メニュー表のデザイン、構成、書き方次第で注文率や客単価がアップ!
飲食店にとってメニュー表は、自店の売りやこだわりをわかりやすく伝えられる重要なツールです。人気店は、料理やドリンクのクオリティーだけでなく、ネーミングやそれを掲示するメニュー表にもこだわり、食べてもらいたい料理に注文が集まるようにして、結果的に客単価や顧客満足度のアップにつなげています。
これまでぐるなび通信が取材した繁盛店の中から特徴的なメニュー表を10種ピックアップし、そこに隠されたノウハウをひもといていきます。
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】から、お店の情報もぜひご覧ください。
目次
1写真付きワンシート完結型「元祖仙台ひとくち餃子 あずま」(宮城・仙台)
2プライスレンジ早わかりタイプ「酒場 角のうぐいす」(福岡・博多)
3達筆!和紙に手書きスタイル「メデ・イタシ」(東京・都立大学)
43大名物特化型「酒場 つむぎ堂」(東京・西新宿)
5プリント&手書きミックスで“日替わり感”を強調!「シハチ鮮魚店」(北海道・札幌)
6一筆で3度おいしいテクニック「食堂かど。」(東京・三軒茶屋)
7目を引くリアルなイラストで外国人にもわかりやすく!「UOHIDE」(東京・渋谷)
8ついつい目がいく本日のおすすめ「大衆酒場 やがて商店」(鹿児島・霧島)
9「何を注文すればいいか」迷わないオーダーマネジメント式「熊の鳥焼」(大阪・中崎町)
10自然とトッピングが追加したくなる仕掛け「高丸電氣」(東京・渋谷)
【番外編】扇子を使ったこんなアピール方法も「神戸 赤ふじ 」(大阪・心斎橋)
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1 写真付きワンシート完結型
元祖仙台ひとくち餃子 あずま 名掛丁店(宮城・仙台)
主力メニューから前菜やおつまみ、ドリンクまでをメニューシート1枚で網羅し、一通りのオーダーを完結できるスタイルのメニュー表。名物の「焼き餃子」「蒸し餃子」「揚げ餃子」の“あずまの三大餃子”を筆頭に、来店客にオーダーしてもらいたい料理は写真付きでアピールしています。上部には、餃子のこだわりと食べ方をわかりやすくイラストで説明。食事メインの利用が多い業態であることから、ドリンクの欄は瓶ジュースやソフトドリンクをアルコール類よりも上に掲載しています。
一方で飲みの需要も獲得できるように「居酒屋メニュー」と大きく記載しており、メニュー表を通して「この店の使い方」「オーダーすべき商品」が自然とわかる構造になっているのがポイントです。
宮城県仙台市青葉区中央1-8-32 名掛丁センター街 1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
一口餃子で食事・飲み・持ち帰りのニーズ獲得し、坪月商73万円!~「元祖仙台ひとくち餃子 あずま 名掛丁店」(宮城・仙台)~
2 プライスレンジ早わかりタイプ
酒場 角のうぐいす 博多店(福岡・博多)
フードメニューが「199円」~「699円」までの5つの価格帯に分かれている「酒場 角のうぐいす」の、価格を軸にしたメニュー表。初めて来た人でもフードメニュー全体のプライスレンジが2秒でわかり、「今いくらくらいオーダーしたか」を計算しながら、その日の予算と相談しながらオーダーを進めやすいのが特徴。一方で、「食べるべき名物!」だけは最初に目がいく右上に掲載して、オーダー率を高めているのもポイントです。
また、それぞれの価格枠の中で少しだけ大きい文字で掲載しているのがその枠の中のおすすめ品。特に「大手羽Z」「うぐいすの卵」「ギリレバ」など、名前を聞いただけではどんな料理かわかりにくいものには補足の説明を入れています。加えて、サクッと飲みたい一人客も多いことから、早く提供できる料理には「早」マークを付けるなど、客層や利用シーンを意識した配慮が光ります。右上の名物から始まり、それぞれの価格帯の売りの料理や気になる料理をオーダーし、最後は左下のお茶漬けで〆てくださいという、店からの無言のメッセージが伝わるシートです。
福岡県福岡市博多区博多駅南1-4-10 アイビースクエア1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
人気の居酒屋はメニューの価格をどう決めている?
