「串揚げ」セレクト7種
創作串揚げ つだ(東京・虎ノ門)
年々油が重く感じるようになった、串揚げが大好物なのに、途中で食べ飽きてしまうことが多くなった…。そう嘆く方もいらっしゃるのでは。ところが、串揚げ専門店なのに「フルコースを食べ終わっても、また最初から食べたくなるほど軽い!」「初めて出合うネタばかりで食べ飽きない」と評判のお店があったのです。
今回は週末の酒場巡りが趣味というフードライター・桑原 恵美子さんが、「創作串揚げ つだ」の「串揚げ」ワールドを紹介。串揚げのイメージが一変する、軽くて繊細で独創的な串揚げの秘密を探ります。
訪れた飲食店を紹介している個人ブログ:
https://ameblo.jp/amaguri0111/theme-10066247104.html
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目次
・注目の名店が軒を連ねる、虎ノ門ヒルズのグルメ激戦地にオープン
・1本1本が、メインディッシュのような多層構造
・名店・六覺燈の串揚げに衝撃を受け、フランス料理から転身
・最後の1本までおいしく食べられる“軽さ”を追求
注目の名店が軒を連ねる、虎ノ門ヒルズのグルメ激戦地にオープン
2024年1月16日東京にオープンした「創作串揚げ つだ」が店を構えるのは、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの4階。駅直結のこの商業施設4階は、20店舗のうち7店舗が新業態、5店舗が関東初・東京初というグルメ激戦地です。
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調理風景とともに東京タワーもすぐ近くに見えるカウンター席 -
名古屋城の城公園の藤の回廊の藤棚をイメージした吊り戸棚
「創作串揚げ つだ」の本店が名古屋にあるので、店内は名古屋城をイメージしたデザインに仕上げています。吊り戸棚に描かれているのは名古屋城の城公園の藤の回廊の藤棚、入り口を入って右の壁は名古屋城の城壁をイメージしているとか。また東京タワーがすぐ近くに見えるカウンター席は、虎ノ門ヒルズの中でも特等席といえそうです。
高級感のあるインテリアに気おくれしてしまいそうですが、メニューを見ると串揚げ11本に前菜、お野菜盛り合わせ、お茶漬け、デザート、コーヒーがついたコースが6,500円と、意外にもリーズナブル。追加の串揚げも1本400円から800円と、お手頃です。
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席には「お野菜盛り合わせ」とレモン、串揚げを置く台代わりにライ麦とフスマのクラッカー、レモンがセットされている -
レモンは絞った時に種が落ちてこないように、ガーゼでくるまれている
席には、生野菜盛り合わせとレモン、串揚げを置く台代わりにライ麦とフスマ(小麦粒の表皮部分)のクラッカー、レモンがセットされています。
串揚げ用のソースは以下の5種類。左から、「辛子とレモン」、特製ソースをベースに辛味をプラスした「東京限定ソース」、「自家製の合わせ醤油」。右から2番目の「特製ソース」はウコンや高麗人参など30種類以上の食材とワイン36本を使い、大きな寸胴鍋で3日間かけて1/3になるまで煮込んで作っているそう。右端は沖縄県の天日塩と京都の山椒を使った「山椒塩」。
1本1本が、メインディッシュのような多層構造
私が「創作串揚げ つだ」の串揚げを初めて食べた時に感動したのは、食べても食べても食べ疲れない不思議な軽さ。そして独創的な具材の組み合わせでした。味わいが多層的で、串1本にもメインディッシュのような満足感があるのですが、その代表が、「うなぎの白焼きと花びら茸と湯葉の串揚げ」です。
湯葉のとろけるようなやわらかさと甘味、花びら茸のうま味を含んだジューシーなやわらかさ、そしてうなぎの白焼きのふっくらしたやわらかさと上品なうま味…。一口でほおばると、やわらかさとうま味の波状攻撃。口の中で“やわらかさのシンフォニー”が奏でられるよう。こんなドラマティックな串揚げがあるのか、と目を見開きました。
