「島おでん MIKE 丸の内店」淡路島食材×鱧出汁の店が東京上陸!人気の創作おでんに注目

かつては「年配の男性が好む冬の季節料理」というイメージが強かったおでんが、近年、さまざまな進化をとげています。そんななか、神戸で話題の淡路島・島おでん専門店「島おでん MIKE」が、2025年10月に東京初出店。淡路島の食材を掲げるおでんとは?その魅力を深掘りします。

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MIKEの鱧出汁(ハモだし)おでん

「MIKEの鱧出汁おでん」(1種500円~)

「静岡おでん」「金沢おでん」「沖縄おでん」など、ローカライズされた「ご当地おでん」も大人気ですが、食の宝庫といわれる淡路島の食材を使った「島おでん」が大人気のお店があります。

今回は、週末の酒場巡りが趣味のフードライター・桑原 恵美子さんが、「島おでん MIKE 丸の内店」を訪問。神戸の街で“おでんの概念を変える一椀”として注目を集めてきたおでんの魅力と、東京での新たな挑戦を紹介します。

桑原 恵美子
フードライター。十数年間にわたり、新聞社系の媒体で大手チェーン飲食店や新オープンの商業施設の飲食店、食品メーカーを中心に取材。ぐるなび媒体「dressing」でも100軒以上の飲食店を取材。「ラクなのに美味しい 驚異の弱火調理法」(三空出版)など料理レシピ本の構成にも携わる。
訪れた飲食店を紹介している個人ブログ:
https://ameblo.jp/amaguri0111/theme-10066247104.html

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島おでん MIKE 丸の内店(東京・丸の内)

【店舗Data】
島おでん MIKE 丸の内店
業態: おでん専門店
席数: 全32席(カウンター・テーブル・個室)
客単価:昼2,500円、夜7,000円
客層:40~50代 男女比5:5 平日は男性、週末は女性が多い
住  所:東京都千代田区丸の内2丁目6-1 丸の内ブリックスクエア 3F
アクセス: JR東京駅丸の内南口から徒歩5分、東京メトロ二重橋前駅3番出口から徒歩3分
営業時間:11:00~15:00、17:00~23:00
定休日 :施設に準ずる
https://www.potomak.co.jp/shop/22645/
https://r.gnavi.co.jp/pk867pce0000/

目次
まるで舞台のよう。美しい「おでん台」
看板は、淡路島の豊かな海と山の恵みを映した「島おでん」
料理にしのばせるのは、シェフの多彩な個性と遊び心

まるで舞台のよう。美しい「おでん台」

近年、さまざまな進化をとげている「おでん」。居酒屋の通年メニューになったり、個性的な専門店も次々に登場したりしています。その潮流の中で存在感を高めているのが、神戸・北野発、淡路島の食材を使用したおでん専門店「島おでん MIKE」。2025年10月、丸の内ブリックスクエアに「島おでん MIKE 丸の内店」をオープンし、早くも大人気店となっています。

本店の「島おでん MIKE」が神戸市にオープンしたのは2019年。以来、港町ならではの感性と、淡路島の豊かな食材を掛け合わせた“島おでん”という新たなジャンルで、食通たちの支持を集めています。運営は、「TOOTH TOOTH」「ビストロ シロ」などの本格フレンチの名店をはじめ、カジュアルな業態まで幅広く運営している株式会社ポトマック(以下「ポトマック」)です。

本社を置く神戸市と明石海峡大橋で結ばれている淡路島は、豊かな海と野山に豊かな食材に恵まれ、古くから “御食国(みけつくに)”と称されていました。店名の「MIKE」はこの名に由来しています。

「島おでん MIKE 丸の内店」があるのは、高級飲食店が集まる丸の内ブリックスクエア3階。左奥に見えるのは、ポトマックが運営している魚介フレンチの名店「ビストロ シロ」の入り口
  • 奥行きがある長いカウンターと、4人用のテーブル席が3卓
  • 接待にもぴったりな落ち着いた個室が2つある
あえて取られた“ほどよい距離”。おでん台とカウンターの間合いが、心地よい会話時間をつくる

店内に一歩足を踏み入れた瞬間に目を奪われるのは、ゆったりとした幅の白木のカウンター。そしてまるでステージのようなおでん台と、そこで立ち働くスタッフの姿の美しさです。聞けばポトマック創業者で現・会長の金指(かなさし)光司 氏が空間デザインやスタッフのユニフォームデザインもすべて直接指揮をとっており、器も空間との調和を重視して自ら選び抜いているとのこと。その調和が美しく、カウンターに座っておでん台を眺めているだけで、アート作品を鑑賞しているような、心が洗われる気持ちになります。

看板は、淡路島の豊かな海と山の恵みを映した「島おでん」

夜のメニュー。コースは11品5,000円と13品6,500円の2種、アラカルトは「おばんざい」「鮮魚」「焼き物」「〆の逸品」「おでん」をラインナップ

おでん好きでよく食べる人ほど、この店のおでんを食べるとその概念が変わるかも…。というのも、名店と評判のフレンチやイタリアンを運営しているだけあって、これまでの伝統的なおでんにはなかった、革新的なアレンジを楽しむことができるのです。

