銀座コリドーで見つけた香港本場の味!「ポポホー」魅惑の「ボウジャイ飯」

近年中華マニアの間で、日本人の味覚にもマッチするやさしい味が特徴の”香港料理”が密かに人気を集めています。今回は「ポポホー」の香港式炊き込みご飯「ボウジャイ飯」にフォーカス。本場の味を知る人も絶賛するメニューの魅力をリポートします。

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「香港式ソーセージ2種と貝柱のボウジャイ飯」

「香港式ソーセージ2種と貝柱のボウジャイ飯」(2,380円)

お米や具材、調味料を一緒に炊き込む「釜飯」は、ご飯が大好きな日本人の人気メニューの一つ。世界各地にはスペインの「パエリア」やインドの「ビリヤニ」などのような釜飯と似た料理があり、香港名物「ボウジャイ飯」(煲仔飯/ボウジャイファン)もそんな料理の一つです。

広大な国土を持つ中国、料理は辛い・塩辛い・香辛料入りなど地域によって使う食材や調味料の違いから料理が大きく異なりますが、中でも香港料理は、香りの強い香辛料は使わないため日本人の味覚にぴったりとなじむやさしい味が特徴です。

今回は、"生きがいはおいしいランチとスイーツ"というフードライター 小田中 雅子さんが、本場香港と同じ味わいが日本で楽しめると評判の「ポポホー」をご紹介。肉と海鮮のうま味が染みた土鍋ご飯にやみつきになる人が続出している、人気「ボウジャイ飯」の魅力を深掘りします。

小田中 雅子
フードライター。新聞社系メディアのグルメ記事でライターとしてのキャリアをスタート。以後、ぐるなび媒体「dressing」など主に飲食関連のWebサイトで記事を書いている。ランチやスイーツ、パンなどのグルメ情報が得意。特にランチはその日の幸福度を決めると信じ、店選びに1時間以上かけるほど、おいしいランチ探しに余念がない。

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ポポホー(POT POT HALL/煲煲好)(東京・銀座)

【店舗Data】
ポポホー(POT POT HALL/煲煲好)
業態:香港料理専門店
席数:38席、個室あり(最大8名)
客単価平均:4,000円
客層:20~50代 ファミリーやカップルが多い
日本人対中国人3:7、週末は5:5
住  所:東京都中央区銀座7-2 コリドー街1階
アクセス:JR各線有楽町駅 徒歩5分、新橋駅 徒步5分、東京メ卜口各線銀座駅 徒步3分
営業時間:ランチ11:30~15:00、ディナー17:00~23:00
定休日:なし
https://r.gnavi.co.jp/2g09s1er0000/

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目次
本場香港の味にこだわったレストランが銀座に誕生
具材とタレとのうま味が染みたご飯がたまらない
SNSで大反響、海老ワンタン麺に行列が!
香港料理は“あっさり×素材のクオリティー”が魅力

本場香港の味にこだわったレストランが銀座に誕生

ドアには門扉が設けられ、広東にある邸宅を訪れるような趣がある

JR新橋駅から有楽町駅までの高架下に、気軽な居酒屋から世界各地のグルメなど多彩なバリエーションの飲食店が軒を連ね、おいしいもの好きが集うコリドー街。その中にあって個性がキラリと光っているのが、2023年7月にオープンした「ポポホー(POT POT HALL)」です。日本在住の香港人のオーナーが本場の味を届けたいと作った香港料理専門店。週末ともなれば日本人のみならずインバウンドも大勢訪れる、予約必須の人気店です。

壁の装飾は広東の伝統的な文様がモチーフ。料理が映える白いテーブルを配置

華やかでエキゾチックな外観と、大きく店頭に掲げられた「ポポホー」というユニークな店名がひと際目を引く外観。いったい何の店だろう覗いていく人が絶えません。店頭に置かれたメニューを見てみると、日本人が中華料理と聞いてイメージする料理はありません。大きく目立つのは「ボウジャイ」(土鍋焼き)という、日本では見慣れない名前の料理。そして筆者がこの店に訪れたきっかけは、このボウジャイ料理が食べてみたかったからでした。

店頭に置かれたメニューブック。「どんな店?」と眺めていく人が絶えない

「ボウジャイ飯」。日本では香港式土鍋ご飯とも呼ばれているこの料理に出合ったのは某グルメドラマ。主人公が横浜の中華街で頬張っていた、肉や貝柱と炊き込んだツヤツヤのご飯にひとめぼれ。コリドー街にボウジャイ飯がいただける店ができたと聞き、さっそく出かけました。一度食べるとやみつきになる魅惑の料理。ボウジャイ飯とはどんなメニューなのか、さっそくご紹介しましょう。

