「日本食」「食べ歩き」「台湾系」「Y2K」などキーワードを解説!
2024年もさまざまな食トレンドが生まれ、にぎわいをみせた飲食業界。それぞれどのような背景で人気を集め、今後はどんな流行が生まれるのだろうか。ぐるなびが蓄積したメニューデータ、検索データ、予約データなどから食トレンドを分析し、企業の商品開発や商圏分析をサポートするサービス「データライブラリ」を担当する食のアナリスト・山本 瑛美さんに、2024年を振り返りつつ、2025年のトレンドを予測してもらった。
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目次
2024年のトレンドキーワード分析
・日本食/味噌汁・牛カツ・焼き鳥
・食べ歩きメニュー/ホットドッグ・いなりずし・揚げサンド
・台湾系グルメ/台湾おにぎり、台湾ドーナツ、牛肉麺
・Y2Kリバイバル/キャロットケーキ、キーマカレー、クイニーアマン
2025年のトレンドメニュー予測
・グリークヨーグルト&アサイーボウル
・タコス
・チュクミ
・ちゃんぽん
・鶏白湯
・バクテー
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2024年のトレンドキーワード分析
ここでは、2024年を振り返ってデータ的に注目度が高まったキーワードを4つご紹介します。
日本食/味噌汁・牛カツ・焼き鳥
インバウンド需要の増加や近年の世界的なトレンドである「健康志向」との相性の良さから、「日本食」が再注目されました。
中でもデータの上昇が顕著だったのが「
味噌汁
」です。これまで外食で味噌汁というと定食に付いてくるおまけのようなポジションでしたが、最近は専門店が増加。東京・浅草の「
MISOJYU
」のように味噌やだし、具材にこだわった、特別感のある“主役としての味噌汁”が注目を集めています。この背景にはコロナ禍以降に夜以外の外食に重きを置くようになったことや、朝食を外で食べる文化が定着したことの影響も。
そのほか、「 牛カツ 」は2015年頃にも流行しましたが、現在はインバウンド需要で再び人気が高まっています。象徴する店舗といえば、京都発の専門店「 牛カツ京都勝牛 」があげられます。また、「 焼き鳥 」のような居酒屋のイメージが強いメニューも、店頭で焼きその場で食べるスタイルの店が増えているのが特徴的です。
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食べ歩きメニュー/ホットドッグ・いなりずし・揚げサンド
インバウンドやZ世代ら若い世代がメニューのビジュアルを重視する傾向にあることから、食べ歩きをしながら写真を撮り、SNSにアップして楽しめるメニューが人気です。
特に「
ホットドッグ
」はソーセージやパン、トッピングに工夫を凝らした“進化系”の専門店が増加。自家製ソーセージを使った長さ25㎝にもなる巨大ホットドッグが名物の「
スーパーホットドッグ 新虎通り店
」、ミシュラン二つ星レストランのシェフ監修によるキッチンカー業態の「
BABY HOTDOG CAR
」など、軽食ではなく主食として楽しむグルメホットドッグを押し出した店がトレンドを牽引しています。
同じく食べ歩きができるメニューとして、「
いなりずし
」「
揚げサンド
」も人気が上昇しています。砂糖不使用で多彩なバリエーションが特徴のいなりずし専門店「
KITAINARI
」、揚げたてパンに低糖質クリームをたっぷりサンドした「
Age.3 GINZA
」など、いずれもいなりずしやサンドイッチといった定番にアレンジを加えた“進化系”がキーワードとなっています。
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台湾系グルメ/台湾おにぎり、台湾ドーナツ、牛肉麺(ニュウローメン)
過去に流行した「台湾グルメ」はタピオカやカステラなどSNS映えするスイーツ系が中心でしたが、2024年は現地で食べられているローカルグルメが注目を集めました。背景には円安で欧米への旅行がしづらくなり、旅行先として韓国や台湾の人気が上昇した影響も。「旅行後も日本で現地の味を楽しみたい」と、より現地感のあるメニューの需要が高まっているようです。
中でもデータが伸びたのが「
台湾ドーナツ
」。台湾ドーナツはリング状の揚げドーナツに砂糖やミルクパウダーをかけたもので、外はカリカリ、中はふわふわとした食感が特徴。夜市発祥といわれる素朴なおやつで、日本からの観光客にも人気です。国内では2024年4月に横浜中華街に「
台湾ドーナツ oh!!
