目次
・最高月商900万円!体験価値の提供を重視した大衆酒場
「大衆食堂 ゆしまホール」(東京・湯島)
・月間1,200人以上を集客!回転率と効率化を追求し、低価格でも利益を確保
「大衆酒場 やがて商店」(鹿児島・霧島)
・魚・肉寿司を二大看板に!飽きさせないメニューでリピートを高める
「すし酒場 すさび湯」(大阪・東梅田)
コロナ禍でも人気の大衆酒場。最近では寿司酒場、天ぷら酒場、中華酒場など、さまざまなジャンルの酒場が誕生し、繁盛している。そこで、人気の大衆酒場3店舗のメニューやドリンク、演出などを紹介。
「体験しに来ること」を意識した店づくりをして最高月商900万円を売り上げる東京・湯島の店、立ち飲みで回転率を高め、セルフサービスで楽しみを提供するとともに業務量を抑えて利益を確保している鹿児島・霧島の店、魚・肉寿司の二枚看板のメニューと飽きさせない工夫でリピーターを獲得する大阪・東梅田の店から、大衆酒場の人気の理由や仕掛けを探る。
最高月商900万円!体験価値の提供を重視した大衆酒場
東京都文京区湯島3-34-8
https://r.gnavi.co.jp/hbgcbymz0000/
食事利用にも力を入れ、コロナ禍でも客足が途切れない店に
2020年10月、東京・地下鉄湯島駅から徒歩1分のところにオープンした「大衆食堂 ゆしまホール」。「食事も楽しめる大衆酒場」をコンセプトに、23坪の店内にカウンター、テーブル席合わせて約60席を設ける。「コロナ禍での開業ということで、ランチから夜の飲みまで利用できる使い勝手のいい店にしたいと考えました」とオーナーの山田泰裕氏は語る。狙い通り、酒場利用だけでなく食事需要も獲得し、平均月商700万円を売り上げる。
メインの客層は20代前半~30代半ばの女性。当初は男性ビジネス層の来店を想定していたが、Instagramに頻繁に投稿されるようになり、それを見て来店する若い層が増加した。その人気の理由は「食べに来るというより体験しに来る」ことを意識した店づくりにある。店内を華やかなネオン管照明や料理のイラストが入った手書きメニューの短冊で飾り、今どきかつレトロ感のある空間に仕上げた。また大衆酒場の定番メニューに「スパイシー煮卵」(220円)、「よだれ鶏」(500円)など中国・台湾料理を加え、他店と差別化。「コロナ禍で海外に気軽に行けないので、旅行気分を味わってもらいたい。あえてパクチーなどクセのある食材を使い、印象に残るようにしています」と山田氏は話す。
料理やドリンクも「体験」を重視し、写真に撮って人に伝えたくなるようなメニューをそろえる。人気の「こぼれ麻婆豆腐」(660円)はわざと皿からあふれさせたインパクトのある一品で、注文率50%以上を誇る。そのほかサバの缶詰を使った「鯖缶ポテサラ」(420円)、タンを低温調理した「葱タン」(540円)なども好評だ。
ドリンクの売れ筋は、見た目の面白さからメニューに取り入れたという「映えなシャリキン」(各500円)。金宮焼酎を凍らせた氷に、それぞれ赤、緑、青、黄とカラフルな割材を瓶ごとグラスに差して提供する。当初は2種類だったが、4人グループが1種類ずつ注文し並べて写真を撮ることを想定して4種類に増やした。「初恋のゆしま(緑)」「霹靂(へきれき)のエナジー(黄)」といった変わったネーミングも特徴。「何だろうと思ってもらい、スタッフとの会話のきっかけになればと考えています」(山田氏)。コミュニケーションを活発にし、店内に活気が生まれる仕掛けの一つになっている。
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また、「お得なボトル飲み」(金宮ボトル720ml1,870円、宝焼酎ボトル360ml1,100円)を用意し、1カ月間ボトルキープができるようにして再来店を促進。「ひやしあめ」「いちごミルク」(各330円)などレトロ感のある缶の割材を豊富にそろえるほか、イチゴやキウイなど生のフルーツ(220円~)も追加オーダーできるようにし、さまざまな楽しみ方を提案している。