具材とタレとのうま味が染みたご飯がたまらない

「香港式ソーセージ2種と貝柱のボウジャイ飯」はボウジャイ飯の王道メニュー。他に「和牛とダックエッグの塩漬け卵黄」「梅高菜(高菜に似た中国野菜)とイカ」といった「ポポホー」でしか味わえないオリジナルメニューもある

“ボウジャイ”とは小さな土鍋という意味で、この土鍋を使ってお米と具材を炊き上げる料理をボウジャイ飯と言います。香港では庶民的なストリートフードとして人気で、家庭でも作られますが、ボウジャイ飯の専門店も多くあり、シューシューと湯気をたてる土鍋が並ぶ人気店に行列ができる光景は冬の風物詩としても知られています。そんな香港の人々に愛されているメニューを、現地を訪れなくても楽しめるのが「ポポホー」です。

一番人気「香港式ソーセージ2種と貝柱のボウジャイ飯」の上に乗っているのは、広東式腸詰とも呼ばれるサラミのような香港式ソーセージと、ベーコンのような干し肉。作るのに手間暇がかかるため、専門店でも購入する店が多いそうですが、「ポポホー」は調味料の味付けが控えめで肉のうま味がダイレクトに感じられる自家製ソーセージにこだわりを持っています。

  • まず生米を水から炊いていく。ジャスミン米も世界的に人気が高まり、安定して仕入れるのが難しくなっているのだそう
  • 途中から具材を並べ、油を回しかけてさらに炊き込む。具材と一緒に炊くことでご飯にうま味を染み込ませていく

お米にもこだわりが。使用しているのは、炊き上がるとココナッツのような甘い香りがするタイ米の高級品種ジャスミン米。炊き上がったときのパラパラとした軽快な食感にこだわり「ゴールデンフェニックス」という銘柄を使用しています。素材一つ一つへのこだわりが、本場の味を知っている人もうならせるおいしさにつながっています。

  • 供されてから目の前で蓋を開けてくれる。この量で1.5人~2人前。シェアして食べる人が多い
  • タレは秘伝の味。食べてみてもう少し味が欲しい場合は、スタッフに声掛けするとさらにタレをかけてもらえる

オーダーしてから米を炊き始めるので、時間が少しかかりますが、待つ価値あり! テーブルに運ばれてきた土鍋の蓋を開けるとフワーっと立ち上る湯気と、香ばしい肉と帆立の香りにノックアウト。早くも食べたくてたまりません。けれど、ちょっと待って。食べる前に特製のタレをご飯に回しかけます。タレをかけるとジュ―ッという音ともに香ばしい香りが漂います。この音と香りもごちそうの一つ。タレをかけたあと、底からご飯を具材とともに混ぜていくとカリッカリになった黄金色のおこげが現れます。

タレを回しかけ、底からかき混ぜるまでをスタッフがやってくれる

「どうぞ」の声と共にさっそくいただきます。パラリとしたジャスミン米に、具材のうま味と油が染んで、まるでコク深い炒飯のような仕上がり。でも、お米にはモッチリとした食感もあり、まさに炒飯と炊き込みご飯の良いとこ取りのようなおいしさです。

「ここが一番おいしい」と毎回思うのが、タレや具材のうま味が染みこんだおこげ。カリカリと香ばしいおこげは土鍋で炊くからこそできるお楽しみです。最後のおこげをさらうと、お腹いっぱいになりながらも、「ああ、またこれを食べに来たいなあ」と思ってしまいます。

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SNSで大反響、海老ワンタン麺に行列が!

「海老ワンタン麺」(1,300円)。ワンタンは4個。ラーメン用の器ではないため一見小さく見えるが、ワンタンも麺もぎっしりとボリュームがあり、食べ応えあり

「ポポホー」には、特にSNSで宣伝したわけではないのにブレイクしたメニューがあります。「海老ワンタン麺」です。ある日、インフルエンサーが「ここの海老ワンタン麵がおいしい!」とアップすると、いちやく「海老ワンタン麺」がおいしい店として大評判となりました。

筆者も「海老ワンタン麺」が大好きで、都内でもいくつかの店で食べたことがありますが、「ポポホー」のワンタンのエビのプリプリ具合に驚かされます。エビがぎっしり詰まったワンタンをひと口食べるとプリプリした食感と、口いっぱいに広がるエビのうま味がたまりません。この食感の秘密は鮮度が良く、サイズも大きめのエビを使っていること。小さいサイズのエビを使うと、ここまでプリプリにはならないのだそう。

ワンタンにかかっている粉は、エビの卵を乾燥したもの。エビの風味を増してくれる

スープは魚介などの滋味深いうま味が満ちた塩味ベースのもの。麺は香港の海老ワンタン麺によく使われる極細麺。日本のラーメンに使われる麺より弾力があり、冷めてもパツンとした歯ごたえが感じられます。