」がオープンしたことにより注目度が高まりました。
もう一つの注目「
台湾おにぎり
」は、もち米や紫米を使った具沢山な俵形のおにぎりで、現地では朝食の定番。2022年10月、新大久保に「
東京巷口飯糰店(トウキョウシャンコウファントァンディエン)
」という日本初の専門店もオープンして人気を集めています。そのほか、「
牛肉麺(ニュウローメン)
」も本格的なメニューをそろえる店が増えています。
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Y2Kリバイバル/キャロットケーキ、キーマカレー、クイニーアマン
2000年代(Y2K)に一部で流行したメニューがカフェなどを中心に再ブームに。
特に、「
キャロットケーキ
」は「キャロ活」というワードも登場。過去に流行ったプリンやフルーツサンドは喫茶店が中心でしたが、キャロットケーキは五反田の「
TONER TOKYO
」、神楽坂の「AKHA AMA COFFEE ROASTERS」のような、コーヒー豆にこだわるカフェの看板商品であることが多いのも特徴です。
このほか、「 キーマカレー 」はスープカレーとキーマカレーの間の「ハイブリッドキーマカレー」と呼ばれるものや、だしをたっぷり使ったものなど、店によって個性を出した進化系が人気。バターと砂糖をたっぷり使った洋菓子「 クイニーアマン 」はコンビニからも進化系や復刻版の商品が発売され話題になりました。
2025年のトレンドメニュー予測
ここからは、徐々に注目度が高まっている傾向があり、2025年にブレイクが期待されるメニューを6つ取り上げます。
グリーク(ギリシャ)ヨーグルト&アサイーボウル
「 グリーク(ギリシャ)ヨーグルト 」は「 アサイーボウル 」とともに注目が集まっており、なめらかでクリーミーな食感が特徴で、高たんぱく質という栄養価の高さも魅力のグリークヨーグルトにフルーツやグラノーラをトッピングしたアサイーボウルが人気です。中でも2024年5月に原宿にオープンしたグリークヨーグルト専門店「 Bowls #(ボウルズ) 」はオープン前から話題を博しました。
「アサイーボウル」は、デザート系に加え、生ハムとアボカドをトッピングする食事系ヨーグルトもラインナップ。価格帯は1人1,500~2,000円で、こちらも「健康志向」や朝昼の外食に重きを置く近年の流れと好相性。メニューのアレンジ性も高く、今後ますます広がっていきそうです。トレンドを象徴する店舗の一つにアサイーボウルとスムージーの専門店「 ラニカイジュース 」があげられます。
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タコス
ここ数年、「
タコス
」関連のキーワードが上昇しており、実際にタコスを売りにする店も近年増加傾向です。
2020年、ロサンゼルスで人気のタコス専門店「
タコスウェイ
」が日本へ初上陸し、2024年6月にはメキシコの有名店「
Don Chava(ドン・チャバ)
」の海外1号店が水道橋・東京ドームシティにオープンするなど盛り上がりを見せています。
チュクミ
「
チュクミ
」は韓国語でイイダコのことですが、日本ではイイダコを甘辛く炒めた「チュクミポックム(イイダコ炒め)」を指す料理として広まりつつあります。
本場・韓国では老若男女に愛される定番料理で、日本では東京・新大久保などにある「
チュクミドサ
」がトレンドを象徴するお店の一つです。ここ3年間で国内の飲食店での取り扱いが約3.6倍に。ここまで伸びたケースは珍しく、過去に流行した中ではチーズタッカルビに並ぶ勢い。今後、チュクミもチーズタッカルビと同じく定番化が進む可能性もありそうです。
ちゃんぽん
「 ちゃんぽん 」も注目のメニューです。熟成鶏豚骨ちゃんぽん専門店「 じげもんちゃんぽん 」のように野菜たっぷりで、「ボロネーゼ風」「トマトクリーム味」といったアレンジの効きやすさがポイントに。
鶏白湯
「 鶏白湯 」も、高級焼き鳥店で大将を務めた店主による「 らーめん 茂治 」が2024年6月にオープンし、カナダ発の「 RYUS Noodle Bar 」が2024年11月に日本に路面店を初出店するなど話題が続いています。
バクテー
豚のスペアリブを薬膳で煮込むスープ料理「 バクテー(肉骨茶) 」も専門店が増え、2023年4月には京都に「 BOO BOO BAK KUT TEH 」が、2024年4月には神奈川に「 6 肉骨茶(シックスバクテー) 」がオープン。今後、各メニューがどのように発展していくのか注目です。
これまでご紹介したトレンドキーワードを見ていくと、傾向として色濃く見えるのが、
・ヘルシー志向
・本格志向&本場志向
・定番の進化系
・ビジュアルの美しさ
・バリエーションの豊富さ
です。
2025年の飲食業界はどのようなトレンドが生まれるのでしょうか。ぐるなびでは、独自のビッグデータを基にしたトレンド分析などさまざまな情報を提供していきますので、ぜひこうしたトレンドキーワードに目を向けていただき、店づくりにお役立ていただきたいと思います。
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