  • つゆは淡路島のハモで引いた澄んだうま味のだしをベースに、兵庫・淡路島の海水から薪釜炊きで作られる「自凝雫塩(おのころしずくしお)」で調味している
  • 「淡路産牛すじ」「島野菜の巾着」「淡路・北坂たまご」「淡路わかめ」など、淡路産のおでん種を中心に、14種類の基本のおでん種と、季節のおでん種を用意
「鱧出汁おでん」3品盛り合わせの一例。「MIKE自慢の出汁が染みた大根」(単品500円)、「淡路産牛すじ」(同600円)、「フルーツトマト 淡路バジル味噌」(同880円)

その代表が、「フルーツトマト バジル味噌」。甘みの強いフルーツトマトを鱧出汁で煮込み、バジルのペーストと甘口の米麹をたっぷり使った淡路島の白味噌をミックスしたバジル味噌をトッピングしています。鱧出汁に溶けだしたトマトのエキス、バジルと白味噌が混然一体となって、おでんなのにおでんを超えた、未体験のおいしさ。

どのおでん種も、一つ一つが一品料理のような完成度。一皿ごとにサプライズがあり、食べれば食べるほど身も心も癒やされていくような気がする、深く澄んだ味わいなのです。

おでん種のひとつ「季節の島さつま揚げ」(850円)は、注文が入ってから魚のすり身に具を手包みして、揚げたてを提供。ブイヤベース風にサフランを入れた鱧出汁を目の前でかけて提供する。中の具材はその時々で変わる。取材時はズワイガニだったが、オープン直後はイチジクや白子なども登場した
  • 「鶏と蓮根のつくね」(600円)と「洲本・池田谷のコンニャク ゆず味噌」(500円)
  • 「真鱈の白子」(1,500円)は、軽く蒸してからつゆにひたしているので火の通り方が完璧
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料理にしのばせるのは、シェフの多彩な個性と遊び心

左から、スタッフの高木さん、鳥海さん、中村さん、笑顔のたえない細やかな接客が大好評の店長・松本 明弓 さん

「私たちはいろいろな業態のお店を幅広く展開しているので、シェフの方々の経歴も多彩です。さらに社風として遊び心を大切にしていて、和食でも少しだけ非日常感をプラスして、楽しみながら召し上がっていただけるようにメニューを考えています。ですから厨房でも、『こうやってみようよ』という会話がとても多いんです」と語るのは、店長の松本 明弓(あゆみ)さん。

とはいえ、一番の強みはやはり鱧出汁。「ひとくち飲んですごく驚いて、最後まできれいに飲み切ってしまう方がほとんど。この味を心から楽しんでいただいているのが、見ていて伝わってくるので、私も接客をさせていただくのが楽しいですね」(松本さん)。

日本酒メニューは初心者にもやさしい、味わいイメージ別分類。すべての日本酒が追加料金無しで「鱧出汁割り」にできる(グラス600円~、一合1,100円~)

神戸店は島おでんに合うワインを多数そろえていますが、丸の内店で力を入れているのは日本酒。特におすすめしているのが、どの日本酒でも追加料金無しで楽しめる「鱧出汁割り」です。

いろいろな日本酒で試してみた中で松本さんのおすすめは、新潟・緑川酒造「緑川」の純米酒。「キレがよく、穏やかですっきりした味わいが鱧出汁とよく調和するような気がしています。『八海山』なら鱧出汁のうま味をより強く感じるなど、お酒によって味わいが異なりますので、いろいろ試してお好みを見つけていただけたらうれしいです」(松本さん)。

兵庫県のドリンクもそろう。左から「あわぢびーる ピルスナー(瓶)」(900円)、超辛純米・山陽盃酒造「播州一献」(グラス650円)、純米酒・千年一酒造「穂(みのり)」(グラス800円)

「島おでん」を満喫するなら、コースがおすすめです。酒肴にぴったりの「おばんざい」や、自慢の鱧出汁を使った「北坂たまごの茶碗蒸し」、工夫をこらした「お刺身盛り合わせ3種」など、お店の人気メニューを余さず食べることができ、「島おでん」も、好みのものを3種類選ぶことができます。

  • 「MIKEコース」(5,000円)の構成は「MIKEの選べる鱧出汁おでん三種」を含む計7品
  • コースに含まれる「お刺身3種盛り合わせ」。左下から時計回りにスモークサーモンを淡路の白味噌とディルで和えた「サーモンのなめろう」「サワラの炙り」「ヒラメ」「きゅうりのサルサベルデ和え・塩レモン添え」
  • コースの最後を飾る「氷結ジェラート」
  • 液体状のマスカルポーネに液体窒素を加えて激しく攪拌してジェラート状に

味はもちろん、お店の隅々まで行き届いた美的な感性と、お料理だけでなくサービスにも込められた「楽しんでもらいたい」というホスピタリティの精神、それでいて信じられないほどリーズナブルな価格設定(最初に5,000円のコースをいただいた時は、「値段を見間違えたのでは」と不安になったほど…)。「多くの方に知っていただきたいので、お値段は今後、少し見直しはするかもしれないですが、そう大きくは変えない予定です。まずはふらりと気軽に立ち寄れる日常使いの店として親しんでいただき、大切な方との会食や接待の機会にもお使いいただけたらうれしいですね」(松本さん)。

松本さんがこれからの目標として挙げたのは、「自然に人に教えたくなるような、おいしさプラスうれしい驚きのある店であり続けること」。私と同じように驚いた人たちから、すでに噂は広がっていますので、あっという間に予約がとれないお店になりそうです。

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