香港料理は“あっさり×素材のクオリティー”が魅力

「日本で私たちが知っている香港料理のおいしさを本場そのままの形で届けたいと思い、店を作りました」と語ってくれたのは、運営責任者を務めるキティー・チヨンさん。キティーさんの父は、中国で3~40店舗を展開していた飲食店ブランドのオーナー。コロナ禍のロックダウンで日本に滞在せざるを得なくなったキティーさんの父は、おいしいと評判の店をいろいろ食べ歩きますが、なかなか自分の気に入った味の店が見つからなかったといいます。そこで、自分がおいしいと思うものを皆に食べてもらいたいと一念発起。コリドー街の物件という幸運の出合いもあり、「ポポホー」が誕生しました。

  • 中国名は「すべての土鍋はおいしい」、英語はポット(土鍋)がいっぱいの店という意味。日本語の「ポポホー」という響きがユニークで印象的
  • カラフルでポップなロゴマークの突出し看板が目印

シェフには以前から親しくしていた、広州などの五つ星ホテルや富裕層向けのプライベートキッチンで腕を振るっていた実力派料理人を日本に呼び寄せました。

「父もシェフもとにかく味へのこだわりが半端ないんです。味に関しては細部までこだわり、自分たちがおいしいと思えない料理はお客様に出さない。それぐらいこだわってメニューを作っています」(キティーさん)。ボウジャイ料理を店のメインにすると決めてからも、自分たちが納得のいく味になるまで何回も試行錯誤を続けたのだとか。そのこだわりがいつ訪れてもにぎわいの絶えない人気を支えています。

ご飯メニューの他に牛肉や鶏、イカなどを煮込んだり、炒めたりした土鍋料理も提供。土鍋は火の入りはゆっくりですが、冷めにくいのが特徴。できたてアッツアツの料理が楽しめる

「お客様から『こんな料理はないの?』と聞かれることがよくあるんですが、シェフと相談して香港料理じゃないメニューは出しません」とキティーさんは語ります。では、香港料理とはどんな料理なのでしょう。日本では中華料理店に行くと、四川料理の「麻婆豆腐」や広東料理の「八宝菜」といったいろんな地域の料理がメニューに並びますが、実は中国ではそうではありません。香港は南、広東料理の影響を大きく受け、あっさりとした味付けで、海が近いことから海鮮をふんだんに使うのが特徴です。

「シンプルで素材を生かした料理なので、素材のクオリティーが大切になります」(キティーさん)。「ポポホー」では、魚介類は、毎朝、市場から直送。豚肉や牛肉も何軒もの仕入先を試して、自分たちの料理にあったものだけを仕入れています。

お店の中に一歩足を踏み入れれば、まるで香港に旅行しているような気分に。支店出店の誘いも多くあるが、味のクオリティーの維持を考え、多店舗展開は考えていない

日本に進出した香港のレストランの中には日本人向けに味を調整することもありますが、「ポポホー」は本場と同じ味の再現にこだわります。

「日本人のお客様にもおいしいと認めてえるとうれしいですね」とキティーさん。「ポポホー」はパクチーといったハーブ類や八角などのスパイスをほとんど使いません。クセのない味わいは日本人にもなじみやすいのではと感じます。

シェフのスペシャリテ「特製チャーシュー王 ハーフサイズ」(1,500円)。甘じょっぱいタレが染みこんだ外側はカリカリと香ばしく、厚みのある肉は箸で切れる柔らかさ。冷めてトロリととろける脂身のおいしさがたまらない
食後にちょっと甘いものが食べたいときにおすすめなのが自家製の「マンゴープリン」(600円)。プリンの上にかけられているのは練乳。ミルキーでマイルドな味わいが甘酸っぱいマンゴーにぴったり
SNSで大人気なのが「香港式レモンティー」と「香港式ミルクティー」(各600円)。どちらも香港では毎日飲むぐらい欠かせないドリンクだそう。茶葉は厳選したオリジナルブレンドのものを使用。可愛いベア氷と獅子氷は写真映えが抜群。紅茶を凍らせているので、溶けても水っぽくならない

2023年のオープンからこの夏で2年目。当初は外国人客が多かったそうですが、今では、日本人と外国人との割合が半々ぐらいになり、週末は圧倒的に日本人の方が多いのだとか。「ポポホー」でしか味わえない「ボウジャイ飯」や「ワンタン麺」のトリコになる日本人が増えているのでしょう。

旅行で日本を訪れる中国の人たちも故郷の味を求めて訪れるという「ポポホー」。世界各国の人々が行き交う銀座の街にぴったりなレストランとして、長く愛される店になりそうです。

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