3 達筆!和紙に手書きスタイル
メデ・イタシ(東京・都立大学)
和食系居酒屋「メデ・イタシ」の季節替わりのメニュー表は和紙に手書きするスタイル。料理名だけでも興味をそそられるものが多いこともあり、シンプルなスタイルによって一層メニュー名が引き立っています。和紙を使うことで、「高級感」「柔らかさ」を演出できますし、手書きにすることで“その日だけ”“その季節ならでは”という「特別感」を創出し、料理への期待値を高めることにもつなげられます。
このスタイルができるのも書き手の文字の美しさがあってこそ。「達筆」と一言に言ってもさまざまですが、「メデ・イタシ」の場合は「仕」「石」「煮」などの左払いに特徴があって印象に残りやすく、読みやすく、どこか涼やかで高級感を感じさせる字体です。文字には書き手の思いも現れるため、こういうメニュー表があることで来店客とお店との距離がぐっと近づけてくれる一つのきっかけになりそうです。
東京都目黒区平町1-26-6
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
粋な和食屋の”裏看板”は、サンドイッチ!「サクとろ角煮サンド」メデ・イタシ@都立大学
4 3大名物特化型
酒場 つむぎ堂 新宿店(東京・西新宿)
メニュー表で名物を効果的にアピールしているのが「酒場 つむぎ堂」。「超ホロホロの茹でタン」「呑める餃子」「国産鶏の肉汁焼き」の3大名物をイラスト付きで紹介。「メニュー名」「イラスト」「価格」という基本情報のほかに、メニュー名の横にはびっしり書き込みが。ここにはメニューへのこだわりや食べ方、味、食感など、「ぜひ食べてもらいたい!」というお店の思いがスタッフさんの1人称で語られています。また、メニュー名をぐっと大きくすることで、より目に飛び込んできやすい効果を生んでいます。
“超ホロホロ”や“呑める餃子”、“肉汁焼きの向こう側”(肉汁焼きのタレに塩おにぎりをダイブさせる〆メニュー)といったコンパクトかつ秀逸なネーミングもさることながら、商品に込めた思いを読んでもらうことで、商品の背景・ストーリーごと注文してもらい、料理のこだわりを知ってもらいたい、おいしく食べてもらいたいという気持ちが感じられるメニュー表です。
東京都新宿区西新宿7-18-18 新宿税理士ビル別館1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
名物「茹でタン」とライブ感ある空間がSNSで拡散され、坪月商57万円の人気店に!~「酒場 つむぎ堂 新宿店」(東京・新宿)~
5 “日替わり感”を強調するプリント&手書きミックス版
シハチ鮮魚店 狸COMICHI店(北海道・札幌)
「シハチ鮮魚店」のメニュー表は、グランドメニューでありながら、プリントと手書きをミックスさせることで日替わりメニューの要素も加わっているのが特徴。鮮魚店直営ということで、毎日、旬の魚が入荷されるのが強み。そこで、定番メニューはプリントしておき、それ以外の日替わりで変わるメニューは手書きに。あえて両サイドや上部の余白にも書くことで、メニュー表全体に動きが出て、鮮魚店直営というコンセプトに合った、市場のような活気が伝わってくるデザインになっています。
書体も太さや大きさで強弱をつけており、「釧路仙鳳趾(せんぼうし)」といった産地情報や、「自家製」「魚屋の」といった店のコンセプトを体現するワード、「しまほっけ」「八角」などのおすすめの魚介を強調。あえて価格は強調せず「値段を見て悩まずとも、安心して食べたい料理、食材をオーダーできますよ」というお店のコスパの高さへの自信を感じます。
北海道札幌市中央区南二条西2-5 狸COMICHI 1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
札幌「シハチ鮮魚店 狸COMICHI店」が驚異の月商2,000万円超。鮮魚店直営を売りに昼は海鮮丼、夜は酒場として集客!
6 一筆で3度おいしいテクニック
食堂かど。(東京・三軒茶屋)
シンプルで今日から実践しやすいテクニックが「食堂かど。」のメニュー表にあります。プリントされたメニュー表に筆で赤く丸や囲みを書いたもので、これが効果抜群。
➀「目線を誘導できる」
②「メニュー表全体に動きや手作り感が出て印象に残りやすい」
③「線や丸、囲みの使い分けで伝えたいメッセージを変えられる」
という、一筆で3つの効果を発揮するテクニックです。
特に③については、線や丸を使って強調したい部分を変えているのがポイントでしょう。
東京都世田谷区太子堂4-26-6 ヴィラ三軒茶屋1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
必見!繁盛店「食堂かど。」2回転以上キープの術はズバリ、予約時間とメニュー
7 目を引くリアルなイラストで外国人にもわかりやすく!
