2012/07/31 特集

東京スカイツリー開業後の今を追う!東京ソラマチ リポート

日本中の注目を集めて5月22日に開業した「東京スカイツリー」。その足元には大型商業施設「東京ソラマチ」が広がる。どんな飲食店が出店し、その集客状況はどうなっているのかをリポート。

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日本中の注目を集めて5月22日に開業した「東京スカイツリー」。その足元には大型商業施設「東京ソラマチ」が広がる。そこには、日本各地の有名飲食店が新店・新業態を出店。どんな飲食店が出店し、その集客状況はどうなっているのか。東京ソラマチの“今”の様子をお伝えする。
2012年5月22日に開業した東京スカイツリー。その足元には「新・下町流」をコンセプトとした東京ソラマチが広がる。

634mの足元に広がる、“新・下町流”の商業施設

着工から約4年、ついに5月22日にオープンを迎えた東京スカイツリー。世界一の高さを誇る自立式電波塔として、国内外から注目を集めているのは言うまでもないだろう。

そして、その足元に誕生した大型商業施設が「東京ソラマチ」。ファッションや雑貨・グロッサリー・スイーツ・レストランなど専門店を中心に、都内最大級の全312店舗を抱え、観光からショッピング、日常使いまで様々な目的で楽しまれている。

そもそもこの東京・墨田区の押上界隈は、蔵前をはじめモノづくりの町として名を馳せた地域である。また、江戸時代には風光明媚なリゾート地として知られた向島、花火や祭で賑わう隅田川・浅草などに囲まれている。東京ソラマチでは「新・下町流」をコンセプトに、墨田区の産業・観光・歴史・文化などをPRする「産業観光プラザ すみだ まち処」や、下町の雰囲気を取り入れた商店街風の物販ゾーン、四季を感じられる並木道など、新しい下町を感じさせる演出が目白押しだ。

開業から約2カ月たつが、観光客、地元客、子供から大人まで、幅広い客層が訪れ、連日賑わいを見せている。休日はもちろんのこと、平日でも混雑しており、午後になれば店は人で溢れかえるほどだ。

東京ソラマチには、地元客・観光客など多くの人が集まり、連日賑わいを見せている。

日本を代表する有名店が東京ソラマチに集結

東京ソラマチは、東京スカイツリーを中心に東西に伸び、3つのエリアに分けられる。東側の「イーストヤード」、タワー直下の「タワーヤード」、西側の「ウエストヤード」だ。

イーストヤードの6、7階にあるのが、東京ソラマチのメインダイニングである「ソラマチダイニング」。ここには、日本の名物料理や東京の下町の雰囲気が味わえる飲食店が並んでいる。例えば、本場仙台で長年愛されている「牛たん炭焼 利久」をはじめ、都内初出店である北海道の人気回転寿司「回転寿し トリトン」、讃岐うどんで有名な「うどん本陣 山田家」など、地方発の名物料理が6階に集まる。また、7階には浅草の老舗鰻料理店である「鰻 駒形 前川」や東京名物のもんじゃ焼きを提供する「月島名物もんじゃだるま」(SC初出店)など、地元東京の名店が並んでいる。そのほか、「世界のビール博物館」では、世界中から直輸入した樽生ビールと世界の料理が楽しめるなど、多彩なラインナップだ。

同じくイーストヤードの30、31階は、高さ約150mから東京スカイツリーを間近に望めるスペシャルダイニングゾーン「スカイツリービュー」として、高級業態の飲食店が11店舗入っている。タワーを正面に見上げる「TOP of TREE」をはじめ、記念日などに利用したくなるレストランがそろう。山形の自然派イタリアンレストランの奥田政行シェフと音楽プロデューサー・小林武史氏がタッグを組んで展開する「ラ・ソラシド」も話題性抜群だ。

一方、ウエストヤード3階には和洋中からデザートまでバラエティ豊かな店が集うフードコート「ソラマチタベテラス」が広がっている。下町の味「肉そば 業平」やビビンバ専門店「VIVAけなりぃ」など、ここにも新業態が登場。

ほかにも、中華料理の「宙寅屋(そらとらや)」(イーストヤード1階)、ロティサリーチキンを提供する「RIGOLETTO ROTISSERIE AND WINE」(タワーヤード2階)、デニーズの新業態「デニーズSOLAN」(ウエストヤード4F)など、各階に幅広いジャンルの飲食店が出店している。

東京ソラマチの活況感は?飲食店の“今”をリサーチ

東京ソラマチの飲食店の集客状況だが、全体的に目立ったのは、地元客らしきファミリー、カップル、女性グループだ。また平日の夜は、近隣のビジネスマンが夕食に訪れ、休日は中年女性をはじめ団体旅行客が増えるといった状況だ。

メインダイニングの6、7階は、曜日にかかわらず5?10人程度の行列ができる店が大半。なかには20?30人が並ぶケースもあり、待ち時間が1時間以上となっている店もあった。
一方、30、31階はゆっくり食事をする業態が多いためか、あまり長い行列は見られない。ただし店内は、ほぼ満席の状態。

特に人気が高いのが、家族やグループで利用しやすいお好み焼き「福太郎」や「月島名物もんじゃだるま」、地方の名物店「回転寿し トリトン」「牛たん炭焼 利久」、話題のラーメン店「六厘舎 TOKYO」、眺望が楽しめる「TOP of TREE」などが挙げられる。また席数が多いにもかかわらず、いつもほぼ満席なのが「世界のビール博物館」や「BEER & PUB SUPER “DRY”」だ。これらの店では、会社帰りや夕食後に家族や友人と2、3杯楽しむという姿が多く見受けられた。そして、曜日に左右されずに集客できているのは、大人のファンが付く店だ。名古屋の肉の老舗「お肉の専門店 スギモト本店」、焼肉の「叙々苑」、博多もつ鍋と博多水炊きの名店「蟻月」などには、混雑する週末を避けて訪れる年輩夫婦などもいるようだ。

一方、3階の「ソラマチタベテラス」だが、席を奪い合うほどではないにしろ、ランチ・ディナー時ともに全500席の多くが埋まっている。平均客単価が800.1000円程度とフードコートにしては少し高めの価格設定にもかかわらず、ピーク時には長蛇の列ができている。

夕暮れ時に上から東京スカイツリーの正面エントランスを眺めてみると、大勢の人々が肩を寄せて座ってスカイツリーを眺めていた。ライトアップの点灯時には、まるで花火大会のように歓声を上げていた。東京スカイツリー、そして東京ソラマチの賑わいはしばらく止みそうにない。

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