集客や客単価UPに効果的なガッツリ肉メニューを紹介!
シズル感たっぷりの肉メニューは、「これを食べに行きたい!」と思わせる名物になりやすく、SNSでの情報拡散も期待できる。一方で、近年は原価高騰などの影響を受けやすく、安定した価格で仕入れられるルートの確保も重要だ。看板の肉料理を持つ人気店に、開発の経緯から、食材の仕入れ、調理法、盛り付け、来店客の反応まで、話を伺った。
目次
1.牛肉
「下北沢ミートサンド」STABLER SHIBUYA(東京・渋谷)
2.豚肉
「低温熟成豚テキ(シャリアピンソース)」大衆麺酒場 ミクロとくじら 幡ヶ谷(東京・幡谷)
3.鶏肉
「囲箱」鶏焼き肉 囲(東京・六本木)
4.羊肉
「ビール屋ならではのラムシャンク煮 カルボナード風」シノバズブルワリー ひつじあいす(東京・上野)
5.馬肉
「ごつ盛り」ネオ大衆酒場 馬る‐Tokyo‐銀座コリドー街店(東京・銀座)
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1.下北沢ミートサンド
STABLER SHIBUYA(東京・渋谷)
ぎっしり詰まったサガリのうま味を存分に!
これでもかというほど牛のサガリ(横隔膜から取れる希少部位)をたっぷり使ったミートサンド。オーナーはアメカジ系のアパレルブランド「STABLER」を展開する鈴木 悠基 氏で、競合の多いハンバーガーではなく、ステーキのサンドイッチで他店との差別化を狙ったという。下北沢の1号店(2020年12月オープン)が行列店となり、2号店を同じく下北沢の商業施設に、3号店を恵比寿に出店。2024年7月には、渋谷の商業施設「Shibuya Sakura Stage」のフードコートに4店舗目「STABLER SHIBUYA」を出店した。
サガリを使ったのは、脂が少なくヘルシーで、時間が経っても固くなりにくくテイクアウトにも向いていると考えたから。味付けは塩コショウのみとシンプルで、パンにバーベキューソースとつぶマスタードを塗っている。サイズは「シングル」(1,400円・150g)と「ダブル」(1,900円・300g)で、希少部位ということもあり原価率は40%。このほかに、「わさび醤油」(シングル1,500円、ダブル2,000円)など数種類の味のミートサンドを用意している。
口いっぱいに肉のうま味が広がり、マスタードもアクセントに。ボリューミーだが、サガリは脂が少なくさっぱりとしているので、女性でもペロリとダブルを完食するという。インパクトのあるビジュアルから写真を撮影する人がほとんどで、インスタグラマーによる情報拡散やメディア露出も手伝って一気に認知が拡大。渋谷店も早速行列ができている。
東京都渋谷区桜丘町1-1 Shibuya Sakura Stage SHIBUYA SIDE 4F
https://www.shibuya-sakura-stage.com/shop/detail/?cd=000094
https://r.gnavi.co.jp/5pb8jd390000/
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2.低温熟成豚テキ(シャリアピンソース)
大衆麺酒場 ミクロとくじら 幡ヶ谷(東京・幡ヶ谷)
この厚み!このシズル感!SNSでバズった最強トンテキ!
シズル感たっぷりの写真がインスタで拡散され話題を呼んでいるのが、“麺酒場&町中華”をコンセプトにした「大衆麺酒場 ミクロとくじら 幡ヶ谷」の名物「低温熟成豚テキ(シャリアピンソース)」だ。約15年前から自社の系列店で低温調理の豚肉メニューは取り入れており、高い人気を誇っていた。そのノウハウを生かし、2021年に「ミクロとくじら」をオープンするにあたり、主力メニューの一つに「低温調理の豚テキ」を据えた。
豚肉は、山形・米沢産などの脂ののった肩ロースを使用。一皿160g~180gで、厚さは2~2.5cmとインパクト大のビジュアル。豚肉の脂の融点を考慮しつつ、低温調理でじっくり中まで火を通し、仕上げに短時間でカリッと焼き上げている。ソースはシャリアピンソースにガーリックチップをかけ、からしも添えている。
ジューシーで脂たっぷりの豚肉が低温調理で絶妙に柔らかく仕上げられており、ご飯にもお酒にも合う“最強のトンテキ”と言っても過言ではない一品。食欲をそそる見た目から、他のテーブルの客が食べてるのを見て注文する人も少なくない。また、2024年に入ってからインフルエンサーによる情報拡散などによって、来店の目的になるメニューに成長。フードの売上の20%が「低温熟成豚テキ」だった日もあり、集客・売上の両面で貢献度の高いメニューになっている。
東京都渋谷区本町1-22-5 山下ビル 1F
https://www.instagram.com/mikurotokujira_hatagaya/
3.囲箱(かこいばこ)
鶏焼き肉 囲(東京・六本木)
