新宿「鮨ト酒 日々晴々」の「フラポとチーズ with soup」に驚愕!これぞ気の利いたサイドメニュー

新宿「鮨ト酒 日々晴々」は、高級寿司店・寿司居酒屋いずれとも違う、“アッパー寿司酒場”という新たなアプローチが魅力で、2022年7月のオープン以来、平日も空席待ちの行列ができるほどの繁盛ぶりです。“気が利いている”って、こういうことなのだと感じさせてくれる、名脇役のおつまみに注目します。

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「フラポとチーズ with soup」

鮨ト酒 日々晴々 新宿三丁目店(東京・新宿)

近年、若者や訪日観光客の間で人気が急上昇しているグルメスポットが、歌舞伎町よりも大人っぽさのある、新宿・末広通り。リーズナブルな価格で本格的な料理を楽しめる、多国籍で個性的なお店が点在するこの界隈で、平日でも予約困難な超人気店として知られているのが「鮨ト酒 日々晴々」です。

今回は週末の酒場巡りが趣味というフードライター・桑原恵美子さんが、「日々晴々」で一番好きだという肴「フラポとチーズ with soup」を紹介。毎日をハレの日にしてくれるような、気の利いた寿司酒場の魅力にフォーカスします。

桑原 恵美子
フードライター。十数年間にわたり、新聞社系の媒体で大手チェーン飲食店や新オープンの商業施設の飲食店、食品メーカーを中心に取材。ぐるなび媒体「dressing」でも100軒以上の飲食店を取材。「ラクなのに美味しい 驚異の弱火調理法」(三空出版)など料理レシピ本の構成にも携わる。
訪れた飲食店を紹介している個人ブログ:
https://ameblo.jp/amaguri0111/theme-10066247104.html

・新宿の穴場的美食エリア「末広通り商店街」
・一品で3回おいしい!「フラポとチーズ with soup」
・目指すは、高級寿司への入門店
・うに使用の「うにプリン」が、驚異の390円!
・毎日をハレの日に。ちょっとアッパーな寿司酒場

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新宿の穴場的美食エリア「末広通り商店街」

「鮨ト酒 日々晴々」があるのは、新宿の伊勢丹本館筋向いにある「末広通り商店街」の一角。

土曜日の15時、開店早々から満席に

路地に面して大きく取られた窓からは、まだ明るいうちからにぎわっている店内の様子が伝わってきます。平日も開店時間から予約だけでほぼ席が埋まり、空席を待つお客さんの行列ができるほどの繁盛ぶり。

広々とした店内。白木のカウンター席からは厨房の様子が見えるレイアウト

店内は、職人の手さばきが見える中央のライブキッチンを囲むように、清潔感のある白木カウンターが長くのびています。窓際には、グループでお寿司を楽しみたい時に嬉しいテーブル席も用意されています。

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これだけ高級感のあるスタイリッシュな空間なのに、握り1貫が190円からという安さ。新鮮な魚介類を使った一品料理も300円台からあり、中心価格帯は500~600円。しかもどの料理にも必ずサプライズがあり、はずれ無しの高クオリティーなのだからまた驚いてしまいます。そして、そんなメニューの中の私の一推しが実は、フライドポテトなのです。

一品で3回おいしい!「フラポとチーズ with soup」

「フラポとチーズ with soup」(690円)

「フラポ」とはフライドポテトの略。注文すると、なにやら真っ赤なスープが付いてきます。フライドポテトは皮付きのまま櫛形にカットした「ウェッジカット」。揚げたて熱々のところに粉チーズがたっぷりかかっていますので、これだけでも止まらないおいしさです。

  • 粉チーズをかけた、熱々のフライドポテト
  • 濃厚な魚介風味のスープが2つ。1品を2人でシェアできる構成

そば猪口サイズの器には、魚介のうま味たっぷりのスープ・ド・ポワソン。魚介の骨やあらを砕いてミキサーにかけ、何時間も煮だした後、ブイヨン、トマト、マッシュポテトなどで風味と食感を整えたもので、この店のメニューの中で一番、手間と時間がかかっているのだとか。濃厚なうま味があり、一気に飲み干したくなりますが、味見程度にしておくのをおすすめします。なぜなら…。

濃厚うま味のスープに、チーズ風味のフライドポテトをディップ

このスープにチーズ風味のフライドポテトをディップすると、ポテト、チーズ、スープの味わいが混然一体となり、別次元のおいしさが爆誕するから。一皿で3回も、驚きと感動を味わえる、ここでしか食べられない、寿司店ならではのフライドポテトなのです。