「地鶏と大葉のとんぶりのせ」は、鶏モモ肉と胸肉をブレンドした三河地鶏全体をたっぷりの青じそでくるみ、秋田県産のとんぶりをこれまた衣が見えないほどたっぷりトッピングしています。肉汁が滴るほどジューシーでやわらかい鶏と、プチプチのとんぶりのコントラストの楽しさ。それでいて飲み込んだ後に残るのは、大葉のさわやかな香りなのです。
そしてもうひとつの驚きは、食べるほどに食欲が掻き立てられるような軽さ。
名店・六覺燈の串揚げに衝撃を受け、フランス料理から転身
「創作串揚げ つだ」代表の津田 猛(たけし)さんは料理学校卒業後、フランス料理の修業をしていました。しかし、今も「おやっさん」と慕う「六覺燈(ろっかくてい)」(大阪・日本橋)本店のオーナー・水野 幾郎 氏と出会い、ミシュランの一つ星を獲得した串揚げを味わったことで大きな衝撃を受け、転身。10年間、「六覺燈」でトップの揚げ手を務めた後に独立して、名古屋で「創作串揚げ つだ」を開店しました。現在、名古屋市内では東区泉にある本店と、中区にある「金シャチ横丁店」の2店を運営しています。
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バッター液に粉だけでなくメレンゲを使用。しかも固めとやわらかめの2種類あり -
食材ごとに衣の付け方を変えるのが"つだ流"
まず、“泥”と呼ばれるバッター液に秘密があります。粉だけでなくメレンゲを使用してふんわり軽く仕上げ、絶対に衣の中に油が入らないようにするため、衣がつきやすい食材、つきにくい食材で調整できるよう、固めとやわらかめの2種類を使用しています。例えば揚げた時に水分が出やすい食材は、固めの衣でしっかりコーティングしてから、柔らかめの衣にくぐらせるという細やかさ。
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仕上げに、揚げあがりにクルッと串を回して、油を切る -
サクッと軽やかな仕上げは、まさに職人技
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網の代わりに敷いているライ麦とフスマのクラッカーは、串揚げに衣に少しでも余分な油が残っていると黒く油染みができるが、15本のコースを食べ終わった後でも油染みひとつなかった -
辛子酢味噌をたっぷりかけた「ホタルイカの串揚げ」は春先だけのごちそう
そしてもたれない軽さの最大の秘訣が、揚げあがった時にクルッと串を回して、油を切るテクニック。
衣とともに津田さんが重視しているのは、「生で食べられるほど新鮮な食材を使うこと」。例えばコースの最初に提供される活き車海老は揚げる直前まで氷入りのレモン水に浸して締め、直前に剥いて揚げています。そして、選び抜いた食材そのものの味を最大に引き出すために、火を入れすぎないこと。そのために、“油から熱をもらって、衣で包んで蒸し焼きにする”気持ちで、低めの温度でゆっくりと火を通しているそうです。
最後の1本までおいしく食べられる“軽さ”を追求
津田さんは「おやっさんに教わったとおりにやっているだけ」と謙遜されますが、お客さんが最後の1本までおいしく食べられる“軽さ”のために考え抜き、手をかけているその誠実さが、串1本1本から伝わってきて、いつも感動してしまいます。そしてまた、津田さんの持つ型にとらわれないのびやかで自由な精神や、もっと喜ばせ、驚かせたいという食べる人への“愛”もまた、串揚げの独創的な味わいからはっきりと伝わってくるのです。
創作串揚げ つだ
業態: 創作串揚げ専門店
席数: 14席(テーブル1卓、カウンター6席)
客単価:6,000~10,000円
客層:20~40代
アクセス:日比谷線虎ノ門ヒルズ駅直結・銀座線虎ノ門駅徒歩10分
営業時間: 平日:11:00~14:30(L.O.14:00)、17:00~23:00(L.O.22:30)
土曜日:11:00~15:30(L.O.15:00)、17:00~23:00(L.O.22:30)
日曜日・祝日:11:00~15:30(L.O.15:00)、17:00~22:00(L.O.21:30)
定休日:水曜日
https://r.gnavi.co.jp/8g7mauxr0000/
https://www.toranomonhills.com/gourmet_shops/3567.html
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