初回公開日:2024.5.24
メニュー表のデザインや構成で、注文率や客単価がアップ!
飲食店にとってメニュー表は、自店の売りやこだわりを視覚的にわかりやすくアピールできる重要なツールです。居酒屋を含む多くの繁盛店では、料理やドリンクのクオリティーだけでなく、印象に残るネーミングや魅力的なデザインのメニュー表にも工夫を凝らし、売りたい料理への注文を促進。これにより、客単価の向上や顧客満足度アップへとつなげています。
これまでぐるなび通信が取材した人気居酒屋や繁盛店の中から、特徴的なメニュー表デザインや売れるメニューの事例を10種類厳選し、その魅力と裏に隠されたデザインのノウハウを解説します。
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】から、お店作りのヒントをぜひご覧ください。
目次
1
写真付きワンシート完結型 「元祖仙台ひとくち餃子 あずま」(宮城・仙台)
2
プライスレンジ早わかりタイプ 「酒場 角のうぐいす」(福岡・博多)
3
プリント&手書きミックスで強調! 「シハチ鮮魚店」(北海道・札幌)
4
リアルなイラストで外国人でもわかる! 「UOHIDE」(東京・渋谷)
5
達筆!和紙に手書きスタイル 「メデ・イタシ」(東京・都立大学)
6
3大名物特化型 「酒場 つむぎ堂」(東京・西新宿)
7
視覚的に強調するテクニック 「食堂かど。」(東京・三軒茶屋)
8
ついつい目がいく本日のおすすめ 「大衆酒場 やがて商店」(鹿児島・霧島)
9
売りたい商品に「推」マーク 「熊の鳥焼」(大阪・中崎町)
10
トッピングを追加したくなる仕掛け 「高丸電氣」(東京・渋谷)
【番外編】扇子を使ったこんなアピール方法も 「神戸 赤ふじ 」(大阪・心斎橋)
>注文率がUPするメニュー表を作ろう!7つのポイント
>メニュー表は、税抜表記NGです!飲食店が確認すべき価格表記のポイント
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1 写真付きワンシート完結型
元祖仙台ひとくち餃子 あずま 名掛丁店(宮城・仙台)
主力メニューから前菜、おつまみ、ドリンクまでを1枚のメニューシートに集約し、利用者が一目で必要な情報を把握できるスタイルが特長です。人気料理である「焼き餃子」「蒸し餃子」「揚げ餃子」の“あずまの三大餃子”をメインに、写真付きで客にわかりやすくアピールしています。また、上部には餃子に対するこだわりや食べ方をイラストでわかりやすく紹介。食事メインの利用が多い業態であることから、ドリンクの欄は瓶ジュースやソフトドリンクをアルコール類よりも上に掲載しています。
一方で飲みの需要も取り込めるよう、「居酒屋メニュー」と大きく記載されており、メニュー表を通じて「この店での楽しみ方」や「おすすめのメニュー」が自然と理解できるようなデザインとなっています。
宮城県仙台市青葉区中央1-8-32 名掛丁センター街 1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
一口餃子で食事・飲み・持ち帰りのニーズ獲得し、坪月商73万円!~「元祖仙台ひとくち餃子 あずま 名掛丁店」(宮城・仙台)~
2 プライスレンジ早わかりタイプ
酒場 角のうぐいす 博多店(福岡・博多)
「酒場 角のうぐいす」では、フードメニューが「199円」から「699円」の5つの価格帯で構成されているため、価格軸を活用した分かりやすいメニュー表となっています。初めての訪問でもフードメニュー全体の価格の範囲が瞬時に把握でき、「現在どの程度の予算を使っているのか」を計算しやすい工夫が施されています。また、「まず注文してほしい名物!」は右上の目立つ位置に配置されることで、注文率を確実に向上させています。
さらに、価格帯ごとに少し大きな文字で「おすすめメニュー」を紹介。例えば、「大手羽Z」や「うぐいすの卵」「ギリレバ」など、一見では分かりにくいメニューには補足説明が添えられています。特に、一人飲みの需要を踏まえて、速やかに提供可能な料理には「早」マークを付け、利用シーンを想定した緻密な配慮が施されています。
福岡県福岡市博多区博多駅南1-4-10 アイビースクエア1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
人気の居酒屋はメニューの価格をどう決めている?
