全粒粉の素朴なチャパティで、健康志向とカレーの魅力を引き立てる
チャパティは、専用の窯(タンドール)がなくてもフライパンで調理でき、全粒粉ならではの香ばしさとヘルシーさが魅力です。日本ではナンが主流ですが、現地の日常食を提供することで、他店との差別化や本物志向の顧客獲得につながります。飲食店が、効率的にメニューの幅を広げる上で、有効なアプローチとなるでしょう。
目次
チャパティとは?その定義とインドの食卓
ナンとチャパティの決定的な違い
飲食店がチャパティを導入するメリット
チャパティを活かしたメニュー展開と提供の工夫
まとめ
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チャパティとは?その定義とインドの食卓
チャパティ(Chapati)は、インド、パキスタン、バングラデシュなどの南アジア地域で、最も日常的に食べられている主食の薄焼きパンです。
その定義は、「アタ(Atta)」と呼ばれる全粒粉の小麦粉と水を練って生地を作り、発酵させずに薄く円形に伸ばして、「タワ(Tava)」と呼ばれる鉄板(またはフライパン)で焼き上げたものです。焼く過程で蒸気が発生し、プクッと風船のように膨らむのが特徴ですが、すぐにしぼんで平らになります。
インドの食文化において、チャパティは日本の「ご飯」と同じ位置付けにあります。カレーやダール(豆スープ)、野菜の炒め物などを手で包んで食べるのが基本スタイルであり、家庭の食卓には欠かせない存在です。地域によっては「ロティ(Roti)」と呼ばれることもありますが、基本的には同じものを指す場合が多く、総じて全粒粉の無発酵パンを意味します。
ナンとチャパティの決定的な違い
日本のインド料理店では「ナン」が圧倒的に有名ですが、インド現地の実情や製法には、チャパティとの間に大きな違いがあります。
| 項目 | ナン (Naan) | チャパティ (Chapati) |
|---|---|---|
| 主原料 | 精製小麦粉 (マイダ粉/強力粉・薄力粉) |
全粒粉(アタ粉) |
| 発酵 | あり(イーストやヨーグルトを 使用) |
なし(無発酵) |
| 調理器具 | タンドール(高温の土窯)の 内側に貼り付ける |
タワ(鉄板)やフライパンで焼く |
| 食感・風味 | ふっくら、モチモチ、 ほんのり甘い |
薄い、素朴、香ばしい麦の香り |
| 位置付け | レストランで食べる「ご馳走」 | 毎日家で食べる「日常食」 |
ナンは、精製された小麦粉を使い、発酵させる手間と、タンドールという専用設備が必要なため、インドでも家庭で作ることは稀で、主にレストランで食べる高級なパンです。一方、チャパティは特別な設備が不要で、毎日手軽に作れるため、庶民の主食として定着しています。この違いを理解することが、メニュー導入の第一歩となるでしょう。
飲食店がチャパティを導入するメリット
飲食店がチャパティをメニューに導入することは、設備投資を抑えつつ、現代のニーズに合ったメニューを展開する上で、いくつかのメリットをもたらします。
第一に、設備投資が不要である点です。本格的なナンを提供するにはタンドール窯が必要ですが、チャパティは一般的な業務用のフライパンや鉄板で調理可能です。これにより、インド料理専門店以外のカフェやバル、カレーを提供する一般の飲食店でも、気軽に導入できるハードルの低さがあります。
第二に、健康志向(ヘルシー)への訴求力です。チャパティは精製されていない全粒粉を使用するため、食物繊維やミネラルが豊富で、食後の血糖値上昇を示すGI値が低いとされています。バターや砂糖をたっぷり使うナンに比べ、低カロリーで素朴な味わいは、健康やダイエットを気にする顧客層に強くアピールできる要素となるでしょう。
第三に、「本物志向」による差別化です。日本では「インドカレー=ナン」というイメージが定着していますが、あえて現地の家庭の味であるチャパティを提供することで、「現地のリアルな食文化」を伝えることができ、カレー通や本物志向の顧客を惹きつけるきっかけになります。
チャパティを活かしたメニュー展開と提供の工夫
チャパティの魅力を最大限に引き出し、集客に繋げるためには、その素朴さを活かしたペアリングとアレンジが重要です。
メニュー展開では、カレーとの相性を考慮した提案が有効です。こってりとしたバターチキンカレーにはナンが合いますが、チャパティの香ばしく軽い食感は、豆カレー(ダール)や、野菜のスパイス炒め(サブジ)、キーマカレーといった、家庭的な料理と非常に相性が良いです。これらを組み合わせた「南インド定食(ミールス)風プレート」などは、ランチの人気メニューとなる可能性があります。
提供の工夫としては、テイクアウト向けの「ロールサンド(カティロール/フランキー)」としての活用が挙げられます。焼いたチャパティで、スパイシーなチキンや野菜、玉ねぎ、チャツネなどを巻いて提供するスタイルは、インドの屋台で人気のファストフードです。片手で食べられ、野菜も摂れるため、ランチや軽食需要を取り込むのに最適です。
また、使用する全粒粉(アタ)の銘柄にこだわったり、ギー(澄ましバター)を塗って風味を増したりすることで、付加価値を高めることもできるでしょう。
まとめ
チャパティは、全粒粉の豊かな風味と、タンドール不要の手軽さを兼ね備えた、インドの日常を支えるパンです。
飲食店がこのメニューを導入することは、設備投資を抑えながら、ナンの提供が難しい環境でも本格的なカレーセットを提供する効果的なアプローチとなるでしょう。ヘルシー志向への対応や、ロールサンドへのアレンジを通じて、店舗のメニューに深みと「現地の空気感」を加える上で役立つでしょう。
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