幻水豚(げんすいとん)のポークカツ
    洋食は、西洋発祥の料理を日本人の味覚や食文化に合うように進化させてきた料理。今や、不動の人気ジャンルとして老若男女に愛され、海外の人々からも人気を集めています。
今回は、"生きがいはおいしいランチとスイーツ"というフードライター 小田中 雅子さんが、「健康に配慮した」「よりナチュラルに」といった昨今の食のトレンドに合わせてアップデートした洋食をご紹介。材料一つ一つにこだわった体に優しい洋食メニューの魅力を深堀します。
  
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洋カツ屋 ドン・デ・ラ・ナチュレ(DON DE LA NATURE)
洋カツ屋 ドン・デ・ラ・ナチュレ(don_de_la_nature)
業態:洋食
席数:カウンター12席
客層:30~40代、男女比 4:6
客単価:2,000円
アクセス: 東京メトロ恵比寿駅5番出口徒步2分、JR恵比寿駅徒歩7分
営業時間: 11:00~15:00、17:00~21:30
定休日:不定休
https://www.instagram.com/don_de_la_nature/
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    目次
・グルメ激戦区で出合った新ジャンル“洋カツ”
・素材にとことんこだわったポークカツ
・ポークジンジャー・蟹クリームコロッケも大人気!
・生産者の思いがこもった食材を身近な存在に
  
グルメ激戦区で出合った新ジャンル“洋カツ屋”
恵比寿駅前のアーケードを抜け、駒沢通りから横道に入ると、ピンク色の壁にウッディなドアのかわいらしい「ドン・デ・ラ・ナチュレ」が見えてきます。2025年7月にオープンしたばかりの洋食店です。恵比寿エリアで洋食専門店というのもめずらしく、「“洋カツ屋”って何だろう?」と、俄然、興味が湧き、訪れるようになったのです。
店名の「ドン・デ・ラ・ナチュレ」はフランス語で“自然の賜物”という意味だそう。その名の通り、抗生物質不使用の豚肉、自然栽培の在来種の米、有機栽培の野菜など大地の恵みいっぱいの食材を使い、素材を生かした手作りの洋食が味わえます。
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      スタッフとお客がコミュニケーションをとれるようにカウンター席にこだわった 
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      入り口すぐに飾られた絵画と豚の飾り物。どこかヨーロッパの家庭に招かれたようなアットホーム感 
店内はオープンキッチンを取り巻くカウンター席のみ。淡いピンク色の壁と木のぬくもりが心を和ませます。キッチン側の壁面は老舗洋食店を思わせるレンガ調で、カウンターにはアンティークなグラスも並んでいます。家庭的な雰囲気の中、くつろぎながら食事を楽しめる空間です。
メニューを見ると、「ポークカツ」「ポークジンジャー」「蟹クリームコロッケ」など、誰もが好きな洋食メニューの代表が並んでいます。中でも、訪れた人の半数が頼むというのが、洋カツ「幻水豚のポークカツ」。筆者のイチオシメニューです。
素材にとことんこだわったポークカツ
    白い衣に包まれたほんのり桜色した赤身肉。ビジュアルも抜群な看板メニュー「幻水豚のポークカツ」です。揚げたてを頬張ると軽快な音を立てるほど衣がサクサクで、お肉はナイフがいらないほど柔らかく、しっとりとジューシーで上品なうま味がいっぱい。噛めば噛むほど肉汁がジュワッとあふれてきます。「これ、本当に赤身肉なの?」と驚いてしまいます。
このおいしさの秘密は、素材とシェフであり店主でもある原田 隼太郎さんの工夫にありました。
  
    「幻水豚(げんすいとん)」とは、自然の水を毎日たっぷり飲み、泥遊びをしながらのびのび暮らし、木の実や自然の土、根などに含まれるミネラルと微生物の恵みをたくさん受けて育った豚です。動物本来が持つ自己免疫を大切にする育て方をしているため、抗生物質を使用していません。
「この豚肉の特徴は赤身がおいしいこと。そのため通常のトンカツで使われるロースではなく、内モモをトンカツに使っています」と原田さん。
  
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      最初は低温で。泡立ちもゆっくり 
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      仕上げは高温で。ミシュラン掲載店御用達の「中屋パン粉工場」に特注した、糖質オフのパン粉を使用。揚げても茶色にならず、サクサクと軽い食感に 
モモはロースより固くなりやすいため、まずは低温の油で火入れを開始。その後、揚げ時間より長くじっくりと休ませ、余熱でしっかり中まで火を入れていきます。休ませた肉は再び低温で加熱し、高温で衣がほんのり色づく程度に揚げます。この丁寧な火入れにより、肉の瑞々しさが失われず、柔らかなポークカツが出来上がります。
    調味料にも注目。自家製「ショーす」は、しょうゆにウスターソースをブレンド。ソースを合わせることで洋食らしさが生まれ、ポークカツに合う味わいになります。
塩は鹿児島県坊津町(ぼうのつちょう)産。山水と海水が混じるエリアの塩水を釜炊きして作った塩です。山水が混じることで塩の濃度が低くなり、その分ミネラルと自然のうま味が増し、やわらかな塩味が特徴です。
筆者が好きな食べ方は、まずは塩で赤身のうま味をじっくり味わい、次にフルーティーな中濃ソースで洋食っぽく、最後に「ショーす」と辛子の和の味わいで楽しみます。一皿でさまざまな味わいが楽しめるのがうれしいですね。
  