3 プリント&手書きミックスで強調!
シハチ鮮魚店 狸COMICHI店(北海道・札幌)
「シハチ鮮魚店」のメニュー表は、グランドメニューでありながら、プリントと手書きをミックスさせることで日替わりメニューの要素も加わっているのが特徴。鮮魚店直営ということで、毎日、旬の魚が入荷されるのが強み。そこで、定番メニューはプリントしておき、それ以外の日替わりで変わるメニューは手書きに。あえて両サイドや上部の余白にも書くことで、メニュー表全体に動きが出て、鮮魚店直営というコンセプトに合った、市場のような活気が伝わってくるデザインになっています。
書体も太さや大きさで強弱をつけており、「釧路仙鳳趾(せんぼうし)」といった産地情報や、「自家製」「魚屋の」といった店のコンセプトを体現するワード、「しまほっけ」「八角」などのおすすめの魚介を強調。あえて価格は強調せず「値段を見て悩まずとも、安心して食べたい料理、食材をオーダーできますよ」というお店のコスパの高さへの自信を感じます。
北海道札幌市中央区南二条西2-5 狸COMICHI 1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
札幌「シハチ鮮魚店 狸COMICHI店」が驚異の月商2,000万円超。鮮魚店直営を売りに昼は海鮮丼、夜は酒場として集客!
4 リアルなイラストで外国人でもわかる!
UOHIDE 渋谷Udagawa(東京・渋谷)
「UOHIDE 渋谷Udagawa」では、外国人にもやさしい工夫が施されたメニュー表作りが特徴です。「おちょこ丼ランチ」という、彩り豊かな鮮魚をミニ丼で提供する人気メニューがあり、そのバリエーションは全10種類。その中から6種・8種・10種のセットを選べる形式となっています。
このような多彩な選択肢のあるメニューを外国人に正しく伝えるために、メニュー表には英語表記を加え、商品の魅力をリアルなイラストで表現。視覚的なイメージから具体的な料理内容を理解できるようになっています。さらに、左下部分には「How to enjoy Ochoko don(おちょこ丼の楽しみ方)」として、「しょうゆ」「わさび」「白だし」の3つの食べ方をイラスト付きで説明。また、「3Ochoko Don Combos(3つのセット)」ではコースごとの内容を端的に示しています。
それぞれのミニ丼に含まれる食材やおすすめの食べ方についても詳しく記載されており、外国人客にとって注文が簡単なだけでなく、店舗スタッフへの問い合わせやオーダーミスなどを防ぐ、実用的かつデザイン性の高い設計になっています。このような一工夫は、居酒屋や飲食店の「おすすめメニュー」の効果的なデザイン事例としても参考になるでしょう。
東京都渋谷区宇田川町35-6 下田ビルB1
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
ちょこっとすぎるサイズがいい!「おちょこ丼ランチ」 UOHIDE渋谷Udagawa@渋谷
5 達筆!和紙に手書きスタイル
メデ・イタシ(東京・都立大学)
東京の和食系居酒屋「メデ・イタシ」では、季節替わりのメニュー表を「和紙」と「手書き」で丁寧に仕上げるスタイルを採用しています。料理名自体が魅力的であることも手伝い、装飾を抑えたシンプルな構成がメニュー名の印象を一層引き立てています。
和紙を使用することで「高級感」や「温かみ」を感じさせ、手書きフォントによって「その日限定」「季節だけの特別感」を演出。これにより、食事に対する期待感を高める効果が生まれています。 このスタイルが実現できる理由は、書き手の文字の美しさにあります。「メデ・イタシ」の場合、「仕」「石」「煮」など左払いに特徴があり、印象に残りやすい字体です。その滑らかで整った文字は読みやすいだけでなく、涼やかさや高級感を演出しています。こうしたメニュー表は、来店客に特別な印象を与えることで、店舗との距離をぐっと縮める役割を果たします。