目指すは、高級寿司への入門店

実は、「日々晴々」は50ブランドを超える飲食店を全国展開している株式会社ダイナックの運営。いろいろな繁盛店で積み重ねてきたノウハウがあるからこそ、創作料理であってもはずれがなく、また多彩な飲食業態で培ってきた仕入れルートやパートナーシップがあるから、上質な素材を使ってもこの価格帯で提供できるのですね。

店長の豊田翔さん(写真右)と、料理長の日高宏昭さん(同左)

店長の豊田翔さんによると、「廻る寿司を卒業したミレニアル世代のために、高級寿司への入門となるような店を作りたい」と特に力を入れて開発した新業態店なのだそうです。

特にこだわっているのは、生の本まぐろ。「冷凍ではない生のまぐろのおいしさを、若い方々にも気軽に召し上がっていただきたい。必ず、違いがわかるはずです」と料理長の日高宏昭さん。

  • 職人が握る、江戸前寿司
  • 「生本マグロ3貫」は驚きの690円。シャリには江戸前寿司を象徴する赤酢を使用
「晴々盛り5貫」(890円)。上から時計まわりにとうもろこしのバター醤油、本まぐろの漬け、マダイの塩レモン乗せ、甲いかの大葉ジェノベーゼソース乗せ、赤海老の味噌漬け

お寿司のおすすめは、醤油をつけずにそのまま食べられるようそれぞれのネタに職人がひと手間加えた「晴々盛り5貫」。いわゆる“アテ寿司”の盛り合わせですが、「5貫」と言いつつ実はもう1貫、サプライズが用意されています。

サプライズで、うれしさと楽しさをプラスすることで「ハレの日」を演出

それが、後出しで陶製のココットに入ってテーブルに運ばれる「うなぎの瞬間燻製」。フタを開けた瞬間に広がる白いスモークに、座が一気に盛り上がること間違いなし。演出だけではなく、鼻に抜ける燻製独特の豊かな香りがタレの味わいと一つになり、初めて食べた時は「こんな味わいの寿司があったのか!」と驚きました。

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うに使用の「うにプリン」が、驚異の390円!

「うにプリン」(390円)。ほぼ全席からオーダーが入る、看板の一品

「ミレニアル世代に、カジュアルな価格で本物の味を体験してほしい」という願いを象徴するような一品が、390円(!)の「うにプリン」。

うにクリームと生クリーム、塩を加えて本物のうにの殻に盛り付け、その上にこんもりと、うにをトッピングしているのです。原価率の高さが心配になる素材と価格ですが、なんとオープン時よりもトッピングのうにの量を増やしているというから、さらに驚きます。「やはりうにの量が多いほどその魅力をしっかり味わっていただけるので、歯を食いしばって(笑)頑張っています」(豊田さん)。

毎日をハレの日に。ちょっとアッパーな寿司酒場

入り口扉の左に、表札風にデザイン

「日々晴々」という店名は、記念日だけでなく、なにげない日々の食事も彩りたいという想いもこもっているのだとか。カジュアルでありながら本格的で、“毎日をハレの日に”してくれるような、ちょっとアッパーな寿司酒場を目指したそうです。

小皿や箸袋のロゴデザイン

“廻る寿司を卒業したいけど、高級寿司店は敷居が高い”というミレニアル世代にとって、間違いなく「日々晴々」のお料理は新しい扉を開いてくれることでしょう。またミレニアル世代だけでなく、いろいろなお店で食経験を積んできたミドル世代やシニア世代もまた、このお店の“気の利いた”お料理の数々で、外食の晴れやかさと楽しさを再発見できるかもしれません。

カクテルもノンアルコールドリンクも、寿司との相性を計算した個性派ぞろい。左から、寿司店ならではの「ガリのモスコミュール」(650円)、ミントではなく大葉を使用した「大葉モヒート」(500円)、すし酢を隠し味に使ったレモネードとウオッカをミックスした「謹製レモンサワー」(500円)
ノンアルコールドリンクにも寿司酢を使用。さっぱりした味わいの「ヒビハレのレモネード」(400円)が人気
鮨ト酒 日々晴々 新宿三丁目店(東京・新宿)
東京都新宿区新宿3丁目6-9 山口ビル1F
https://r.gnavi.co.jp/jpfpwm640000/map/
新宿三丁目駅より徒歩3分に、2022年7月オープン。狙い通りミレニアル世代の30~40代を中心に集客し、連日予約で埋まる繁盛店。専用アプリでも2回目来店以降は隠しメニューが表示されるなど新しい試みにも挑戦している。早めの予約か、9時以降の時間帯を狙うのがおすすめ。2024年7月25日、大阪の駅型商業モール・ルクア大阪に2店舗目をオープン。

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