何度でも気軽に来店できるよう客単価2,000円で収まるようにメニュー構成と価格を設定。お通し代は取っておらず、食事だけの利用客も多い。家賃の安い居抜き物件を探して初期投資や毎月の固定費を抑えつつ、通し営業で来店客数を増やすことで利益を確保している。
販促は飲食店検索サイトのほか、SNSでの発信・拡散を重視。オープン当初にはインフルエンサーを招待して周知を図り、現在は自店のInstagramアカウントで1日1回はストーリーズを更新するなど情報発信に努めている。「いくらおいしい料理があっても、知ってもらえなければ意味がありません。いかに外に向けて店の魅力を発信するかが重要」と山田氏。月商は平均700万円、2021年12月には過去最高の約900万円を達成した。今後は「定期的に店舗を見直し、コンセプトやメニューを柔軟に変えていきたい」(山田氏)と言い、時代の潮流を捉えるべく日々アンテナを張っている。
月間1,200人以上を集客!回転率と効率化を追求し、低価格でも利益を確保
鹿児島県霧島市国分中央3-7-24
https://r.gnavi.co.jp/au2xe4xu0000/
セルフサービスでも楽しく・喜ばれる仕組みに
「この街にありそうでない店」をコンセプトに、2021年12月オープンした「やがて商店」。1カ月で1,200人以上が来店する鹿児島・霧島で人気の大衆酒場だ。20~60代まで幅広い層が訪れ、昼飲み、宴会前や二次会のサク飲み、仕事帰りのちょい飲みなどで利用されており、来店客の半数近くを女性が占めている。
オーナーの立元悠樹氏は、「都会で流行っている昼飲みや立飲みの店は、周辺にほぼありませんでした。ですが、潜在的なニーズはあると感じていましたし、街の活性化にもつながると思い、昼飲みもできる大衆酒場を出店しました」と、経緯を語る。ビールケースで手作りしたテーブルと椅子、立ち飲みのカウンターが、昭和の酒場感を漂わせる一方、開放感のある高い天井やネオン管照明を取り入れ、若い人も利用しやすい現代的な雰囲気にもこだわった。
最大の売りは何といっても“低価格”であること。一押しの「せんべろセット」は、1,000円でドリンク3杯とフード1品が楽しめ、来店のフックになっている。また、サワーや焼酎がセルフサービスで1時間飲み放題になる「勝手に飲み放題」は800円で提供しており、来店客の半数が注文。単品の焼酎は1杯250円、サワー350円で販売しており、「お客様に一番得する方法を選んで楽しんでほしいので、ビールを含めて複数杯飲みたいのであれば『せんべろセット』、焼酎3杯まででいいなら単品注文など、安く飲めるメニューを案内することもあります」と立元氏は語る。
フードのグランドメニューは150~500円で設定。「串天ぷら」各種150円、7〜8種類の魚種を盛り合わせた「刺身のやがて盛」、「おでん食べ放題」はともに500円。そのほか「本日のおすすめ」として、旬な食材を使ったメニューをそろえ、飽きがこないメニュー構成に。1人2,000円前後でフードもドリンクもしっかり楽しむことができるラインナップとなっており、平均客単価は1,800円だ。
「原価率は30~33%」(立元氏)と多くの飲食店が目安とする原価率とほぼ変わらないが、利益を確保できるのは高い回転率と効率的なオペレーションを追求しているためだ。「立ち飲みで回転率を高めていることもあり、お客様の多くは30分から1時間の滞在です。人通りの多い立地のため、すぐに次のお客様で埋まるので、2時間で2人来店すれば4,000円弱の売上になり、居酒屋の1人2時間滞在と変わらない売上になります」と立元氏。
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また、開店当初からモバイルオーダーを導入し、オペレーションを軽減。同時に、「勝手に飲み放題」や「おでん食べ放題」などをセルフサービスにすることで、来店客には銘柄や具材を選ぶ楽しさを感じてもらい、店としては業務量を抑えつつ、ユニークな取り組みとして話題性を高めることにもつなげている。「手を掛けるところは掛け、システムを導入して効率化させるなどして、25坪の店を平日は2人で回すことができます」と立元氏は語る。