東京都目黒区平町1-26-6
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
粋な和食屋の”裏看板”は、サンドイッチ!「サクとろ角煮サンド」メデ・イタシ@都立大学
6 3大名物特化型
酒場 つむぎ堂 新宿店(東京・西新宿)
メニュー表で名物を効果的にアピールしているのが「酒場 つむぎ堂」。「超ホロホロの茹でタン」「呑める餃子」「国産鶏の肉汁焼き」の3大名物をイラスト付きで紹介。「メニュー名」「イラスト」「価格」という基本情報のほかに、メニュー名の横にはびっしり書き込みが。ここにはメニューへのこだわりや食べ方、味、食感など、「ぜひ食べてもらいたい!」というお店の思いがスタッフさんの1人称で語られています。また、メニュー名をぐっと大きくすることで、より目に飛び込んできやすい効果を生んでいます。
“超ホロホロ”や“呑める餃子”、“肉汁焼きの向こう側”(肉汁焼きのタレに塩おにぎりをダイブさせる〆メニュー)といったコンパクトかつ秀逸なネーミングもさることながら、商品に込めた思いを読んでもらうことで、商品の背景・ストーリーごと注文してもらい、料理のこだわりを知ってもらいたい、おいしく食べてもらいたいという気持ちが感じられるメニュー表です。
東京都新宿区西新宿7-18-18 新宿税理士ビル別館1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
名物「茹でタン」とライブ感ある空間がSNSで拡散され、坪月商57万円の人気店に!~「酒場 つむぎ堂 新宿店」(東京・新宿)~
7 視覚的に強調するテクニック
食堂かど。(東京・三軒茶屋)
「食堂かど。」のメニュー表には、飲食店経営者にとって参考になるシンプルで実践しやすいテクニックが詰まっています。プリントされたメニュー表に赤色の筆で丸や囲みを加えるだけで、次のような効果が生まれます。
➀客の目線を意図的に誘導できる
②手作り感や個性を演出し、メニュー自体が記憶に残る
③線や丸の異なる使い方によって、伝えたいメッセージを視覚的に強調できる
特に③のポイントは、線や丸を使い分けた強調表現です。これにより、伝えるべき内容が視覚的に明確になり、注文につながるメッセージ性が高まります。この方法は、居酒屋のメニュー表などにおいても、繁盛店の事例として参考にできる有用なアイデアです。
東京都世田谷区太子堂4-26-6 ヴィラ三軒茶屋1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
必見!繁盛店「食堂かど。」2回転以上キープの術はズバリ、予約時間とメニュー
8 ついつい目がいく「本日のおすすめ」
大衆酒場 やがて商店(鹿児島・霧島)
「大衆酒場 やがて商店」の「本日のおすすめ」にはユニークなデザインが際立っています。一般的に、注目させたい情報は大きく強調するものですが、ここでは「の」という文字だけを目立たせる逆転の発想が使われています。このデザインにより、お客さんの目を強く引きつけ、「本日のおすすめ」を自然に手に取るきっかけを作っています。
また、「グランドメニューよりも『本日のおすすめ』をまず見てもらいたい」というお店側の意図が表れており、この工夫により、お店ならではのこだわりの味をお客さんが見逃すことがなくなります。さらに、手書きならではのスタッフの遊び心が垣間見える仕上がりになっているため、カジュアルな居酒屋メニューのデザインとしても親しみやすさを感じる仕掛けになっています。こうした工夫の数々は、売れるメニューを作成するための優れた事例と言えるでしょう。 手書きメニューならではの特徴として、スタッフの遊び心が表れる点が魅力です。
鹿児島県霧島市国分中央3-7-24
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
大解剖!大衆酒場~ニーズを捉え、楽しませる仕掛けが満載!~
9 売りたい商品に「推」マーク