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      ご飯を炊くのは信楽雲井窯の「御飯鍋」。深くて丸い底の土鍋はご飯をふっくらと炊き上げる 
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      炊き上がったご飯。七分づきという白米にほぼ近い状態までに精米したものを使用 
    もう一つの主役の食材が、自然栽培の在来種の米「亀の尾」「旭」です。
コシヒカリやササニシキのルーツとなった米で、昭和初期の頃には「東の亀の尾、西の旭」と呼ばれるほど、広く栽培されていましたが、今は栽培する農家も少なく、幻の存在です。「ドン・デ・ラ・ナチュレ」では、農薬や肥料を使わず自然農法で栽培している農家から、この米を取り寄せています。炊き上がった米は、モッチリしつつも一粒の粒感がしっかりあり、ポークカツの存在感にまけない力強さがあります。
  
そして、セットのスープが、高級フレンチレストランでいただくレベルの逸品。旬の野菜が持つうま味にあふれ、滋味豊かで奥深いおいしさがあります。
ポークジンジャー・蟹クリームコロッケも大人気!
    「ポークカツ」と並んで人気なのが「ポークジンジャー」。こちらは脂身のあるロースを使います。香味野菜の甘さとリンゴのフルーティーな甘酸っぱさが溶け合うしょうゆ味のソースはご飯が止まらないおいしさ。厚切りの肉も食べ応え抜群。男性客に特に好評だそうです。
「ポークジンジャー」の付け合わせには、生野菜と共にマカロニサラダがつきます。このマカロニサラダも秀逸で、マヨネーズから手作りし、ゴロゴロとした角切りベーコンが入っています。ワインにも合いそうな、大人の味わいのサラダです。
  
    「本ずわい蟹のクリームコロッケ」は本ズワイガニをたっぷり使った贅沢なコロッケ。なめらかで濃厚な味わいのベシャメルソースは当日の朝に仕込んでいるのだそう。合わせるソースは手作りのトマトソース。玉ねぎの甘さをしっかり生かしたソースでこのままパスタにからめて食べたくなる本格的なソースです。
「ドン・デ・ラ・ナチュレ」の楽しさはアラカルトメニューが豊富なこと。「本ずわい蟹のクリームコロッケ」「メンチカツ」「フライドポテト」「キノコのマリネ」など、ちょい足しにぴったりなメニューがそろっています。「ガッツリした洋食が好きで、物足りなく感じる方にも満足していただけるようにさっぱりと軽い食べ心地のアラカルトを用意しました」と原田さんは語ります。
  
生産者の思いがこもった食材を身近な存在に
「各地の生産者を訪ね歩くうちに、おいしい食材にたくさん出合いました。その魅力を伝えたくて、この店をオープンしました」と語るのは、店主の原田さん。
    専門学校を卒業後、ミシュラン星付きのフレンチレストラン「ドミニク・ブシェ トーキョー」で修業。南アフリカで研鑽を積み、都内の本格フレンチでシェフを務めた後、独立。フリーランスのシェフとして、ディナーイベントやレシピ開発に携わる中で日本全国の生産者を訪ね、おいしい食材に出合います。
「すばらしい食材にフォーカスし、より安心で安全なものを届けられる。そんな店を作りたいと思うようになりました。ずっとフレンチ畑で仕事をしてきましたが、身近な存在である洋食ならそういった思いが伝わりやすいのではと考えたんです」と原田さんは語ります。
「『洋カツ屋』としたのは、まずは『幻水豚』や米『亀の尾』『旭』のおいしさを伝えたかったから。初めて食べたとき、柔らかく、肉のうま味に感動しました。人が特別なことをせず、自然と一緒に育まれた豚のおいしさをぜひ知ってほしいと思ったんです」(原田さん)。
原田さんは、洋食の「こってり」「重い」というイメージをできるだけ軽減したいのだそう。そんな原田さんの作る、赤身肉、糖質オフのパン粉、有機栽培の野菜を使った洋食は、身体にすっとなじむ“優しい洋食”です。
  
今後について尋ねると、「ハンバーグやオムライス、カツサンドといった洋食の王道メニューをもっと増やし、お弁当も始めてみたいですね」と語る原田さん。本格フレンチで磨いた技とセンスが生きる“新しい洋食”の世界に、期待が膨らみます。
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