2025/03/24 特集

2025年進化する大阪グルメ最前線!月刊誌「Meets Regional」編集長・松尾 修平氏

2025年、大阪は世界的イベントの開催で注目を集める。そんな中、大阪の外食シーンはどのように進化しているのか?大阪をはじめ関西エリアのリアルを届ける月刊誌「Meets Regional」編集長・松尾 修平 氏にインタビュー。大阪ならではの“面白がり精神”が生む新たなグルメ文化と、今後のムーブメントの可能性を探る。

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大阪グルメ最前線!進化する大阪の外食文化と新潮流

2025年4月に世界的大イベントの開幕を控え、日本国内だけではなく、世界中からも大阪が注目される。そこで今回は、「関西の街で遊び、街で暮らす人のための大人の雑誌」をコンセプトに、関西のディープな情報、カルチャー、ライフスタイルを発信している月刊誌「Meets Regional」編集長の松尾 修平 氏にインタビュー。最近の大阪グルメの流れから感じること、そして注目しているエリアや店など、”大阪の今”を語っていただいた。

「Meets Regional(ミーツ・リージョナル)」編集長・松尾 修平 氏
1978年、兵庫県生まれ。2002年、京阪神エルマガジン社に入社。月刊情報誌「エルマガジン」の音楽担当などを経て、2008年より「ミーツ・リージョナル」編集室。同誌副編集長を経て、2019年より現職。ゴキゲンな人と酒場が集まる街が大好物。

目次
1.大阪で人気の業態と傾向
2.大阪で注目のエリア
3.広がりを感じる料理や調味料
4.流行っているドリンク
5.今後の大阪の外食について

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――まず、大阪で人気の業態と傾向から教えてください。

大阪が誇る”立ち飲みカルチャー”が進化中

大阪で人気を集めている業態と言えば、ここ10年ほどずっと “立ち飲み” です。

従来の立ち飲み店では強みはせいぜい1個程度。しかし、最近の立ち飲み店は料理のクオリティーもどんどん上がっていますし、お酒もマニア受けするような凝ったセレクトをしている店が増えるなど、どんどん進化を遂げています。クオリティーの高さ、クセの強さ、バリエーションの多さなど、どれをとっても大阪の”立ち飲みカルチャー”は全国一ではないでしょうか。

裏難波にある立ち飲みホルモンの店「アンケラソ」(出典:メシコレ

例えば、裏難波にある人気店「アンケラソ」。ブラックミュージックやヒップホップが流れる空間で、ホルモン焼きや焼きそばなどの料理と、ナチュラルワインが楽しめます。個人的にツボなのは店主が強面なところ(笑)。行儀が悪いお客さんに「ちゃんとしぃや」と言うこともあるのですが、でもそれは実は場を和ませるためというそのツンデレ具合がめっちゃいいです。店主のファンになって通う人も多く、店主との距離が近い感じは、ものすごく大阪らしいお店だと思いますね。

大阪にない感じのおしゃれすぎる立ち飲み店「ヤチポチ」(写真提供:ヤチポチ

もう一軒は北浜から東側を流れる東横堀川沿いにある「yacipoci(ヤチポチ)」。店主は神奈川出身で、自転車店を開くために大阪にやってきたところ、大阪の立ち飲みカルチャーに触れたとたん惚れ込み「自分の店を!」と立ち上げた店。

立ち飲みカルチャーに憧れすぎたのか、料理も音楽も内装も全てにこだわり過ぎて、大阪にない感じのおしゃれすぎる立ち飲みになっています(笑)。圏外の人をトリコにさせる魅力と、化学変化が起きて新しい立ち飲みが生まれているのも大阪ならではないでしょうか。

――注目しているエリアはどこでしょうか。

東横堀川沿い、西成・天下茶屋がアツい!

エリアでいうと、 御堂筋から東側 が面白いですね。また、 梅田 の界隈は開発が進み、どんどん新しいビルができていますが、旅行客やインバウンド向けの店が多いです。地元の人を相手にしたいお店は、ちょっと外れたところで出店する傾向にあります。

大阪を北から南に貫いている御堂筋の東側で、特に先ほど紹介した「ヤチポチ」がある東横堀川沿いは、若い店主が営む立ち飲みやカフェ、バルなどが続々とできていて、これからも増えていきそうですね。

もう一つの注目エリアは、通天閣の南に位置する 西成 です。ディープな街のイメージがありましたが、今はYou Tuberが西成に足を運んだり、星野リゾートのホテルができたりと、街の雰囲気も随分変わってきました。

薄味のおでん、濃い味のおでんと2種類あるユニークな店「おでん まる米」(写真提供:おでん まる米
天下茶屋駅前の安旨酒場「餃子ノ酒場マイケル」(写真提供:餃子ノ酒場マイケル