熊の鳥焼(大阪・中崎町)
「熊の鳥焼」では、売りたいメニューがひと目でわかるようデザインされたメニュー表を使用しています。「刺身」や「鳥焼」といったカテゴリごとに、特におすすめの品は赤字で表示し「推」のマークを付けてあります。また、左上には新規来店客向けにおすすめの注文例を記載。これに従うだけで、お店の魅力を最大限に楽しむことができる構成になっています。
さらに、店舗のアイコンでもある熊のキャラクターを用いたコミカルなイラストや台詞で、親しみやすくおすすめを伝えています。各カテゴリのアイコンカラーを変えることで視認性を向上させるなど、利用者目線での細やかな配慮も施されています。
大阪府大阪市北区堂山町16-13 堂山MDビル2
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
「薪×炭の薫香焼き」「鶏肉へのこだわり」を売りに好調なスタート!「熊の鳥焼」(大阪・中崎町)
10 トッピングを追加したくなる仕掛け
高丸電氣(東京・渋谷)
「高丸電氣」のメニュー表は、トッピング選択を促す工夫が随所に施されています。特に、「焼玉子」と「焼麺」に焦点を当てたシンプルで視覚的なデザインで、トッピングが選びやすい構成になっています。「黒酢オイスターソース」や「スパイストマトソース」といったバリエーション豊富なベースソースの選択肢に加え、定番トッピングを明確に提示しているのが特徴です。
これにより、初めて利用する人も迷うことなく注文が可能。また、豪華トッピングが追加できる仕掛けとして、「カニMIX」や「いくらぶっかけ」といった高価格帯のオプションも用意されており、リピーター獲得だけでなく、客単価アップにもつながっています。
東京都渋谷区東京都渋谷区東1-25-5フィルパーク渋谷東2F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
ユニークな”仕掛け”がヒットし開店早々から大にぎわい!名物トロットロ「焼玉子」 高丸電氣@渋谷
【番外編】扇子を効果的に使った食べ方指南
神戸 赤ふじ 心斎橋店(大阪・心斎橋)
「神戸赤ふじ」では、看板メニューであるハンバーグの「おすすめの食べ方」を案内するツールとして、扇子を活用しています。テーブルセッティングの一部として置かれるこの赤富士をデザインした扇子は、視覚的なインパクトが大きく、高級感を演出。写真撮影にも最適なアイテムで、SNS映えする工夫が光る一例です。
大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-3-1 心斎橋福田ビル 1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
行列店「神戸赤ふじ」が大阪進出!黒毛和牛100%ハンバーグを客席で焼くスタイルで月商1,000万円超え!
メニュー表は、お店目線とお客様目線のバランス感覚が重要!
これまで紹介してきた繁盛店のメニュー表は、「居酒屋 繁盛店 メニュー」に関する事例を通じてわかるように、いずれも個性的なスタイルを持ちながら、共通点として「お店がどのような情報を伝えたいか」という視点と「お客さんが求めている情報は何か」という視点のバランスを巧みに取っていました。
また、「おすすめメニュー デザイン」を含めたメニュー表の文字の書体や大きさ、色、全体のレイアウト、写真やイラストの使い方まで、店舗の雰囲気やコンセプトをしっかり反映する重要なツールとなっています。
そのため、メニュー表を見直すことは、注文率や客単価を左右する重要な要素です。「飲食店」のメニュー表を「デザイン」の面からブラッシュアップしてみるだけで、売上アップにつながる可能性が広がります。「居酒屋 売れる メニュー」を目指して、さらに工夫を重ねてみましょう。
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