“囲”の木箱で提供する、おしゃれ&新感覚の鶏焼き肉
焼き鳥店の課題である「串打ちの大変さ」と「串うち師と焼き師の人件費」を排除することで、おいしい鶏肉をリーズナブルに提供している「鶏焼き肉 囲(かこい)」。その看板メニューが、3×3の枠に分割された木箱を使った鶏肉と野菜の盛り合わせ「囲箱」だ。
「囲炉裏」など、団らんをイメージさせる言葉として付けた「囲」という店名を、器でも表現したいと考えて開発したメニューで、上から見ると“囲”に見える9マスの木箱に鶏肉6種と数種類の野菜が盛りつけてある。メインで使用している鶏肉は、鹿児島・霧島の鶏舎と共同開発した「きさ輝(き)地鶏」で、お酒にもご飯も合う強い脂が特徴。これを来店客が自分で焼いて、八丁味噌ベースの「特選味噌」、赤酢を使用した「酢醤油」、粒子が細かく肉のうま味を引き立てる「酵素塩」につけて食べるのが囲流。
鶏肉は淡白なイメージが強いが、「きさ輝地鶏」は脂がたっぷりで、まさに焼肉向き。ご飯もアルコールも進む「鶏焼き肉」のための鶏肉といえるだろう。特徴的な木箱と「囲」という店名がセットで拡散され、SNSでも話題になっており、注文率は約8割で店の代名詞的な商品となっている。「囲箱」の情報拡散もあって、2023年10月のオープンから瞬く間に人気店になり、平日でも満席になる繁盛ぶりが続いている。
東京都港区六本木7-5-11 カサグランデミワ 2F
https://www.instagram.com/toriyakiniku_kakoi/
https://r.gnavi.co.jp/61wz7w6a0000/
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4.ビール屋ならではのラムシャンク煮 カルボナード風
シノバズブルワリー ひつじあいす(東京・上野)
自家製クラフトビールでラムシャンクがホッロホロに!
店内にブルワリーを持つ「シノバズブルワリー ひつじあいす」が、自社醸造のクラフトビールを使った煮込み料理として開発したメニューが、「ビール屋ならではのラムシャンク煮 カルボナード風」。カルボナードとは、牛肉をビールで煮込んだベルギーの郷土料理のこと。
ラムシャンクは羊の骨付きスネ肉で、筋肉質で固い部位。これをじっくり時間をかけて煮込むことで、すじのコラーゲンが抽出されてホロホロに。脂肪分が少ない部位ということもあり、海外のラム料理専門店では王道のメニューになっている。煮込む際に使っているクラフトビール「ひつじあいす」は、度数が低めのペールエールで、ホップの苦み・香りが感じられるビール。一般的にラムシャンク煮にはコクのあるスタウト系(黒ビール)を使うことが多いが、「ひつじあいす」はホップを大量に使っているので、ビールの苦みがダイレクトに伝わるため、独特の苦みを感じつつもラムのうま味も感じられるようにするために試行錯誤を重ねて完成したという。
ナイフでカットして頬張ると、あっという間に口の中でほどけていき、後を引く甘じょっぱさに思わずビールに手が伸びる。骨を含めて450~550gとボリュームがあるため、グループ客が数人でシェアして食べるケースが多い。原価率は40%で利益よりも満足度を重視した価格設定にしており、高い注文率を誇っている。
東京都台東区上野2-10-7 かきくけこビル 1F
https://r.gnavi.co.jp/a715002/
5.ごつ盛り
ネオ大衆酒場 馬る‐Tokyo‐銀座コリドー街店(東京・銀座)
このボリュームで220円!原価率120%の馬刺し盛りが名物に!
馬刺しを山のように盛ったのが、「ネオ大衆酒場 馬る‐Tokyo‐銀座コリドー街店」の看板メニュー「ごつ盛り」。このボリュームで220円というから驚きだ。
馬肉はアルゼンチンやモンゴル、中国など、さまざまな国のものを使用しており、「ごつ盛り」に使っているのは、「上赤身」で、普通の赤身肉より柔らかく風味も豊かでロースやヒレに近い味わいが特徴だ。枡の中にスライスしたタマネギを敷き、馬肉を8切れ(40~50g)を盛りつけて上には青ネギをかける。馬肉に合う特製ダレ(おろしにんにく、ショウガ、カツオだし)を付けて食べるのがおすすめで、日本酒と合わせる人が多いという。
原価率は120%のため、注文は1テーブル1個まで。ほとんどの来店客がオーダーし、写真を撮影する人も多い。SNSやGoogleビジネスプロフィールに投稿された画像をスタッフに見せて注文する人も。利益度外視のメニューだが、店の広告塔になっており、気軽に注文できる価格ということもあって、お試し感覚で馬刺しのおいしさを知ってもらう商品となっている。
東京都中央区銀座7-2-14 第26ポールスタービル 1F
https://www.instagram.com/baru_tokyo/
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