販促では、飲食店検索サイトのほかInstagramなども活用し、店内の様子や新メニューなどの情報を発信。現代的な大衆酒場感、手ごろな価格、利用しやすい空間などが受け、平日夜は50〜60人、週末には100〜120人が来店するという。
今後はさらなる集客増を目指すとともに、地元の食材に特化した店や焼酎バーの出店も検討中で、スタッフとともに海外進出も視野に入れている。
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魚・肉寿司を二大看板に!飽きさせないメニューでリピートを高める
大阪府大阪市北区小松原町5-5
https://r.gnavi.co.jp/21sucp3t0000/
来店のフックになる名物メニューを開発し、認知度アップ
大阪市内を中心に飲食店を経営している株式会社イニシエートは2021年2月、梅田駅の東に位置する阪急東中通商店街の一画に「すし酒場 すさび湯」をオープン。東中通商店街界隈には寿司業態が少ないことから、「寿司と酒を気軽に楽しめる大衆寿司酒場」をコンセプトに出店した。席数は1~3階全121席で、20代を中心に集客し、仕事帰りのビジネス層などのリピーターも多く獲得。週末には満席になるという。
店名の「すさび」とは「遊ぶ」を意味し、幅広い層が遊ぶような感覚で訪れてほしいとの願いを込めており、店内は銭湯をモチーフにタイルやのれんなどを使い、どこか懐かしい雰囲気を演出。
メインメニューとなる寿司では、魚寿司と肉寿司を二枚看板として据えており、どちらも集客のフックとなるよう名物メニューを開発。魚寿司では、「蟹ユッケ甲羅寿司」(880円)が大人気。カニの甲羅にシャリを詰め、その上にウニやイクラ、カニ、肉などをたっぷりのせている。その華やかなビジュアルから、「これを目当てに来店する方も多く、初めて来られた方はほぼ全員注文されます」と料理長の石田幸広氏は語る。
肉寿司では、肉ネタの上に甘く煮たタマネギと卵の黄身をのせた「すき焼き手毬」(308円)、たたいた肉とネギダレを混ぜて寿司にした「ネギ塩ユッケ」(242円)などを開発。「肉の色鮮やかさを生かし、よりおしゃれに、スタイリッシュに提供することにこだわりました。魚・肉どちらの寿司も楽しめることで、他店と差別化を図っています」(石田氏)。
寿司だけでなく、天ぷらや酒場の一品メニューも楽しめることも人気の理由。天ぷらは77円~で、定番ネタだけでなくコーンポタージュ風に味付けした「コンポタ」(110円)など創作天ぷらもそろえる。そのほか、「枝豆」(308円)や「出し巻き」(528円)といった定番メニュー、月に1回変更する旬な食材を使ったメニュー「今月のおすすめ」もラインナップ。また、「北海道フェア」などのフェアも定期的に開催し、飽きがこないよう工夫する。「初来店の方は名物メニューを中心に注文されますが、リピーターは名物以外のメニューを注文される傾向にあります。名物だけでなく、ほかのメニューも気に入っていただいてリピートされていると感じています」と石田氏は分析する。
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ドリンクはビール(396円)やサワー、ハイボール(各209円~)など幅広くそろえ、最近では特に日本酒に力を入れる。2週間に一度おすすめの日本酒を入れ替え、いつ来ても違う銘柄が楽しめるようにしているという。
販促では、飲食店検索サイトやInstagramなどを活用しながらおすすめの料理やドリンクの情報を発信。また、年末に向け名物を盛り込んだ飲み放題付きコース(4,500~7,000円)をぐるなびなどで発信し、予約獲得に向け動いている。
2022年9月には2号店となる「すさび湯 お初天神店」をオープン。好調の波に乗り、同11月には兵庫・三宮にも出店を予定しており、今後も一層の発展を目指していく。
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