手法で地元にアピールを続け、地元での認知度をあげたことで、2020年にお店をオープンしてからは順調に繁盛店となりました。
江川さんはコロナの時に多くの人に助けられたことを忘れず、その後も「何かの種まきになれば」と、さまざまなジャンルの友人たちと食のクロスイベントを開催していました。たまたまSNSでそのイベントを知った地曳さんが、江川さんの名前を見て懐かしく思い連絡、小学校以来の再開に。そこで意気投合したことから地曳さんは自身の店「和食 巴」を移転リニューアルする形で、江川さんがオーナーである「飯酒トモエ」を日吉にオープンしたのです。
「ここまでやる店」だとストレートに伝わる一品、すっぽん焼売
もうひとつ、この店に来たら絶対に食べて欲しいのが、江川さんが「飯酒トモエ」の看板料理として提案した「すっぽんの焼売」です。
「すっぽんというキラーワードのインパクトで絶対に注文したくなるし、『ここまでやる店』だということがわかりやすく伝わる」(江川さん)というのが狙いでしたが、すっぽん料理の難しさを知っているだけに、地曳さんも最初は「絶対無理!」と思ったそうです。しかし今や店一番の人気メニューに。「高額なすっぽん料理のコースでも、一番価値があるのはだしです。それを焼売に落とし込む発想は自分にはなかった」(地曳さん)と、江川さんの着眼点に脱帽しているそうです。
江川さんのアイデアを形にできるのも、若くして料理の道に入った地曵さんの経験と技があってこそ。すっぽんはお店でさばいていますが、骨も部位も非常に細かいため、解体や掃除は一日がかり。さらに煮込んでは冷やすことを何回も繰り返し、「星付きのすっぽん専門店と変わらないやり方で作っていますよ(笑)」と、地曵さん。
シメとして人気の「じゃこと大葉の焼きおにぎり」。ご飯に混ぜているのは、絹糸のような細さに刻み込んだシソ。地曳さんの技が光ります。この日の漬物は春キャベツの浅漬けと、スタッフのつまみ食いが止まらないという切り干し大根のたまり漬け。
割烹のような非日常感を楽しめる居酒屋
「飯酒トモエ」には、割烹にもひけをとらない本格感、非日常感がありますが、不思議とゆったりしたリラックス感を覚えるのです。厨房に立つ地曵さんにそう伝えると、「店の作りがゆったりしているのは、体の大きい江川に合わせているからですよ(笑)」と冗談を交えつつも、「江川の“人を喜ばせたい”という情熱、江川が持つ人をひきつける魅力も、この店の居心地良さを作っているような気がします。実は僕自身も、夜に店を閉めた後、照明を落としてこのカウンターでお酒を飲むと、しみじみ『いい場所だな…』と落ち着くんです」。優しくほほ笑む地曵さんの表情から、お互いをリスペクトし合う信頼の深さに心を打たれたのでした。
神奈川県横浜市港北区日吉本町1-2-17 B1F
https://r.gnavi.co.jp/j4tx5g6y0000/
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