特に 天下茶屋エリア が、最近盛り上がりを見せています。

オススメは駅前にある「おでん まる米」。店主は京都出身で、開店当初はキレイなだしを使ったおでんを提供していたんですが、天下茶屋で出したら「味がしいひん、もっと濃いもん出せ」と言われたらしく(笑)、そこから薄味のだしと、しっかりと味を付けた濃い味のおでんの2種を提供するようになり、それがみんな「おいしい」と人気を集めていますね。他にも「立鮨越中屋」「餃子ノ酒場マイケル」「酒と肴 えの木など、多様な展開の広がりを感じます。

古くからいろんな方を相手にしてきた飲食店が多く、皆さんもてなし上手で、外国人観光客にもバンバン日本語で話しかけますし、地元の人も若い人でもフラットに受け入れて相手をしているのが非常に気持ちいいです。どこも大きな店ではないので、その空間でお客さん同士の交流も生まれているのも魅力ですね。

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――注目の料理や調味料はありますか。

スパイスカレーからスパイス料理へ

この”面白がり精神“も大阪らしさではないでしょうか。

大阪発信のスパイスカレーが全国区になりましたが、これも何でも面白がる大阪人の気質から生まれたと感じています。食材の組み合わせも無茶苦茶で、具材として魚をぶっこむとか、カレーでご飯を炊き込むとか、いわゆる一般的なカレーのレシピじゃない作り方をする人も結構いて、そこからできた目新しい料理を、よく分からんけど受け入れて”面白がる“のは大阪ならではだなと思います。

  • スパイスを効かせたエスニック料理店「メイクワンツー」(写真提供:メイクワンツー
  • スパイス×ラム肉がメインの姉妹店「ラムのラヴソング」(写真提供:ラムのラヴソング

そしてスパイスカレーが流行ってから、スパイス料理もどんどん広がり出して、いろんなスパイス系の店が増えていますね。例えば北浜の「メイクワンツー」は、スパイスを効かせたエスニック料理を中心とした立ち飲みスタイルのお店ですが、「ラムのラヴソング」というラム肉をメインで扱う姉妹店を展開したりと、いろんな形態のお店を出したりしていて注目しています。

――流行っているドリンクはいかがでしょう。

コスパ重視だからこそ「いいものはいい!」とお金を払う若者も

ドリンクでは、ナチュラルワインに続く次のカルチャーとして飲食店が注目しているのは焼酎ではないでしょうか。大阪では、酒蔵と日本酒を愛する人々が集まる日本酒イベント「愛酒でいと」はもう10年以上続く人気イベントがあります。それと同じように、焼酎を愛する飲食店主と蔵元が集まって開催する「焼酎ナニワンダブル」というイベントも、2023年から始まりました。そういう流れもあり焼酎は結構はやってきていると思います。

大阪に限らず、若い世代はお酒を飲まない人は増えてきていると思いますが、ノンアルコールカクテルや、スペシャルティコーヒーなどのしっかりお金を払ってよりおいしいものを楽しみたい人たちも増えてきていると感じています。またちゃんとバーでカクテルを飲んでいる人もいます。食に関してお金をかけて、「いいものはいい!」と考えている人は、情報を色んなところから取って楽しもうとしていますね。そういう子たちがもっと増えてくれたらいいかなと思いますね。

――最後に、今後の大阪の外食について思うことを教えてください。

ついに、大阪のすごさがバレる

コロナ禍を経たことで、夜飲みに出かける人は減ってきたのではないでしょうか。

街の飲食店の営業形態もがらりと変わり、昼間から楽しめるような営業スタイルにしてる飲食店も増えてきています。「最近街に出かけてないな」「外で食事をしてないな」と言う人が、改めて外食をして「昼間に酔っ払うって気持ちいい!」など、飲食店に対して新しい発見をしているはずです。

2025年は大阪に来る方が必然的に増えると思います。それで食事をしたときに「大阪ってすごいな」とついに大阪がバレる(笑)と、ワクワクしています。

そして外から来た方の反応を体感された飲食店の人が、そこからアイデアをひねったものを出したり、より面白いものを提供したりと、新しいものが生まれてくると思います。2025年の大イベントを経て、どんな新しいグルメカルチャーが生まれるのか、ムーブメントが起きるのか今から楽しみですね。

1989年創刊の月刊誌。関西の街で起こるリアルな最新事情を、編集部員が文字通り“足”で稼いで読者に届ける。店のスペック少なめ、店主のエエ顔多めの酒場のリアルな風景を実況するのが特長。

3月1日発売号は「梅田特集」
そして4月1日発売号は「鮨特集」
京阪神エルマガジン社

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