UOHIDE 渋谷Udagawa(東京・渋谷)
鮮魚で彩られるミニ丼を堪能できる「おちょこ丼ランチ」を売りに外国人客も急増している「UOHIDE 渋谷Udagawa」。「おちょこ丼ランチ」は、全10種類あるミニ丼の中から6種・8種・10種のいずれかを選ぶメニュー。おすすめの食べ方もあり、このメニューのオーダーの仕方やおいしい食べ方を外国人にわかりやすく説明するのは簡単ではありません。そこでメニュー表を英語に翻訳した外国人向けのメニュー表(写真)を用意。初めて来店する人が商品の見た目を想像できるよう、リアルなテイストのイラストでイメージを伝えています。
また、左下には「How to enjoy Ochoko don(おちょこ丼の楽しみ方=召し上がり方)」として、「しょうゆ」「わさび」「白だし」の3パターンを紹介。その右側では、「3Ochoko Don Combos(おちょこ丼の3つのセット=コース)」で3種類あるコースを分かりやすく説明しています。さらに、それぞれのミニ丼に入っている食材やおすすめの食べ方も説明しており、外国人もこれを読めば安心してオーダーや食事ができるはず。また、このシートがあることで、スタッフに対して「どうやってオーダーしたらいいの?」「どうたべたらいいの?」という質問はされないはずなので、オペレーションの負荷軽減にも貢献するシートといえるでしょう。
東京都渋谷区宇田川町35-6 下田ビルB1
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
ちょこっとすぎるサイズがいい!「おちょこ丼ランチ」 UOHIDE渋谷Udagawa@渋谷
8 「そこを強調する!?」と、ついつい目がいく「本日のおすすめ」
大衆酒場 やがて商店(鹿児島・霧島)
逆転の発想がおもしろいのが「大衆酒場 やがて商店」の「本日のおすすめ」(写真左)。一般的に、読ませたい情報を大きくしたくなるものですが、特に目立たせる必要のない「の」だけを大きくしています。こうすることでパッと見たときにほとんどのお客さんが、「本日のおすすめ」を手に取るはず。「名物が記載されているグランドメニュー(同右)より先に、まず『本日のおすすめ』を見てほしい」というお店の思いが読み取れます。
手書きだからこそ、書いているスタッフさんの遊び心も感じ取れて楽しいです。加えて、一番上にある「本日のおすすめ」の「の」と、ほかの料理の「の」を同じ大きさで書くことで全体の統一感を出しているのも細かいテクニックといえそうです。
鹿児島県霧島市国分中央3-7-24
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
大解剖!大衆酒場~ニーズを捉え、楽しませる仕掛けが満載!~
9 注文に迷わないオーダーマネジメント式
熊の鳥焼(大阪・中崎町)
「熊の鳥焼」の単品メニューは、客がオーダー時に迷わないよう、売りたいメニューを明確化しているメニュー表です。「刺身」「鳥焼」など各カテゴリの中でも売りたいメニューを赤字にして「推」のマークを付けています。左上には、アラカルトでのおすすめの注文例を記載しており、新規客であればこの通りに注文すれば間違いないということが伝わりやすくなっています。
また、店のシンボルである熊のキャラクターに台詞付けをすることで、おすすめをソフトに伝えしたり、「刺身」「鳥焼」などのメニューカテゴリのアイコンの色を変えて目を引くようにするなど、細かいテクニックが詰まっています。
大阪府大阪市北区堂山町16-13 堂山MDビル2
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
「薪×炭の薫香焼き」「鶏肉へのこだわり」を売りに好調なスタート!「熊の鳥焼」(大阪・中崎町)
10 自然とトッピングが追加したくなる仕掛け
高丸電氣(東京・渋谷)
「高丸電氣」の3大名物のメニュー表は、「トッピング」に目がいく構成。「焼玉子」「焼麺」はそれぞれ+100円~+600円のレンジで17種類のトッピングが選べるのが魅力。特に名物の「焼玉子」は、黒酢オイスターソースかスパイストマトソースのどちらかを選ぶのですが、初めての人やおすすめを知りたい人が注文しやすいようにメニュー表ではそれぞれの定番トッピングを表記しています。
当然これを見ればトッピングを追加したくなりますし、1度目の来店で定番のトッピングを堪能し、2度目は違うトッピングを・・・とリピーター獲得にもつながるのはもちろん、たとえば「カニMIX」(450円)、「からすみ」(500円)、「いくらぶっかけ」「生うに」(各600円)をトッピングした豪華版「焼玉子」(2,800円)など、客単価アップにもつながる仕掛けのスタート地点がこのメニュー表といえます。
東京都渋谷区東京都渋谷区東1-25-5フィルパーク渋谷東2F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
ユニークな”仕掛け”がヒットし開店早々から大にぎわい!名物トロットロ「焼玉子」 高丸電氣@渋谷
【番外編】扇子を効果的に使った食べ方指南
神戸 赤ふじ 心斎橋店(大阪・心斎橋)
最後に一つ、番外編です。「神戸赤ふじ」では看板メニューであるハンバーグの「召し上がり方」を扇子に書き込み、テーブルにセッティング。縁起のいい赤富士が描かれた扇子があらかじめテーブルに開いてセッティングされており、売りのハンバーグの食べ方を記載。高級感を創出し、思わず写真に撮りたくなるアイテムとしても秀逸です。
大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-3-1 心斎橋福田ビル 1F
【詳しい情報は、以下記事をチェック!】
行列店「神戸赤ふじ」が大阪進出!黒毛和牛100%ハンバーグを客席で焼くスタイルで月商1,000万円超え!
メニュー表は、お店目線とお客様目線のバランス感覚が重要!
これまで紹介してきた繁盛店のメニュー表は、いずれもスタイルが異なりますが、共通しているのは、「お店がどんな情報を伝えたいか」という目線と、「お客さんが求めている情報は何か」という目線のバランスがよい点です。
また、メニュー表に使う文字の書体や大きさ、色のほか、全体のデザイン、写真やイラストの有無などの構成要素が店の雰囲気・コンセプトと合っていることも共通点と言えそうです。
メニュー表を見直すことが、売上アップにつながる近道かもしれません。より注文率が上がるメニュー表を目指して、ブラッシュアップしてみましょう。
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